約5年前、技術評論社の傅さんから「雨宮さん、橋詰さんと一緒に利用規約の本を書きませんか?」とお声掛けを頂いたことが、本書良いウェブサービスを支える「利用規約」の作り方に関わることとなったきっかけでした。

当時、書籍づくりについて、雑誌への寄稿のボリュームアップ版程度の甘えた認識しか抱いていなかった僕は、深く考えることもなく二つ返事でお引き受けしたように記憶しています。
しかし、ある意味自分が書けるテーマについてだけ好きなように書かせてもらえる雑誌への寄稿と、特定のテーマについて、実務の役に立つ解説書を作り上げる書籍づくりとの間には、その困難さにおいて大きな隔たりがありました。

豊富な実務経験と知識を持つAZX法律事務所の雨宮先生と、今では「サインのリ・デザイン」編集長として「その時実務家が知りたいトピック」をいち早くカバーすることで抜群の存在感を発揮する橋詰さんのお二人ととでなければ、良い悪い以前に、完成にまでたどり着くことすらおぼつかなかったのではないかと思います。

初版の執筆時と同様、今回刊行される改訂版の執筆の際も、共著者三名で遠慮せずに徹底的に直しを入れ合いました。中には、一度書いたにもかかわらず、「ウェブサービスの実務的には重要ではなく、ノイズになる。」として大胆に削り落とした部分もあります。
敢えて確認したわけではありませんが、すべての判断基準は、「実務の役に立つか」という点で、共著者間の認識は共通していました。

技術評論社の傅さん、秋山さんのお力添えもあり、改訂版を初めてお手に取られる方にとってはもちろん、初版をお買い上げ頂いた皆様にもしっかり価値をお届けできる内容に仕上がっていると思います。
技術評論社ウェブサイト内の本書の紹介ページからECサイトの予約ページにリンクされていますので、ぜひお手にとって頂ければ幸いです。

一人でも多くのウェブサービス運営者の方のお悩みの解決に、本書を通じて貢献できればこれ以上の喜びはありません。

最後になりましたが、技術評論社の傅さん、秋山さん、とてつもないクオリティで英語版利用規約のレビューをしてくださったAZX法律事務所の林賢治先生、利用規約・プライバシーポリシーのパブリックコメントをお寄せいただいた皆様、そして何より共著者のお二人に、心から御礼を申し上げます。

それでは!