2010年05月

朝のニュースはiPad一色といったおもむきで、一瞬テレビに映ったサラリーマン風の男性が会社の偉い人の目に留まって営業さぼって行列に並んでるのがばれてクビになったらいいのにと呪詛の言葉をそこかしこに吐き散らしているみなさんこんにちは。僕は元気です。

さて、先日すったんもんだのあげくようやくSnowLeopardにアップデートしてiPadアプリの開発ができるようになったので(Windowsユーザの間隔では驚きですが、新しいバージョンの開発環境は、早くもLeopardを対象OSから外しているのです!)、早速始めてみました。

起動直後
56)


法令検索
11)


一から作り直すのでいったいいつリリースできるのかは全く不透明ですが、おおむね当初ほしがっていた人にiPadが行き渡った頃には完成させたいな〜と思っている所存です。

そんじゃ、まったね〜。
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先生!渾身って、どう読むんですか?ふんどしですか?


さて、契約法務という仕事には「そのクオリティの高低が滅多に第三者の評価にさらされない」という特殊性があります。

それが経理担当者であれば、一人しか担当者がいない場合でも、すっとぼけた仕事をしていれば顧問の税理士さんなり会計士さん(もしいれば監査法人)からお叱りを受けることになりますし、もっと言えば税務署からお叱り以上のものを頂戴することにもなりかねませんので、その仕事の品質は常に他者の評価にさらされています。
また、プログラマなどの技術者も、成果物が使い物にならなければお客さんは激怒するわけで、「かの邪智暴虐のプログラマを除かなければならぬ」などと言われかねません。
いわんや営業をや。

しかし、契約法務は、びっくりするほどのひどい仕事振りであっても、トラブルが発生するまではその成果物(典型的には契約書)が白日の下にさらされることはありません。
さらに言えば、もしトラブルが発生したとしても、間にいる自社の営業担当・相手方の営業担当という強力な緩衝材が「まぁまぁまぁ」と”運用でカバー”してくれることも少なくないため、その傾向はさらに拍車がかかります。

そんなわけで、契約法務の担当者は、たまにびっくりするほどぱっぱらぱーな人が紛れている率が結構高いのです。
(と、人ごとのように書いてますが、実は僕だってその一人で、上記の理由からそれを自覚していないだけかもしれません。)

と、前置きが長くなってしまいましたが、このように法務担当者は、その実力のボラティリティがスカイツリーのように高いので、うまいことダメ法務を除外する必要があるのです。
しかし、初めて契約法務の担当者を採用する場合は、残念ながら候補者の実力を測ることのできる人が社内にいないため、この問題はより深刻さを増します。

そこで、ようやくこのエントリーの本題、”法務に縁のない人が使える法務担当者を採用するために有効なテスト”の登場です。
じゃじゃーん!
  1. 実際に利用した契約書と黄色の蛍光ペンを渡し、問題と感じた箇所にマーキングしてもらう
  2. マーキングが終わったらピンクの蛍光ペンを渡し、「相手方が修正点は最低限にしてほしいと言っている前提で、それでも修正すべきと考える点」にマーキングをしてもらう。
  3. 黄色のマーキング部分について「修正不要と判断した理由」を説明してもらう
  4. 黄色+ピンクでオレンジ色になったマーキング部分について、「修正しないとどんなまずい現象が起こるのか」を説明してもらう

この、3と4について、法務担当者ではない人によくわかるように説明することができない人や、法務担当者ではない人がすんなり納得できない理由を上げる人は、実務ではあまり役に立ちません。
この方法なら、法務に縁のない人でも、いや、むしろ法務に縁のない人だからこそ、効果的に優良な法務担当者を選別することができるのです。
(二人目からは、他の候補者の指摘と食い違う点について「こうは考えられませんか?」と聞くのもいいと思います。)
ポイントは、どこにマークしたかではなく(その適切性は判断できないので)、どうしてかをちゃんと説明できるか、です。

法務担当者を初めて採用するという方が現時点でどの程度存在しているのか甚だ不安ではありますが、見事この条件にマッチした方はぜひお試し頂き、その結果を教えてくださいませませ。

なお、この方式では「間違ったことを堂々と言い放つ」タイプの問題児を見抜くことはできませんので、その点はご注意ください。
(こっちのタイプはtacさんのエントリーの質問であぶりだせますね。)

そんじゃ、おやすみなさーい
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ここ数ヶ月、もはや何がテーマのブログだったのかさっぱりわからなくなっている気がしなくもありません。
忘れている方がいるかもしれないので再確認しておきますが、このブログは、企業法務がテーマですよ!(鏡に向かって)


さて、と。

昨日Twtterでもお伝えしましたが、ITエンジニアのための契約入門で利用しているエンジン部分のソースをgithubにアップしました
URLは、http://bit.ly/easypubです。
決して高機能なものではありませんが、簡単に電子書籍を公開できるよう心がけています。
ライセンスは(正確にはライセンスじゃないけれども)CC0です。

