カテゴリ: 雑記 【おしごと関係】

昨日互助会で「法務業務の受け方/捌き方」の知見共有会があり、改めて会社ごとに色々な工夫があるなーという学びを得ると同時に、自分の経験の整理の意味でもこれまで見聞きしたことのある受け方のバリエーションと、pros/consをメモとして残しておこうと思い立ったので、書いてみます(実際にやってみたことがある方法は厚く、そうでないものは肌感がないので薄い)

メール


pros
  • 追加コスト不要
  • 使い方の教育コスト不要
  • 転送により外部とシームレスなやり取りが可能

consと克服のコツ
  • 依頼案件が他のメールに埋もれがち
    →gmailのタグを活用する
    →メーリングリストを活用する
  • 外部に内部情報がそのまま転送されちゃう事件が起こりがち
  • 情報が属人化しがち
    →メーリングリストを活用する
  • 情報が散逸しがち
    →案件IDをメールに紐付ける(件名に入れる、スレッド化して本文に記載する)
  • 必要な情報が一発目で揃わない
    →Googleフォームなどのフォームから受け付ける


チャット(チャンネル1つに集約>必然的にpublic)


pros
  • 依頼者が迷わずたどり着ける
  • 使い方の教育コスト不要
  • 過去ログを容易に辿れる
  • 粒度小さめのやり取りを繰り返せるのでヒアリングの負荷が低い

consと克服のコツ
  • 全社オープンになってしまうのでセキュリティが緩い
    →publicにできない案件だけ専用privateチャンネルを作る
  • 依頼案件が他の情報に埋もれがち
    →リマインダーに必ず登録する
  • 情報が散逸しがち
    →案件IDを紐付ける(スレッドに入れる)
  • 必要な情報が一発目で揃わない
    →Googleフォーム、slackワークフローなどのフォームから受け付ける
  • DMで依頼が来がち
    →DMで対応せずにチャンネルに移動することで啓蒙


チャット(部署ごとチャンネル>private想定)


pros
  • セキュリティ面の配慮が必要なケースが少なくなる
  • チャンネル内の情報流量/領域が限定されるので、情報が比較的埋もれにくくなる
  • 粒度小さめのやり取りを繰り返せるのでヒアリングの負荷が低い

consと克服のコツ
  • 部署の統廃合対応が地獄
  • 人事異動対応が地獄
  • 人事異動した依頼者が過去の案件のやり取りを見れなくなってしまう
  • 情報が散逸しがち
    →案件IDを紐付ける(スレッドに入れる)
  • 必要な情報が一発目で揃わない
    →Googleフォーム、slackワークフローなどのフォームから受け付ける
  • DMで依頼が来がち
    →DMで対応せずにチャンネルに移動することで啓蒙
  • ステータス管理ができない


ワークフローシステム


pros
  • リーガルチェックと決裁とのつなぎ込みが容易(そのためのものだから)
  • 差し戻しと再申請を使えば大抵のワークフローシステムで追加開発なく対応可能
  • ステータス管理が容易
  • 依頼者が迷わずたどり着ける
  • 案件ごとに情報がまとまる
  • 必須入力項目を指定できるので情報を一発で集めらやすい

consと克服のコツ
  • 案件管理や検索に難があることが多い
    →デイリーでcsvなどでデータをダウンロードして別システムで管理する
  • ワークフローの乗り換えなどの全社の都合で過去の資産を失う恐れがある
  • 誰にアサインされているのかが分かりづらい
    →「割振り→担当者」というステップを踏むことで手間はかかるが対応できる


チケット管理システム


pros
  • ステータス管理が容易(そのためのものだから)
  • アサインが容易(そのためのものだから)
  • (全社展開されていれば)依頼者が迷わずたどり着ける
  • 案件ごとに情報がまとまる

consと克服のコツ
  • 必要な情報が一発目で揃わない
    →Googleフォーム、slackワークフローなどのフォームから受け付ける
  • CC的な情報共有ができなかったり、できる場合もめんどくさかったりする場合がある
  • そもそも全社展開されているケースが稀で、現実的な選択肢になりづらい


専用のシステム


pros
  • 便利

consと克服のコツ
  • 高い

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マネージャーの役割の一つにメンバーのスキルアップに対するサポートがあるのですが、マニュアルや教育システムがしっかり整備されているグローバル企業のような一部の例外を除くと、OJTの名のもとに、徒弟制度のような「見て覚えろ」的な指導に終止していたり、個別の行動に対する都度のフィードバックという非体系的な方法で行われたりすることが多いものです。

