以前、無資格法務のキャリアパスについてというエントリーを書いたのですが、そちらをご覧頂いたクラウドサインの事業責任者の橘さんからこのようなコメントを頂き、なるほど、と思いながらも実感がなかったため、何のリアクションもできずにいました。
再転職後のリハビリも概ね終わって目の前の仕事以外のことを考える気持ちの余裕が生まれてきたこともあり、改めて橘さんに詳しいお話をお伺いしたい旨をお願いしたところ、ご快諾いただけました。ご多用の所、個人的な質問にも関わらず快くご対応いただき、本当にありがとうございます。
橘さんからお伺いしたお話は非常に示唆に富むものであり、私の中だけに留め置くにはあまりにもったいないと感じたため、橘さんのご了解のもと、会話の一部と、そこから私が考えたことをシェアしたいと思います。


【片岡】法務がバックオフィスからビジネスサイドに移ろうと思ったときのキャリアにどのようなものがあるのでしょうか。
【橘】例えば「法務業務の効率化に関するコンサルティング」という役割は、弁護士ドットコム内で既にチームを既に組成しています。具体的には、クラウドサインや、当社の投資先のプロダクトであるhubbleやLAWGUEなどを使って業務の最適化を支援するサービスです。
【片岡】法務業務の効率化のオーダーは、法務から出るのでしょうか?それとも、法務を所管する役員から出るのでしょうか?私の感覚では、法務が自ら業務の効率化にコストをかけるイメージがないのですが。
【橘】法務部門の責任者からのオーダーが多いですね。最近どんどん出てきている各種リーガルテックサービスを活用すれば、これまで抱えていた問題を解決できるのではないか、という思いを背景に、具体的なノウハウを知りたいというニーズがあるのを感じます。
【片岡】スキルとしてはどういったものが必要になるのでしょうか?
【橘】各社が抱えている個別具体的な課題を抽象化したうえで解決法を模索するスキルは必要になると思います。そのスキルを持っていれば、経験を積めば積むほど抽象化した課題とその解決策をストックすることができ、大きな武器になりえます。
リーガルテックという言葉は独り歩きしがちですが、AIが人を代替する、といった一足飛びの目標を掲げるプロダクトにではなく、日々の業務を支援する地に足のついたプロダクトに目を向けると、それを使うか否かで業務の品質と効率に格段の差が出るサービスは既に数多く登場してきています。しかし、急速に多種多様なサービスが登場していることから何をどう使えば良いのかの判断がつかず、結局すべてを見送っているという方も少なくないのではないでしょうか。この点について、各社の悩みに応じた最適解をズバッと示してくれるのであれば、たしかに魅力があるな、と感じます。(僕自身も知りたい。)
そして、難しい仕事だとは思いますが、この仕事を数年経験したら、ものすごい質と量の知見を蓄えられているのだろうと思います。ぜひ、そのエッセンスを書籍化してほしい!


【片岡】そのようなサービスに法務出身者が携わる意義はあるのでしょうか?むしろ、「法務の常識」に囚われてゼロベースのベストな施策を検討できず、ベターな(ありきたりな)施策を提案してしまう恐れはないでしょうか。
【橘】出身がどこかではなく、能力の問題でしょう。法務の常識を知りながら、それに囚われない人は確実にいます。例えば、【具体的な人名複数名】さんなどは、やろうと思えばすぐにでもやれると思います。
【片岡】そういったエクストリームな方であれば、確かにできるだろうと思えます。ただ・・・間違いなく採用できないですよね(笑)
【橘】えぇ、できないでしょうね。その意味で、ただ能力的にやれるというだけでなく、受け入れる会社の求人条件と合致する必要があります。そして、求人条件は、取るリスクによって変わるものでもあります。
【片岡】といいますと?
【橘】具体的に言えば、最初の一人としてリスクをとって入ってくる人に出せる報酬と、その他大勢とでは違うということです。また、逆に数年前であれば当社でもそのようなポジションは募集していませんでした。自分がチャレンジできると思ったタイミングで、受け入れる会社側も同じようにチャレンジしたいと思っているとは限りません。ある意味でタイミングは、他の要素よりずっと重要なのです。
無資格の法務パーソンにとって、これからのキャリア事情は今より厳しくなることはあっても、楽になることはないはずです。そんな中でのキャリアパスの一つとしてビジネスサイドへの転身という選択肢は魅力的な輝きを放つ一方で、これまで積み上げてきた経験をゼロリセットせざるを得ない苦しさも双子の片割れとして常に孕みます。そのような中で法務のキャリアを活かすことができる転身があるぞと言われると身を乗り出したくなる人も多いのではないでしょうか。とはいえ、身を乗り出したほとんどの方も、しばらくするともっともらしい理由を口にして首をすぼめてしまうのもまた事実です。
ある分野で第一人者になるもっとも手っ取り早い方法は、誰よりも早く初めて、誰よりも長く続けることなのですが、実のところ何かを誰よりも早く始めることができるチャンスはそう多くありません。もしかすると、リーガルテックの勃興期に居合わせた我々は、「誰よりも早く始める」チャンスを持っているのかもしれません。


