先日、弁理士で会計士なサラリーマンブロガーatakaさんにインタビューをしていただきました。

katax × IPFbiz 〜企業法務のキャリアについて考える〜

今年に入ってatakaさんが対談シリーズを開始された時は、「知財法務」というくくりだったこともあり、自分に話が回ってくるとは思っても見なかったのですが、伊藤先生から「長くブログを続けている」ということでご紹介いただき、このようなチャンスに巡りあうことが出来ました。

ヨモヤマ話に終始してしまって、終わった後もう少し中身のある話をすべきだった・・・と反省しきりだったのですが、atakaさんの編集力でしっかりとまとめていただけました。
ほんと、まとめる立場を踏まえないインタビューイーで申し訳なかったです。
あたかも僕がしっかりとした人のように読めますが、実際はご存知の方はご存知の通り、行き当たりばったりで人生を送っているタイプなので、割り引いていただければ幸いです。

atakaさん、このような機会をいただき、ありがとうございました。
また、伊藤先生も、ご紹介いただき、ありがとうございました。

今後も対談シリーズ楽しみにしてます!
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先日、タイトルだけ見て買った法務のお仕事系の書籍が、ちょっと自分の期待していた内容と違っていて、ややがっかりした後になんとなく手にとった知って得する ソフトウェア特許・著作権 改訂六版が素晴らしかったのでご紹介。

上記の、僕が勝手にがっかりした本と違う意味で、「タイトルから想像する内容」と「実際の内容」が異なる一冊でした。

まずおどろくべきことに、この本、特許権と著作権と同じボリューム・レベル感で、商標権についてもがっつり書かれているんです。なんでタイトルに商標権が入ってないんだ!(まぁ、初版には入ってなかったとか、そういうことなんだろうけれど)で、要所要所で意匠権についても触れられています。

もう一つ驚いたのが、「知って得する」という語感から受ける概説書・入門書的イメージと異なり、カバーするトピックの幅広さと深さは、それだけでしっかりと実務に使えるレベルのものになっています。具体例も多く、例えばパッケージソフトウェアの商標権の類似群コードは「11C01」「42X11」「35K08」だよ、なんてことが明記されていたり、特許のアイデアを具体化するためのブレストの進め方なんてトピックもあったりします。

さらに、「ソフトウェア」特許・著作権とは謳っているものの、基礎となる「ソフトウェアに限定しない」特許・著作権(と商標権)についてしっかり論じたうえで、具体例としてソフトウェアで当てはめをしたり、ソフトウェア特有のトピックを出したりしてくれるので、ソフトウェアにとどまらない知財の知識をおさらいすることが可能です。

文章もとても読みやすく、厚さの割にサクッと読み進められるので、週末の一冊にお勧めです。

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法務系Advent Calendarの7日目のエントリーです。
@overbody_bizlaw先生、立ち上げ&とりまとめ、ありがとうございます!

もう5年以上前になるのですが、契約書の管理(締結済み契約書編)というエントリーを書いたことがあり、中途半端な内容の割に、今でも検索エンジン経由で一定のアクセスがあるので、もう少し整理したいと思っていました。
というわけで、この機会に締結済み契約書の管理について、マニュアルっぽく仕立て直すことにしました。

なお、想定しているターゲットは契約締結件数が100件/月未満の規模の企業です。

1.管理簿を作る
  • 管理簿の立ち上げ段階では、項目を「契約書を特定するためのキーとして利用するもの」に限りましょう。
    項目を増やしても、正確な情報が記載されている保証がなければ結局原本をあたることになるので、実務的にはあまり役に立たないのが通常です。
    加えて、契約書を読める人でなければ登録できないような登録簿は、運用コストが高すぎます。
    通常は、管理番号、相手方名、締結日、契約書のタイトル、申請部署、備考・メモ欄程度で充分です。
  • 項目が少ない段階では、エクセルやGoogleスプレッドシートなどの表計算(スプレッドシート)で作成したシンプルな管理簿で充分事足ります。(後述するリーガルチェックとの紐付けをする場合はその情報も)
    また、データベースアプリケーションは、まず間違いなくcsvをインポートできるので、将来データベースアプリケーションへ移行することになった場合もスムーズな移行が可能です。
  • データベースアプリケーションで管理簿を作る場合、「部内のできる人」の属人的なスキルに頼ると、その人が辞めた後、メンテナンスができなくなってしまうという悲劇に陥ることになりかねないので、絶対に避けるべきです。必ず情シスなどを巻き込み、組織的に対応しましょう。
  • GoogleスプレッドシートやZOHO Creatorのようなクラウドサービスを利用しない場合は、管理簿のバックアップをとり忘れないようにしましょう。データは、消える時はサクッと消えるものです。
  • 特に事情がない限り、管理簿への登録は、原本を保管に回すタイミングで行いましょう。
    これにより、「管理簿に記録されている=原本が一旦は保管に回った」という保証がなされるため、原本紛失時の原因探知に役立ちます。

