GitHubでドキュメント管理というのはすごく「techしてる」感があって文系職種としてはワクワクするのは事実ですし、実際始めてみればレビューのスムーズさや堅牢性などの点で利便性がすごく高いのは間違いありません。

他方で
  • 最初に全規程をmarkdown化するのがめっちゃ大変。特に表は、移植時に一度死に、改定時にもう一度死ぬことになる。
  • 全社員がgithubアカウントを持っている会社じゃないとGitHubPages化が必要
  • そもそも法務にアカウントが付与されていないと導入に際して追加費用が発生することになる
  • 修正内容によっては改定箇所の強調表示が分かりづらいことがある
  • 上の人がGitHubでやることをおもしろがってくれない会社では導入のハードルが高い
といった難しい点があるのも事実です。

そこで、規程管理が辛い状態だけど、GitHubを導入してなんとかするほどでもないという皆様におすすめなのが、Googleドキュメントでの規程管理です。
Googleドキュメントは、プルリク→レビュー&approveみたいな堅牢性はありませんが、大抵の会社では全社員がアカウントを持っていて追加費用は不要で、表も箇条書きもWYSIWYGに作れます。

具体的な手順はこんな感じ

最初の準備

  1. おそらくWordで管理されている最新版をGoogleDrive上に作った規程集フォルダにアップロード
  2. しっかり規程のフォーマットが構造化されていればほとんど破綻なく変換されているので過去の自分に感謝する(そうでない人は過去の自分を呪いつつ体裁を直す)。
  3. 規程集フォルダを閲覧権限で全社員に公開
  4. 法務部員等の規程の改定作業をする実務担当者だけに編集権限を付与する。

改定手順

  1. 改定したい規程を開き、提案モードで改定したい内容をガシガシ書いていく。(注:提案モードで編集した内容は、承認するまで閲覧権限ユーザーには見えません)
  2. 改定案作成後、docx形式でダウンロード
  3. いつものようにフォントがダサくなっているのでフォントだけ一括変換
  4. 変更案が変更履歴の形式で表現されているのでこちらで決裁を取る
  5. 決裁完了後、再度規程を開いてすべての提案を承諾して、リリース完了
  6. うっかり編集しちゃったときに戻れるように、版の名前を「●年●月●日決議版」みたいに変更しておく

いかがでしょうか。
「えっ、マスター版を直接弄っちゃうの?」とか、「間違えて、または意図的に編集モードで編集されたら、公開されてる規程が変わっちゃうじゃん」と思った方。
あなたはまともな感覚の持ち主です。
そして、まともな感覚の持ち主であるがゆえに、規程管理みたいなどうでもい・・・じゃなかった、地道なタスクで苦しむ羽目になってしまっているのです。
重要な業務とは言え所詮は社内のルール。
何かあっても死ぬわけでもないんだし、いざというときは履歴をたどれば戻すことは可能なわけですから、ここらは一つ「こまけーこたーいいんだよ」というスタンスのやわらかな規程管理で苦しさから自分を開放してあげてはいかがでしょうか。(というスタンスが許容される規模・ステージの会社に限られるので、その点はご注意ください。念の為。)

ちなみに、この管理方法を採用すると、気になったポイントを提案モードでガンガン書き込んでいけるため、「細かいから次の改定にまとめよう」と先送りにされた挙げ句に結局忘れ去られがちな軽微修正なども確実に抑えていけますし、コメント機能で簡単な議論も可能です。
↓適当に拾ってきた就業規則でやってみたイメージ
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というわけで、久しぶりの法務関連の雑記でした。