はじめに


自分がスーパー無能パーソンだった経験が、1年半経ってようやく自分の血肉になってきた気がするのですが、その経験から気づいたことの一つに、「撤退の判断を現場で戦っている兵士にさせてはならない」というものがあります。
軽い比喩になっているので言い換えると、「担当者が業務をうまく回せていない場面で、引き続きこの業務を担当させ続けるか。」という判断は、当該担当者ではなく、その上長がしなければならない、という話です。

担当者本人は継続すべきかを正しく判断できない


継続判断は担当者ではなく、マネージャがすべきということは、マネージャーの役割論のようなものではありません。もっとシンプルに「現場でうまくやれていない人が、今後もその業務を担当し続けるべきかについて正しく判断することは期待できない」というだけのことです。だって、現に今うまくやれてないんだもん。

そのため、マネージャーとしては、メンバーがうまくやれていないときは、担当を継続させるかを見続けなければないし、また、継続させるべきでないと判断したら、本人の意向がどうであれ、その業務から外さなきゃならないんですよね。担当継続の判断を間違えるということは、会社のみならず本人にとっても不幸なことなので、一見冷たいようでいて、長い目で見ると却って本人のためになることだと思います。
なお、本人が「まだやれます」と言うのを真に受けるのは正しい判断ではないことが少なくありません。例外は、本人のやる気が継続判断に重要な要因であるケースなわけですが、やる気でなんとかなる場面はそもそも限定的ですからね。

正しい撤退判断は再挑戦を促してくれる


世の中には精神的に極めてタフな方も存在するので全員が全員そうというわけではないのですが、完膚なきまでに敗北し、無力感を味わうと、苦手意識が染み付いてしまったり、やる気が削がれてしまったりして、再挑戦する気にはなかなかなれなくなります。
そうなる前に、あたかもタオルを投げたセコンドに「まだやれる」と詰め寄るくらいの元気が残っているうちに手を引かせて、改善すべき点を明確に指摘するとともに期待していることを伝え、次のチャンスまでに刃を研いどけと言ったほうがずっとやる気になるものです。
一度折れた心と、心が折れるまで現場に取り残したマネージャーに対する信頼の喪失は、なかなかすぐには元に戻らないものですから。

現場で負けている兵士であるあなたに


かつての僕のように、現場で無力感に苛まれ、立ちすくんでいる方に伝えたいのは、月並みですが、あなたが今の現場でうまくやれていなことは、あなた自身の価値を決める決定的な要素ではないということです。
戦場が変われば、または同じ戦場でも指揮官が変われば、同じ人が目覚ましい活躍をすることは珍しいことではありません。
諦めず、深刻にならず、斜に構えず、できる範囲で目の前の敵と戦い、今を乗り切りましょう。本当の戦争と違って、負けても命を取られるわけじゃないんです。
もちろん、その戦場から立ち去るのも悪いことではないですが、今うまくやれていない自分の判断でそうするのではなく、信頼できる部外者(前職の先輩など。適切な人がいないならカウンセラーやエージェントなどのプロの手を借りるのも良いアイデアです)にまず相談しましょう。もしかすると、今立っているのは崖っぷちかもしれないし、ゴールまで後一歩なのかもしれないし、そのどちらでもないかもしれない。いずれにせよ、自分でそれを見極めるのは、とても難しいことなので。

と、朝ランニングしながら思ったことを書いて、お仕事に向かいます。
今日も一日、生き延びましょう!
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昨今の将棋ブームに乗っかって、某県の高校生将棋大会の新人戦で3位という微妙この上ない成績を収めたわたくしが、良い目標設定をするためのコツを将棋をモチーフに考えるというエントリーを朝の30分で書いてみようというチャレンジです(現在8:48)

担当する駒を特定する


将棋とビジネスの大きな違いの一つに、意思決定の集中・分散を挙げられます。
つまり、将棋は棋士が全ての駒の動きをコントロールするのに対し、ビジネスは、各駒(従業員)が、ある程度自律して動く、という違いです。そのため、将棋とは違い、ビジネスでは各駒が、自分がどう動くべきかを考える必要があるのです。そして、「今期こう動く」という宣言が、目標設定に他なりません。

そう考えると、目標設定に先立って、自分がどの駒を担当するのかを特定する必要があることに気づきます。例えば、飛車先の歩であれば、相手の王に止めを刺すことを目標にすべきでないことは当然ですし、さらに言えば成り込むことを目標にするのも基本的には間違いです。飛車先の歩は、ベストなタイミングで対面する歩に襲いかかるのが最重要かつ唯一の目標になるのです。
逆に、自分が王であれば、相手の駒の影響から遠ざかることが目標になります。そのために、味方の駒をある程度犠牲にすることも必要になります。

このように、担当する駒によって、どう動くかが大きく変わるので、まず目標を設定する前に、自分がどの駒を担当するのかを特定する必要があるのです。

ゴールを見失わない


将棋のゴールは、相手の王を詰ますことにあります。そのため、自分の目標も、相手の王を詰ますためにどのように役に立つかを意識する必要があるのです。
例えば、飛車角といった大駒を相手に取られると、基本的に局面は大きく自分に不利な状況に傾いてしまいます。だからといって、飛車角を担当している人が「相手に取られないこと」を目標とし、逃げ回っていてはゴールである「相手の王を詰ます」ことに全く貢献できません。必要な場面ではリスクを取り、場合によっては確実な敗北を受け入れて、ゴール達成の礎になる必要があるのです。
実際のビジネスでは、ゴールは必ずしも明確とは言えません。しかし、だからこそ追求すべきゴールを明確にし、そのゴールへの到達に貢献できる目標を設定することが重要になります。