2.原本を保管する
  • 原本は、管理簿の管理番号順に並べて保管しましょう。
    50音順は、「途中に差し込む」という超煩雑な作業が発生することや、外国企業の場所が一意に定まらない(特に中国企業)という問題や、紛失したことが判明しづらい(別の場所に保管されているかも・・・)という問題があるため、絶対に避けるべきです。
    50音順ソートのメリットは特定の企業との契約をまとめてピックアップできることくらいですが、そのような場面はあまり発生しないことに加え、通常はフィルタをかけて一括で取り出すことができるPDFで事足りてしまいます。
  • また、保管用のツールは、バインダーではなく、ボックスファイルとクリアフォルダを使いましょう。
    バインダーはピックアップに手間がかかりすぎる上に、取り回しにも不便です。
  • 参照後に所定の保管場所へスムーズに戻せるよう、契約書の原本の上部に管理簿の管理番号を記入しておきましょう。
  • クリアフォルダは耳付きのものがあるので、耳に管理番号を書いておくことでピックアップのスピードアップに一定の効果を得られます。

3.契約書をPDF化する
  • PDF化する場合、ファイル名だけである程度の検索を行えるよう、「管理番号」「相手方名」「契約書名」「締結日」はファイル名に含めましょう。(後述するリーガルチェックとの紐付けをする場合はその情報も)
    ファイル名が長くなることは気にせず、略称は絶対に使わないようにしましょう。検索性が低下してしまいます。
    PDFファイルのファイル名を手で転記するのは面倒であり、また誤記の原因になるので、できるだけ管理簿でファイル名を自動生成し、それをコピペするようにしましょう。
  • PDF化作業の最大の壁は、「溜まっている締結済みの契約書をどうやってPDF化するか」ですが、これは期限を決めて一気にやってしまいましょう。
    「締結済み契約書が全件PDF化されている」という状態は、業務の効率化に大きく寄与します。
    人的リソースが足りない場合は、業務サポート系部門や派遣社員さんの力を借りることも検討してください。
  • 契約書が大量にある場合は、複合機を占領することになってしまうことを避けるため、契約書スキャン専用のスキャナを買ってしまうことをお勧めします。
    ScanSnap SV600であれば、スキャナの設置スペースもほとんど不要で、しかも座ったまま作業できるので、作業者の負担を軽減できます。(但し、フラッドヘッドタイプのスキャナより、行が「ふにゃっ」としがちです。)
  • PDFファイルはフォルダ分けをせず、一つのフォルダに全部保存することをお勧めします。
    申請部門毎や契約ジャンル毎のフォルダ分けは、手間がかかる割に役に立ちません。
    むしろ、検索ができる電子ファイルにおいては、単一のフォルダにまとめておいた方が使い勝手が向上します。
  • PDFファイルの作成後、スキャナ同梱のOCRソフトウェアやAcrobatを用いてOCR情報を付加しておくとPDFファイル内の検索が可能になるので、内容を再確認する際の業務効率がかなり向上します。
    アンダーライン等の装飾がついていない鮮明な活字であれば、かなり正確にOCR情報を付加してくれます。
    なお、上記のSV600の付属ソフトウェアにもOCR機能がついています。
  • 全契約書のPDF化が完了したら、原本は古いものから倉庫や利便性の良くないキャビネットへ移動させて、おそらく特等地だったであろう契約書原本の保管場所を別の用途に転用しましょう
  • 特に事情がない限り、新たに締結された契約書のPDF化作業は、原本を保管に回すタイミングで行いましょう。
    繰り返しになりますが、「締結済み契約書が全件PDF化されている」という状態は、業務の効率化に大きく寄与します。

