せっかくの休日をつぶしてビジ法1級を受けてきました。
これで、去年から断続的に続いていた死のロード資格編はひとまず休憩に入ります。
受かっていればいいなぁ、と期待しつつ、どんな感じだったか忘れないうちに書いておきます。

とても長くなったので、追記に書きました。
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会場は、水道橋の日大。
2級を受けたときも同じ場所で受けたので、迷わず到着。
そして、迷わず校舎に入ろうとしたら、
「1級はあっちです」
と、追いやられる。
不吉という二文字が脳裏に浮かぶが、不潔よりはマシだと思い、強引に気持ちを立て直す。

校舎に入って部屋を確認していると衝撃の事実が。
なんと、後ろから数番目。
ギリギリに申し込んだせいだとわかっていても、ここまで限界までしっぽのほうだとちょっと嬉しい。
幸運という二文字が脳裏に浮かぶが、ギョーカイ人はウンコをこう呼ぶのではないかと思うと、気分が沈む。

階段をたくさん上ってようやく部屋に入ると、思いのほか空席が多い。
1万円の受検料を払って受検をパスする人の財布の中身を見てみたいと思いつつ、でも自分の隣のやつは来ないことを祈っていたら、いつの間にか試験前の注意が始まる。隣はまだ空席だ。幸先がいい。

明らかに受検番号等の記入箇所が多い事にちょっと腹を立てつつも、それでも心地よい緊張感に包まれて開始のときを待っていたら、なんと遅れて入ってきた男がこっちへ向かってくる。
あわてて呪詛の言葉をつぶやいた事が奏功したのか、座ったのは僕の隣の席ではなかった。これを僥倖といわずしてなんと言おうか。

そうこうしているうちに、ほんとに何気ない感じで「では、今からスタートしてください。制限時間は2時間です」との試験監督の一声で共通問題がスタート。時間は10時22分。中途半端極まりなく、時間配分の計画を立てづらい事この上ない。何を考えているんですか?と聞こうと思ったが、試験に関する質問は一切受け付けないと最初に断っていた事を思い出して諦める。あの一言にこんな罠が隠されていたのか。嵌められた。

共通問題1問目は、とぼけた社長をとりなす法務部長のお話だ。いくらなんでもこれは酷いと思いながら、淡々と解く。
個人情報を漏洩しておきながら「総会が荒れるから情報開示はしたくない」と社長がおっしゃっている。お前、今すぐ辞任しろ、と問題文に向かってつぶやく。目の前に本人がいないのだから、そりゃなんとでもいえる。

共通問題2問目は、いわくつきの土地売買のお話。
システム屋をなめてるのか?
土地なんか買ったこともないし、これから買う予定も無い。ふざけるな。
絶望的な気分に浸りながらしょぼしょぼと解く。
ところが、書き終わってみると悪くないような気がしてくるのが論文式の恐ろしいところだ。別に誰に迷惑をかけるわけでもないのだからとちょっと自信を持つ事にして残り少ない時間で1問目を見直すと、なんと「財産的損害が生じていない場合は損賠責任は発生しないのではないか?」というバカ社長の質問に答えていなかった事に気づく。
あまりになめた質問だったので、脊髄レベルで無視していたようだ。あわてて空きスペースに「イシャ料請求されるおそれがある」と書いたところでタイムアップ。
採点される方がカタカナを見て僕の置かれた状況を読み取ってくれる事を祈りつつ、答案が回収されていくのを見送る。ドナドナ。

明らかに効率が悪い答案回収を経て、ようやく昼休みになる。
外に出て久しぶりに牛丼を食べてみようとあたりを見渡すものの、さっぱり見当たらないのでさっくりと目の前のまぐろ丼屋に入ってねぎとろ丼を注文する。ところが、直後に入ってきた男が戻りカツオ丼を注文しているのを聞いて、激しく敗北した気分になる。魚の格で言えば、マグロ>カツオなのかもしれないが、やはり戻りカツオ>ねぎとろであることに疑いは無いだろう。その思いは、ねぎとろ丼が運ばれてきた瞬間、確信に変わった。ネギが少なすぎる。これをねぎとろ丼と呼ぶなんてバカじゃないのか?
おぼえたての消費者契約法に基づく解除をしようと思ったが、そんなことをしたらお昼を食べ損ねてしまう事に気づき、断念する。知識があるのも良し悪しだ。

約5分で偽ねぎとろ丼を完食し、午後の選択問題に挑む。
開始は13時41分。やはり受検者をなめているとしか思えない時間だ。やっぱりこれはいやがらせなのだろうか。

4問中2問を選択せよとのことなので、一通り眺めてみる。
1問目、知的財産法。中国で特許出願というセンテンスが引っかかるものの、いけそうな気がする。
2問目、労働法。パス。大体、労働法は人事任せなのが普通なんじゃないのか?
3問目、企業結合とか資本政策。おいらみたいな下っ端には縁の無い話だ、パス。
4問目、英文契約書。僕がTOEIC640点と知っての狼藉か?修正点を指摘せよ、とあるので、「日本語で書くべきである」と解答しようする右手を左手が必死に静止する。だれも見ていないところでパペットマペット。引く人がいない代わりに笑う人もいない。寂しい事この上ない。

ここで一旦よーく考えてみると、今のままではどうやってみても4問中1問しか選択できないことに気づく。ヤバイ。とりあえず、1問目を書いてから考えよう。
・・・よし、完了。
ここで落ち着いて2問目をもう一度読んでみると、どうやら記憶の隅に転がっている知識と相棒の六法を使えばそれなりにかけないことも無いような気がする。
というわけで、労働者派遣法と労働基準法と労働安全衛生法をガシガシ繰る繰る繰る。
おそらく、これでいけるだろうというところまできて、違反の効果を調べようと罰則規定を見ると(省略)。試験監督といい、六法といい、今日のキャストはふざけているのだろうか。
もしかすると、部屋に入った瞬間、2分冊になった分厚い六法を抱えていたオタを見つけて冷笑したばちが当たったのかもしれない。すまん、オタよ。赦してくれ。
そんなハードルもなんとか乗り越え、何とか書き終えて周りを見ると、また微妙に人数が減っている。諸行無常という言葉が頭に浮かぶが、3秒ほどして意味が全く通じていないことに気づく。そこまで我が頭脳は疲弊していたのだろうか。

なんてことを考えているうちに、15時41分になり、本日の日程はすべて終了した。

まったくもってめでたい一日だった。