2017年12月

今年も残すところ2日強となった今になって、2017年がどういう一年だったのかを振り返った時、真っ先に思い浮かんだことは「成長のない一年だった」でした。
これは別に自虐でも何でもなく、ほんとうに「去年までできなかったけれど、今年できるようになったこと」が何も思い浮かばないんです。

これまで年末に一年を振り返れば、新しい分野へのチャレンジの2つや3つ自然と思い起こせるのが普通でしたし、そもそも成長することへの渇望、停滞への危機感の強さだけが自分の取り柄だと思っていただけに、年末になってこの事実に直面したときはショックを覚えました。
そして、更に良くないことは、ただ徒に1年間を過ごしてしまったというその事実だけでなく、あの時あれをやっておくべきだった、といった具体的な後悔もあまりないということです。
これは、成長することへの慣性が働いていないということであり、それはつまり、もう一度意識的にアクセルを踏み込まなければ、来年の年末にも同じことを思う羽目になるということでもあります。
そしてきっと、その時には、今感じているようなショックを受けることはないのでしょう。
こうやって人は成長することを止め、老害への道を辿り始めるのかもしれません。

比べること自体がおこがましいのは承知の上で引き合いに出すと、僕も日野原重明さんのように、生きている間中チャレンジを続けていきたいし、それができるものだと思っていたのだけれど、どうやらそれは、僕にとっては無意識にできるようなことではなかったようです。

そんなわけで、来年は、意識的に新しいことにチャレンジしていきたいと思います。

それでは、みなさま良いお年を!
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12/8追記

本エントリーのアップ後に @takujihasizume さんとディスカッションした結果を踏まえ、提案1については主張を撤回します。
→捺印書面は別にいらないんじゃないかな、という趣旨です。




このエントリーは法務系 Advent Calendar 2017の7日目のエントリーです。




このエントリーの結論は以下のとおりです。
  1. 弁護士ドットコムやリグシーに、電子契約の送付先メールアドレスを収集・管理する一般社団法人を設立・運営してほしい
  2. さらに、その一般社団法人で標準的な契約条項を管理&公開して欲しい





電子契約の送付先メールアドレスを収集・管理する一般社団法人を運営してほしい


電子契約の導入を検討する際にネックになるのが、相手方の会社としての意思が電子署名に乗っているのかがわからない、ということです。

捺印であれば、二段の推定の一段目によって本人の意思による捺印であることの推定が働くことに加え、仮に推定が覆る事実があった場合でも印章の性質上表見代理が認められる期待もそれなりにできますが、メールアドレスをキーにする電子署名にはこのような期待は通常できません。

もちろん、相手方が本人確認を行う電子署名法に準拠した電子署名を用いて契約を締結してくれればこの問題を解決できはしますが、導入負荷が重すぎて電子署名法準拠の電子署名を電子契約一般に用いるというアイデアは現実的ではないため、本格的に電子契約を導入したければ必然的にDocusignやクラウドサインのようなメールアドレスをキーにした電子署名(カジュアル電子署名)の利用を前提にせざるを得ません。

そのため、カジュアル電子署名を前提に、会社の意思をある程度確実に乗せるためにどのような対応をすればよいかが問題になるわけですが、これはもう印章が持つ力を借りるしかないな、という結論に至っています。
これはつまり、「このメールアドレス宛に送られた電子署名リクエストに応じて付した電子署名は、当社の意思に基づく電子署名ですよ」という宣言を代表者印捺印済みの書面で事前にもらっておく、ということです。
仮に捺印という極めて優れた意思表示の方式が日本になかったとしたら、電子署名に切り替えることで増えるリスクは限定的なものにとどまるので、こんなことを考えずにスッと電子署名に切り替えられたのだろうと思います。というか、サインのような偽造が容易でかつ検証困難な仕組みを維持するくらいなら、電子署名のほうがまだましと考えるのが自然なのかもしれません。

このやり方は手間と得られる効果のバランスがとれた良い方法だとは思うのですが、いかんせん各企業が独立して対応するのはあまりに非効率なので誰かにぜひ取りまとめてもらいたい。
そして、特定の事業者が取りまとめてしまうと、それ以外の事業者が提供するサイニングシステムのユーザーが利用しづらくなるので、ぜひ一般社団法人を設立し、(少なくとも外形的には)中立の立場から取りまとめを推進してもらいたいと願っています。
クラウドサインの弁護士ドットコムさん、Holmesのリグシーさん、いかがでしょうか!
この一般社団法人が運営されている世界の理想像はこんな感じです。
ある企業と電子契約を締結する際、DocusignやクラウドサインやHolmesに送付先メールアドレスを記入し、「確認」ボタンを押すと、API経由で登録メールアドレスDBに検索リクエストが送信され、登録済みであればメールアドレスとセットで登録されている法人名と代表者名が返ってきてサイニングシステムに自動的に登録される。登録済みでなければその旨のアラートが出る。
(サイニングシステム側のタスクですが)未登録アラートが出た場合は、そのまま電子契約を進めるか、相手方にDB登録を促すメールを送るかを選択できる。


標準的な契約条項を管理&公開して欲しい


先日、永井先生とランチをご一緒し、契約法務業務の効率化について意見交換をさせていただいた際に、契約条項をウェブ上で公開し、各社がその契約条項を参照して契約を締結するようになれば劇的に業務を効率化できるのではないか、というアイデアを検討する機会がありました。
これは、
  • 各企業におけるドラフティングの手間を省略できるだけでなく、
  • (語弊を恐れずに言えば)セミプロの手による完成度の低い契約条項を修正しなければならないという面倒も未然に防ぐことができ、
  • 標準契約やひな形のようにカスタマイズが入る恐れもないので一度内容を把握すれば次から再び読む必要はなくなり、
  • またCreative Commonsのように重要な条件をわかりやすく利用者に提示してくれれば契約書を読み慣れていない人も適切な契約条件を選択できるようにもなる
というなかなか悪くない施策だと思うのですが、いかんせん特定の企業がそのような取り組みを始めたとしても、当該特定企業が当事者にならない契約において利用されることは期待できないのがネックです。
そこで、電子署名用のメールアドレスのDBを管理する一般社団法人が設立された暁には、各事業者から一歩引いた存在としてこの契約条項の公開と管理も担って欲しいのです。

紙+捺印で契約書を取り交わすことを前提にすると、このような施策は紙からウェブ上の規約を参照するという歪な状態を受け入れる必要があり、あまり現実的ではありませんでしたが、もし電子契約が主流になった暁には特段の違和感はないのではないかと思います。
それどころか、サイニングシステムが契約条項のインポートに対応しさえすれば、宛型のメールアドレスを記入し、契約条項を選択し、期間等の変数部分を入力すれば、相手方に電子署名が付された完成した契約書を送付することも可能になります。

技術的には何一つとして難しいことをしていないので、しかるべき団体がやる気を出せば、さほど時間をかけることなく運用を開始できるのではないでしょうか。
クラウドサインの弁護士ドットコムさん、Holmesのリグシーさん、いかがでしょうか!(二度目)

続いてはcaracalooさんです〜
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