4.契約書をピックアップする
  • 締結済みの契約書を参照する必要が生じた場合、原本でなければならないときを除いてPDFを参照するようにします。
    また、原本にアクセスできるメンバーは必要最小限に限定しましょう。
  • 契約書原本を保管場所から取り出す場合は、紛失防止のため、クリアファイルごとではなく、契約書原本だけを取り出すとともに、クリアファイルに「取り出した人」「取り出した日」「取り出した理由」を書いたメモを入れておく運用を徹底しましょう。
  • PDFファイルのピックアップには、Launchyなどのランチャーアプリや QTTabBarを使うと便利です。

5.決裁フローとの紐付け
  • 締結済み契約書側から契約締結決裁や捺印決裁の履歴と紐付ける必要は基本的にはありません。
    決裁→保管とフローが繋がっているので紐づけるのは容易ではありますが、役に立つことはほとんどないので具体的な必要性がないならばやめましょう。無駄です。

6.リーガルチェックとの紐付け
  • リーガルチェックについて案件管理がきっちりできている場合は、締結済み契約書とリーガルチェックとの紐付けを行うことを強くお勧めします。
    「締結済み契約書のWord版が欲しい」「どうしてこの条件を受け入れたのか、経緯を知りたい」「当時の担当者・担当部署を知りたい」という良くあるリクエストに瞬時に対応できるようになります。
  • 具体的には、管理簿に「リーガルチェックの管理番号」という列を追加する方法と、PDFファイルのファイル名に管理番号を埋め込んでしまう方法がありますが、余力があればどちらも実施することをお勧めします。
  • リーガルチェックとの紐付けを毎回検索して行うおうとすると事務コストとメリットが釣り合わなくなってしまうので、契約締結決裁や捺印決裁の際にリーガルチェックのキー要素(管理番号など)を記載することが前提になります。
    なお、決裁フローにおける法務のチェックの際には、決裁対象案件に関するリーガルチェックの情報を参照することになるので、契約書の管理とは直接関係しませんが、その意味でも決裁フローとリーガルチェックとの紐付けは有用です。


「これは違う」とか「もっといい方法がある」等ございましたら、ぜひご指摘ください。
ではでは。
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先週、社内の法務部門の勉強会で、ISMS担当を兼任する同僚が個人情報関連をテーマに取り上げていたんですけど、その中で「もし当社で個人情報漏洩事件が発生したら、どのように対応すべきか」という項目があって、それがすごく盛り上がりました。
ベネッセさんの対応が資料中で例示されていたんですけど、
  • 同じ立場に立たされたとしたら、同じスピード感で対応できたか
  • 漏洩が発覚した時にまずすべきことはなにか
  • 誰に相談すべきなのか
といったことを話し合っていると、これは避難訓練のように、全社で情報漏洩対応訓練をすべきじゃないかという気がしてきました。

「●階で火災が発生しました」の代わりに、「●●から●●情報が漏洩しました」というアナウンスがなされて、初動や官公庁報告、プレスリリースをシミュレーションする感じで。
これ、ディープな個人情報を持っている会社や過去情報漏えい事故を起こしたことがある会社さんはやられているんじゃないかと推測するんですけど、実際のところどうなんでしょうか。
実際に情報漏洩対応訓練を回している会社さんがあったら、ぜひお話をお伺いしたいです。


というタイミングで、企業法務のFirst Aid Kit 問題発生時の初動対応 First Aid Kit@kyoshimine先生からご恵贈頂き、勉強会で取り上げられた個人情報漏洩についても入っているのかな・・・と、早速目次を眺めてみると、ばっちりありましたよ、「自社が管理する個人情報の漏洩事故が発生しました。初動対応はどうすればよいでしょうか。」って項目が。

First Aid Kitというだけあって、初動でどうするかに全力でフォーカスしており、これだけで各インシデントへの対応を網羅できるというものではありませんが、その分様々な事例、しかも、Q&A形式でありがちな「答えを書くために質問を立てる」系を最小限に留めて実務あるあるを354も集めているのは圧巻です。
この本に掲載されているインシデントに対して即座にある程度的確な初動のToDoを出せるようになったら1人前なのだとすると、1人前までの道は程遠いですね・・・