局面の変化を捉える


当初は囲いに使われていた金銀が、局面の変化に伴って攻め駒に転じることは少なくありません。機種に立てた目標が、仮に「王を死守する」であったとしても、局面の変化に伴って役割を変えるべき状況に至った場合には、柔軟に目標を再設定する必要があります。
ただ、「あなたは守り駒だよね」というコンセンサスが他の味方の駒にあった場合、自分の判断だけで動きを変えてしまうと、周囲との足並みが必ず乱れてしまいます。そのため、目標の再設定は、最低でも上司とだけは共通認識を形成する必要があります。
状況の変化にあわせて勝手に目標を変え、評価の段になって「今期は期中に色々あったので、当初の目標は達成できませんでした。」といきなり言われても、共通認識がなければ評価者は戸惑ってしまいます。最悪のケースでは、その独断によって味方の王が詰まされてしまうことにもなりかねません。

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冒頭に触れた、将棋とビジネスの違いの「自律性」は、実は決定的な差であり、むちゃくちゃ無理があるな、ということに書きながら気づいたのですが、正直30分で軌道修正することは不可能だったので最後まで書ききってしまいました。

それでは、今週も頑張りましょう!
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昔「質問で評価を落としてしまう8つのパターンと改善方法」というエントリーを書いたことがあったのですが、これが想定していたのは新人や転入者が質問者になるケースでした。

ですが、つい先日、上司や先輩がよくない質問をしているケースもあるよね、という話を最近部内でする機会があったので、今回はそっち方面をまとめてみようと思いました。

テーマは、人を病ませてしまう質問。

1.質問の形をとった非難
期限までに依頼した仕事が仕上がってこなかったときの「なんでできてないの?」という質問の多くが、この「質問の形をとった非難」です。「なぜ」と聞きつつ、言いたいことは「期限までに間に合わせなかったことの不満」でしかないというもので、3パターンのうち、もっとも見かける頻度が高い質問です。
この「質問の形をとった非難」では、形式的には理由を尋ねていながら、その意図は非難にあります。そのため、回答者が「忙しくて手を付けられませんでした」「わからないことがあって調べていました」みたいに理由を答えてしまおうものなら、「言い訳するな!」とか「状況を聞かれる前に自分から報告しろ」と叱責されるのが関の山。質問者は「なぜ」とは言っているものの、別に理由を聞きたくて質問をしているわけではないので、このような理不尽なやりとりが発生してしまうのです。
そして、「質問の形をとった非難」が常態化した関係下では、質問への回答は、謝罪の言葉から始まるようになります。「なぜ」に対して「申し訳ございません」が返ってくる。全く噛み合っていないようでいて、実はぴったり噛み合っているのです。
こうなると、純粋な理由の質問も非難の色合いを帯びるようになり、「申し訳ございません」から回答が始まるようになってしまいます。そして、その原因は、質問者の方にあるのです。

2.宣言を強要する質問
まだ諦めるなよと思いながら「ここで諦めるか?」と聞いたり、チャレンジすると言えと思いながら「チャレンジしてみるか?」と尋ねる質問です。
質問された側には質問者の意図は透けるものなので、真意がどうであれ、この質問を受けたらやるというしかありません。また、もし勇気を出して諦める方向で答えても「本当にそれでいいのか?」などと聞かれてしまうのは、さながら「はい」を選ぶまで先に進めないドラクエのループ質問のようです。
それだけであればまだ良いのですが、「自分でやる/やれると言ったんだろう」といった具合に追い詰める材料に使われてしまいがちなのが罪深い。
言ってる方は自発性を引き出してるつもりかもしれませんが、やってることは、「やる気がないなら帰れ」と怒鳴りつける部活の指導者とさほど違いはありません。
シンプルかつストレートに「君にはやれると思っているし、やってほしいと思っている。諦めずにがんばってほしい。」と伝えたほうが、偽りの自発性を引き出すよりもよっぽど効果的ですよ。

3.正解を当てさせる質問
上司や先輩が、部下や後輩を教育する意図で、すでに自分の中に「こうすべき」という確信があるにも関わらず、「どうすればいいと思う?」と尋ねることがあります。それが、この「正解を当てさせる質問」です。
質問者は、自分の頭で考えて答えにたどり着いてほしいと願ってそうするのですが、基本的に、育成の対象になっている人が自分の頭で正解にたどり着くことはできません。そのため、「ちがうな」「もっとよく考えろ」といった具合に問答が何度も繰り返されることになり、その様相はまるで千本ノックです。
そして、この種の質問を受け続け、考えた答えを否定され続けた人は、「正解」ではなく、「質問者が正解だと思っていること」が何かを考えるようになってしまうのです。たまに正解を当てた際に「そうだよ、その通り」などと褒められてしまおうものなら、さらにその傾向は強くなるでしょう。
もしやるなら、正解にたどり着く思考法や前提知識をしっかり伝えた上で、それをどう使うか、どう適用していくのかの訓練の場面で質問を使うようにする必要があるのです。
育成のための質問のつもりが、ただのマウンティング、または質問者の自己満足になってはいないでしょうか?