【片岡】これからの法務と、これまでの法務の違いはどのような点に現れると思われますか?
【橘】一つあるのが、ツールを使いこなせることが明確な付加価値になる時代はすぐにやってくると思います。例えば、セールスの担当がセールスフォースの正しい使い方を理解していることは現在間違いなく付加価値になっていますし、マーケも同様です。法務も同じように各種ツールを使いこなせることが付加価値になる、または必要条件になるという時代は近く訪れると思います。
一時期、AIに仕事を奪われる職種、みたいな言説が世を賑わしたこともありましたが、考えてみると、ツールを使いこなす(ことで生産性をブーストした)人が、そうできない人の仕事を奪う世界に変わるのは、AIが人の仕事を奪う未来よりもずっと早いようのだろうと思います。
また、勘違いしてはいけないと思ったのは、現時点で有効な特定のツールを使えるかどうかという点は大きなポイントではなく、新しいやり方に合わせられる柔軟性・リテラシーと、より良いやり方をいち早くキャッチするアンテナの感度の方が重要であるということです。むしろ、特定のツールに固執してしまい、よりよい別のやり方に移行できなければ、それは「使いこなしている」とは言えないわけですから。

ーーー
上記以外にも様々なお話をお伺いし、大いに刺激を頂いた濃密な1時間でした。
やっぱり、最前線で道を切り拓いている方のお話は、最高におもしろいということを再確認しました。
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はじめに


現職では久しぶりに一人法務に戻ったこともあり、1から10まで自分でやってきたのですが、良い方がいたらアルバイトであればアシスタントを雇えることになり、bosyu経由で司法試験受験生の方を採用し、先月から稼働を開始していただいています。
実務としては反社チェック、契約書保管を始めとしたマニュアルベースの業務から、契約書の一次チェック、リサーチ、マニュアルのリバイスといった一歩踏み込んだ業務まで担当してもらっているのですが、当初の想像を遥かに超えたスピードと品質でバリバリ活躍してくれているので、(n=1なので当社に来ていただいた方が特別に良い方だったという可能性はあるものの)皆さんにもぜひおすすめしたいと思い、久しぶりにブログを書くことにしました。

司法試験受験生をアルバイト雇用するメリット


正社員よりも気軽に雇える
1人や2人で回している小規模な法務において、「もうひとり雇う」ことのハードルは非常に高いもので、それ故にギリギリまで現有戦力で戦い、疲弊しきって倒れる寸前まで採用活動を開始しないケースは少なくありません。というか、そうなるのが普通とすら言えるかもしれません。
ところが、一口に法務といってもスキルセットやマインドは様々であり、そう簡単にピッタリの人材と出会うことはできません。また、正社員を雇用するとなると、スキルだけでなくカルチャーフィットを見る必要があったり、「外すわけにはいかない」というプレッシャーから選考も保守的になりがちです。
他方、アルバイトであれば、社内手続きとしても、採用側の気持ちとしても、正社員と比べるとフットワーク軽く採用することができます。10人が11人になるときはある程度選択の幅を取れたり、妥協が許容されるところもありますが、小規模法務における増員においてはそういうわけにもいかないという事情に鑑みても、1人月未満の工数をアルバイトの方に提供してもらうことは滑らかな組織拡大のためにとても有用です。