このエントリーでは、オープンソースにした理由を書いてみたいと思います。

1.やってみたかったから
一番大きな理由です。
なんかほら、「オープンソースにしました」って、ちょっといい感じゃないですか。

2.ダメ出ししてもらいたいから
いままでちゃんとプログラミングについて学んだことがないので、まず間違いなく僕の中には不正確な理解が数多くあるはずです。
今回ソースをさらすことで、自分の間違った理解を少しでも正すことができればいいな、と思っています。
ぜひ、ツッコミをお願いします。

3.たくさんの電子書籍を読んでみたいから
本好きの一人として、一日も早く電子書籍という選択肢が身近なものになればいいなと思っています。
そして、思っているだけより何か行動した方がその実現に近づくのは間違いないので、微力かもしれませんが自分のできることをしようと考えました。

4.販促になるから
350円で販売中のITエンジニアのための契約入門で実際に利用しているエンジンです。
と書けば、少しは販促になるかもしれないと思いました。後付けですけど。

5.惜しくないから
いやらしい話ですが、がっぽがっぽ儲かるソフトウェアやコストをかけて作ったソフトウェアをOSSにすることに抵抗を感じるのは自然な感情だと思います。(OSSにしたから自由に使える訳ではないという話はさておき)
その点、電子書籍はエンジンで儲けるものではなく、そもそもこのエンジンは工数もほとんどかかっていないので、さっぱり惜しくありません。
だからこそのCC0です。

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今後、暇を見てより電子書籍っぽい要素(理解度テストのようなインタラクティブな機能など)を追加したいと思っていますが、「俺がやっちゃる」という方がいらっしゃったら手を加えていただければとてもうれしいです。

そんじゃ、今日も一日がんばりましょう。
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今朝、ITエンジニアのための契約入門が無事リリースされました。
iTunesのページはこちらから
 ↑ iTunesがインストールされていない場合はブラウザで閲覧可能です。

エンジニアの方はもちろん、プロが関与しない電子書籍のクオリティはどんなもんか気になる方も、ぜひお手に取っていただければ幸いです。

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さて、電子書籍後の世界について、です。
今朝リリースされたITエンジニアのための契約入門のアプリを作りながら、ふと「電子書籍が普及した後、どんな変化が起こるんだろう」なんてことを考えたりしていました。

普通の書籍が店頭に並ぶまでには、編集、装丁、印刷、流通などのコストが発生することは避けられません。
そのため、今までは、これらのコストを賄える売り上げが見込める書籍しか店頭に並ぶことはありませんでした。

ですが、電子書籍は、工夫と努力次第でストアに並ぶまでに必要なコストをほとんどゼロにまで下げることができます。
つまり、どれだけ売れるかを気にすることなく、それこそ自分が書きたいことを書いただけの本だって世界に向けて気軽に販売することが可能になるのです。

ノウハウの蓄積や技術の進歩によって電子書籍を出版する手間は今後加速度的に小さくなることは明らかなので、上記の「自分が書いた本を誰でも世界に向けて販売することができる」という事実を理解する人が多くなるにつれ、普通の書籍が存在しない電子書籍は次第に増えていくはずだと思います。

今の時点では電子書籍の品ぞろえは普通の書籍の足元にも及ばないけれど、今後も「普通の書籍を電子化したもの」ではない、生まれつきの電子書籍が増え続ければ、そう遠くない将来にこの関係が逆転するのは、ほぼ間違いないんじゃないでしょうか。
そうなれば、両者の関係は、選択肢は豊富だけど玉石混淆な電子書籍と、数は少ないけれど出版社によって品質が保証された普通の書籍といったところになるんだろうと思うのです。

そして、さらに時代が進んで電子書籍がより一般的になれば(それこそ、”普通の書籍”と言えば、それが電子書籍を指すくらいになれば)出版社は原則として紙媒体の書籍を販売しなくなり、品質を保証する機能だけを持つようになるかもしれません。
もしそうなったら、もう「出版社」という呼び名と実際の機能が食い違うことになってしまいます。

今の時点では自分でも荒唐無稽な空想のように感じるけど、こんな時代は案外すぐそこまで来ているのんじゃないかな、なんてことを考えたりしたのでした。

そんじゃ、またね〜
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ウェブの世界へようこそ!

