2008年09月

    【15日目〜】
  • 依頼する側も受ける側も段々と間合いのようなものがつかめるようになってきた。
    そして、ある程度覚悟していたとはいえ、やっぱり「変更する時間的余裕はないからそのままで」とか、「昔からこのフォームでやっていたから変更不可」といった「そんなら契約書を取り交わさない方がいいんじゃないっすか?」的な依頼もぽつぽつ出てきている。

  • ここで登場するのが、「契約書の記載を巡ってもめ事が起きることなんてほとんどない(少なくとも現在の国内取引では)」というマイ座右の銘。
    これに従い、合理的な条件を契約書上に記載することにはこだわらず、先方と合意に至った時点で発行する意見書に問題点をぜーんぶ列挙し、決裁者の判断にどんどん委ねちゃうことにする。(そして、どんどん決裁されていく  f^^;)

  • こうすることで、依頼者からは「話がわかる奴だ」と誤解してもらえるし、仕事もサクサク進められるしで一石二鳥だ!。
    監査役から「もっとまじめにやれ」って怒られたことなんて気にしない気にしない。
    管理体制が脆弱な会社で肩肘張っても疲れるだけさ(と、自分に言い聞かせることにする)
    ・・・はぁ
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    【12日目】
  • 営業部門にリーガルチェックの開始をアナウンス
    早速送られてきた依頼の処理を開始。

  • いろいろ「?」な案件もあったけど、中でも特に困りものだったのが、「昔から利用している雛形をそのまま利用する」という案件。
    雛形だけにすでに先方に提示済みで、”一応、念のため”見てくれって言われるやつ。

  • もう、これは”雛形”の運命なのだろうけど、
    1.想定していない案件に流用してしまう
    2.相手方の要求等に応じてカスタマイズしたものと差し替わってしまう
    3.雛形のバージョンがまちまち
    4.法改正に追いつけていない
    といった、ありがちな問題のオンパレードにやっぱり悩まされることになった。

  • 被害の拡大をくい止めるために、今後、雛形の利用を中止してもらうようお願いをする。
    とはいえ、すべての案件についてスクラッチで契約書を作るわけにも行かないので、1〜4のデメリットを解消した雛形の策定を急ぐ必要が生じた。

  • とりあえず、良好な信頼関係を築いた状態でスタートを切れたけど、これを失わないためにも、あらゆる対応を前倒しで進めないと・・・
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    【11日目】
  • 知財担当者と打ち合わせ
    当社はソフトウェアのライセンス供給をしてることもあり、会社のライセンス方針を把握している(はずの)知財担当者とは密に連携しろと入社直後から繰り返し言われてたわけだけど、話を聞いてみるとすごくすごーく単純な話だった。
    密な連携って(笑)

  • さて、これでスタート切れるぞ、と一安心してたところで、開発部門の部長から、「見てもらいたい案件がたまってるよ」と満面の笑みで言われる。
    そうか、以前、「依頼件数は月に10件強くらいだよ」って言われてほっとしたことがあったけど、あれは営業担当者との打ち合わせで言われたこと、つまり、受注関係の契約書限定の話だったわけだ・・・
    あぁ・・・なるほどね・・・

  • 「じゃ、待ってるからね」と、おっさんに言われてもうれしくともなんともくないせりふを残して颯爽と去っていった部長と入れ替わりで、今度は以前法務を担当されていたという常勤の社外監査役から声をかけられる。
    「偽装請負、よろしくね」