ある程度安心して秘密情報を取り扱わせることができる
法務は秘密情報を取扱えないと仕事にならない部署ですが、何のバックグラウンドもない短期雇用の方に秘密情報を取扱わせることには躊躇してしまい、これが法務におけるアルバイト雇用のハードルの一つになっています。
この点、司法試験受験生は、秘密保持義務の意味を正確に理解できることが期待できることに加え、仮に秘密情報を漏洩してしまうと自分の将来を完全に棒に振ることになるわけで、カジュアルな秘密情報の漏洩も含めると、むしろ他部署の正社員よりも意識が高い可能性があり、秘密情報の取扱いを伴う業務を担当していただきやすいといえます。

被用者にとってもメリットがある
司法試験受験生が仕事をする際、ネックになることの一つに「勉強・試験との両立」があります。
その点、法務部員は試験に対する理解があり、いつ頃ピークが来るのか、どのような勉強しなければならないのか、また、どの程度のプレッシャーが掛かっているのかという点について、説明しなくてもわかってもらえる(それゆえに日程調整も気軽に相談できる)という点は、かなりのメリットになるのではないかと思います。
また、業務内容としても、試験科目とは関連が薄いことが多いとはいえ、法律を全く使わない業務よりも司法試験と親和性が高いのは間違いないはずです。何より、合格後に弁護士になる場合、法律事務所に勤務するにせよインハウスになるにせよ、法務部門の実務を肌感で掴んでいることは、財産になるはずです。

日本語能力が高い
ちゃんとした教育を受けた人でも、ちゃんとした文章を書けるとは限りません。
その点、論文試験の勉強を通じて文章で主張を伝えるトレーニングをしている司法試験受験生は、伝わる文章を書けることが期待できます。
法務であれば当たり前にもっているスキルですが、これをアルバイトの方に求めることができるということは非常に大きなアドバンテージだと思います。

空き時間が無駄にならない
優秀な方であればあるほど、渡した仕事をどんどん処理してしまい、「次に何をやればいいでしょうか?」という状態が生まれがちです。
普通のアルバイトであれば困ったことになってしまうのですが、司法試験受験生の場合は「この本読んでおいて」と、業務上必要になる法律実務書のインプットをしてもらうことが可能で、実務的にはこれはものすごく楽です。

良い採用をするために


採用のタイミングは、合格発表(正確には不合格発表)直後がお勧めです。
また、合格に近い方、具体的には来年合格できそうな方に来ていただく方がお互いハッピーになりやすいと思います。(まだまだこれからという方は、仕事にパワーを割くとどっちつかずになってしまうおそれがある)
採用チャネルが問題ですが、僕は会社の許可をとって自分のtwitterアカウントでbosyuを使ってダイレクトリクルーティングをしました。これは良いチャネルがあれば逆に聞きたいところです。




ではでは
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SaaS利用規約ナイトに参加し、想像の5割増しくらいで発見があったので、少し時間が経ってしまったけどメモを残しておく。
  • SaaSとかサブスクリプションモデルという言葉は、純粋にその語句が示す意味だけでなく、ユーザーとの継続的関係を基礎とするビジネスモデルという意味合いで用いられている。これはおそらくSaaSやサブスクだけでなく他の言葉でも起きているはずのことで、同時に語義に忠実な(傾向がある)法務畑の人が足をすくわれやすいポイントかも知れない。
  • SaaSの提供企業では、ユーザーとの継続的関係を構築するために何をすべきか、どうすべきか、という発想でCSやマーケやセールスは動いているし、当然バックオフィスも同じ発想で判断する必要がある。ただ、何らかの判断を迫られたときに、クライアントとの関係の保全と、リスクヘッジのバランスを取ることは容易ではないはず(会社を守ればいいならそっちのほうが100倍楽)。
  • 利用規約は契約書と比べるとそれに対する同意はおぼろげであり、かといって法律のように民主的な正当化プロセスを経ていない以上、その内容の妥当性を自ら担保する必要性が高いし、一期一会ではないSaaSにおいてはその傾向はさらに強くなる。暗黙の了解のど真ん中を捉えるセンス、そこから外れた特約についてスムーズかつ最小限のハレーションで同意を取り付けるセンス、時流の変化を掴むセンス、みたいな、これまでとは違うセンスが必要になってくるのかも。で、自分はそれについていけるのだろうか・・・という危機感を覚えた。
  • 利用規約は、これまでもっぱらサービスプロバイダを守る盾として位置づけてきたので、多少書きすぎでもOKというところはあったし、要約なんてリスクファクターでしかないと思っていたけど、利用規約をクライアントとのコミュニケーションツールと位置づけるとそうも言っていられないよね。

