2011年08月

磯崎さんのコラム投資契約を結ぶ際の3つの重要ポイントを読んで、大切なことだけど普段契約書を読んだことのない人には大変だよなぁ、と思ったので、少しでもこんな方々の役に立つことができればと思い、簡単なガイドを書いてみました。

その1:契約書を読む前に、この契約で実現したいことを再確認する
契約書を読みなれていない人は、契約書案が手元に届いても、いきなり読み始めるのはうまいやり方ではありません。
なぜなら、契約書を読みなれていないと、契約書の記載から条件を読み取るのはとても大変だからです。

では最初に何をすればよいかというと、それは、この契約で、自分は何を実現したかったんだっけ?ということを再確認することです。
自分は何を実現したかったのか、とは、つまり投資を受ける契約でいえば「現金を●月●日までに自分の口座に振り込んでほしい」ということであり、物品を買う契約であれば「ある商品を●月●日までに自分の手元に納入してほしい」ということです。この段階では細かいこたぁどうでもいいので、「これがなかったら契約するなんてありえん」というコアが何かを明確にしましょう。

そして、この再確認が終わったら、自分が実現したかったことが、契約書にちゃんと書かれているかを確認するしてください。
この確認作業は、「契約書に何が書いてあるかを頭から読み解いていく」ことよりもずーーーーーっと簡単なので、さくさくっと終わらせることができるのではないかと思います。

その2:自分の義務に、無茶なことが書いてないかを確認する
さて、無事実現したいことが契約書にちゃんと書いてあることが確認できたら、次は「自分の義務」としてどのようなものが規定されているかの確認です。
義務には「●●しなければならない。」というものと、「●●してはならない。」という2種類があることに注意して、蛍光ペンで自分の義務が書いてある部分にラインを引いてしまいましょう。
和文の契約では「●●するものとする。」という。日本語的にどうなの?という書き方で記述されることもあります。
 また、英文契約では、義務には助動詞「shall(禁止義務の時はmay notも)」が義務の目印になります。
そして、ライン引きが終わったら、自分の会社がこの義務をちゃんと守ることができるのかを想像してください。
想像してみて「こりゃ無理だわ」と思った義務については、削除する必要があります。
カッコつけずに「無理ですごめんなさい」と先方に伝えましょう。
なお、文句を言うと、相手方の担当者が「これは紙上の問題で、実際は無視でいいっすよ」と優しい言葉をかけてくれることもありますが、不思議なことに、いざもめ事になると、優しかった担当者の姿が見えなくなってしまったり、担当者の姿は見えても優しさをどこかへ置き忘れてしまっていることがとても多いのでぜひご注意ください。

その3:意味が判らない条項は、思い切って削除する
その1、その2が終わったら、ようやく頭から契約書を読んでもいい頃合いです。
が、結局のところ、読んでも意味のわからない記載はゴロゴロ出てきてしまうと思います。
ここで気をつけてほしいのが、「読んで意味がよくわからない記載については、なぜか自分に有利なように推測してしまう」という、悲しき人間の性です。
ですが、残念なことに、相手方が作った契約書に書いてある意味のわからない記載が自分に有利な意味を持つことはほとんどありません。
そのため、専門家に頼れないケースでは、意味が判らない条項は削除してしまった方が安全ということになります。
ガシガシ削除すると間違いなく先方からは文句を言われますが、後で振り返ってみると意味が判らない条件をのむよりよっぽどマシなことも多いので、がんばる価値はあると思います。


といったところで昼休みが終わりました。
午後もがんばりましょー。
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さて、TOEICもいろんな意味で終わったので、次の短期目標の簿記の勉強をスタートすべく、手始めにこんな本を買って読んでみました。(2時間で読めるという触れ込みどおり、本当にあっという間に読み終わりました。)




ただ、かるーく読み終わったこともあって自分の理解がどこまで進んだのかもさっぱり実感できなかったので、会計の「か」の字も知らない僕がこの本を読んだだけでどの程度仕訳ができるようになったのか、実際に運営したアプリビジネスをネタに複式簿記(的な何か)を作ることで測ってみようと思い立ちました。
なお、金額はすべてわかりやすい数字に置き換えてしまっています。

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まず一番最初に、開発機材としてMacとiPodTouchを掛けで仕入れました
これを帳簿につけると、きっとこんな風になるのだと思います。

借方貸方
9月30日開発機材 100,000買掛金 100,000


・・・あってますか?