そう考えると、もしかするとこの本、初動対応を学ぶための本というより、企業法務の問題集としての価値のほうが高いのかも、なんて思ったりしました。


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もう10年以上昔のことになってしまいましたが、僕が最初に勤務した会社は、それはもう素晴らしくホワイトな会社で、自分の自由になる時間をふんだんに確保できました。
加えて、毎日が新しい経験の連続の日々だったので、「企業法務についてあれこれ」というウェブサイト(当時はホームページってみんな呼んでましたね)を立ち上げて、仕事で得られた知見をそこにまとめて公開していました。
で、そのウェブサイトの1コーナーに「雑記」というWeb日記みたいなページがあったんです。
ただ、正直htmlタグをポチポチ打ち込んでFTPでアップロードするのってすごくめんどくさくて、更新は滞りがちでした。
そんな時に出会ったのがブログでした。
これがもう、画期的で。

いつしか更新はもっぱらブログに移行した雑記だけになり、そしてプロバイダの移行とともに雑記以外のコンテンツは消滅し、残ったのは「企業法務についてのあれこれの雑記」だけとなりました。

で、いつだったかは忘れましたが、ブログのデザインを変更した際、タイトルがあまりに長いというだけの理由で「企業法務について」に名称を短縮した、というのがここの名前の生い立ちです。

@takujihashizumeさん、ご理解いただけましたでしょうか。
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第3回法務系ライトニングトークは、若手、ベテラン、大手事務所の弁護士さん、企業の法務担当者、Twitterの有名人と、本当に幅広い方にご参加頂き、LTの内容もバリエーションに富んだとても楽しいイベントでした。

ご参加頂いた皆様、ほんとうにありがとうございました。
バリエーションに富んだ内容の濃いLTが続く、贅沢な3時間でした。
LLT3rd
はっしーさんには、事前準備から当日の進行・タイムキープまで、安定感抜群の仕事ぶりで引っ張っていただき、やっぱすげぇな、ということを再確認しました。




前回から枠を10増やして40人で募集をしたのですが、深夜0時に募集を開始し、その日の午前中にはキャンセル待ちが発生するという状況で、参加したかったのに参加できなかったという方が多く発生するという結果になってしまい、これがもっとも心苦しい点でした。
会場のキャパ的にはもっと増やすことは可能で、当初は50人募集することも真剣に検討していましたが、会場の下見をした際に、今までの法務系LTが持つアットホームな雰囲気、そして「聞く人」と「話す人」の一体感を維持するためには40人が上限だと思うという結論に至り、そしてその結論は結果として間違いではなかったと思います。
というか、むしろ、40人でも多すぎました。
トータルのLT時間自体がとても長くなり、もし時間を超過するLTerが多発したら休憩時間すら取れなくなる懸念があるような状況でしたので、第1回の様な適当運営で進めていたら不満の残るイベントになってしまったのではないかと思います。
中盤、集中力が切れてくるタイミングで後ろの方で参加者同士のフリートークが始まってしまった時は(すごくおもしろいテーマのLTだったのにもったいない・・・)どうなることかと思いましたが、はっしーさん設計のタイムテーブルが功を奏し、さいごのろじゃあさんに繋がる一連の流れは圧巻でしたね。




今回、いろいろな状況が重なり、このタイミングにこの会場でLTを行うことができましたが、僕やはっしーさんが主催者となる「次回」はいつになるかわかりません(もしかしたら、もうずっとないかもしれません)。
このライトニングトークというイベントをおもしろいと思ってくださったら、ぜひご自身で主催することをご検討いただければ幸いです。
そのときにもし必要であれば、過去3回の開催を通じて得られた知見は全てご提供しますので。

それでは、また!

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@takujihashizumeさんと共催している法務系ライトニングトークが、10月29日に開催されることになりました。(2年3ヶ月ぶり3回目)
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前回よりも参加者枠を10増やしたにもかかわらず、9日の深夜に告知を開始し、同日の午前中には全て埋まってしまうという状況で、「開催を知ったときには時既に遅し」という方も少なからずいらっしゃったと思います。事前告知を受け、参加しようと思っていた皆様には本当に申し訳ございませんでした。
なお、ステータスが「補欠者」の状態で当日受付にお見えになられても、ご入場をお断りすることとなってしまいますので、あらかじめご了承ください。