開始10分前に到着したのに結構な埋まり具合でいい席座れなさそうだな、と思ったけど、一列目のど真ん中が空いていたのでラッキーだった。
本イベントは実況OKだったので、久しぶりにTwitterで実況をしたんですけど、小休止の時間に自分の中を通り過ぎていった言葉が高速で再構成されて花火みたいに気づきがポンポン産まれてくる快感はちょっと他では得られないものなので、可能なときは皆様も実況しながら聞くことをおすすめします(すっごく疲れるけど)
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商標関連で良い本に出会ったのでご紹介。
書籍名:Q&A商標法律相談の基本−商品名検討からプロモーションまで−

概要


書名には「基本」とあるが、弁護士・弁理士を想定読者においていることもあって論点のカバー範囲も言及の深さも十分。
商標関連で本書に載っていない知識は弁理士に聞くと割り切っても問題ない印象で、商標関連で一冊だけ手元に置くならこれという感じ。

こんな方におすすめ


商標関連の知識が以下のレベル感の方にはハマりそう。
・類似群コードが法的にどのような意味を持っているのか正確には知らない
・ロゴ商標と文字商標は別商標として取るべきか、理由を明示して回答できない
・外国語表記と読み方を2段で商標登録すべきでないケースを説明できない
・商標的使用の限界を正確に理解できていない

ちなみに、僕は完全に上記に当てはまる感じだったので、めっちゃドッグイヤーしまくりました。

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約5年前、技術評論社の傅さんから「雨宮さん、橋詰さんと一緒に利用規約の本を書きませんか?」とお声掛けを頂いたことが、本書良いウェブサービスを支える「利用規約」の作り方に関わることとなったきっかけでした。

当時、書籍づくりについて、雑誌への寄稿のボリュームアップ版程度の甘えた認識しか抱いていなかった僕は、深く考えることもなく二つ返事でお引き受けしたように記憶しています。
しかし、ある意味自分が書けるテーマについてだけ好きなように書かせてもらえる雑誌への寄稿と、特定のテーマについて、実務の役に立つ解説書を作り上げる書籍づくりとの間には、その困難さにおいて大きな隔たりがありました。

豊富な実務経験と知識を持つAZX法律事務所の雨宮先生と、今では「サインのリ・デザイン」編集長として「その時実務家が知りたいトピック」をいち早くカバーすることで抜群の存在感を発揮する橋詰さんのお二人ととでなければ、良い悪い以前に、完成にまでたどり着くことすらおぼつかなかったのではないかと思います。

初版の執筆時と同様、今回刊行される改訂版の執筆の際も、共著者三名で遠慮せずに徹底的に直しを入れ合いました。中には、一度書いたにもかかわらず、「ウェブサービスの実務的には重要ではなく、ノイズになる。」として大胆に削り落とした部分もあります。
敢えて確認したわけではありませんが、すべての判断基準は、「実務の役に立つか」という点で、共著者間の認識は共通していました。

技術評論社の傅さん、秋山さんのお力添えもあり、改訂版を初めてお手に取られる方にとってはもちろん、初版をお買い上げ頂いた皆様にもしっかり価値をお届けできる内容に仕上がっていると思います。
技術評論社ウェブサイト内の本書の紹介ページからECサイトの予約ページにリンクされていますので、ぜひお手にとって頂ければ幸いです。

一人でも多くのウェブサービス運営者の方のお悩みの解決に、本書を通じて貢献できればこれ以上の喜びはありません。

最後になりましたが、技術評論社の傅さん、秋山さん、とてつもないクオリティで英語版利用規約のレビューをしてくださったAZX法律事務所の林賢治先生、利用規約・プライバシーポリシーのパブリックコメントをお寄せいただいた皆様、そして何より共著者のお二人に、心から御礼を申し上げます。

それでは!
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GitHubでドキュメント管理というのはすごく「techしてる」感があって文系職種としてはワクワクするのは事実ですし、実際始めてみればレビューのスムーズさや堅牢性などの点で利便性がすごく高いのは間違いありません。

