タイトルの通り、別のブログで1年前に書いたエントリーです。
先日の新司法試験の合格発表を機に同じ話題を耳にすることにちょっとおもしろみを感じたので細かい修正を行った上で転載しました。

--------------以下、転載---------------

2008年08月28日

毎号出る度にそこかしこの法務系ブログで取り上げられるBusiness Law Journalの今月の特集は、企業による弁護士の雇用。

合格者の増加に併せて盛り上がってきた話題で、結論はとっくにでてる割には長続きする不思議なテーマの一つです。

その結論ってのはつまり、

  1. 「弁護士」を「司法修習を終えた人」ととらえるのであれば、弁護士だからといって、企業側は無資格者と大きく異なる基準・待遇で採用したくない。その一方で、それを良しとする「弁護士」は(少なくとも今のところは)あんまりいないので、採用例も延びない。
  2. 「弁護士」を「弁護士としての仕事をこなせる一人前の弁護士」ととらえるのであれば、一部の企業を除いてそもそもそんな人材は不要だし、その一部の企業はすでに「弁護士」の雇用を完了してるから、採用例の増加にはあんまり寄与しない。

といった感じ。

考えてみれば、弁護士と法務部の仕事はかなり異なるわけだから、当然といえば当然なんだけど、なまじ両者とも法律関係の仕事だからか、しょっちゅうこの話題が蒸し返される、と。

せっかくだから、企業内公認会計士の雇用(@経理部)とか、企業内社会保険労務士(@人事部)の雇用とか、企業内行政書士(@法務部)の雇用も特集してあげればいいのに。

という冗談はさておき、きっと今後もしばらくは、企業による弁護士(というか、司法試験合格者)の採用は特別扱いで注目され続けるんだろうし、そうであるうちは、無資格者の法務部員もまだその地位を脅かされることはないはずだ。

怖いのは、高度な法律知識、論理的思考力、法律事実の抽出力を持った司法試験合格者が、弁護士の仕事ではなく、法務担当者の仕事に食指を伸ばして来たときで、そうなったらおいしい仕事はどんどん無資格者の手をすり抜けていくことになるんじゃないかと思う。だって彼らの基礎能力は高いんだから。

でもまぁ、そのころにはきっと、司法試験合格者の雇用は、「弁護士の雇用」じゃなく、「弁護士にならない司法試験合格者達」みたいなトピックの中で語られることになるんだろう。

Business Law Journalじゃなく、NEWS ZEROあたりで。