債権回収系の本は、テクニックを列挙した無味乾燥な本が多い印象があるけど、今日読んだこいつは読み物として普通におもしろかったので、簡単にご紹介。

タイトル:条文にない債権回収のはなし

要は、債権回収の現場を知る元弁護士さんが、条文はひとまずおいといて、実際に回収する現場でどのように行動すればいいのかのノウハウを次々に披露してくれている本なんだけど、その攻めっぷりがすごいのです。

このエントリーのタイトルも、実は納入した物を引き上げる際のノウハウの一つなんだけど、これだけでは意味が分からないですよね(笑)
ここくだりは、この本の中でも1、2を争うおもしろい部分なので、購入される予定がない方も、もし本屋さんで見かけたら70ページくらいから立ち読みされることをおすすめします。
その生々しさに、虜になること請け合いです。

この他にも、
不動産の譲渡などを対象とする詐害行為取消訴訟の原告と被告が和解し、半分ずつ不動産を持ちあうことになった場合、原告は424条1項の転得者にあたり、原告が不動産を取得する行為も詐害行為取消訴訟の対象となりうるが、時期がたつにつれ他の債権者の詐害行為取消訴訟を推進するエネルギーは急速に減少するので、和解は情勢を見ながら行うことが重要。(9ページ/要約)
のような、へぇ、という話から、
売掛債権の譲渡を要求する場合は、売り先の固有名詞をびしっとぶつける。「何かください」でいいものが出てきたためしはない。(28ページ/要約)
のような、「確かに…」と唸らされる話、さらには
窃盗罪にならない商品引揚げ大研究(65ページ)
のような秀逸なタイトルの章もあり、一気に読んでしまいました。

ちなみに、文中、「回収できるものも回収できなくなるので窃盗罪にならないようにしましょう」という趣旨の記載があるのですが、この注意喚起は、この本の性格をとても良く表していると思います(笑)


なお、7年前に出版された本なので、債権譲渡登記に関する言及がなかったり、破産法などの条文が古かったりしてますので、気になる方はご注意ください。

ではでは〜。

条文にない債権回収のはなし
古曳 正夫
商事法務
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5 債権保全と債権回収の具体策がわかる
5 マジでいい本です