2009年03月

7 Tips for Writing a Successful Legal Blogという面白そうなエントリーを見かけたので読んでみたところ、ちょっとがっかりしてしまった。

適当に訳すと、こんな感じ。
  1. まっとうな動機に基づいて書け。たとえば金儲けのためにブログ書くのはやめとけ。
  2. 毎日エントリーを書け。それが無理なら、せめて定期的にエントリーを書け。
  3. 読者が興味を持つことを書け。たとえば、最近の出来事や独特の意見など。
  4. 読みやすいスタイルで書け。リーガルライティングとブログは違う。
  5. 宣伝とSEO対策でトラフィックを稼げ。
  6. 炎上を避けろ。過度の批判や個人攻撃は危険だ。
  7. おもしろく書け。

なんつうか、Legal Blog(blawgというらしい。ほんとかよ)特有の項目が一つも無いような・・・

加えて、読者やアクセス数をかなり意識していることから、遠からず燃え尽きてしまいそうなにおいがぷんぷんしてくる。

批判だけだと生産的ではなので、近いうちに自分の感じていることを7つにまとめてみよう。そうしよう。

では、おやすみなさい。
このエントリーをはてなブックマークに追加 Share on Tumblr

細かいけど、やるとやらないとじゃ仕事の効率に違いが出るTips

---

最近は減ってきてはいるけど、相変わらず当事者を「甲」「乙」と定義することがあるけど、これを、社名や契約上の立場で定義する。
例:日本電気は「NEC」、KDDIは「KDDI」と定義する
例:売買契約では「買主」「売主」と定義する

これだけで、よくある割りに発見が難しく、さらに影響も大きくなりがちな「甲乙取り違え」のミスを簡単に防止できます。
このエントリーをはてなブックマークに追加 Share on Tumblr

企業法務マンサバイバルさんの管理監督者に関するエントリーを読んで、連想したこと。

過払い返還請求ブームが一段落しつつある現在、先生方の次の飯の種として、なかなかうまそうな気配がしてきたな、と。

・確定した基準があるとは言い難い
・とはいえ、まぁ間違いなくNGだろうな的な運用をしている会社は少なくない
・弱い者(名ばかり管理職)を救うというストーリーは国民受けする

という状況で、マクドナルド裁判のような事例が積み重なれば、法定利率を超えた利息分の性質がどんどん借受人に有利な内容へと変容していったように、未払い時間外賃金の性質も、同様にどんどん名ばかり管理職に有利な内容へと変容する可能性は否定できないと思う。

そして、過払い返還請求のように手続きが確立し、あたかも積み立てていた定期預金を引き出すかのように未払い賃金の請求が可能となる、と。



吟じます。

昔の話なのであきらめていたけど〜〜〜〜お〜〜〜〜お〜〜〜〜
弁護士がなにやら手続きしたら〜〜〜〜あ〜〜〜〜あ〜〜〜〜あ〜〜〜〜
理屈はわからないけど小銭が手に入った〜〜〜〜〜〜

あると思います。
このエントリーをはてなブックマークに追加 Share on Tumblr

IT Proの、事業化を阻む「ライフログ」のプライバシ問題を読んで感じたこと。

個々人の行動を記録する(そして、それを分析し、分析結果を踏まえてユーザーに提案を行う)サービス「ライフログ」にまつわるプライバシ問題についてわかりやすく解説されてはいるんだけど、個人情報保護の方向に傾きすぎてるんじゃないかって感じた。

そりゃ、個人情報の保護は大切だよ。そんなことはわかってる。
でも、個人情報保護の名の下に、個人情報の適切な利用までもが妨げられがちな現状は、少なくとも僕にとっては迷惑以外の何者でもない。

世の中には、たとえば僕のように、個人情報をどんどん利用(もちろん適切に、だけど)して、その代わり便利なサービスを提供してほしいと思っている人もそれなりにいるはずなのに、そういった望みがかなえられる機会が不当に限定されちゃっているんじゃないかというと、もう夜も眠れない。というのは言いすぎだけど。