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思い起こせば3年前、IT系のエンジニアの間では普通に行われていた「ライトニングトーク」形式のイベントを法務でもやったらおもしろそうという思いつきで始めたのが、第1回目の法務系ライトニングトークでした。
「ピザとビールだけはこっちで用意しておくから1,500円とネタだけ持って三茶に来て」、というものすごく適当な運営で、カード決済したつもりのピザ代が引き渡し時決済になっていて手持ちが足りずに参加者の方から1万円借りたり、途中でビールが足りなくなって買い物に行ってもらったり、二次会の手配をBLJ編集部の皆さんに全部やっていただいたりと、今思うと冷や汗が出る綱渡りっぷりだったのですが、それでもただひたすらに楽しかった記憶があります。

そのときのLTerは16人(参加者22人)
第2回のときのLTerは19人(参加者30人)
今回のLTerは24人(参加者40人)
おそらく、今回の規模が運営も参加者も、細かいことを心配せずに楽しむことができるギリギリのラインで、これ以上規模を拡大することは難しいかもしれません。
その意味で、「法務系ライトニングトーク」以外にも法務畑を対象としたライトニングトークイベントが立ち上がり、いろんなところで開催されるようになったらもっと楽しいし、僕としてもうれしいな〜と思ってます。

僕みたいな適当な人間が言うと結構信憑性があると思うんだけど、ほんと、やってみるとなんとかなるもんですよ。
いや、ほんとに。
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企業法務マンサバイバル(通称マンサバ)のエントリー”法務パーソンにとっての「差別化」”を読んで気づいた事についてのメモ。




1.そもそも差別化要因にはどんなものがあるのか
細かく言えばキリはないのでしょうが、大きく括ってしまうと重要なのは「知識」「経験」「資格」「実績」「能力」の五つに分けられんじゃないかと思っています。(年齢はアンコントローラブルなのでここでは除外)
  • 知識
    どれだけ知っているかということ
    対象は法律であったり、実務であったり、現場だったりと、様々
    幅と深さが問われる
    勉強で得られる知識と業務を通じて得られる知識は、どちらも同じくらいに重要
  • 経験
    どれだけやったことがあるかということ
    こちらも幅と深さが問われる
    経験を抽象化すると知識に転化する
  • 資格
    文字通り
    法務に限って言えば、差別化という意味で役に立つのは法曹、弁理士、司法書士、外国弁護士など極わずか
    どうでもいい資格をたくさん持っていても、暇人とかマニアだとか言われるだけなので黙っていた方がマシなことすらある。
  • 実績
    可視化された経験、知識をどれだけ世に出したかということ
    差別化という意味でキャッチーなのは書籍の出版など
    業界によってはblogが大きく貢献することも
    経験や知識が豊富でも実績に乏しい人は少なくない
  • 能力
    実務の処理能力
    最も重要だが、最も測定が難しい
    知識が豊富なのに能力に欠ける人は頭でっかちと呼ばれ、経験が豊富なのに能力に欠ける人は老害と呼ばれ、輝かしい資格・実績があるのに能力に欠ける人は見かけ倒しと呼ばれることになるため、これがないと結局どうにもならない
Presentation-1


2.入り口段階における差別化要因と、実務段階での差別化要因
前記1の通り、最も重要な差別化要因である「能力」は、様々な要素が複雑に絡み合って形成されているものなので、入り口段階、すなわち面接のタイミングでは正確に計ることがとても難しいものです。
そんなわけで、入り口段階では「経験」、「資格」、「実績」のような有無や程度がわかりやすい要素の方がより威力を発揮するため、差別化要因というと、これらを思い浮かべがちです。しかし、中に入った後の実務段階では、「能力」以外はほとんど差別化要因として機能しないのが実情です。(弁護士の「資格」と、強力な「実績」は例外。)
この違いを意識せずに、つまり能力以外の要因についてだけ「差別化」をがんばっていると、なんかすごいけど、仕事では使えない人になってしまうおそれがあるんじゃないかと思います。

3.差別化要因の重要性に対する主観と事実との間のギャップ
自分では「ここがアピールポイント」と思っていたのに人からさっぱり評価されなかったり、逆に自分では大したことないと考えていたことが人から高く評価されたりという経験をしたことがある人は結構多いのではないかと思います。これは仕事に限ったことではなく、たとえば恋愛とかでも。
このギャップを自分自身の力だけで埋めることは困難なのですが、すごく手っ取り早く検証する方法があるのをご存知でしょうか。
それは、転職活動をすること、です。
というのは冗談ですけど(本末転倒も甚だしい)、実際、転職活動をすると自分に対する客観的な評価を知ることができるというのは間違いありません。
もし、これから転職活動をする方がいたら、このギャップについて意識すると今後力を入れていく領域を決めるに当たって役に立つんじゃないかって気がします。自分でそんなこと考えて転職したことはないので、気のせいだったらごめんなさい。