上記の3パターンに共通するのは、「質問の形式を取っているが、質問する意図はない」という点です。そのため、このような質問を回避するための対策もシンプルで、それは「質問の意図があるとき以外は、質問の形式を取らない。」というだけのことなのです。
もちろん、コーチングに長けた方は、「質問の意図のない質問」をうまくつかってモチベーションを引き出したり、行動変容を促すことができます。しかし、それは素人が表面をなぞってやれるようなかんたんなことではありません。むしろ、コーチング的な、それとは似て非なるコミュニケーションで被質問者にダメージを与えてしまうケースが少なくないのです。

また、質問ではない質問の欠点にはもう一つの別の欠点があります。それは、質問者がポジションを明確にしなくて済む、ということです。
パターン1については「不満がある」というポジション、パターン2については「君はやれる」というポジション、パターン3については「この場面ではこうすべき」というポジション。
ポジションを明確にするということは、そのポジションを取ったことが評価にさらされる(間違えていた場合にそれが白日の元に晒される)ということでもあります。そのため、自分で発言の方向性を決められる上司や先輩は、意識しないと質問に逃げてしまいがちだと、自戒しています。

いやー、久しぶりにブログにエントリー書きました。
出かけられない4連休も、悪いことばかりではないですね。
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昨日互助会で「法務業務の受け方/捌き方」の知見共有会があり、改めて会社ごとに色々な工夫があるなーという学びを得ると同時に、自分の経験の整理の意味でもこれまで見聞きしたことのある受け方のバリエーションと、pros/consをメモとして残しておこうと思い立ったので、書いてみます(実際にやってみたことがある方法は厚く、そうでないものは肌感がないので薄い)

メール


pros
  • 追加コスト不要
  • 使い方の教育コスト不要
  • 転送により外部とシームレスなやり取りが可能

consと克服のコツ
  • 依頼案件が他のメールに埋もれがち
    →gmailのタグを活用する
    →メーリングリストを活用する
  • 外部に内部情報がそのまま転送されちゃう事件が起こりがち
  • 情報が属人化しがち
    →メーリングリストを活用する
  • 情報が散逸しがち
    →案件IDをメールに紐付ける(件名に入れる、スレッド化して本文に記載する)
  • 必要な情報が一発目で揃わない
    →Googleフォームなどのフォームから受け付ける


チャット(チャンネル1つに集約>必然的にpublic)


pros
  • 依頼者が迷わずたどり着ける
  • 使い方の教育コスト不要
  • 過去ログを容易に辿れる
  • 粒度小さめのやり取りを繰り返せるのでヒアリングの負荷が低い

consと克服のコツ
  • 全社オープンになってしまうのでセキュリティが緩い
    →publicにできない案件だけ専用privateチャンネルを作る
  • 依頼案件が他の情報に埋もれがち
    →リマインダーに必ず登録する
  • 情報が散逸しがち
    →案件IDを紐付ける(スレッドに入れる)
  • 必要な情報が一発目で揃わない
    →Googleフォーム、slackワークフローなどのフォームから受け付ける
  • DMで依頼が来がち
    →DMで対応せずにチャンネルに移動することで啓蒙


チャット(部署ごとチャンネル>private想定)


pros
  • セキュリティ面の配慮が必要なケースが少なくなる
  • チャンネル内の情報流量/領域が限定されるので、情報が比較的埋もれにくくなる
  • 粒度小さめのやり取りを繰り返せるのでヒアリングの負荷が低い

consと克服のコツ
  • 部署の統廃合対応が地獄
  • 人事異動対応が地獄
  • 人事異動した依頼者が過去の案件のやり取りを見れなくなってしまう
  • 情報が散逸しがち
    →案件IDを紐付ける(スレッドに入れる)
  • 必要な情報が一発目で揃わない
    →Googleフォーム、slackワークフローなどのフォームから受け付ける
  • DMで依頼が来がち
    →DMで対応せずにチャンネルに移動することで啓蒙
  • ステータス管理ができない


ワークフローシステム


pros
  • リーガルチェックと決裁とのつなぎ込みが容易(そのためのものだから)
  • 差し戻しと再申請を使えば大抵のワークフローシステムで追加開発なく対応可能
  • ステータス管理が容易
  • 依頼者が迷わずたどり着ける
  • 案件ごとに情報がまとまる
  • 必須入力項目を指定できるので情報を一発で集めらやすい

consと克服のコツ
  • 案件管理や検索に難があることが多い
    →デイリーでcsvなどでデータをダウンロードして別システムで管理する
  • ワークフローの乗り換えなどの全社の都合で過去の資産を失う恐れがある
  • 誰にアサインされているのかが分かりづらい
    →「割振り→担当者」というステップを踏むことで手間はかかるが対応できる


チケット管理システム


pros
  • ステータス管理が容易(そのためのものだから)
  • アサインが容易(そのためのものだから)
  • (全社展開されていれば)依頼者が迷わずたどり着ける
  • 案件ごとに情報がまとまる

consと克服のコツ
  • 必要な情報が一発目で揃わない
    →Googleフォーム、slackワークフローなどのフォームから受け付ける
  • CC的な情報共有ができなかったり、できる場合もめんどくさかったりする場合がある
  • そもそも全社展開されているケースが稀で、現実的な選択肢になりづらい


