チョコっとラブ的なにかのmixiの8月18日規約改正について疑問というエントリ経由で知ったんだけど、mixiが今度の規約改定で、このような規定を利用規約に追加するそうな。
ちなみに、14条柱書は、
という非常に強いものです。
続いて目にしたIT Mediaの「全体公開の日記にメアド書かないで」 mixiが規約改定では、この規定を追加した趣旨にも言及されていて、
ということらしい。
電番やメルアドで個人を特定できるのか、という古典的な論点や、「個人が特定される連絡先」と「個人情報」の関係は?という疑問はひとまず置いといて、連絡先を公開するなという規定の趣旨についてだけ考えることにしますが、mixiのシステム(ニックネームそのものが連絡先になる)と矛盾するはずなので、多分mixi自身は、「連絡先の公開が一切NG」とは考えていないはずだと思います。
→もしこれをNGにしたら、マイミク申請ができなくなっちゃうよね・・・
「だったら、『連絡先の公開禁止』なんて規定追加するなよ」、と思うかもしれない(そして、その気持ちはよくわかる)けど、現実にはいろんな思惑に引っ張られて、こういった「そんなつもりはないのに」系の規定が颯爽と登場することがあるんだよね。それも、結構な頻度で。
(訴訟でも、最初は「損害を賠償させよう」という趣旨だった訴訟が、いつの間にか「あいつらをギャフンと言わせてやる」という訴訟になっちゃってる、みたいな形で現れてきたりします。)
なんでそんなことになっちゃうかというと、その理由は単純で、「何を目的にしていたのか」が、調整の過程でおいてけぼりにされてしまうから、または最初から目的が不明確だったからなんじゃないかと思います。
「mixi 利用規約」でググったら、mixiは著作権の利用許諾に関して、1年ほど前に似たような騒ぎを招いていたらしい。
このときの目的は(少なくとも建前上は)、「著作権がシステム運営の妨げになるのを防ぐ」というものだったみたいだけど、実際に発表された規定案は全面的な無償利用許諾を求めるもので、このときも規定が目的と乖離していたことがユーザーの反発を招いたのだと思います。(目的が建前どおりのものだったら、という前提はありますけど)
つまり、根っこは同じなんですよね。きっと。
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残念なことにというか、めんどくさいことにというか、法務に持ち込まれる段階では、「こうしたい」という話しかしてもらえないことの方が多いので、「なぜ、そうしたいのか(目的)」については、積極的に追っていかないとなかなか教えてもらえまないのが一般的な傾向だと思います。
でも、決められた条件どおりに契約書を作るのは、法務の仕事の中では最下層。条件を決めるところに関与できない法務は、来るべき(というか既に到来しかかっている)弁護士大増員時代にはきっと淘汰されるはずで、その意味では、「なんでそうしたいの?」というところは、おろそかにしちゃいけないんだろうと思います。(別にmixiの中の人が、目的を疎かにしていると言いたいわけじゃないですよ。)
また、自衛という側面から見ても、文言をめぐって問題がおきたときは、まずはその文言を作った人に矛先が向かうわけだから、その意味でも気をつけないといけないだろうなと改めて思った次第です。
さて、昼休みも終わるので、この辺で。
mixi利用規約 第14条
(16)自己または第三者の住所、電話番号、メールアドレス等の個人が特定される連絡先を、本サイト内のユーザー全体に公開される箇所に投稿する行為。
利用規約改定のお知らせ
ちなみに、14条柱書は、
ユーザーは、本サービスの利用にあたり、次に掲げる行為を行ってはならないものとします。禁止事項に違反した場合には、強制退会、利用停止、日記等の情報の全部もしくは一部の削除、又は公開範囲の変更等の不利益な措置を採ることがあります。
という非常に強いものです。
続いて目にしたIT Mediaの「全体公開の日記にメアド書かないで」 mixiが規約改定では、この規定を追加した趣旨にも言及されていて、
全体公開日記にメールアドレスなど個人情報が掲載され、ユーザーがトラブルに巻き込まれるのを防ぐ目的。
同社によると、全体公開の日記が誰でも閲覧できると意識せず、「携帯のメアド変えました」などと、メールアドレスなど個人情報を日記に掲載するユーザーがいるという。
規約改定後、こういった日記を事務局が見つけた場合、非公開設定にした上で、ユーザーに対して、公開範囲を「友人限定」に変えるか、削除するといった対応を取るよう伝える。
ということらしい。
電番やメルアドで個人を特定できるのか、という古典的な論点や、「個人が特定される連絡先」と「個人情報」の関係は?という疑問はひとまず置いといて、連絡先を公開するなという規定の趣旨についてだけ考えることにしますが、mixiのシステム(ニックネームそのものが連絡先になる)と矛盾するはずなので、多分mixi自身は、「連絡先の公開が一切NG」とは考えていないはずだと思います。
→もしこれをNGにしたら、マイミク申請ができなくなっちゃうよね・・・
「だったら、『連絡先の公開禁止』なんて規定追加するなよ」、と思うかもしれない(そして、その気持ちはよくわかる)けど、現実にはいろんな思惑に引っ張られて、こういった「そんなつもりはないのに」系の規定が颯爽と登場することがあるんだよね。それも、結構な頻度で。
(訴訟でも、最初は「損害を賠償させよう」という趣旨だった訴訟が、いつの間にか「あいつらをギャフンと言わせてやる」という訴訟になっちゃってる、みたいな形で現れてきたりします。)
なんでそんなことになっちゃうかというと、その理由は単純で、「何を目的にしていたのか」が、調整の過程でおいてけぼりにされてしまうから、または最初から目的が不明確だったからなんじゃないかと思います。
「mixi 利用規約」でググったら、mixiは著作権の利用許諾に関して、1年ほど前に似たような騒ぎを招いていたらしい。
このときの目的は(少なくとも建前上は)、「著作権がシステム運営の妨げになるのを防ぐ」というものだったみたいだけど、実際に発表された規定案は全面的な無償利用許諾を求めるもので、このときも規定が目的と乖離していたことがユーザーの反発を招いたのだと思います。(目的が建前どおりのものだったら、という前提はありますけど)
つまり、根っこは同じなんですよね。きっと。
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残念なことにというか、めんどくさいことにというか、法務に持ち込まれる段階では、「こうしたい」という話しかしてもらえないことの方が多いので、「なぜ、そうしたいのか(目的)」については、積極的に追っていかないとなかなか教えてもらえまないのが一般的な傾向だと思います。
でも、決められた条件どおりに契約書を作るのは、法務の仕事の中では最下層。条件を決めるところに関与できない法務は、来るべき(というか既に到来しかかっている)弁護士大増員時代にはきっと淘汰されるはずで、その意味では、「なんでそうしたいの?」というところは、おろそかにしちゃいけないんだろうと思います。(別にmixiの中の人が、目的を疎かにしていると言いたいわけじゃないですよ。)
また、自衛という側面から見ても、文言をめぐって問題がおきたときは、まずはその文言を作った人に矛先が向かうわけだから、その意味でも気をつけないといけないだろうなと改めて思った次第です。
さて、昼休みも終わるので、この辺で。