4.じゃあ今、具体的に、何をすべきなのか
とはいえ、今転職活動をしている人なんてそう多くはないはずで、しばらく転職活動なんてするつもりがない大多数の人(たとえば僕のように)が今何に着目すべきかをこちらの図(上の図に各要素の源泉となる「業務」「人脈」「勉強」を追加したもの)を使って考えてみました。
Presentation-2



この図をベースに、どの要素がどの要素に寄与しているのかを線でつなぐとこんな感じに・・・


Presentation-3


もうね、一目瞭然。
キーになるのは、「業務」でした。
「業務」が良質であれば、「経験」が蓄積され、「知識」は充実し、「実績」に、そして何より、サバイブしていくために必要不可欠な「能力」も繋がっていく。
そして、「経験」や「能力」、「実績」は、さらなる業務の獲得へつながり、好循環が始まる。

こう書くと、おっさんが若手によく言う「細かいこと考えないで目の前の仕事に集中しろ!」みたいな話にも見えてしまいますが、それともちょっと違います。「良質な業務」でなければ、一生懸命取り組んでも、差別化にはあまり効率的に寄与しないからです(いや、まぁ、根性はつくかもしれませんけど)

じゃあその、「良質な業務」って何なんだ、という話になるわけですが、これもさっきの話の裏返しで、あらたな「経験」や「知識」が増える、つまり未経験の業務で、かつ「実績」に繋がっていく、つまり注目度やニーズの高い業務、ということだろうなと思います。

勉強も、実績づくりも、資格取るのも悪くはないけど、目の前の業務をより良質なものに変えていくことと、担当した良質な業務をしっかり処理することの方が、差別化という意味ではずっと効果的なんじゃないかな、ということですね。



今やっている仕事が良質といえないときはどうするべきかは、引き続き考えてみたいと思いますが、今日のところはこのへんで。

んでは、また。
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あっという間に転職して一ヶ月が経ちました。

こういうのってすぐに忘れてしまうものなので、記憶がフレッシュな今のうちに、この一ヶ月間に意識してきたことを記録に残しておこうと思います。

過去のメールや資料を読み漁る
継続案件を抱えておらず、また受け入れ側の遠慮もあって、着任直後はとにかく時間に余裕が生まれがちです。
こんな時、つい「何かやることありますか」的なことを聞きたくなってしまいますが、受け入れ側からすると正直この質問受けるのって結構キツイんですよね。
どこまで任せられるかわからないから「じゃぁこれよろしく」なんて気軽に言えないし、かといって手頃な仕事を見繕うのもそう簡単じゃない。
過去の経験からこのことが身にしみていたので、時間がある時はひたすら過去のメールを読んでこの会社における法務の立ち位置や回答の温度感を把握することに努めていました。(GoogleApps導入企業でリーガルチェックのやりとりに特定のエイリアスを含めることをルール化している場合、Googleグループから当該エイリアス宛ての過去のメールを全て読むことができます。)
また、雛形を読んでおくのも、会社のスタンスを手っ取り早く把握するために有用です。
同時に、BtoC屋さんだったので、主要なサービスの利用規約を読み込んでおきました。(ただ、これは入社前に済ませておくべきだったかもしれません)


目の前の仕事を早く高品質に仕上げる
転職直後は前職との比較で改善した方が良いように感じる点に気付きやすいもので、それが外の血を入れる意義の一つであることは間違いないのですが、とはいえ会社特有の事情(しがらみとか、過去の経緯とか)に疎いとどうしても的を外しがちであり、また最悪のケースでは周囲の不興を買うことになってしまう場合もあります。
そんなわけで、改善した方が良いと感じた点はメモとして蓄積しておき、折に触れて対応策を検討・ブラッシュアップすると共に、まずは目の前の仕事を早く、そして高品質に仕上げることに集中しました。