さて、「ITエンジニアのための契約入門」が他の電子書籍と決定的に異なっている点は、こんな感じです。

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1.プロが全く関与していない
この電子書籍の執筆者のうち、tacさん以外の3人は本を書いた経験がありません。
また、tacさんも、過去に1冊共著で本を書いた経験があるだけで、業として本を書いていらっしゃるわけではありません。
また、通常、書籍を作る際には編集者の方が関与するはずですが、この書籍には編集者が関与していません。
(その代わり、想定読者の方にレビューして頂くことで客観的な視点からのご指摘を頂いています)

2.執筆にかけた時間が圧倒的に短い
企画の開始からリリースまで2ヶ月半で、そのうち執筆に要した期間は数週間。
今回は途中で全面的な改訂かけているのに、です。
しかも、その数週間も自分の本業の合間を縫ってのものなので、実質的な執筆時間はさらにぐぐっと短くなります。

3.リアル書籍が存在しない
当初からiPhoneアプリとしてリリースすることを想定し、体裁も最初からiPhone向けに組んでいます。
通常の電子書籍は、紙の本と電子書籍の2本組みですが、本書は電子書籍一本です。

4.お金がさっぱりかかっていない
この本を出版するために新たに支出した費用は、少なくとも僕にはありません。
既に持っていたWord、フリーの仮想プリンタドライバ(ドキュメントの画像化)、自分で作ったiPhoneアプリ、既に持っていたApple Developer Programのアカウントにみんなで書いたコンテンツのみでこの電子書籍は出来上がっています。

5.ほとんどのやり取りがオンライン上で完結している
まともな打ち合わせは1度だけ、そのほかには飲み会のついでに話をしたことがもう1度あるだけで、それ以外はGoogleDocsで原稿を書き、Googleグループで打ち合わせをするというオンライン上でのやり取りで最終形までたどり着きました。

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次回は、この相違点から気づいたことをまとめたいと思います。
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タイトル通りのお話の後編です。
前編はこちらから


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3月18日
この日の夜、hiroさん以外のメンバー(tacさん、dtkさん、僕)が3人とも出席するイベントがあったので、その後簡単に意識合わせをしました。
企画開始後、初めて顔をあわせて話をしたということになります。
この段階では、まだレビュー結果が戻ってきていなかったこともあり、3月末のリリースは諦めて、もうちょっと叩こうとか、最終的にはお蔵入りになってしまったチェックリストをもうちょっと発展させたらどうかといったことを話しました。

3月21日〜
レビュワーのみなさんから徐々にレビュー結果が返ってきました。
多くの方のご指摘に共通していたのは、形式面での不統一やターゲットが明確でないことであり、小手先の変更では修正することは難しいという状況が判明しました。
根本的な軌道修正をメールベースで行うのは難しいと判断し、スケジュールを調整して再度打ち合わせをすることにしました。

4月2日
2回目の、そして最後の打ち合わせ日。
iPhoneアプリとして出す意味/価値はどこにあるのかといった根本的な疑問を手がかりに、企画全体を見直しました。
この打ち合わせの結果、現在の「テキスト的な基礎知識編」と、「実践的なストーリー編」の2本立てで行くことが確定しました。
それと同時に、基本的にテキスト+チェックリスト方式だった従来の原稿は、その大部分が全面的に改定されることになりました。
また、原稿の修正は、今まで「テキストの修正の採否の最終決定権は、担当者にある」という方式をとっていたのですが、この方法ではどうしても徹底的な修正を行うことが難しいということがわかってきたので、各メンバーが順番に全ての原稿を(誰が書いたものかを問わず)通しで直接修正していくという修正方式に変更しました。
さらに、リリース目標日を4/22に再設定しました。

4月3日〜
前日の打ち合わせで新たに割り振られた担当部分の執筆を各自開始しました。

4月11日〜
各メンバーによる通しレビューが始まりました。
この段階で、項目ごとに別々だったファイルを一つにまとめました。
また、同時にタイトルの検討を始めました。

4月18日〜
大幅に改訂した原稿を以前レビューしていただいたエンジニアのみなさんにお送りしました。
課題を完全に潰せたわけではないものの、頂くご指摘が大幅に少なくなっていたことに安堵しました。

4月19日〜
原稿もほぼ固まったので、アプリの作成に入りました。
この時点では、UIScrollView+UIImageViewで実装する予定でしたが、スクロールが気持ちよくないことに悩んだあげく、TouchMoveで直接UIImageViewを動かすことにしました。

4月22日
かねてより検討していたタイトルが「ITエンジニアを守る契約入門 〜9つのストーリーで学ぶ契約書のはなし〜」に決定しました。
この段階で、アプリのビューワー部分はほぼ完成しました。

4月26日
アプリ紹介文などのリリースに向けたこまごまとした処理を始めました。
アプリが目次/しおり機能を含めて完成しました。

4月28日
AppStoreに申請!

4月30日
原稿の最終調整を行ったので、AppStoreに再申請!

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こうして振り返ってみると、長いようで短い、不思議な2ヶ月間だったなぁって、改めて感じますね。

次回は、電子書籍を作ってみてわかったこと/気づいたことについて書いてみたいと思います。

そんじゃね〜

CFSE0

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