専用のシステム


pros
  • 便利

consと克服のコツ
  • 高い

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マネージャーの役割の一つにメンバーのスキルアップに対するサポートがあるのですが、マニュアルや教育システムがしっかり整備されているグローバル企業のような一部の例外を除くと、OJTの名のもとに、徒弟制度のような「見て覚えろ」的な指導に終止していたり、個別の行動に対する都度のフィードバックという非体系的な方法で行われたりすることが多いものです。

ですが、少し前に話題になった「寿司学校出身のミシュランガイド掲載の寿司屋」でも明らかなように、スキルの取得という意味ではOJTは非常に効率の悪いやり方であるのはほぼ間違いないと思います。

とはいえ、OJT以外の方法でどうやってスキルアップ支援すればいいのかわからないという方も少なくないと思いますので、誰でも明日からできるスキルアップ支援法の一つとして、以下のやり方をご紹介します。

ステップ0:準備
Googleドキュメントなど、支援者と被支援者が同時に編集できるドキュメントを作成し、開く
→ステップ1以降で決めた内容はすべてこのドキュメントに記載していく。
業務外でスキルアップに費やせる時間を最初に確認する(通勤時間や、帰宅後の自由時間など)
支援ポイント:被支援者が話したことを、支援者が記録する。認識にずれがないかをリアルタイムで確認しながらすすめる。

ステップ1:ゴール設定
期限が明確であり、かつ達成・未達が明確な目標を設定する。
法務であれば、「来期から取締役会事務局の業務を回している状態」「今期の●●本部からの契約書関連の依頼をすべて一人で滞留なく処理している状態」など。
達成時期を必ず明確にする。
支援ポイント:被支援者本人がやりたい、できるようになりたいと思っている目標なのかを、理由などを聞きながら確認する。

ステップ2:具体的な業務・行動へのブレイクダウン
ゴールを達成した際に、日々行っている具体的な業務・行動をリストアップし、現時点でできないものを赤字にする。
そもそも、現在到達していないゴールを達成した状態を想定しているので、漏れがあることを前提としつつ、気付き次第後から足していけばOKというスタンスでリストアップする。
支援ポイント:なかなか次のステップに進めないようであれば強制的に切り上げる

ステップ3:獲得しなければならないスキル・知識を明確化
ステップ2で赤字にした業務・行動をこなせるようになるために獲得しなければならないスキル・知識をリストアップ。
このステップでステップ2に追加すべきものに気づくことがあるので、必要に応じてステップ2と行き来する。
支援ポイント:それがあれば、●●ができる?それがないと、●●はできない?といった問いかけを通じて磨き込む。

ステップ4:アクションプランの策定
ステップ3でリストアップしたスキルや知識を獲得する具体的な方法をリストアップする。
なお、スキルや知識を獲得する具体的な方法は、「わかっている人の話を聞く(セミナー受講含む)」、「資料や本を読む」、「実際やってみる」の3つに集約される。
具体的でなければならないので、「誰から話を聞くか」「どのセミナーを受講するか」「どの資料/本を読むか」「何をやってみるのか」などをできる限り特定する。
支援ポイント:話を聞くべき人、読むべき本、受講すべきセミナーなどを紹介する

ステップ5:工数見積
ステップ4でリストアップした具体的な方法に必要な時間を見積もる。
実施時期を検討するための材料にするだけなのでざっくりでOK。

ステップ6:実施時期の設定
ステップ5で見積もった工数をベースに、ステップ4の実施時期を設定する。
インプットや人の話を聞きに行く時間は業務外になるものが多いので、ステップ0で確認したスキルアップに費やせる時間を考慮して調整。
直近でやる必要があるものを赤字にする。
支援ポイント:なぜかキツめのスケジュールを設定しがちなので、実現できるものなのかを確認する(緩める方向に誘導する必要はなく、「やれる」の一言を引き出す方向がベター。

ステップ7:最初のステップの実施日の確定
人と会うのであればいつまでにアポを取るのか、本を読むのであればいつまでに買うのか、など、最初のステップを踏み出す日を確定にする。

ステップ8:継続的な振り返り
週次で1on1を設定し、ステップ6・7のスケジュールの進捗を確認しつつ、ステップ2・3のアップデートを行う。
知識が増えれば視界が広がり、やるべきことが見えてきてステップ2と3は増えるものなので、ステップ2と3を増やせるのは良いこと。


自分の力だけで目標達成に向けた具体的な動きを取れないジュニア寄りのメンバーや、「こういう順序でこのスキルを身に着けなさい」と指示できない専門分野がずれているメンバーに対しての成長支援フレームワークとしてはそれなりに機能する実感があります。

「自分はこうやっているよ」「こうするともっと良くなるよ」みたいなご指摘・コメントをお待ちしてます。

ではでは〜
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2019年も最終日になりました。
僕は伊達巻がとても好きなのですが、年に一度しか機会がないその伊達巻を買った記憶のあまりの近さに、改めて1年間が過ぎ去る速さを実感しました。