他方で
  • 最初に全規程をmarkdown化するのがめっちゃ大変。特に表は、移植時に一度死に、改定時にもう一度死ぬことになる。
  • 全社員がgithubアカウントを持っている会社じゃないとGitHubPages化が必要
  • そもそも法務にアカウントが付与されていないと導入に際して追加費用が発生することになる
  • 修正内容によっては改定箇所の強調表示が分かりづらいことがある
  • 上の人がGitHubでやることをおもしろがってくれない会社では導入のハードルが高い
といった難しい点があるのも事実です。

そこで、規程管理が辛い状態だけど、GitHubを導入してなんとかするほどでもないという皆様におすすめなのが、Googleドキュメントでの規程管理です。
Googleドキュメントは、プルリク→レビュー&approveみたいな堅牢性はありませんが、大抵の会社では全社員がアカウントを持っていて追加費用は不要で、表も箇条書きもWYSIWYGに作れます。

具体的な手順はこんな感じ

最初の準備

  1. おそらくWordで管理されている最新版をGoogleDrive上に作った規程集フォルダにアップロード
  2. しっかり規程のフォーマットが構造化されていればほとんど破綻なく変換されているので過去の自分に感謝する(そうでない人は過去の自分を呪いつつ体裁を直す)。
  3. 規程集フォルダを閲覧権限で全社員に公開
  4. 法務部員等の規程の改定作業をする実務担当者だけに編集権限を付与する。

改定手順

  1. 改定したい規程を開き、提案モードで改定したい内容をガシガシ書いていく。(注:提案モードで編集した内容は、承認するまで閲覧権限ユーザーには見えません)
  2. 改定案作成後、docx形式でダウンロード
  3. いつものようにフォントがダサくなっているのでフォントだけ一括変換
  4. 変更案が変更履歴の形式で表現されているのでこちらで決裁を取る
  5. 決裁完了後、再度規程を開いてすべての提案を承諾して、リリース完了
  6. うっかり編集しちゃったときに戻れるように、版の名前を「●年●月●日決議版」みたいに変更しておく

いかがでしょうか。
「えっ、マスター版を直接弄っちゃうの?」とか、「間違えて、または意図的に編集モードで編集されたら、公開されてる規程が変わっちゃうじゃん」と思った方。
あなたはまともな感覚の持ち主です。
そして、まともな感覚の持ち主であるがゆえに、規程管理みたいなどうでもい・・・じゃなかった、地道なタスクで苦しむ羽目になってしまっているのです。
重要な業務とは言え所詮は社内のルール。
何かあっても死ぬわけでもないんだし、いざというときは履歴をたどれば戻すことは可能なわけですから、ここらは一つ「こまけーこたーいいんだよ」というスタンスのやわらかな規程管理で苦しさから自分を開放してあげてはいかがでしょうか。(というスタンスが許容される規模・ステージの会社に限られるので、その点はご注意ください。念の為。)

ちなみに、この管理方法を採用すると、気になったポイントを提案モードでガンガン書き込んでいけるため、「細かいから次の改定にまとめよう」と先送りにされた挙げ句に結局忘れ去られがちな軽微修正なども確実に抑えていけますし、コメント機能で簡単な議論も可能です。
↓適当に拾ってきた就業規則でやってみたイメージ
blog

というわけで、久しぶりの法務関連の雑記でした。
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ほぼ無風だった2017年とは打って変わって、2018年はまさに激動の一年でした。
その激動の一年の締めくくりとして、12月末で現職を退任し、1月からまた別の会社に移ることになったのですが、それについては一旦横においておくとして、短いながらも人事、経理、財務、広報の入り口を垣間見るとともに、資金調達にキックオフからクロージングまで触れた経験はとても貴重だと思うので、この感覚を忘れないうちに気づいたこと、学んだことを文章に残しておこうと思います。

マニュアルは大切


やるのは自分だけ、という状況下ではマニュアル作りを後回しにしがちですが、忘れっぽい性格であることを自覚していたので、労務・経理系で大量の定型作業が発生することを見越して結構細かい作業についても自分用マニュアルを作るようにしました。
もちろん、マニュアルは手順を忘れないようにするという意味でも役にたったわけですが、それ以上に
・(特に急いでいるときに)作業の抜け漏れを防げた
・別の人への作業の引き継ぎをスムーズに行えた
・迷う時間がなくなり、作業が早くなった
といった効果を得られたことを実感しました。
「そんなの当たり前だろ」と思われるかもしれませんが、他の管理部門と比べると法務にはそれほど定型作業が多くないので、マニュアルを整備するメリットを感じる機会ってそこまで多くないんですよね。
マニュアルは標準化を必然的に伴うので、法務が標準化に今ひとつ弱いのもこういう面が影響しているのかもしれませんね。

