利用規約ナイトVol.2を明日に控えて、利用規約に関するあるあるネタを1つ。

定期的に火柱が上ってウェブの大空を赤く染める、それが利用規約の炎上という存在なのですが、この週末にも一本すごいのが打ち上げられました。
そう、スクエニ メンバーズ 利用規約の改定です。

その内容は、禁止事項に「本サービスに対する不満を流布する行為」が追加されたということであり、スラドにアップされた情報によると、今月10日の利用規約改定での追加条項だそうです。

ネタがネタだっただけに、既にSNSでもスラドでも2chでもすごい勢いで今回の規約改定は非難を浴びているわけですが、僕がここで書きたいのは今回追加された禁止事項の内容についてではなく、利用規約炎上という現象について、です。


さて、今まで古くはlivedoorやmixiから、最近ではinstagramまで(そしてもちろん、今回のスクエニも)、古今東西を問わずウェブサービスの利用規約はちょいちょい炎上を繰り返しているのですが、その炎の中に目をやると、火種には大きく2種類あることに気づきます。
それはつまり、
1.目的自体に火種があるケース(オラオラ型
2.書き方に火種があるケース(うっかり型
の2つです。
→誤読や誤解に火種があるケースもあるとは思いますが、ほとんど事故のようなもので影響も軽微なのでここではスルーします。

「オラオラ型」は、たとえば「無料でサービスを提供してるんだから、これくらいのは当然ユーザーは受け入れてくれるだろう」と考えて、事業者側に過度に有利な条件を設定したり、ユーザの権利や情報を吸い上げたりしてユーザーの反発を受けてしまうケースです。また、「ばれない」と思ってこっそり変えてみたらばれちゃったというのもこのケースの一つと言えると思っています。
このパターンの炎上の原因は、一言でいえば「読みを誤った」ということに尽きます。
読みを誤ってしまった背景には、サービス事業者としては、(特に無償サービスだと)「サービスを提供して上げている」という意識を抱きがちな一方、ユーザーはむしろ「数ある他のサービスの中からこれを使ってやっている」と考えているというギャップがあることもあります。

このパターンの炎上は、「ユーザーがその目的を受け入れてくれるか」という読みを当てる必要があるため、これを防ぐことはなかなか難しいのですが、エグい規約変更を行うような場合には、リリース前に、
・当該条項の目的を公にできるか
という観点で変更内容を再確認することは、ある程度有用なんじゃないかと考えています。


また、「うっかり型」は、たとえば円滑なサービス運営のためにユーザーが著作権を持つ著作物を部分的に利用する必要があるような場合に、うっかり著作権の無制限許諾や譲渡を規定してしまってユーザーの反発を受けてしまうといったケースが該当します。
このパターンの炎上は、「条項を作る人が、依頼者が抱いていた目的を正確に把握できていなかったこと」や、「目的を規約の条項へと正確に落とし込めていなかったこと」が原因で発生します。
さらに、「サービス事業者側は目的から入り、ユーザーは規約の文言から入る」というスタンスの違いも目的と書いてあることのギャップを広げるのではないかと思っています。目的がまっとうなものであればあるほど、出来上がった規約の文言がおかしさを見逃してしまいがちということですね。利用規約に限らず、書面作成一般において、ダブルチェックを経ないと陥りがちな落とし穴です。
お決まりの弁明は「そのような意図はございません」なのですが、たとえそれが真意であったとしても「オラオラ型」の後付謝罪だととらえられがちなのもポイントですね。

もちろん、実際の利用規約の炎上のパターンは、この2つのハイブリッドであることも往々にしてあると思います。


いずれにせよ、ひとたび利用規約が炎上すると、徹底的に叩かれてしまい、サービスのレピュテーションは相当傷ついてしまうのが紛れもない現実です。
従来の考え方では、「利用規約はサービス事業者側に有利なことだけを書いておく」「利用規約を表に出すのは最低限に留める」となりがちでしたが、今後はこのスタンスを徐々にでも改めていく必要があるのだろうな、なんてことを感じた週末でした。