もはやどこがやってるかよりもどこがやっていないかを発表したほうが話は早いんじゃないかとすら感じる状況になってきている食品偽装事案ですが、実際に偽装をしているのは現場の仕入れ担当者だったり料理人だったりするのに、テレビカメラの前で頭を下げるのは基本的には偉い人だけです。

なぜコンプライアンス違反の事案が発生した際に、偉い人が出てきて謝るかというと、まぁ、最大の理由は、そうしないとマスコミがもっと騒いでめんどくさいことになるから、ではありますが、仮にそうでなかったとしてもコンプライアンス違反は、やっぱり偉い人が出てくる必要のある問題なのだと思います。


不正の3要素でいうところの機会の認識(チェックなし。客にもまずばれない。)も正当化(味が悪くなるわけじゃない)もある現場なんだから、プレッシャーをかけたら遅かれ早かれ不正が起こるのはもはや当然です。
これをなんとかするには、会社ぐるみでのチェックや実効性のある内部通報制度などの仕組みを構築するしかありません。
で、その仕組みを作る責任を負っているのは、あの偉い人たち。だから、偉い人が「自分の仕事の懈怠について」非難を受けるべき事案なのです。

たまたま自分が偉い人だったから普段下げない頭を下げるはめになったんじゃなく、自分がやるべきことをやらなかったから頭を下げるはめになったんです。


といったことを、「響か!数年前の響か!」と突っ込みたくなるような謝罪会見を横目で見かけて思ったりしました。