7月になりました。
今年も半分が終わったという事実に愕然とします。

・・・さて、先々月から、何度目かの「人に契約法務のスキルを人に伝える」ということに携わっていて、当初から一区切りの時期として設定していた6月末が過ぎたので、備忘録も兼ねて、ここで一度振り返りをしてみたいと思います。

1.ダブルチェックを、スキル伝達ツールとして使わない
今までも何度か「教育係」的な役割を任せられたことがありますが、今思うと本当に申し訳ないことに、なんとなく「とりあえずチェックしてみて」からのダブルチェックで追加修正&フィードバックを重ねる、場当たり的で非効率な方法を採ることしかできていませんでした。
でも、こんなやり方で自分が持つスキルを伝承しようとしたら、何年かかるかわかりません。というか、何年かかってもしっかりとは伝えきれないのではないかと思います。というわけで、今回は「スキルを伝えるための方法として、ダブルチェックは使わない」という方針を立てることにしました。
その代わりにやったのは、
1.自分が契約書を作ったり、修正する作業を全て後ろで見ていてもらう
2.作業をしながら「考え方」や「コツ」を伝える
3.見ていてわからないことがあったら、その場でカットインして質問してもらう
4.質問を受ける都度、作業を中断して理解を得られるまで説明をする
を何度か繰り返し、わかってきたかな、というタイミングで、今度は
1.契約書を作ったり、修正する作業を全て後ろで見る(並行して他の作業はしない)
2.作業を見ながら「考え方」や「コツ」を伝える
3.見ていて意図がわからないことがあったら、その場でカットインして質問する
4.質問の都度、作業を中断して共通認識に至るまで協議する
を繰り返す、という方法です。

2.「考え方」「やり方」を棚卸しして、検証する
教える側にとっての「守破離」というエントリーは、「人に何か教えるなら、教えることについて明確な型を持っている必要がある」と思って書いたものです。
そして今回、自分の「型」を明確にするため、契約書を作ったり修正したりするときに、どのように考え、どのようなツールを使い、どのように作業しているのかを棚卸しして、上記の1に入る前と、上記1の2において伝えるようにしました。

3.ブレない
人に何かを教えていると、どうしても「人にはこんなこと言ってるけど、自分でもできてないかも」という気後れや、「やり方はこれだけじゃないんだよな」という思いが脳裏をよぎり、どうしても断定的な言い方を避けがちになってしまいます。
でも、こういったブレって教える人の保身に過ぎなくて、教えられる人にとっては迷惑でしかないと思うんですよね。正直、「いや、これは人によるんだけどね。」とか言われても、言われた方は困るじゃないですか。
というわけで、最初に「教えたやり方がベストではない可能性はあるけど、6月末までは、とにかく教えたやり方通りにやって欲しい。」と伝え、その後は極力やり方については断定的な言い方で伝えることを心がけました。

4.期限を切る
スキルの継承は明確な終わりが見えづらいタスクないものなので、だらだら進めてしまいがちですが、効果を検証するために、いつまでに、どのレベルまでできているようになるべきか、現時点での到達度はどうかを対象者と日々確認することを意識してスキル継承に取り組みました。



ブラッシュアップする余地はまだまだ大きいですが、それでも日常業務の片手間に、しかも本来は成果物の品質向上のための施策であるダブルチェックを通じてスキルの継承に取り組んでいたときとは段違いに効率的にスキルを継承できた気がします。
とはいえまだ情報が少ない分野だと思うので、「自分はこうしてるよ」といった情報やノウハウがあれば、ぜひ教えて下さい〜。

ではでは。