2014年08月

企業法務マンサバイバル(通称マンサバ)のエントリー”法務パーソンにとっての「差別化」”を読んで気づいた事についてのメモ。




1.そもそも差別化要因にはどんなものがあるのか
細かく言えばキリはないのでしょうが、大きく括ってしまうと重要なのは「知識」「経験」「資格」「実績」「能力」の五つに分けられんじゃないかと思っています。(年齢はアンコントローラブルなのでここでは除外)
  • 知識
    どれだけ知っているかということ
    対象は法律であったり、実務であったり、現場だったりと、様々
    幅と深さが問われる
    勉強で得られる知識と業務を通じて得られる知識は、どちらも同じくらいに重要
  • 経験
    どれだけやったことがあるかということ
    こちらも幅と深さが問われる
    経験を抽象化すると知識に転化する
  • 資格
    文字通り
    法務に限って言えば、差別化という意味で役に立つのは法曹、弁理士、司法書士、外国弁護士など極わずか
    どうでもいい資格をたくさん持っていても、暇人とかマニアだとか言われるだけなので黙っていた方がマシなことすらある。
  • 実績
    可視化された経験、知識をどれだけ世に出したかということ
    差別化という意味でキャッチーなのは書籍の出版など
    業界によってはblogが大きく貢献することも
    経験や知識が豊富でも実績に乏しい人は少なくない
  • 能力
    実務の処理能力
    最も重要だが、最も測定が難しい
    知識が豊富なのに能力に欠ける人は頭でっかちと呼ばれ、経験が豊富なのに能力に欠ける人は老害と呼ばれ、輝かしい資格・実績があるのに能力に欠ける人は見かけ倒しと呼ばれることになるため、これがないと結局どうにもならない
Presentation-1


2.入り口段階における差別化要因と、実務段階での差別化要因
前記1の通り、最も重要な差別化要因である「能力」は、様々な要素が複雑に絡み合って形成されているものなので、入り口段階、すなわち面接のタイミングでは正確に計ることがとても難しいものです。
そんなわけで、入り口段階では「経験」、「資格」、「実績」のような有無や程度がわかりやすい要素の方がより威力を発揮するため、差別化要因というと、これらを思い浮かべがちです。しかし、中に入った後の実務段階では、「能力」以外はほとんど差別化要因として機能しないのが実情です。(弁護士の「資格」と、強力な「実績」は例外。)
この違いを意識せずに、つまり能力以外の要因についてだけ「差別化」をがんばっていると、なんかすごいけど、仕事では使えない人になってしまうおそれがあるんじゃないかと思います。

3.差別化要因の重要性に対する主観と事実との間のギャップ
自分では「ここがアピールポイント」と思っていたのに人からさっぱり評価されなかったり、逆に自分では大したことないと考えていたことが人から高く評価されたりという経験をしたことがある人は結構多いのではないかと思います。これは仕事に限ったことではなく、たとえば恋愛とかでも。
このギャップを自分自身の力だけで埋めることは困難なのですが、すごく手っ取り早く検証する方法があるのをご存知でしょうか。
それは、転職活動をすること、です。
というのは冗談ですけど(本末転倒も甚だしい)、実際、転職活動をすると自分に対する客観的な評価を知ることができるというのは間違いありません。
もし、これから転職活動をする方がいたら、このギャップについて意識すると今後力を入れていく領域を決めるに当たって役に立つんじゃないかって気がします。自分でそんなこと考えて転職したことはないので、気のせいだったらごめんなさい。

4.じゃあ今、具体的に、何をすべきなのか
とはいえ、今転職活動をしている人なんてそう多くはないはずで、しばらく転職活動なんてするつもりがない大多数の人(たとえば僕のように)が今何に着目すべきかをこちらの図(上の図に各要素の源泉となる「業務」「人脈」「勉強」を追加したもの)を使って考えてみました。
Presentation-2



この図をベースに、どの要素がどの要素に寄与しているのかを線でつなぐとこんな感じに・・・


Presentation-3


もうね、一目瞭然。
キーになるのは、「業務」でした。
「業務」が良質であれば、「経験」が蓄積され、「知識」は充実し、「実績」に、そして何より、サバイブしていくために必要不可欠な「能力」も繋がっていく。
そして、「経験」や「能力」、「実績」は、さらなる業務の獲得へつながり、好循環が始まる。