負のスパイラルと再生


辛く、苦しいことが多かった2018年と打って変わって、2019年は自分にとって再生の一年でした。
久しぶりに味わった仕事を通じて人から感謝される、喜ばれるという体験は、想像していた以上に充実感をもたらすとともに、新たな領域へのチャレンジすることの苦しさは、こういう体験から遠ざかるところにもあったりするのかなという気づきも与えてくれました。

とはいえ、全く価値を発揮できない自分と否応なく向き合えたことは、遅すぎたとは自分では思うものの、今振り返るととても大切な経験でした。もう二度とあの苦しさは経験したくはありませんが。
良い成果を出せないことから始まる「信頼が損なわれる→この人には任せられないと、チェックが厳しくなる→成果から問題が見つかりやすくなる→信頼が損なわれる」の負のスパイラルは、嵌った人でなければなかなか実感できないものですし、それだけに手を差し伸べることも難しいものでもあります。
最初の一歩を間違えると誰でもそのスパイラルに嵌る恐れがあること、そして、一度嵌ると自力で抜け出すことはとても難しいということ(それゆえに、現在負のスパイラルに嵌っている人も、きっかけ次第で再生しうること)は、今後も忘れないようにしていきたいと思っています。

他方で、現職の「初めて法務を雇い入れるIT企業での一人法務」というミッションは、ある意味自分の最も得意とする領域であり、魚屋がアジをさばくような感じでスルスル進めることができ、正解を知っていることの強さも再確認しました。
また、慣れ親しんだミッションを与えられたことの副産物として時間的・気持ち的な余裕も大きく確保でき、特に下半期は一度お話をお伺いしたいと思っていた方にお会いする機会をたくさんいただくことができたのも、とてもありがたかったです。


転職チャネルのもう一つの選択肢を作りたい


「なんで法務の領域で●●ライトニングトークとかAdvent calendarとかをやろうと思ったんですか?」みたいな質問を受けることが時々あるのですが、今までは「おもしろそうだったから」以上の回答ができず、なぜそれをおもしろそうだと思ったかは自分でも今ひとつ言語化できていませんでした。
ところが、年末にbizreachの小田さんとランチする機会を頂き、お話をする中で「自分は、法務の人が成果や知見をどんどん共有し、その結果としてすごい人のすごさが可視化される世界を欲している」ということに気づいたのです。そして、改めて考えてみると、思いつきで今年立ち上げたIT法務互助会も、同じような位置づけだったな、と合点がいきました。
結局の所、僕は色んな人が「俺はこんな事やって、これだけ効率化したぞ」「私はこんな取り組みをして、これだけ業務品質向上したよ」みたいなことを競い合う土壌のもとで、どんどん法務全体の知見が底上げされていくのを見てみたいだけだったんです。
自分のモチベーションの源泉を自覚できたことをきっかけに、さらに一歩進んで、すごさが可視化された人と、そのすごさを欲する企業が直接つながって転職が成立するようなところまで行けたらいいな、と今は思うようになりました。

来年やること


まずは、所属している会社が掲げている目標をちゃんと達成すること。
それに加え、クロトワさんからある領域でメディアを持つと良いとのアドバイスを頂いたことを受け、来年は、このメディアをちゃんと形にしたいと思っています(今月からwordpressとcocoon(というwordpressのテーマ)を弄りつつ、高機能差に圧倒されながらコンテンツの投稿を始めています)


それでは皆さん、良いお年を。
そして、来年もよろしくおねがいします〜
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というわけで、新株予約権原簿です。
ダミーデータ入り


ダミーデータなし




コピーしてご利用ください。

利用方法は以下の通り。
    新株予約権発行時
  1. 「【入力用】SOサマリー」シートにSOの発行条件を記入
  2. 「【入力用】新株予約権者(氏名・住所・備考)」シートに割当対象者の情報を記入(過去SOを発行したことがある方はすでに記入されているのでこのステップは不要)
  3. 「【入力用】SO異動情報」シートに割当内容を記入(記入済みの行はいじりません)
    退職等による新株予約権消滅時
  1. 「【入力用】SO異動情報」シートに異動内容を記入(異動数はマイナスで記入する)
    新株予約権原簿を生成する
  1. 「【レポート】新株予約権原簿」シートのA1をダブルクリックしてカレンダーを表示し、基準日を選択
    登記用の情報を確認する
  1. 「【レポート】新株予約権原簿」シートのA1をダブルクリックしてカレンダーを表示し、基準日を選択
  2. 「【入力用】SOサマリー」シートのM列以降を参照
    株式分割時
  1. 「【入力用】株式分割履歴」シートに分割日付と分割比率を追記(比率は1株が何株になるかの数字だけを記入すればOK)



この新株予約権原簿でやっていることの解説


簡易DBとして構成している


閲覧用のシート(=レポート)と、データ保持用のシート(=テーブル)を分けています。
なお、閲覧用のシートの内容はデータ保持用のシートからquery関数で抽出しています。
データベース的発想でスプレッドシートを作るということにピンとこない方におすすめの一冊は、こちらです。(もともと、ピボットテーブルって何だ?という疑問に対してはっしーさんにお勧めいただいた本なのですが、データベース発想でスプレッドシートを作る作法についてもとてもわかり易く解説されていて良い意味で驚きました。)