職種ではなく、役割・機能で業務を捉える


定期的に話題になる「攻めの法務・守りの法務」や「法務のキャリアパス」は、どちらかというと、職種の観点から法務という業務を捉えています。
他方、役割・機能から法務を捉えるのはどういうことかというと、「この会社にとって必要な法務とは」という視点から法務を見るということを意味しています。
会社の規模、業種、ステージや、役員のマインド等の要素によって、必要な法務の役割や機能は大きく異なるはずなのですが、法務の中にいると、どうしてもこのような観点を失いがち(または意図的に目をそらしがち)になってしまいます。法務の側からの「こうなりたい・こうしたい」という発想ではなく、会社にとってベストな選択肢はどれなのか、という発想から機関運営、契約、知財などの業務を定義できると、「攻めの法務」とか「経営のパートナー」といったお題目以上に、法務が存在意義を発揮できるようになるんじゃないかと今は思っています。

未経験の業務に携わる難しさ




最終出社日の後、1ヶ月以上インプットのための時間を確保することも可能だったのですが、実際には人事系の書籍を数冊読んだだけで業務に飛び込んでしまったのが、今回の蹉跌の大きな原因の一つだったように思います。そもそも、自分が他の人と比べて高い成果を出せる(可能性がある)のは法務の領域だけであり、人事、経理、財務を始めとしたその他の領域では素人同然であったにもかかわらず、危機感が圧倒的に足りませんでした。そして、着任後は怒涛の業務に日々追い立てられ、時間的にというより精神的にインプットを行う余裕はなくなり、負のスパイラルを招くこととなってしまいました。
今思えばなぜ「なんとかなる」と思っていたのか不思議でならないのですが、当然のことながら、新しいことにチャレンジするのはとても難しいことであり、先人に教えを請うたり、書籍を浴びるように読んだりすることはスタートラインに立つために最低限すべきことだったんですよね。
また、新しいことへのチャレンジが難しい以上、もっと慎重に、徐々に領域を広げていくような進め方が必要だったのだろうなとも思います。もちろん、そんなまどろっこしいことをせずに突き進んでいけるスーパーな人は実際に存在するわけですが、自分はそういうタイプの人間ではないということについてはもう少し自覚的であるべきだったな、と。

助けてくれる人のありがたさ


この8ヶ月間、本当に多くの人に、色んな角度から助けていただきました。
資金調達についてアドバイスをくださったVCのパートナーの方や事業会社の投資担当者の方、人事・財務の考え方を基礎からレクチャーしてくれた元同僚の手助けがなければ何倍も右往左往することになっていたと思いますし、退任を決めた後に超短期間で転職先が決まったのも、声をかけてくれた前の上司・同僚や知人のおかげでした。
この感謝の気持ちを忘れないようにするとともに、Pay it Forward的に、同じようなチャレンジをして悩んでいる人がいたら積極的に手を差し伸べていきたいなとも思っています。

といったところで遅い時間になってしまったので続きは明日(というか、もう今日か)に。
資金調達に関して学んだことをまとめてみようと思います。
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さて、前回の転職が2014年7月16日づけだったので、3年9ヶ月を経過し、そろそろ4年目に突入しようとしているわけですが、ほら、何か違和感ありませんか?

76年に1度と言えば、そうですね、ハレー彗星ですね。
20年に1度と言えば、そうですね、伊勢神宮の式年遷宮ですね。
7年に1度と言えば、そうですね、善光寺のご開帳ですね。
3年に1度と言えば、そうですね、kataxさんの転職ですね。
えっ?嘘でしょ?kataxさんまた転職するの?えっ?(2014年07月11日)


・・・ね?

