先生!渾身って、どう読むんですか?ふんどしですか?


さて、契約法務という仕事には「そのクオリティの高低が滅多に第三者の評価にさらされない」という特殊性があります。

それが経理担当者であれば、一人しか担当者がいない場合でも、すっとぼけた仕事をしていれば顧問の税理士さんなり会計士さん(もしいれば監査法人)からお叱りを受けることになりますし、もっと言えば税務署からお叱り以上のものを頂戴することにもなりかねませんので、その仕事の品質は常に他者の評価にさらされています。
また、プログラマなどの技術者も、成果物が使い物にならなければお客さんは激怒するわけで、「かの邪智暴虐のプログラマを除かなければならぬ」などと言われかねません。
いわんや営業をや。

しかし、契約法務は、びっくりするほどのひどい仕事振りであっても、トラブルが発生するまではその成果物(典型的には契約書)が白日の下にさらされることはありません。
さらに言えば、もしトラブルが発生したとしても、間にいる自社の営業担当・相手方の営業担当という強力な緩衝材が「まぁまぁまぁ」と”運用でカバー”してくれることも少なくないため、その傾向はさらに拍車がかかります。

そんなわけで、契約法務の担当者は、たまにびっくりするほどぱっぱらぱーな人が紛れている率が結構高いのです。
(と、人ごとのように書いてますが、実は僕だってその一人で、上記の理由からそれを自覚していないだけかもしれません。)

と、前置きが長くなってしまいましたが、このように法務担当者は、その実力のボラティリティがスカイツリーのように高いので、うまいことダメ法務を除外する必要があるのです。
しかし、初めて契約法務の担当者を採用する場合は、残念ながら候補者の実力を測ることのできる人が社内にいないため、この問題はより深刻さを増します。

そこで、ようやくこのエントリーの本題、”法務に縁のない人が使える法務担当者を採用するために有効なテスト”の登場です。
じゃじゃーん!
  1. 実際に利用した契約書と黄色の蛍光ペンを渡し、問題と感じた箇所にマーキングしてもらう
  2. マーキングが終わったらピンクの蛍光ペンを渡し、「相手方が修正点は最低限にしてほしいと言っている前提で、それでも修正すべきと考える点」にマーキングをしてもらう。
  3. 黄色のマーキング部分について「修正不要と判断した理由」を説明してもらう
  4. 黄色+ピンクでオレンジ色になったマーキング部分について、「修正しないとどんなまずい現象が起こるのか」を説明してもらう

この、3と4について、法務担当者ではない人によくわかるように説明することができない人や、法務担当者ではない人がすんなり納得できない理由を上げる人は、実務ではあまり役に立ちません。
この方法なら、法務に縁のない人でも、いや、むしろ法務に縁のない人だからこそ、効果的に優良な法務担当者を選別することができるのです。
(二人目からは、他の候補者の指摘と食い違う点について「こうは考えられませんか?」と聞くのもいいと思います。)
ポイントは、どこにマークしたかではなく(その適切性は判断できないので)、どうしてかをちゃんと説明できるか、です。

法務担当者を初めて採用するという方が現時点でどの程度存在しているのか甚だ不安ではありますが、見事この条件にマッチした方はぜひお試し頂き、その結果を教えてくださいませませ。

なお、この方式では「間違ったことを堂々と言い放つ」タイプの問題児を見抜くことはできませんので、その点はご注意ください。
(こっちのタイプはtacさんのエントリーの質問であぶりだせますね。)

そんじゃ、おやすみなさーい