メンテコストが最小限になるように割り切っている


割当・消滅というログについてはすべて記録する一方で、住所については最新の情報のみを保持するにとどめています。
これにより、基準日を過去日に設定しても当時の住所が設定されないという不備が生じてしまうのですが、実務上過去日付のSO原簿を住所の正確性を担保した状態で生成しなければならないケースはほとんど発生しないことに加え、住所変更時に行を足すという動作は直感的でないため、あえてここは割り切りました。


実務上使っているものをベースにしているので多分クリティカルな不具合はないと思うのですが、もしおかしな点を見つけたら教えて下さいませ〜
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このエントリーは、法務系 Advent Calendar 2019の10日目です。

当初、Googleスプレッドシートで作ったメンテナンスコストが超低い新株予約権原簿を共有してクリアしようと考えていたのですが、裏表のこれまでのエントリーを拝見し、単なるtipsみたいなエントリーでお茶を濁すのもちょっと違うなと思い直し、最近良く考えるようになった「正解を追う」スタイルについて書いてみることにしました。

「正解を追う」というのはどういうことか


最近、「正解を追う」というスタイルについてよく考えています。
この「正解を追う」というのは、ある業務に正解があることを前提として、現状とその正解との差分を埋めようとする動きを指しています。これに対し、正解を特に意識しない場合の業務改善は、「今」を基準に、今をより良くする方法を模索するという形を取ることになります。
言ってしまえば軸足の置き場の違いでしかないわけですが、これが長期的に見ると結構な違いを生むのではないか、というのが、今考えていることなのです。

こういった事を言うと、「正解は一つではない」というご指摘を受けることもあるのですが、正解を追うということと正解は一つではないということは、相反することではありません。リソース、業種、組織のミッションなどによって正解は異なるのは当然ですが、その異なる正解をそれぞれが追うというだけのことでしかないのです。

正解は誰が知っているのか


ある程度経験を積んだ方であれば、概ね正解はわかっていると思われるかもしれません。ですが、「概ね」がついてしまう時点でそれは正解ではありません。1足す1は2であって、概ね2ではないのです。
では、その正解を知っているのは誰か、というと、それは全世界にいる先達です。より正確に言えば、先達の知恵の集合体・最小公倍数こそが、正解だと思うのです。
有名な格言に、巨人の肩の上に立つ、というものがあります。
先達が積み上げた知恵を、自分の経験や能力だけで超えることなどできるはずがありません。
その道の第一人者が書いた本を読み、話を聞き、それを実務に適用することが、正解を追う最もストレートなやり方だと思うのです。

ものすごく当たり前のことを書いているなと自分でも思うのですが、他方で愚直にこれをやれる人は多くありません。そもそも積極的に本を読んだり人の話を聞きに行く人自体が少数であり、そのハードルを乗り越えたとしても、読むだけ、聞くだけで終わってしまい、実務に適用するところまでやりきれる人となるとごく少数しかいないのではないでしょうか。

今自分が置かれた環境における正解を目指そうとすると、正解がわからなければ最初の一歩を踏み出すことができなくなりますし、そもそも正解がわからないという状態に居心地の悪さを感じるようになります。
正解を追うというのは中々不便なことであり、また息苦しいことでもあります。だからこそ、理屈としては巨人の肩の上に立つ方が遠くを見通せるとわかっていても、自分の身の丈の目線から見える景色で満足してしまうのだと思うのです。

正解は変わり続ける


一度正解にたどり着いたとしても、安心はできません。前述の通り、正解は環境によって異なり、環境は常に変化し続けるので、当然の帰結として正解も変わり続けるからです。
しかし、正解が不安定で不確かなものであるということは、大きな問題ではありません。なにしろ「一度正解にたどり着いたとしても」ということ自体が非常にあやうい仮定であり、そもそも正解が何かを客観的に正しく把握することは基本的には不可能だからです。
つまり、実際にはそのような前提のもとで、巨人の肩の上に立って得た正解らしきものを追うのが、「正解を追う」の正体なのです。

ただ、正解らしきものと正解は異なるので、盲目的にそれを追うだけでは不十分です。
正解らしきものを、自らが発見し、または他者が提唱する正解とぶつけて、より正しいものを取るというテストする必要があるのです。
そして、このテストは、一度たどり着いた(と自分では思っている)正解に固執してしまう保守性のバイアスを乗り越える良い手段にもなりえます。
実のところ、保守性のバイアスは、正解を追うスタンスの最大の敵とも言えます。苦労して見つけ出した正解であればあるほど、環境の変化についていけず、時代遅れになってしまっていることを認めたくなくなるからです。そのため、常に正解を疑い、テストを続けることは、正解を追うことと必ずセットにする必要があるのです。

正解に固執しているかチェック


前述の通り、一度得た成果に固執してしまうことは、正解を追うことの妨げになるのですが、自分自身で正解に囚われていることに気づくことは容易なことではありません。そこで、シンプルなチェックを考えてみました。
  • 自分の正解に固執している人は、他者が提唱する正解の穴を探すが、そうでない人は他者が提唱するの正解と自分の正解との差分を探す。
  • 自分の正解に固執している人は、自分の正解を否定されると反発するが、そうでない人は検証を始める
  • 自分の正解に固執している人は、他者による自分の正解と異なる正解の提唱に反論するが、そうでない人は無視する