---

で、少し話が変わるけど、こんなことになっちゃった原因は、国民性とか個人情報保護法施行前後の個人情報バブルの残滓とかいろんな説明を聞かされるけど、個人的には、「特定個人の識別可能性の判断が個人情報取扱事業者を基準になされる」ことが一番大きいんじゃないかって常々思ってる。

つまり、個人情報保護法は個人情報を「生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」と定義しているけど、この「特定の個人を識別することができる」が、個人情報取扱事業者を基準になされるってことが、大きな障害になっているんじゃないか、と。

たとえば、携帯電話事業者がユーザーの行動ログをデータベースに記録する場合、まず間違いなく行動ログデータは顧客情報テーブルとは別のテーブルに保存され、かつ行動ログテーブルと顧客情報テーブルは、顧客番号のような抽象化した情報で関係付けられるに過ぎないはず。つまり、行動ログテーブルを見ても、どこの誰さんの行動かはわからず、00324503さんの行動であるということしかわからないようになっているはずだ。
にもかかわらず、上記の基準によると、この行動ログテーブルも、それ単独を個人情報として取り扱う必要があることになる。

なお、「行動ログテーブルの内容次第では、行動ログテーブルの情報だけで個人が特定される可能性がある」という反論は、的を外れてる。ここで言いたいのは、一般人には個人を特定できないが、個人情報取扱事業者には個人を特定できるケースについてなので。

なんで「顧客番号283459」みたいな意味不明な情報まで個人情報としてとりあつかわにゃならんのだ、って気がするけど、顧客番号283459と顧客の氏名等を照合できる携帯電話事業者にとって、それは紛れも無い個人情報なのが現状なわけだだ。それがいかに第三者が個人を特定することができない無意味な情報であっても。

で、さらに言えば、携帯電話事業者以外の第三者が、端末ID(サブスクライバIDなど)に紐付けて端末利用者の情報を収集しても、当該第三者はその情報からは個人を特定できない以上、その情報は個人情報保護法上の個人情報に該当しないことになる、と。

だったら、特定個人の識別可能性を個人情報取扱事業者以外の第三者においた方が、なにもかもずっとうまくいくようになるんじゃないか?
で、もし、個人情報取扱事業者の持つ「個人を特定できない情報」についても、自分以外の人がコントロールしているのは気持ち悪いって思う人が国民の大多数を占めるなら(少なくとも僕はそんなこと思わないけど)、当該情報に関し、別途利用目的開示義務やら訂正等応諾義務やら利用停止応諾義務やらを課せば済むだけなんじゃないか?

なんでもかんでも個人に関する情報だからバリバリ全開で保護しろって風潮は、とっとと風とともに去ればいいのに。

だいたいなんだよ、「ライフログ・サービス活性化に向け政府が始動」って。
新しいサービスに政府が首つっこんでもたいてい碌なことにならないんだから、早く黙って不適正な利用を懲らしめる作業に戻れって。
そのサービスがいいものであれば、ほっといても活性化するから。絶対。
個人情報保護法志向前のドタバタお笑い劇場(「ビジネスで交換する名刺も5000件のカウントに入れるべきですか?」みたいな。あほか。)をまたやるつもりなのだろうか。勘弁してくれ。

と、日ごろの鬱憤を裏取りせずに書きなぐったところで、またまた出社してきまーす。
このエントリーをはてなブックマークに追加 Share on Tumblr

先週末のGigazineの記事経由で知ったんだけど、Adsenseのアカウントを特に理由が無い(と認識してる)のに消されてしまい、未払いの報酬の支払いを求めてGoogleを相手取って提訴したってケースがあったそうな。
結局勝訴したそうなんだけど、その理由がすごい。
Gigazine
事実、AdSenseの規約にある条項6によると「Google は、その独占的裁量で、いかなる場合でも理由の如何を問わず、本プログラムの全部または一部、あるいは本契約を終了し、どの本件プロパティについても本プログ ラムの全部または一部への参加を中止あるいは終了することができます。」と書いてあるものの、これは英語では「any reason」と書いてあり、「no reason」ではありません。つまり、どのような理由によってもアカウントを停止することはできるが、理由にならない理由によってアカウントを停止することはできない、とGoogleが自分で言っているわけです。

