前編から続いています》

絶望に打ちひしがれながらも、気力を振り絞りながら、大通りを目指して歩き始めると・・・

コンビニ!
コンビニがあったよ!
気分は3ヶ月ぶりに陸地を見つけた船員でした。

【悲劇その4】
もう、これで苦痛から開放される。年中無休バンザイ。
そう思って店内に駆け込み、
「お手洗いを貸していただけませんか?」
と、苦痛を押し殺してにこやかに聞いてみると・・・

「いやぁ、お客さんにはお貸しできない規則になってるんですよぉ」


あぁ、規則ね。規則ならしょうがないよね。そうだよね。



って・・・



んなわけあるか〜〜〜



もうね、このコンビにでは、一生買い物なんてしない。絶対しない。
将来大金持ちになったら、この会社の大株主になって立教大学裏店(正式店舗名は知らないし知りたくも無い)をどうにかしちゃいたい。
そう思いましたよ。


でも、ここまで来て諦めたら、大カツヤクのカツヤク筋に申し訳ない。
そう思って、大通りを渡り、空いている店を探すと・・・


【悲劇その5】
あったーーー!!!
床屋さん。朝の10時から店を開けている床屋さん。
もうね、感動した。
ここまで何回裏切られたか。
三色のくるくるが回っていないのは見なかったことにして、おもむろにドアを開けて一言。
「あの・・・トイレ貸していただけませんか?(カットはしないけど)」

「あ、いいですよ。えっと・・・あっ



え?え?なに?どうしたの?



「あ〜、ごめんね〜・・・昨日、トイレが故障しちゃって、一回水流したら止まらなくなっちゃったんだよねぇ。」


いや、あの、僕としては、水が止まらなくても一向に構わないんですけど・・・


「あ、でもね、この先信号二つ先に行ったところに公園があるから、そこのトイレ借りなよ」


な、そんなぁ・・・


【悲劇その6】
『まぁ、信号二つ分くらいならぎりぎり行ける』と、力強いコメントをするカーくん(愛称)の潜在能力を信じた僕は、床屋を出て大波を一回こらえ、公園へ向けて一歩踏み出そうとして愕然。

信号の間隔ってこんなに広かったっけ?絶対無理だよ・・・

目測で500メートルくらいありました。
今冷静に考えると、信号二つで500メートルなんて至極普通だと思いますが、その当時はそんなこと思いもしませんでした。

もう、いざとなったらスーツを汚しちゃうのはアレだから、歩道の隅っこでしちゃおうかな。
でも、ケーサツ呼ばれたらやだな・・・
ジョシコーセーに石とか投げつけられたらPTSDになっちゃうかもな・・・
あぁ、何で英語もしゃべれないのにこんなとこに来ちゃったんだろう。とほほ・・・
なんてことを思って、それでもせめて前を向いて死のうと、たどたどしく公園に向かって歩き続けていました。

【そして伝説へ・・・】
でも、もう、ほんとに限界。もうだめ。という状態に至って、何もせずに死ぬのは嫌だと、ふと目に入った明らかに準備中(中は真っ暗)の中華料理屋のドアを試しに押してみると・・・



ギィ・・・



開いた・・・開いたよ。しかも、中にはすごくびっくりしているおねぃさんがいるよ。

もう、そのときの僕は、買われていくチワワのような目をしていたと思う。
そんな目をしたあやしい男に
「トイレを・・・(もう、最後まで話しができない)」
といわれたおねぃさんは、ゆっくりと無言で奥の扉を指差しました。


多分、その時、僕は、お礼も言わずにドアに飛び込んだと思います。



そして、5分後・・・



トイレから出ると、おねぃさんがまだ驚愕の表情で僕を見ていました。


そんなにすごいサウンドがしましたか?そうですか・・・


平常時の自分を取り戻した僕は、恩人の目を見ることもできず、俯きながらそのお店を立ち去りました。




以上、全て実話です。
ほとんど脚色もなしです。
もう、7,8年前の話なので、細かい部分は間違っているかもしれませんが、僕の記憶にはこのように刻まれています。


あの時、ちゃんとお礼がいえなかったので、ここで言わせてください。

立教大学の近くの中華料理屋(だと思う)のおねぃさん、本当に、本当にありがとうございました。

そして、僕のカツヤク筋に。
本当に、本当にお疲れ様でした。


最後に、この駄文を全部読んでくれたみなさんに。
人のウンコ話を最後まで読むなんて、よっぽど暇なんですね。いや、マジで。