思いつきで考えたものですが、方向性としてはこういうことではないかと思っています。

最後に


最近、様々なすごい方からお話をお伺いする機会を頂いているのですが、やはり第一人者の方の話を聞くのは本当に勉強になります。
蛸壺と称されがちな法務だからこそ、どんどん人と会って、話を聞きに行きましょう!
(時間切れ目前になって締めがめっちゃ雑になってしまった)

というわけで、次はにょんたかさんです〜
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法務系AdventCalendar2019の7日目エントリーを執筆されたNakagawaさんに先週お時間をいただき、お話をお伺いしてきました。

Nakagawaさんは、上記エントリーでも触れられていらっしゃるとおり法務からコンサルタントに転身された方で、僕が所管を法務から管理部門全般に広げたのとNakagawaさんお転身とが時期を同じくしていたことから、Twitterでたまに言及される領域変更の難しさに一方的にシンパシーを感じており、いつかお話をお伺いしたいと思っていました。

法務から他職種への転身に関するエッセンスは上記エントリーをお読みいただくとして、こちらでは二人で共感しながら話した転身の実体験について掘り下げたいと思います。

実際に実務をやっていない状態の勉強は、実務にはそんなに役に立たない


僕は去年の撤退エントリーでの反省点の一つとして、領域を広げる前に他領域の情報をもっとインプットしておくべきだったといったことを書きましたが、この点についてNakagawaさんから、実務をやる前の勉強と、実務に携わってからする勉強は全く質が異なる旨のご指摘を頂きました。
確かに、自分に何が足りていないかがわかっていない状況の勉強は、必死さという意味でも、ポイントの精度という意味でも今ひとつになってしまうのは自然なことで、予め必要な情報や知見をインプットした上で転身に備えるなんてことは、アサインされたあとキャッチアップするよりずっと難易度が高いことなのだろうと思います。つまり、転身に伴う苦しさを、直前のインプットによって事前に緩和することは基本的にはできないのです。
ではどうするか、という点についての一つの解は、先日中根さんからお伺いしたお話にもあった、法務の仕事をしながら、法務以外の仕事にもどんどん絡んでいくという姿勢なのだろうと今は思っています。Nakagawaさんのようにコンサルタントに転身したいのであれば経営企画やマーケ部門の業務に絡んでいく、管理部門所管役員になりたいのであれば、人事・経理・財務の役割も平時から分担するなど。
そうすることで、自分に足りないこと、わかっていないことが可視化され、意味のある勉強ができるようになるのかな、と。

わかった瞬間は、超気持ちいい


領域が変わったときの苦しさの正体は、正解がわからないことにあります。
正解がわからないとどうなるかというと、だいたいこんな感じになります。
・正解がわからないので、当然成果は的外れです。
・軌道修正しようとする質問も的はずれです。
・成果も質問も的はずれなので、決裁者はがっかりします(そしてそれがこちらに伝わってきます)
・どうすればいいのかわからないので、PCを開いても手が動かなくなります

どうですか?読むだけで苦しくないですか?
これ、実際に超苦しいんです。
Nakagawaさんがこれの苦しさをどう乗り越えたかと言うと、コンサルタント特有のPJ間のアイドリング期間に、ひたすら過去受けた指摘を振り返ったり、できるコンサルタントの資料を写経したりしたのだそうです。つまり、シャープに正解を抑えに行ってるんですよね。問題解決のプロたるコンサルタントの面目躍如って感じですが、心底すごいなって思いました。そしてその結果、(具体的なエピソードを書くのは憚られるので結論だけ書いちゃいますが)次のプロジェクトで正解を出していらっしゃるんです。
その話を聞いたとき、ちょっとおしゃれなレストランで不相応に大きな声で「超気持ちいいですね!」って言っちゃいました。んで、何人かこっちを振り返りました。しょうがないですよね。だって、超気持ちよかったんだもん。

法務から他職種への転身に、法務の経験は役に立つか


この点はNakagawaさんのエントリーでも触れられていますし、裏のcoquelicotlogさんのエントリーでも取り上げられていますので、まずはそちらをお読みください。

・・・読みましたか?
まぁ、こう書いても実際に読みにいってくれる方なんてほとんどいないことを僕はもう知っているので続けちゃいますけど、結局一言でいうと、法務から他職種への転身に、法務の経験はそんなに役には立たないが、結論なんですよ。残念ですが。
法務が他職種との決定的な違いは、論理的思考力や交渉力や問題解決力なんてところにはありません。そんなスキルは他部署のメンバーも普通に持ち合わせています。ではなにが違いなのかというと、それは法律知識や、法務実務の知見の有無でしかないと思っており、そんなものは他職種への転身を成功させることには寄与しないんです。coquelicotlogさんがおっしゃるとおり「役に立つ」ことでしかない。
これはつまり、転身を成功させるためには、法務特有のスキルではないところで勝負して勝たなきゃならないということであり、しかも、勝負の相手は、すでにその道で経験を積んだ人たちであるというのが、法務からの転身の実態なのです。
だからこそ、中根さんや、Nakagawaさんや、coquelicotlogさんや、はっしーさんのように、法務から飛び出てご活躍されている方を見ると、心から尊敬の念を覚えるのです。