原文
In fact, clause 6 of the AdSense for Content Terms and Conditions does not allow Google to terminate accounts for "no" reason--only "any" reason. Much to my amusement, the judge interrupted her to make a point that sounded familiar.


つまり、(この発言を本当に裁判官がしたのであれば、という前提ではあるけど)規約に「any reason」としか書いてなく、「no reason」とは書いていないことが請求認容の根拠になっているとのこと。

日本だったら、おそらくany reasonだろうがno reasonだろうがトリーズンだろうが、理由にならない理由で弱い立場の人が不利益をこうむるような本件のような事例では、規約の文言に拘泥することなく、権利濫用でさっくり処理されるような気がする。

もし、こんな判決が普通に出るようであれば、アカウント停止条項(とか通知解約条項etc)を作る際には「terminate accounts for any or no reason」と書くよう部内で申し送りされるだろうし、もちろん、他の規定だって文理解釈できっちり結論がでるよう徹底して突き詰められていくんだろうなってことは容易に想像できる。

今まで、英文契約(の、特に一般条項)って、へったくそな読みやすいとはいえない文章で、ながながずらずらいろんなことが書いてある理由をいろんな場面でいろんな方からレクチャーされたけど、本件ほどその理由がしっくりと腑に落ちたことはない。

やっぱり、契約書は裁判で証拠となることに一番の存在意義があるわけだから、裁判所の傾向は、ダイレクトに契約書の傾向に反映されるんだろうと思う。
さらに言えば、たまに、「日本の契約書は雑で、米国企業の契約書は細かい」的な言い方をされることがあるけど、むしろ「普通に契約条件を書けば行間を読んで合理的な結論を導き出してくれるって信頼のある日本の裁判官と、1から10まで契約条件として書かないとどう判断されるかわからんって思われてるアメリカの裁判官」の違いってだけのことなんじゃないかって気がしてくる。
つまり、ごちゃごちゃ重複する文言を重ねなくても普通に契約に関する紛争が合理的に解決されているであろう日本の状況は、海外のそれよりずっと優れてるんじゃないかって思う。

契約書の文理解釈を通じて痛い思いをしにくいってことは、とてもいいことだぞ、と。

さて、推敲ゼロで、出社してきまーす。
このエントリーをはてなブックマークに追加 Share on Tumblr

@ITで「IT業界で楽しく仕事をするための10カ条って記事があるんだけど、これはそのまま「法務業界で楽しく仕事をするための10カ条」に置き換えることが可能だな、って思った。
・其の一、本や雑誌を買って読むべし
・其の二、分からないことは、なるべく自分で調査するべし
・其の三、お気に入りのWebサイトを見つけて読むべし
・其の四、社内外に向けて情報発信するべし
・其の五、勉強会やセミナーに出席するべし
・其の六、専門家であるべし、さらに多くの“基本”を網羅的に知っておくべし
・其の七、誰が何を知っているのか、人的ネットワークを広げるべし
・其の八、自分のコンピュータと気に入った新しい携帯電話を持つべし
・其の九、1つのプログラミング言語だけではなく複数の言語を使いこなすべし
・其の十、適切なメモを取るクセを付けるべし

其の九は、1つの業務分野(契約法務であったり、行政規制対応であったり、コーポレート法務であったり、などなど)だけでなく、複数のぎょうむ分野に対応できるようになるべきだ、という風に読み替える必要はあるけど、ほぼそのまま(タイトルだけでなく、@ITで言及されている各項目の内容も)法務に当てはまることに、ちょっと笑ってしまった。