そして、12月にアプリが完成し、1月10日に始めての売上報告(10万円)がAppleからありました。
なお、Appleは、売上の3割を手数料として差っぴいてしまいます。

借方貸方
1月10日売掛金 70,000アプリ 100,000
手数料 30,000


さらに、1月末に、待望の振込みがありました。
同時に、その8割を売掛金の支払いに充てます。

借方貸方
1月30日現金  70,000売掛金 70,000
買掛金 56,000現金   56,000


この時点での試算表は、こんな感じでしょうか。
借方貸方
現金    14,000利益  70,000
開発機材 100,000買掛金 44,000


あ、あれ・・・?
この「?」 には何を入れればいいんだ・・・?
(アドバイスを頂いて、無事修正できました)

どうやら簿記の道は、相当険しいものになりそうです。
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人に何かを期待するときの姿勢には、大きく「信頼」と「甘え」の二つがあると思っている。
これはつまり、(あくまで僕の中での定義なので汎用性があるわけではないけれど)「甘え」は、当然期待した通りになるという考えに基づくものであり、「信頼」は、期待した通りにならない可能性を認識し、そのリスクをとった上でなお期待することだという違いだ。

そして、両者の違いは、期待通りに事がすすまなかったときに露わになる。
「甘え」による期待は憤りを生み、「信頼」による期待は失望を生む。
もっと具体的に、「甘え」は「なぜできなかったんだ」という問いを生み、「信頼」は「どうすれば良かったのか」という反省を生むと言ってもいい。
また立ち位置の面からは、「甘え」は外野で、「信頼」は当事者という言い方もできる。

こう書いてしまうと、あたかも「信頼」が善で、「甘え」が悪だと言っているように読めてしまうかもしれないけれど、そんなつもりは全くない。
誰にだって生きてくうえで「甘え」は必要であり、その反射としてある程度人の甘えを許容する度量が求められていると思っている。
僕が言いたいのはただ、期待するという行為には「甘え」と「信頼」の二種類のものがあって、それは似ているようで全く異なるということ、そして、期待される側にとって「甘え」は、知ったこっちゃない、もっといえば時に迷惑なものでしかないということだ。
だから僕は、自分の抱いている期待が「信頼」なのか、「甘え」なのかを意識することは、とても大切なことだと思っている。

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先日、長万部町のPRキャラクタであるまんべくんのTwitterアカウントが不適切発言を理由として更新がストップされ、この件について長万部町長が以下のような謝罪をした。
 このたびの「まんべくん」の戦争についてのツイッター発言については、皆様に大変ご心配ご迷惑をおかけいたしましたことを、お詫び申し上げます。

 今回のツイッター上での発言は、まんべくんのキャラクターの商標を許可している株式会社エム社のコメントであり、長万部町の公式な発言でありませんので、ご理解を頂きたいと存じます。

 しかし、町のキャラクターである「まんべくん」の発言であり、皆様にご心配ご迷惑をおかけいたしましたことを重ねて深くお詫び申し上げます。

 今後の対応については、ツイッターを運営していたエム社への「まんべくん」の使用許諾権を禁止し、まんべくんツイッターは中止となります。

改めてお詫び申し上げるとともに、今後このようなことのないよう十分に注意を払い、更に今回の状況を調査し適切な対応をして参ります。
これが、「甘え」だ。


また、先日ソーシャルメディアでつぶやく前に注意したいこと・・・という百式の田口さんのエントリーに対し、ロケットスタートの古川さんがほとんどがオープンになるソーシャルメディアの時代での心構えというエントリーを書かれている。

このエントリーで田口さんがおっしゃっている「人のステータスを勝手に公開しないで欲しい」という期待も「甘え」だ。


繰り返しになってしまうが、僕は「甘え」が悪いものだと言いたいわけではない。
ただ、「甘え」は、それを許してくれる人の善意によって初めて成立する、言ってしまえば独りよがりなものであるという自覚が必要だと思っているだけだ。


といったことを、うつくしい子どもを読んで考えたりした。
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