社内研修をやれとのお達しがあったので粛々と準備をしていたのですが、一人法務の悲しいところで、研修の内容を相談できる相手がおらず、ちょっと不安を感じていたところ、amazon先生から「ムダ!な研修」という本を薦められたので買ってみました。ぽちっとな。

そしたら、期待以上に使える本だったので、ご紹介。

ムダ!な研修
ムダ!な研修
posted with amazlet at 09.06.04
福嶋 覚
日本実業出版社
売り上げランキング: 74224
おすすめ度の平均: 4.0
3 研修を実施する会社の担当者さんへ
4 耳がいたーい
5 研修担当者に読んで欲しい


第1章「なぜ、ムダが生じるのか」では、一般論や、受講者に対しての心構えのレクチャーなどに終始しており、講義をするにあたって直接役に立つ情報はさほど載っていなかったので、これは失敗したかな・・・と思ったのですが、第2章「研修に参加する人の意識を変えよう」以下は具体的なアドバイスがふんだんに盛り込まれていてとても参考になりました。
別に目新しいことがあれもこれもと書いてあるわけではないのですが、著者の研修講師としての経験や、説得力ある理由付けを伴って「こうすべき」と断言されると、迷いもなくなるってものです。

たとえば、対新人の研修に関しては、
  • 事前準備(予習)をさせる
  • ノートにメモをさせる(しかもノートを回収する
  • 研修後に発表させることを事前に伝える
  • 過剰気味なほどに褒める
    といったアドバイスがあり、対中堅社員の研修に関しては、
  • 変化が求められており、あなたにそれを期待していることを伝える
  • 研修と昇進を絡ませる(そして公開する)
    といった感じ。

    他にも、「研修テキストは、渡すべきか?渡さないべきか?」や、「アンケートでは何を聞くべきか」や、「グループワークを行う場合の注意点」など、自分も常々気にしていた事項について明快な答えがどんどん提示されるので、読んでいて小気味の良さすら感じました。
    ただ、ターゲットが「受講者」「講師」「外部講師を使う際の研修事務局」の三者を行ったりきたりするので、その点だけはちょっと気になりました。
    文章自体は読みやすいので、なおさら残念です。

    というわけで、社内研修の改善に興味のある方は、ぜひご一読ください。
    お勧めです。

    「受講者の欲する情報を、その現場にいない研修担当者にわかれと言うのが無理である。だから受講者の欲する研修を提供できる研修担当者はほとんどいないのだ!」(via ムダ!な研修