こう書くと、おっさんが若手によく言う「細かいこと考えないで目の前の仕事に集中しろ!」みたいな話にも見えてしまいますが、それともちょっと違います。「良質な業務」でなければ、一生懸命取り組んでも、差別化にはあまり効率的に寄与しないからです(いや、まぁ、根性はつくかもしれませんけど)

じゃあその、「良質な業務」って何なんだ、という話になるわけですが、これもさっきの話の裏返しで、あらたな「経験」や「知識」が増える、つまり未経験の業務で、かつ「実績」に繋がっていく、つまり注目度やニーズの高い業務、ということだろうなと思います。

勉強も、実績づくりも、資格取るのも悪くはないけど、目の前の業務をより良質なものに変えていくことと、担当した良質な業務をしっかり処理することの方が、差別化という意味ではずっと効果的なんじゃないかな、ということですね。



今やっている仕事が良質といえないときはどうするべきかは、引き続き考えてみたいと思いますが、今日のところはこのへんで。

んでは、また。
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あっという間に転職して一ヶ月が経ちました。

こういうのってすぐに忘れてしまうものなので、記憶がフレッシュな今のうちに、この一ヶ月間に意識してきたことを記録に残しておこうと思います。

過去のメールや資料を読み漁る
継続案件を抱えておらず、また受け入れ側の遠慮もあって、着任直後はとにかく時間に余裕が生まれがちです。
こんな時、つい「何かやることありますか」的なことを聞きたくなってしまいますが、受け入れ側からすると正直この質問受けるのって結構キツイんですよね。
どこまで任せられるかわからないから「じゃぁこれよろしく」なんて気軽に言えないし、かといって手頃な仕事を見繕うのもそう簡単じゃない。
過去の経験からこのことが身にしみていたので、時間がある時はひたすら過去のメールを読んでこの会社における法務の立ち位置や回答の温度感を把握することに努めていました。(GoogleApps導入企業でリーガルチェックのやりとりに特定のエイリアスを含めることをルール化している場合、Googleグループから当該エイリアス宛ての過去のメールを全て読むことができます。)
また、雛形を読んでおくのも、会社のスタンスを手っ取り早く把握するために有用です。
同時に、BtoC屋さんだったので、主要なサービスの利用規約を読み込んでおきました。(ただ、これは入社前に済ませておくべきだったかもしれません)


目の前の仕事を早く高品質に仕上げる
転職直後は前職との比較で改善した方が良いように感じる点に気付きやすいもので、それが外の血を入れる意義の一つであることは間違いないのですが、とはいえ会社特有の事情(しがらみとか、過去の経緯とか)に疎いとどうしても的を外しがちであり、また最悪のケースでは周囲の不興を買うことになってしまう場合もあります。
そんなわけで、改善した方が良いと感じた点はメモとして蓄積しておき、折に触れて対応策を検討・ブラッシュアップすると共に、まずは目の前の仕事を早く、そして高品質に仕上げることに集中しました。


中の人になる
転職直後は知り合いがほとんどいない状態からのスタートになりますが、特に依頼者と接するときは意識的に「もう三年前からいますよ」みたいな雰囲気・態度で接するように心がけました。個人的な感覚でしかないんですけど、こうするだけで馴染むスピードが格段に上がるんですよね。
また、転職先の社風のおかげで、入社直後からたくさんの方にランチにお誘いいただき、職種の枠を越えていろいろな方と知り合いになれたのも幸いでした。人の名前をなかなか覚えられないという僕自身の問題と相まって、顔はわかるけど名前がすぐに出てこない人の割合がものすごく高いということは内緒ですよ。



さて、取りあえず大過なく最初の一ヶ月を過ごすことができ、まずは一安心です。
今の悩みは会社の駐輪スペースに空きがなく、チャリ通できないため、体重がもりもり増えていること。
来月には何とかなる予定とのことですが、それまでどこまで太ってしまうのか戦々恐々です。
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