その1

新しい生活を始めて数ヶ月したころ、「(彼女の家に行く前に一緒に住んでいた)兄が下血をして入院した」との連絡を受けました。

昔から病気をしない兄弟だったので、「入院した」という事実にびっくりして、あわてて病院へ向かいました。
知らせを聞いたときは、一体どんなヤバイ病気になったのかと心配していたんだけど、急性腸炎だったとのことで、ご飯はしばらく食べる事はできないものの、病気としてはそんなに悪質なものではなかったようで、一安心しました。

点滴を持ち歩きながらも、普段と変わらない感じで話ができている様子を見て、「これなら大丈夫だな」と判断して(これがまずかった)着替えなどを渡した後、両親に電話で病状の報告をして、彼女の家に戻りました(そして、これもまずかった)

そしてその夜、うちの両親から、「(僕が兄と二人で住んでいた)家に電話しても誰も出ないんだけど、どこにいるの?」という電話がありました。
両親としては、僕が兄と一緒に住んでいた家、つまり、病院の近くにいる事を期待していたようで、僕が彼女の家にいると知り、激怒しました。
あんまりちゃんと覚えていないんだけど、両親の怒りは相当なもので、かなりボロクソに罵倒されました。
僕が兄の入院の知らせを聞いて驚いて心配したように(というか、それ以上に)、両親も驚いて心配していたであろうことからすると、「病院の近くにいて欲しい」という思いは理解できるけれど、それにしても酷いことを言われたように記憶しています。


とりあえず、その時は「とにかく家に戻れ」と言われたので、ショックで泣き崩れている彼女を残してタクシーで兄と住んでいた家に戻りました。

文章で淡々と書くとすんなり事が進んだようにも読めるけど、実際は、「あぁ、修羅場ってこんな感じを言うのかな」と思えるような状態でした。
(理由はわからないけど、母親はショックのあまりトイレで吐いていたらしい)

そして、その翌日から、僕と両親との関係に深くて広い溝を作ることになるFAXのやり取りが始まったのでした。

(まだ続きます)
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全くの個人的なおはなしであり、しかも面白いわけでもないので、読んでくださっている方には申し訳ないのですが、夏休みという時間のあるときにこの件の経緯を記録しておきたいと思い、つらつらと書いています。