もともと法務とSE/PGの仕事って共通する点が多くあるなーって感じることはあるけど、意外な形で裏付けが取れたような、そんな気分です。

では、朝ごはん食べてきまーす。
このエントリーをはてなブックマークに追加 Share on Tumblr

ニーズはそれなりにありそうなのに、検索してもそのものずばりのコードがみつからなかったので、LAW launcherで使っているコードを貼り付けておきます。
private void SearchProc(string SearchKeyWord)
{
  if (webBrowser1.Document != null)
  {
    HtmlDocument doc = webBrowser1.Document;
    mshtml.IHTMLDocument2 doc2 =doc.DomDocument as mshtml.IHTMLDocument2;
    mshtml.IHTMLTxtRange textRange = ((mshtml.IHTMLBodyElement)doc2.body).createTextRange();
    bool isFound;

    textRange = doc2.selection.createRange() as mshtml.IHTMLTxtRange;
    if ((Control.ModifierKeys & Keys.Shift) == Keys.Shift) //Shift押してたら上方向に検索
    {
      textRange.moveStart("textedit", -1);
      if (textRange.text != null) textRange.moveEnd("character", -1);
      else textRange.moveEnd("textedit", 1);
      isFound = textRange.findText(SearchKeyWord, -1, 2);
    }
    else //Shift押してなかったら下方向に検索
    {
      if (textRange.text!=null) textRange.moveStart("character", 1);
      textRange.moveEnd("textedit", 1);
      isFound = textRange.findText(SearchKeyWord, 1, 2);
    }
    if (isFound)
    {
      textRange.scrollIntoView(true);//見つかったらスクロール
      textRange.select();//そして範囲選択
    }
    else
    {
      MessageBox.Show("「"+SearchKeyWord+"」は見つかりませんでした。");//見つからなかったらメッセージ
    }
  }
}
このエントリーをはてなブックマークに追加 Share on Tumblr

その1「権利義務の譲渡禁止」
開発案件等の知財権が発生する契約に、
「本契約に関する権利及び義務を第三者に譲渡、承継し、または担保に供してはならない。」
的な規定を設けちゃうと、文理解釈上は知財権の第三者への譲渡等も禁止されることになるけど・・・これは、明らかに当事者の意思に合致していない。(開発を受託した側に知財権がすべて留保されるケースでは別だろうけど)

その2「秘密情報の例外」
秘密情報の例外の定番は、
(1)開示時点で公知の情報、
(2)開示後、受領者の責めに帰すべからざる事由に基づいて公知になった情報
(3)開示時点ですでに受領者が知得していた情報
(4)開示後、第三者から秘密保持義務を負うことなく適法に知得した情報
(5)受領者が独自に開発した情報
(6)開示者が秘密情報から除外することに承諾した情報
の6個(細かい言葉遣いはいろいろあるだろうけど)だけど、特に短いバージョンのNDAで、「法令等で開示が義務付けられた情報」が付け足されることがある。
でも、これは秘密保持義務の例外にすべきであって、秘密情報の例外とするのは少なくとも文理解釈上は変。
捜査機関に差し押さえられたら、以後は自由に第三者開示できるなんてことがあっていいはず無いわけだしね。

その3「仮差で解除」
解除事由に「仮差押または仮処分を受けたとき」があげられてることが結構あるけど、訴訟してて1審で負けたら仮差されることもあるでしょうよ。
そんなときにも解除できるってことすか?


と、まぁどうでもいいことを昼休みに書いてみました。
ボイラープレート条項は読み飛ばされる運命にあるので、ちゃんと読んでみるとたまに面白いことが書いてあってすがすがしい気分になることがありますよね?僕だけ?

ではでは〜
このエントリーをはてなブックマークに追加 Share on Tumblr

↑このページのトップヘ