前のエントリーがあまりに雑然としていてさっぱり交通整理になっていなかったので、もう一度ちゃんと書き直してみることにした。
なお、iPhone 3GSの頭金騒動の概要は、一言で言ってしまえば「特定のショップで、iPhone 3GSの販売に当たって頭金や契約金等が請求されている」ということのようなので、以下の記載は、これを前提にする。
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まず、この騒動については、SBMを始めとした各携帯電話事業者が「金融業者」「通信キャリア」「端末の卸業者」の3つの役割を一手に担っているという事実を意識しないと正確に問題点を理解できないと思う。
一つ目の「金融業者」というのは、割賦あっせんスキームにおける「購入者に代わって端末代金を代理店に支払う者」という立場で、この立場からは代理店がいくらでどんな商品を売ろうと関係ないのが原則(「誰に」という点が最重要ポイントのはずだ。つまり分割払いをまっとうできるかどうかという意味で。)だ。
この立場に関しては、購入者はキャリアに文句を言いづらい。
次の、「通信キャリア」というのは、いわゆる携帯電話事業者本来の立場だ。
通信キャリアは、SBMに限らず「代理店」という形で自社の通信サービスのサポート拠点網を構築しており、この代理店を適宜指導・監督する(少なくとも道義的な)責任がある。
代理店が"おいた"をした場合、購入者はこの「監督責任」を通信キャリアに対して追及すると、そこそこ色よい返事をもらえることが多いはずだ。(「代理店に事実確認をし、不適切な対応があれば改善するよう指導します。」というやつ)
ただ、直接通信キャリアに「頭金を返金しろ」等の請求をするのは筋が通りにくい。
そして、最後の「端末の卸業者」というのは、どうやら日本特有らしい、メーカーからキャリアが端末を全数買い上げて、代理店に卸しているという面に着目する立場だ。
この立場からは、代理店がいくらで売るかに関与してはならないという独占禁止法上の規制に服するので、「代理店が頭金を取ってる。やめさせろ。」というのは無茶な要求であることがわかるはずだ。
こうしてみていくと、代理店になんだか納得行かない対応をされた場合、通信キャリアに直接「謝罪と賠償を要求する!」みたいな攻撃を加えるのではなく、対代理店への交渉を裏からサポートしてもらうというのが効果的であるように感じる。(もちろん、実際やったわけじゃないので、あくまで想像ですが。)
ただ、上記のサポートも、代理店が「よからぬ対応」をしていない場合は期待できないので、前提として、代理店の行為がまずいのかどうかを検討する必要もある。
今回の件で言えば、
1.店頭POPの頭金欄に、0円と表示されているか。
2.申込書の頭金襴に、0円と表示されているか。
が一番重要だと思う。
上記のいずれかが満たされている場合に頭金や契約金等を請求することは、(代理店による)割賦販売法違反となる可能性が高いからだ。
なお、頭金と称するか、契約金と称するかは、少なくとも割賦販売法上は何の違いもない。
「頭金」は、割賦販売法施行規則によって「割賦販売の契約の締結に際し支払う金額(要約)」と定義されているからだ。
逆に、上記のいずれも適切な頭金の金額が記載されている場合は、それは単なる代理店ごとの販売価格の差異でしかないので、あなたは誰に対しても文句を言えないという立場になる。
【まとめ】
iPhone 3GSを買うときに頭金を請求されたら、申込書の記載を見よう。
申込書の記載に文句をつけたら頭金をしれっと追記されたという体験談もあるので、念のため、POPも写真に残しておこう。
申込書にもPOPにもちゃんと頭金が記載されていたら、そこはそういうお店なので、違うお店で買うか、値切るか、我慢するかを選択しよう。
もし代理店が不適切な対応をした場合、「●●ショップの●●店が●●という対応をしている。返金にも応じてくれない。大変困っているので、貴社から指導してほしい。」と、キャリアに泣きつこう。(くれぐれも、おかしなクレームをつけないように注意!)