    ・・・

    とりあえず、
    「わかりました。(労働局からお手紙が届いたら)対応を考えます。」
    と元気に回答しておく。
    業界全体の問題だろ、それ。

つづくよ・・・
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    【6〜10日目】
  • 営業担当者と打ち合わせ
    現時点で考えているフローを話すと、「それでいいんじゃない?」といった感じの反応。
    いいからとにかく一日でも早く稼働を開始してくれって雰囲気をひしひしと感じる。
    想像してたより前向きにリーガルチェックの開始を受け入れてくれているようでほっとした。(邪魔者扱いされないまでも、もっと無関心だと思ってた。)
    こちらが思っているよりずっと、法務が社内にいない=相談先がないことから不安を感じてるみたいだった。
  • ある程度の反発も覚悟していた弁護士窓口の法務への一元化に至っては、営業部門の部長から「弁護士から得た知識が各担当者に分散してしまっているのをどうにかしたかった」と歓迎されてしまう。
    なにやら肩すかしの感すらある。
  • むしろ、第一印象で「めんどくさい奴だな」って思われないように気を使いすぎたせいで、何を言いたいのかをうまく伝えられないことが何度か発生し、もどかしさに心の中で身悶える。
  • 打ち合わせ後、管理系部門の部長、監査役の了解も無事取りつけ、ほぼフローについては固まった。
  • 僕にとって幸運だったのは、ここまでに発生した他部門との調整の際に、上長のマネージャーが強力にバックアップしてくれたこと。
    業務的には全くかぶらないにもかかわらず、基本的には自主性を尊重しつつも業務の特殊性を十分理解した上で適切な指示を出してくれ、また打ち合わせのお膳立ても積極的にしてもらえるのでほんとに楽。
    思わず、以前法務部門の長をしていたことがあるのか聞いてしまったくらい。(実際は、人事畑一本で、法務はおろか総務だって経験ないらしい。へぇ。)
  • 最後は知財担当者との業務の切り分けの調整。
    これが終わったら、いよいよ運用開始だ。
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    【3〜5日目】
  • 営業担当者のスケジュールになかなか空きが無く、打ち合わせは翌週にセッティングされることに。
  • というわけで、与信管理の整備を先行して進めながら、営業担当者との打ち合わせまでにリーガルチェックのフローの案を作ってしまうことにする。
  • この数日間この会社に導入されている社内システムをいじってみて、リーガルチェックのフローに流用できる要素が何一つとしてないことが分かったので、依頼者とのやりとりはメールベースで行うことに自然と決定。
  • メールでリーガルチェックの依頼を受ける場合、手軽に開始できる反面、
    1.やりとりの途中経過を見れる人が限定されてしまう
    →不在、引継のとき困る
    →チェックの妥当性・品質を検証できない
    2.各案件のステータス管理ができない・難しい
    →どっちがボールを持ってるのか、遅れている案件はどれか、など
    3.受け取ったメールが、どの案件に関するものかわかりづらい
    →そもそも、チェック依頼のメールとその他のメールの区別もつきづらい
    といった罠にはまり易いので、迂回する方法を考える必要がある。

  • きっと決まった答えはないんだろうけど、とりあえず、
    1.については、
    1−1.システム担当の人にお願いしてエイリアスを作ってもらい、依頼関連のメールをすべてエイリアス宛に集約する。
    →エイリアスに法務担当者に加えて上長筋を登録してもらい、情報を共有する。
    1−2.案件毎にワードでカルテを作り、打ち合わせや回答の内容、注意事項などを一覧できる状態にする。

    2.については、
    2−1.エクセルベースで案件を管理する一覧表を作成し、案件のステータスを一覧できる状態にする
    →運用が破綻しないように転記する情報を絞る必要があるわけだけど、自分の場合は、番号(自動)、開始日、完了日(完了するまで空欄)、依頼者、件名、ステータス(ドロップダウンで選択)直近依頼日、備考欄を選択
    →条件付き書式やテーブル化で自分好みの体裁に。
    2−2.各案件に固有の受付番号を振る
    2−3.1案件につき1つの契約書を原則とし、一回の依頼で複数の書面についてチェック依頼を受けた場合は、法務側で複数の案件に分割してしまう。

    3.については、
    3−1.依頼を受けた直後に件名を「受付番号」「相手方社名」「案件概要」で構成した受付連絡メールを返信し、以後件名を変更しないよう依頼する
    →受付番号を特殊な記号やかっこで囲むと検索の時便利
    →件名をものすごく長くせざるを得ないときもあるが、気にしない。
    3−2.上記の1−1.で作成したエイリアス宛のメールについて、スレッド表示することにより、各案件のメールを集約する
    →OEでも可能ではあるけど、この点については秀丸メールを使うと10倍くらい便利になる

