このエントリーは法務系Tips Advent Calendar 2013の21日目の記事です。



このエントリーは、Google Appsを導入していない企業や事務所にお勤めの方にはあまり意味のない内容になっています。予めご了承ください。

0.導入
Google Appsに含まれるGoogle Driveには、「フォーム」を作成する機能が含まれています。
この「フォーム」が本来想定している用途は、お問い合わせフォームやアンケートフォームのように、不特定または多数の対象者から広く情報を集めるというものなのですが、実はGoogle Apps Scriptという、JavaScriptをGoogleが拡張したスクリプト言語と組み合わせることで、簡単な「依頼受付システム」の入り口にすることも可能です。
とはいえ、これだけではさっぱりイメージが湧かないと思いますので、実際にサンプルを作ってみました。
今回は、このサンプルをベースにGoogleフォームとGoogle Apps Scriptを利用した「依頼受付システム」のご紹介したいと思います。

1.サンプル
※あくまでサンプルなので、メールアドレスは10 Minute Mailなどのサービスで取得したものを利用することをお勧めします(公開設定のスプレッドシートに記載されてしまいます)


(1)Googleフォームから送信された情報がスプレッドシートに記録される(Googleフォームが元々備えている機能)
※Google Apps for BusinessのGoogleフォームではログインID(メールアドレス)を自動取得するよう設定できるので、フォーム上で依頼者のメールアドレスの記入を求める必要はありません。

(2)フォームからスプレッドシートに情報が登録されると、予めスプレッドシートのスクリプトとして組み込み、フォームから申請を受け付けた際に自動実行するよう設定しておいた「requestReceived」という関数が自動実行される。
【フォームから情報を受け付けた際に自動実行するスクリプトの設定方法】

WS000071

WS000072


(3)requestReceivedが、管理簿用の別のスプレッドシートに必要事項を転記しつつ、依頼者のメールアドレスと処理担当者のエイリアス(今回はrequestreceive20131211@googlegroups.com)に受付メールを送付
ちなみに、requestreceive20131211@googlegroups.comに送付されたメールはこちらから確認可能


なお、Google Apps Scriptを利用すると、上記の処理の他にも、例えば「Googleドライブ上に依頼者と処理担当者が共同編集者に設定されたフォルダを自動作成する」とか、「管理簿上のデータ(例えば仕掛り案件数など)を読み取って受付メールに記載する」などの処理も比較的簡単に実現することが可能です。

JavaScriptを一度も触ったことがないという方にとっては一見意味不明かもしれませんが、難しいこと、複雑なことは一切していませんので、ちょっとした知識を身につけるだけで何をやっているかはすぐにわかるようになるはずです。
わからないなぁという方も、この機会に冬休みの課題としてJavaScriptを触ってみてはいかがでしょうか。
→Codecademy(http://www.codecademy.com/ja/tracks/javascript
→ドットインストール(http://dotinstall.com/lessons/basic_javascript

2.requestReceivedのコード
https://docs.google.com/document/d/1FFBMdX_bCT0CElJu-dSDSklFswR_rNRCIw3OdO88Qsk/edit

3.フォームで依頼を受け付けることで得られるメリット
ここまで読んで、「こんなめんどくさいことをしなくてもメールで依頼を受け付ければいいじゃん」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんので、メールでの依頼受付では実現できないメリットに触れておきたいと思います。

(1)必要な情報を効率的に収集できる
フォームには「必須記載事項」を設定できるため、「依頼時に必要な情報が揃わない」という状況になるのをある程度抑制できます。例えば謄本請求依頼を受ける際に「現在事項?履歴事項?」「コピーでOK?」「3ヶ月以内縛りあり?」といった情報が依頼時についてくるようになるのです。

(2)管理簿を自動作成できる
管理簿を作ることで、業務の繁閑期や担当者の処理件数などの分析や、仕掛り案件の状況把握が容易になりますが、その一方で、管理簿に全ての受付案件を登録することは面倒です。
フォームとGoogle Apps Scriptを組み合わせることで、この管理簿への登録処理の多くを自動化することが可能になります。

(3)依頼の見落としを防げる
メールによる依頼は、他のメールに埋もれて見落としてしまう可能性がありますが、フォームとGoogle Apps Scriptを組み合わせることにより、
1.管理簿に自動的に転記される
2.所定のタグを本文や件名に埋め込むことにより、非常に精度の高いメール振り分けが可能になる
という2点から、依頼を受けたのに見落としていた、という事態を防ぐことができます。

(4)依頼者の安心感につながる
一日に何件も新規依頼を受け付ける場合には、受け付けた時点で受付メールを手動送信するのは面倒です。
他方で、依頼後になんのリアクションもないと、依頼者は「依頼した件、ちゃんと処理を開始してもらえたのだろうか」という不安を抱くものです。
フォームとGoogle Apps Scriptを組み合わせることで受付メールを自動送付できるようになるため、依頼者の安心感にもつながります。

(5)組織としての対応が容易になる
メールは基本的に個人が個人に送付するものなので、メールで依頼を受け付ける仕組みでは、どうしても自分の知っている担当者個人に宛てて依頼をしてしまい、担当ローテーションの妨げになってしまったり、ノウハウの属人化の一因になってしまう可能性があります。
フォーム経由の依頼は「個人宛て」のイメージを伴わないため、組織としての対応が容易になります。


やっていることは単純なので、最初の一歩さえ踏み出してしまえば思いのほか簡単に扱えるようになるGoogleフォーム+Google Apps Scriptでの依頼受付システム。
プログラミングが必要というだけで毛嫌いせずに、ぜひチャレンジしてみることをお勧めします。

上記のメリットの他にも、事前の準備をせずに手っ取り早くプログラミングの楽しさを味わえるという点も見逃せないポイントです。


というわけで、法務系Advent Calendar21日目は以上で終わりです。
明日はyoucutherhairさんです。
よろしくおねがいします〜