というわけで、2018年3月30日を最終出社日としてまた転職することになりました。

これまで、日本ウリサインとか、kataxの採用決定を重要事実に含めるべきでないかについて東証が検討中とか散々な言われ方をしてきましたが、次は未上場企業なので市場関係者の皆様に於かれましては一旦ご安心いただければと思います。

で、
誰にも言ってもまったく信じてもらえないのですが、僕はジョブホッパー的に転職を繰り返すことについて1μgたりとも良くは思っておらず、それどころか、できることなら一つの会社にしっかりと根を下ろして働くことの方が、会社にとってはもちろん、本人にとっても良いと心底考えています。
えっ?嘘でしょ?kataxさんまた転職するの?えっ?(2014年07月11日)
との整合性というか、言い訳については、今回は「チャレンジ」の一言に尽きます。

2017年末に一年を振り返ったとき、これまでにないほどの停滞ぶりを目の当たりにして「これが老化というものか」と恐れおののいたわけですが、自分の意識や努力でどうにかできる範囲は限られているのでどうしたもんかと悩んでいたところ、色々あって人事・法務・広報を含む管理部門全般を見るという役回りの職を得るチャンスを得られたため、思い切って飛び込むことにしました。
こういうときは、自分にできるかどうかを考えず、自分がやりたいと思っているか、やらないと後悔しないかを基準に行動した方が良いと思うんですよね。

無資格法務のキャリアパスについてでいうところの、1-bガチマネージメントコースであり、これまでの法務としての経験を活かせる領域は限定的なわけですが、不思議と不安はそれほどなく、今はただひたすら新しいチャレンジを前にワクワクしています。

なお、会社の規模やステージに鑑みると、法務業務の負荷は全体の20%以下になることが見込まれますし、またそうしなければならないとも思うので、タイトルで「法務をやめる」宣言をしてはみましたが、このブログは今後も折に触れて更新していこうと思っていますので、今後ともよろしくお願いします。

あと、次こそ、次こそは、長く勤め上げたいと思っています!

ではでは〜
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今年も残すところ2日強となった今になって、2017年がどういう一年だったのかを振り返った時、真っ先に思い浮かんだことは「成長のない一年だった」でした。
これは別に自虐でも何でもなく、ほんとうに「去年までできなかったけれど、今年できるようになったこと」が何も思い浮かばないんです。

これまで年末に一年を振り返れば、新しい分野へのチャレンジの2つや3つ自然と思い起こせるのが普通でしたし、そもそも成長することへの渇望、停滞への危機感の強さだけが自分の取り柄だと思っていただけに、年末になってこの事実に直面したときはショックを覚えました。
そして、更に良くないことは、ただ徒に1年間を過ごしてしまったというその事実だけでなく、あの時あれをやっておくべきだった、といった具体的な後悔もあまりないということです。
これは、成長することへの慣性が働いていないということであり、それはつまり、もう一度意識的にアクセルを踏み込まなければ、来年の年末にも同じことを思う羽目になるということでもあります。
そしてきっと、その時には、今感じているようなショックを受けることはないのでしょう。
こうやって人は成長することを止め、老害への道を辿り始めるのかもしれません。

比べること自体がおこがましいのは承知の上で引き合いに出すと、僕も日野原重明さんのように、生きている間中チャレンジを続けていきたいし、それができるものだと思っていたのだけれど、どうやらそれは、僕にとっては無意識にできるようなことではなかったようです。

そんなわけで、来年は、意識的に新しいことにチャレンジしていきたいと思います。

それでは、みなさま良いお年を!
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12/8追記

本エントリーのアップ後に @takujihasizume さんとディスカッションした結果を踏まえ、提案1については主張を撤回します。
→捺印書面は別にいらないんじゃないかな、という趣旨です。




このエントリーは法務系 Advent Calendar 2017の7日目のエントリーです。




このエントリーの結論は以下のとおりです。
  1. 弁護士ドットコムやリグシーに、電子契約の送付先メールアドレスを収集・管理する一般社団法人を設立・運営してほしい
  2. さらに、その一般社団法人で標準的な契約条項を管理&公開して欲しい





電子契約の送付先メールアドレスを収集・管理する一般社団法人を運営してほしい


電子契約の導入を検討する際にネックになるのが、相手方の会社としての意思が電子署名に乗っているのかがわからない、ということです。

捺印であれば、二段の推定の一段目によって本人の意思による捺印であることの推定が働くことに加え、仮に推定が覆る事実があった場合でも印章の性質上表見代理が認められる期待もそれなりにできますが、メールアドレスをキーにする電子署名にはこのような期待は通常できません。

もちろん、相手方が本人確認を行う電子署名法に準拠した電子署名を用いて契約を締結してくれればこの問題を解決できはしますが、導入負荷が重すぎて電子署名法準拠の電子署名を電子契約一般に用いるというアイデアは現実的ではないため、本格的に電子契約を導入したければ必然的にDocusignやクラウドサインのようなメールアドレスをキーにした電子署名(カジュアル電子署名)の利用を前提にせざるを得ません。