ちなみに、法務から他職種への転身に際しての法務の経験の寄与は限定的ですが、更にその後法務に戻った際の「他職種に移った」という経験は、法務業務の品質向上にかなり強く寄与すると感じており、この点もいろいろな方のお話をお伺いしつつ、別の機会にまとめたいと思っています。

といったところで外出しなければならなくなったので、推敲ゼロでエントリー!(後で修正するかもしれません)
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法務を飛び出て管理部門を管掌する取締役にチャレンジしたタイミングでちょうどBusiness Lawyersの第6回 一人法務からバックオフィスの責任者へ - 法務のスキルでキャリアを拡大という記事を拝見して以来、機会があったら一度中根さんのお話をお伺いしたいとずっと思っていたところ、サイボウズのむつみめもさんにお繋ぎいただき、お会いするチャンスをいただくことができました。IT法務互助会ばんざい!

上記記事にもある通り、中根さんは現在サイボウズのバックオフィスを統括する責任者になられており、法務からガチマネージメントコースへと進まれた稀有な方のお一人ということもあって、お話をお伺いするにうちに、同じような役割から早々と撤退した私自身が抱えていた反省点や悩みがスルスルと解きほぐされていくような(そういった表現が適切かはわからないのですが)とても心地よい1時間でした。中根さんの人間的な魅力、人を惹きつける力の強さはすごいので、転職を考えている法務の方は、一度サイボウズさんの募集にエントリーすることをおすすめします。(2019/11/22現在、サイボウズさんは契約担当の法務を募集されています

中根さんのキャリアについても色々お伺いしたのですが、上記記事を始めとしたウェブメディアに詳しく記載されているので、ここではお伺いしたお話の中で、極々個人的に特に心に残ったポイントに絞って触れたいと思います。

「M&Aの過程でDDをする際、財務・経理面ではわからない言葉や概念がたくさんでてきて、それを片っ端から経理の同僚に聞いて教えてもらったんです。」


M&Aに際しては、大きく分けて事業、法務、人事、財務・経理といった領域でDDを行うことになりますが、特に一人法務の会社では法務DDだけで手一杯になり、他領域について興味関心を払う余裕がないのが通常なのではないかと思います。激務の中、法務に閉じることなく他領域にも好奇心を持つ姿勢で日々の業務にあたっていらっしゃったことは、領域を広げる際に何よりの力になったのではないかと想像しました。
「物怖じせず飛び込んでいく性格なんです」と軽やかに笑っておっしゃる姿を見て、大変なことを自然体でやれる凄みを感じるとともに、1年前の自分の蹉跌の原因の一つは、法務に閉じていた過去の自分にあったのだということを改めて自覚しました。普段からトレーニングしていなければ、いきなりトラックに立っても走れるわけないんですよね。当然のことではありますが、法務としてそれなりにこなせるようになったことで、この当たり前を忘れてしまっていたのかもしれません。いずれは法務以外の領域にも、という想いを持っている方は、明日から他部署の業務に首を突っ込んでいった方がいいですよ。その時が来てからじゃ、遅いんですからね(自戒)

「法務部長を後任に引き継ぐとき『ものすごく楽しい仕事なんだよ。本当に。すごく楽しいから、楽しんでね。』って言って引き継いだんです。」


後任の立場からすると掛け値無しで最高の引き継ぎコメントだな、と思うとともに、中根さんのような方にとっても、ステージを一段上げるということは、いわゆるコンフォートゾーンを飛び出るということに他ならないのだという事実を再確認しました。
実際、しっかり回せている実感をもてているときの法務部長って、最高に楽しい仕事だと思うんですよね。難しい業務がどんどん降ってくるのでやりがいも学びもあり、成長している実感も得やすいですから。そんな業務を後任に託して新しいチャレンジをする選択肢を選ぶ際の複雑な気持ちは、「昇進おめでとうございます」という文脈には乗らない重要な要素だなと思いました。

「私は、この社会に対して個人的に抱いている問題意識があるんです。怒りと言ってもいい強さの問題意識。そしてこの会社においては、私はその問題の解決に取り組める立場にいる。」


今回、一番ハッとしたご発言がこれでした。
昇進するということは裁量が大きくなるということであり、それはつまり自分の影響力が大きくなるということを意味します。例えば、最近もまた例の報告書がきっかけで話題になっている法務部門のあるべき姿について言えば、Twitterであれこれ論評しているだけでは社会へのインパクトはほぼ皆無です。しかし、もしあなたが法務部門の責任者であれば、少なくともその会社の法務部門のあり方は、あなた次第でかなりの程度変えることは可能なはずであり、ある会社が変わるということは、その程度において社会へ影響を及ぼしていると言えます。決して大きなインパクトではありませんが、もっともらしいことを好きなように言い放っているだけの外野とは雲泥の差であることは間違いありません。
敢えて波風の立つ言い方をするならば、「ぼくのかんがえたさいきょうのほうむぶ」的な無責任さの対極にある強い当事者意識を感じた瞬間でした。


なお、上記は、1時間という限られた時間の中で多岐にわたる話題をお伺いする中で私自身が感じたことを記載したものであり、中根さんのご見解とは一致しない可能性がありますので、その点はご留意ください(カギカッコ内も録音等をしていない私の記憶からの引用なので、中根さんのご発言を正確引用したものではありません)

それでは!
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