最初に断ってしまいますが、いつも通り、タイトルと内容はあまり関連していません。

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今年は、みずほFGと東京電力という、前期に大問題を引き起こした会社の株主総会に立て続けに出席した。

どちらの総会も当然のように荒れ、ヤジと怒号が飛び交う中、株主はここぞとばかりに質問の場で大演説をぶちかまし、動議が出され、そして粛々と決議事項が可決されていった。

中でも東電の総会は、Twitterで詳細な実況をする方が複数登場し、その日のニュースでも大きく取り上げられえたこともあって、その異様な雰囲気は多くの人に知れ渡ったことと思う。
その夜、東電に対するネガティブな感情が文字になってTL上を駆け巡っているのを眺めながら、一体どうすればよかったのか、自分だったらどうしたのか、ということについて考えざるを得なかった。

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株主総会で会社が想定していない決議がなされてしまうと実務上多大な支障が生じることが明らかである以上、協力株主から委任状や当日の協力を取り付けようとするのは当然の行動であり、非難されるいわれはない。
総会を始める前から勝負が決まっている状態になっていることについても、それはひとえに会社に賛同する議決権が多かったと言うだけのことであって、ほめられこそすれ、貶められる筋合いのものではないのは明らかだ。
また、株式会社の性質上、株主総会の場で渦巻いていた「明らかに反対/賛成の挙手の方が多いのに、なぜ可決/否決されるのだ!」という問いが完全に的をはずしたものであることにも疑問の余地はない。
さらに言えば、株主総会は数カ月の綿密な準備を経てピンポイントで実施される失敗の許されない一大イベントであって、もしかすると取消のネタになるかもしれないような不規則な(他社と横並びでない)対応などは徒にするべきではないということも理解しているつもりだ。

今回の東電の総会だって上記の観点から見ればなんらおかしなことはないのに、それでも違和感をぬぐい去ることはできない。


どうすればよかったのか、しばらく悶々と考えて出た結論は、「出席した株主に、この総会は茶番・無意味だ、と思わせないよう努力する」ことだった。
文字にすると青臭くて自分でも苦笑いしてしまうけど、でも、特に今期の東電のような総会では必要なことだったと思う。

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例えば、株主質問の場で超早口でわけのわからないことを捲し立てた挙句、「全員原子炉に入って死ね!」と絶叫した株主がいたけれど、それに対して東電側が、「わけのわからない捲し立て」の部分からかろうじて聞き取れたキーワードを質問事項とし、そのことについて答えたという場面があった。
この心底くだらないやり取りを聞いて、「東電は『質問に答えた体』が必要なんだ」と多くの人が感じただろう。
また、「決議の時挙手を求めていながら数えているふしがない」という別の株主質問に対し「ちゃんと数えています」と答えた場面もそうだ。
こんなことを言われて、茶番だと思わない人がいたら、むしろ驚愕してしまう。

「茶番と思わせないため」に、何も独立したアクションを総会に取り入れろなんてことを言いたい訳じゃない。
ただ、一つ一つの対応に、「目の前の株主と真摯に向き合う」という意思を込めるだけでよかったと思う。
(頭の中に渦巻いている思いをうまく文章にできなくて、夢見がちな抽象論のような書きぶりになってしまうのがもどかしくてたまらない)

もちろん、株主総会だからといって株主に媚びを売る必要があるわけではないし、普段であれば、株主の側だってそこまでの期待はしていない。

でも、今の東電は「普段」ではない。
周りを敵に囲まれる中、東電にとって株主は数少ない味方の一人だ。
それにもかかわらず、1万人近い株主を前に自分たちの声をダイレクトに届けられる機会をみすみす棒に振った(というより、逆に不満を募らせることになった)という損失は、これから逆風の中前進を続けなければならない東京電力にとって、思いの外大きなものになるのではないかと思えてならない。