匿名の人はコミュニティを壊す権利を持っているのか?[BLOG of the Week]
そこで、私は皆さんにお聞きしたいんです。
  匿名性というセーフティネットの中で許される言論の自由とは如何なるものであるべきなのか、あるいは、匿名の方はコミュニティを壊す権利を持っているのか、などについて、トラックバックをお待ちしています。
週刊!木村剛より

一週間に一度くらいしか週刊!木村剛をチェックしない、比較的非熱心な読者ですが、たまたま目にした今回のエントリーにはちょっと違和感を感じました。

というのは、今回の問題提起で挙げられている前提条件が、結論にまったく影響しないんじゃないかって気がしたのです。

  1. 匿名性というセーフティネットの中で許される言論の自由とは如何なるものであるべきなのか
    言論の自由は、他の人権との矛盾衝突がない限り最大限尊重されるものであるべきで、これは匿名であるか否かによって左右されるものではないはずです。


  2. 匿名の方はコミュニティを壊す権利を持っているのか
    Aさんが(他人の所有する)Bを壊す権利を持つことは原則としてないはずであり、これはAさんが匿名であるか否かによって左右されるものではないはずです。
と、まぁ、つまりはこんな具合に、です。

で、「う〜ん」と思ってしまったのは特に後段についてで、この質問に素直に答えると「匿名の方はコミュニティを壊す権利を持たない」となってしまい、一見すると、あたかも「匿名であるがゆえに権利が制限される」ように読めてしまうのです。
たとえば、「匿名の方」を「黒人」に置き換えてみてください。
たとえば、「匿名の方」を「女性」に置き換えてみてください。
どうですか?

そして、トラックバックという形を通じて、「匿名の方は・・・の権利を持たない」という意見が増殖する事で、「匿名である」ことについてネガティブなイメージが定着してしまう事を強く危惧します。

今後、blogが情報発信ツールとしてより一般化していくと、影響力の強い人が行った問題提起が、結果として多人数による強い主張に変化していくこともありうるのかもしれないと思った雨の日の昼下がりでした。