中の人になる
転職直後は知り合いがほとんどいない状態からのスタートになりますが、特に依頼者と接するときは意識的に「もう三年前からいますよ」みたいな雰囲気・態度で接するように心がけました。個人的な感覚でしかないんですけど、こうするだけで馴染むスピードが格段に上がるんですよね。
また、転職先の社風のおかげで、入社直後からたくさんの方にランチにお誘いいただき、職種の枠を越えていろいろな方と知り合いになれたのも幸いでした。人の名前をなかなか覚えられないという僕自身の問題と相まって、顔はわかるけど名前がすぐに出てこない人の割合がものすごく高いということは内緒ですよ。



さて、取りあえず大過なく最初の一ヶ月を過ごすことができ、まずは一安心です。
今の悩みは会社の駐輪スペースに空きがなく、チャリ通できないため、体重がもりもり増えていること。
来月には何とかなる予定とのことですが、それまでどこまで太ってしまうのか戦々恐々です。
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76年に1度と言えば、そうですね、ハレー彗星ですね。
20年に1度と言えば、そうですね、伊勢神宮の式年遷宮ですね。
7年に1度と言えば、そうですね、善光寺のご開帳ですね。
3年に1度と言えば、そうですね、kataxさんの転職ですね。

というわけで、本日、7月11日を最終出社日として、また転職することになりました。
誰にも言ってもまったく信じてもらえないのですが、僕はジョブホッパー的に転職を繰り返すことについて1μgたりとも良くは思っておらず、それどころか、できることなら一つの会社にしっかりと根を下ろして働くことの方が、会社にとってはもちろん、本人にとっても良いと心底考えています。
それにもかかわらず、振り返ってみるとほぼ3年に一度の周期で転職を重ねてしまっているのは、偏に「伏せられているカードを目にすると、めくらずにはいられない」、または「得体の知れないスイッチがあるのに気づくと、押さずにはいられない」という僕の性格によるものなのではないかと思います。

あれだよね。
理性って、最終的には本能に勝てないんだよね。
知ってた?

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とはいえ、今回の転職は、年齢的にも(ぼちぼちアラフォー)、重ねてきた転職回数的にも(今回で早くも4回目)、勤務先の業績的にも(前期は過去最高益)、勤務先に対する家族の評価的にも(ワークライフバランスに優れ、家族にも優しい)、いろいろ悩みの多いものでした。
そんなこともあり、妻からは、なぜ今転職しなければならないのか、腰を落ち着けて働くことはできないのか、仕事仲間に迷惑をかけることに罪悪感を覚えないのか、脱いだ靴はちゃんと揃えろ、いい歳してちょこちょこ転職してたら人から信頼を得られるわけがないだろう、トイレの電気はちゃんと消せ、などと何度も問いただされました。
理性ではね、わかってるんですよ。僕だって。
でも、目の前の安定を手放すことができずにこのチャンスを見送ったら、多分後悔するだろうなって思ったんです。そんなわけで何度も話し合いを行い、一度はお断りしようという結論にも至ったのですが(そして実際にお断りの連絡をしてしまったのですが)、いろいろあって最終的にはあらたなチャレンジに一歩踏み出すことになりました。

思い返せば今の勤務先に転職するとき、ここはきっといい会社だと直感的に思ったわけだけれど、結果的にその直感は大当たりでした。
尊敬できる合理的な経営陣、日々降ってくる新しく刺激的な仕事、ビル直結の駐輪場、たのしく思いやりのある同僚、ビル直結の駐輪場、従業員思いの制度、そしてなによりビル直結の駐輪場、どれをとっても本当にすばらしいものでした。
敢えて苦言を呈するとすると、駐輪場がビル直結なのにも関わらず、勤務先のフロアにはエレベーターの乗り換えが必要なことくらいでしょうか。
それくらい、本当にいい会社でした。
3年間の決断は、僕が僕の人生の中で行った中でも最良のものの一つだったと断言できます。
そんな会社を辞めることにした以上、これからは、これまで以上に「選んだ選択肢を正しいものにする」アクションが必要になるのだと思っています。

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結果として、冬から春にかけて面接官としてたずさわっていた採用活動において僕自身が口にしていた「転職回数がやや多いですね」とか、「在籍期間が短めですよね」という言葉達がブーメランとなって鮮やかに額に突き刺さることになった次第ですので、この鋭いブーメランの痛みを忘れられるよう業務に邁進したいと思っています。皆様におかれましては、引き続きご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

なお、次の勤務先はtoCのウェブサービス屋さんです。

ではでは。
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