※いつもどおり推敲なしでアップするので、誤字、誤解等ございましたらご指摘ください。
なお、iPhone 3GSの頭金騒動の概要は、一言で言ってしまえば「特定のショップで、iPhone 3GSの販売に当たって頭金や契約金等が請求されている」ということのようなので、以下の記載は、これを前提にする。
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まず、この騒動については、SBMを始めとした各携帯電話事業者が「金融業者」「通信キャリア」「端末の卸業者」の3つの役割を一手に担っているという事実を意識しないと正確に問題点を理解できないと思う。
一つ目の「金融業者」というのは、割賦あっせんスキームにおける「購入者に代わって端末代金を代理店に支払う者」という立場で、この立場からは代理店がいくらでどんな商品を売ろうと関係ないのが原則(「誰に」という点が最重要ポイントのはずだ。つまり分割払いをまっとうできるかどうかという意味で。)だ。
この立場に関しては、購入者はキャリアに文句を言いづらい。
次の、「通信キャリア」というのは、いわゆる携帯電話事業者本来の立場だ。
通信キャリアは、SBMに限らず「代理店」という形で自社の通信サービスのサポート拠点網を構築しており、この代理店を適宜指導・監督する(少なくとも道義的な)責任がある。
代理店が"おいた"をした場合、購入者はこの「監督責任」を通信キャリアに対して追及すると、そこそこ色よい返事をもらえることが多いはずだ。(「代理店に事実確認をし、不適切な対応があれば改善するよう指導します。」というやつ)
ただ、直接通信キャリアに「頭金を返金しろ」等の請求をするのは筋が通りにくい。
そして、最後の「端末の卸業者」というのは、どうやら日本特有らしい、メーカーからキャリアが端末を全数買い上げて、代理店に卸しているという面に着目する立場だ。
この立場からは、代理店がいくらで売るかに関与してはならないという独占禁止法上の規制に服するので、「代理店が頭金を取ってる。やめさせろ。」というのは無茶な要求であることがわかるはずだ。
こうしてみていくと、代理店になんだか納得行かない対応をされた場合、通信キャリアに直接「謝罪と賠償を要求する!」みたいな攻撃を加えるのではなく、対代理店への交渉を裏からサポートしてもらうというのが効果的であるように感じる。(もちろん、実際やったわけじゃないので、あくまで想像ですが。)
ただ、上記のサポートも、代理店が「よからぬ対応」をしていない場合は期待できないので、前提として、代理店の行為がまずいのかどうかを検討する必要もある。
今回の件で言えば、
1.店頭POPの頭金欄に、0円と表示されているか。
2.申込書の頭金襴に、0円と表示されているか。
が一番重要だと思う。
上記のいずれかが満たされている場合に頭金や契約金等を請求することは、(代理店による)割賦販売法違反となる可能性が高いからだ。
なお、頭金と称するか、契約金と称するかは、少なくとも割賦販売法上は何の違いもない。
「頭金」は、割賦販売法施行規則によって「割賦販売の契約の締結に際し支払う金額(要約)」と定義されているからだ。
逆に、上記のいずれも適切な頭金の金額が記載されている場合は、それは単なる代理店ごとの販売価格の差異でしかないので、あなたは誰に対しても文句を言えないという立場になる。
【まとめ】
iPhone 3GSを買うときに頭金を請求されたら、申込書の記載を見よう。
申込書の記載に文句をつけたら頭金をしれっと追記されたという体験談もあるので、念のため、POPも写真に残しておこう。
申込書にもPOPにもちゃんと頭金が記載されていたら、そこはそういうお店なので、違うお店で買うか、値切るか、我慢するかを選択しよう。
もし代理店が不適切な対応をした場合、「●●ショップの●●店が●●という対応をしている。返金にも応じてくれない。大変困っているので、貴社から指導してほしい。」と、キャリアに泣きつこう。(くれぐれも、おかしなクレームをつけないように注意!)
※いつもどおり推敲なしでアップするので、誤字、誤解等ございましたらご指摘ください。