    ことで対処することに。

まだまだつづく・・・
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    【二日目】
  • 営業の事務担当の3人と打ち合わせをセッティングしてもらえたので、現在の契約書面の処理フローについてヒアリング。
  • 月間の処理件数は10件強(期末はその倍くらい)とのことで一安心。そのくらいなら与信管理と平行してもクオリティを落とさずにチェックできそうだ。
  • 現状は、ほぼ予想していたとおり、各担当者が弁護士にチェックを依頼し、その回答をもってリーガルチェックとしているとのこと。
  • 今後のことを考えると、弁護士への依頼窓口は法務に一元化しておきたいけど、そこら辺の話は営業担当者の話を聞く必要があるとのことなので(まぁ、そりゃそうだ)、できるだけ早いタイミングで営業担当者との打ち合わせをセッティングしてもらうよう営業事務のグループリーダーに依頼し、快諾してもらった。
  • 現在の進め方に少し不安を抱いているようで、チェックの依頼を開始してもいいか打診されたけど、ぐだぐだなスタートを切ってしまうと後が大変なので、新しいフローが整うまで現状のやり方を維持してもらうことに。
  • 席に戻ったあと、締結済みの契約書を管理しているか、ダメもとで総務の担当者に聞いてみたところ、なんと、すべての契約書につて押印後スキャニングし、一元保管しているとのこと!
  • 全契約書に社長印を押印しているからこそ可能な漏れのない管理!
    すばらしい!
    ビバ中小企業!
    几帳面な総務の人がいてくれてほんと助かった!
    フォルダの名前が「契約書及びNDA」だったことなんてどうでもいい!
    今日一番のうれしいニュースだった。
  • さて、リーガルチェックの方はまだいいとして、問題は与信管理だ・・・

つづく・・・
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    【初日】
  • 簡単な(誇張抜きでほんとに簡単な)オリエンが終わったあと、自分のデスクに戻ってPCの設定に勤しむ。
  • ある程度予想・・・というか、覚悟していたとはいえ、あまりの放置ぶりにちょっと先行きに不安を感じる。
  • さらに、驚くべきことに、与信の管理の仕組みを作るってのが最初に言い渡された仕事。
  • 「やる人がいないから」ってわけではなく、「法務担当に任せる」ってことらしい。
  • 経理から信用の供与という仕事が移管されるとは・・・
  • とりあえず、与信関連の書籍を貸してくれたので読んでみるも、具体的なノウハウが記載されているわけではないので、一歩も前に進まない。あぁ・・・
  • 一段落したところで、社内の業務上関係しそうな人の席を案内してもらって自己紹介行脚。ちっちゃな会社なので、一瞬で終了。
  • いろんな人に「待ってたよ!」といった趣旨の声をかけてもらったけど、今後の対応を間違えれば「あいつ連れてきたの誰だよ!」にすぐ変わるのだと思うと、逆にプレッシャーを感じてしまう。
  • 面接の時に「フレックスの影響で管理系の部門は遅くまで残ることを求められちゃう傾向がある」ってきいてたけど、定時を過ぎたあたりでみんな普通にぽろぽろ帰り始めたので、自分も周りの様子をうかがいながら帰宅。
  • 転職してからしばらくは、この「空気を読む」作業に神経をすりらすことに疲れるんだよね。

つづく・・・
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ベンチャー企業に一人目の法務要員として転職して2ヶ月が経過し、だいぶ業務も落ち着いてきたので、備忘録の意味も込めて、今までの動きや反省点をメモっていきたいと思います。

同じ境遇に置かれた方の参考になれば幸いです。

【会社のステータス】
・従業員数100人程度
・ソフトウェア業界
・顧問事務所2つ
 →中堅+小規模
・非常勤の知財担当が1人
・コーポレート法務担当が1人
・設立から4年くらい

【自分のステータス】
・法務歴5〜6年
・契約法務、コンプラ中心

それでは、はじまりはじまり〜
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