その1はこちらから、その2はこちらからどうぞ。

GREEとmobageの利用規約比較の第3回目は、著作権の帰属と許諾についてです。
著作権の帰属とSPに対する利用許諾については、古くはライブドアブログやmixi、最近ではinstagramと、古今東西を問わずやたらと炎上する論点なのですが、我が国を代表する2大SNSは、ここのところをどう処理しているのでしょうか。

1.ユーザーが創作した著作物の著作権
GREE
5−2 ユーザーが本サービスを利用して投稿・編集した文章、画像、映像(動画)等の著作権については、当該ユーザーその他既存の権利者に留保されるものとします。ただし、本サービスを利用して投稿・編集された文章、画像、映像(動画)等については、グリーおよびグリーと提携するサイトまたはその他の媒体・サービスにおいて、グリーが必要と判断する処置を行った上で、グリーが利用できるものとします。ユーザーは、本項に基づくグリーによる著作物の利用について、著作者人格権を行使しないものとします。

mobage
なし


・・・読んで探し、「著作」をキーワードに検索し、「権」をキーワードに検索しました。
でも、みつからないんです。モバゲー会員規約には、ユーザー著作物の著作権の帰属について、特に定められていないんです。
GREEの規約との比較対象がモバゲー会員規約であっていたのか、不安になってきました。
でも、モバゲー会員として日記を書いたりメッセージをやり取りする際に適用されるのはこの規約であるはずなのですが・・・。
となると、mobageのユーザーがアップロードしたコンテンツは著作者であるユーザーに帰属し、DeNAには移転はおろか、許諾もされないということになります。
どこまで杓子定規に著作権法を適用するかによりますが、例えばサーバストレージの多重化やUIの都合で行う抜粋などのために「事業運営上必要な範囲での著作物の利用許諾(と著作者人格権の不行使)」程度は明示しておくのが主流であることからすると、珍しいケースであるように思います。

かたやGREEは、著作権をユーザーに留保しつつ、「一見制限をかけているように見えるけど、実際にはほとんどなんでもできる利用許諾」を受けています。
GREEの利用規約がユーザー著作物の著作権処理の面でやり過ぎという評判は少なくとも私は聞いたことはありませんし、ユーザーが著作権の譲渡をすることはほとんどないであろうということからすると、ユーザー著作物の著作権処理についてはユーザーに留保しつつ、あっさりと利用許諾を受けておくのが現時点での正解なのかもしれません。
ただ、これはあくまで利用規約の規定ぶりの話であって、これを文言通り最大限に活用してユーザー著作物を自由自在に利用してしまうと、利用規約が磔にされて炎上するのは明らかなわけですが。


2.SP著作物の著作権の許諾
GREE
5−3 前項に定めるユーザーが本サービスを利用して投稿・編集した文章、画像、映像(動画)等についての著作権を除き、本サービスおよび本サービスに関連する一切の情報についての著作権およびその他知的財産権はすべてグリーまたはグリーにその利用を許諾した権利者に帰属し、ユーザーは無断で複製、譲渡、貸与、翻訳、改変、転載、公衆送信(送信可能化を含みます)、伝送、配布、出版、営業使用等をしてはならないものとします。

9−3 ユーザーに対して提供されるサービスのうち、「ゲットする」「買う」「購入する」等の表示がなされている場合でも、ユーザーはサービス内で定められた範囲の利用権を有するのみであって、所有権、知的財産権等の権利を取得するものではありません。

mobage
第11条コンテンツ使用許諾の条件
  • モバゲー会員は、本サービスのコンテンツを電気通信回線を通じて当社の指定する設備に接続することによって当社の定める範囲内でのみ使用することができるものとします。
  • 本サービス内で当社が提供する全てのコンテンツに関する権利は当社が有しており、モバゲー会員に対し、当社が有する特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、ノウハウその他の知的財産権の実施または使用許諾をするものではありません。
  • モバゲー会員は、本サービスのコンテンツをいかなる方法によっても複製、送信、譲渡、貸与、翻訳、翻案その他の利用をすることはできないものとします。
  • モバゲー会員は、本サービスのコンテンツにつき再使用許諾をすることはできないものとします。
  • 本サービスのコンテンツの使用許諾は、非独占的なものとします。
  • コンテンツの使用権の有効期間は各コンテンツ毎に定められており、本サービス内で当社が定める方法により告知されます。
  • 前項に関わらず、退会等によりモバゲー会員が会員資格を喪失した場合は、コンテンツの使用権も消滅するものとします。
  • 当社はいつでもコンテンツの使用権の有効期間を変更できるものとします。


第9条2項 モバゲー会員は、モバゴールドを当社の定める方法により利用し、当社の定める範囲のコンテンツの使用権を取得することができるものとします。(以下略)


GREEもmobageも、
1.権利の許諾は否定しつつ、
2.コンテンツを一定の範囲内で使用できる
という構造になっています。
権利の許諾が不要なコンテンツの使用については、もともとユーザーが自由に行えるものである以上、「許諾」ではなく、「使用方法の制限」という建て付けにした方が筋は通るとは思いますが、主流は2社と同様、「許諾」方式なんでしょうか。
でも、あらゆる知財権の許諾を否定しつつコンテンツの使用を許諾するって、わかりづらくないですか?
僕はmobageの規約をはじめて読んだとき、意味が良く分かりませんでした。
また、自分は今まで普通に知財権の許諾にしてきたので、知財権の許諾を否定しつつコンテンツの使用権を付与するという建て付けの意味をぜひ知りたいとも思いました。


といったところで著作権編は終わりです。