そのため、カジュアル電子署名を前提に、会社の意思をある程度確実に乗せるためにどのような対応をすればよいかが問題になるわけですが、これはもう印章が持つ力を借りるしかないな、という結論に至っています。
これはつまり、「このメールアドレス宛に送られた電子署名リクエストに応じて付した電子署名は、当社の意思に基づく電子署名ですよ」という宣言を代表者印捺印済みの書面で事前にもらっておく、ということです。
仮に捺印という極めて優れた意思表示の方式が日本になかったとしたら、電子署名に切り替えることで増えるリスクは限定的なものにとどまるので、こんなことを考えずにスッと電子署名に切り替えられたのだろうと思います。というか、サインのような偽造が容易でかつ検証困難な仕組みを維持するくらいなら、電子署名のほうがまだましと考えるのが自然なのかもしれません。

このやり方は手間と得られる効果のバランスがとれた良い方法だとは思うのですが、いかんせん各企業が独立して対応するのはあまりに非効率なので誰かにぜひ取りまとめてもらいたい。
そして、特定の事業者が取りまとめてしまうと、それ以外の事業者が提供するサイニングシステムのユーザーが利用しづらくなるので、ぜひ一般社団法人を設立し、(少なくとも外形的には)中立の立場から取りまとめを推進してもらいたいと願っています。
クラウドサインの弁護士ドットコムさん、Holmesのリグシーさん、いかがでしょうか!
この一般社団法人が運営されている世界の理想像はこんな感じです。
ある企業と電子契約を締結する際、DocusignやクラウドサインやHolmesに送付先メールアドレスを記入し、「確認」ボタンを押すと、API経由で登録メールアドレスDBに検索リクエストが送信され、登録済みであればメールアドレスとセットで登録されている法人名と代表者名が返ってきてサイニングシステムに自動的に登録される。登録済みでなければその旨のアラートが出る。
(サイニングシステム側のタスクですが)未登録アラートが出た場合は、そのまま電子契約を進めるか、相手方にDB登録を促すメールを送るかを選択できる。


標準的な契約条項を管理&公開して欲しい


先日、永井先生とランチをご一緒し、契約法務業務の効率化について意見交換をさせていただいた際に、契約条項をウェブ上で公開し、各社がその契約条項を参照して契約を締結するようになれば劇的に業務を効率化できるのではないか、というアイデアを検討する機会がありました。
これは、
  • 各企業におけるドラフティングの手間を省略できるだけでなく、
  • (語弊を恐れずに言えば)セミプロの手による完成度の低い契約条項を修正しなければならないという面倒も未然に防ぐことができ、
  • 標準契約やひな形のようにカスタマイズが入る恐れもないので一度内容を把握すれば次から再び読む必要はなくなり、
  • またCreative Commonsのように重要な条件をわかりやすく利用者に提示してくれれば契約書を読み慣れていない人も適切な契約条件を選択できるようにもなる
というなかなか悪くない施策だと思うのですが、いかんせん特定の企業がそのような取り組みを始めたとしても、当該特定企業が当事者にならない契約において利用されることは期待できないのがネックです。
そこで、電子署名用のメールアドレスのDBを管理する一般社団法人が設立された暁には、各事業者から一歩引いた存在としてこの契約条項の公開と管理も担って欲しいのです。

紙+捺印で契約書を取り交わすことを前提にすると、このような施策は紙からウェブ上の規約を参照するという歪な状態を受け入れる必要があり、あまり現実的ではありませんでしたが、もし電子契約が主流になった暁には特段の違和感はないのではないかと思います。
それどころか、サイニングシステムが契約条項のインポートに対応しさえすれば、宛型のメールアドレスを記入し、契約条項を選択し、期間等の変数部分を入力すれば、相手方に電子署名が付された完成した契約書を送付することも可能になります。

技術的には何一つとして難しいことをしていないので、しかるべき団体がやる気を出せば、さほど時間をかけることなく運用を開始できるのではないでしょうか。
クラウドサインの弁護士ドットコムさん、Holmesのリグシーさん、いかがでしょうか!(二度目)

続いてはcaracalooさんです〜
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