ですが、少し前に話題になった「寿司学校出身のミシュランガイド掲載の寿司屋」でも明らかなように、スキルの取得という意味ではOJTは非常に効率の悪いやり方であるのはほぼ間違いないと思います。

とはいえ、OJT以外の方法でどうやってスキルアップ支援すればいいのかわからないという方も少なくないと思いますので、誰でも明日からできるスキルアップ支援法の一つとして、以下のやり方をご紹介します。

ステップ0:準備
Googleドキュメントなど、支援者と被支援者が同時に編集できるドキュメントを作成し、開く
→ステップ1以降で決めた内容はすべてこのドキュメントに記載していく。
業務外でスキルアップに費やせる時間を最初に確認する(通勤時間や、帰宅後の自由時間など)
支援ポイント:被支援者が話したことを、支援者が記録する。認識にずれがないかをリアルタイムで確認しながらすすめる。

ステップ1:ゴール設定
期限が明確であり、かつ達成・未達が明確な目標を設定する。
法務であれば、「来期から取締役会事務局の業務を回している状態」「今期の●●本部からの契約書関連の依頼をすべて一人で滞留なく処理している状態」など。
達成時期を必ず明確にする。
支援ポイント:被支援者本人がやりたい、できるようになりたいと思っている目標なのかを、理由などを聞きながら確認する。

ステップ2:具体的な業務・行動へのブレイクダウン
ゴールを達成した際に、日々行っている具体的な業務・行動をリストアップし、現時点でできないものを赤字にする。
そもそも、現在到達していないゴールを達成した状態を想定しているので、漏れがあることを前提としつつ、気付き次第後から足していけばOKというスタンスでリストアップする。
支援ポイント:なかなか次のステップに進めないようであれば強制的に切り上げる

ステップ3:獲得しなければならないスキル・知識を明確化
ステップ2で赤字にした業務・行動をこなせるようになるために獲得しなければならないスキル・知識をリストアップ。
このステップでステップ2に追加すべきものに気づくことがあるので、必要に応じてステップ2と行き来する。
支援ポイント:それがあれば、●●ができる?それがないと、●●はできない?といった問いかけを通じて磨き込む。

ステップ4:アクションプランの策定
ステップ3でリストアップしたスキルや知識を獲得する具体的な方法をリストアップする。
なお、スキルや知識を獲得する具体的な方法は、「わかっている人の話を聞く(セミナー受講含む)」、「資料や本を読む」、「実際やってみる」の3つに集約される。
具体的でなければならないので、「誰から話を聞くか」「どのセミナーを受講するか」「どの資料/本を読むか」「何をやってみるのか」などをできる限り特定する。
支援ポイント:話を聞くべき人、読むべき本、受講すべきセミナーなどを紹介する

ステップ5:工数見積
ステップ4でリストアップした具体的な方法に必要な時間を見積もる。
実施時期を検討するための材料にするだけなのでざっくりでOK。

ステップ6:実施時期の設定
ステップ5で見積もった工数をベースに、ステップ4の実施時期を設定する。
インプットや人の話を聞きに行く時間は業務外になるものが多いので、ステップ0で確認したスキルアップに費やせる時間を考慮して調整。
直近でやる必要があるものを赤字にする。
支援ポイント:なぜかキツめのスケジュールを設定しがちなので、実現できるものなのかを確認する(緩める方向に誘導する必要はなく、「やれる」の一言を引き出す方向がベター。

ステップ7:最初のステップの実施日の確定
人と会うのであればいつまでにアポを取るのか、本を読むのであればいつまでに買うのか、など、最初のステップを踏み出す日を確定にする。

ステップ8:継続的な振り返り
週次で1on1を設定し、ステップ6・7のスケジュールの進捗を確認しつつ、ステップ2・3のアップデートを行う。
知識が増えれば視界が広がり、やるべきことが見えてきてステップ2と3は増えるものなので、ステップ2と3を増やせるのは良いこと。


自分の力だけで目標達成に向けた具体的な動きを取れないジュニア寄りのメンバーや、「こういう順序でこのスキルを身に着けなさい」と指示できない専門分野がずれているメンバーに対しての成長支援フレームワークとしてはそれなりに機能する実感があります。

「自分はこうやっているよ」「こうするともっと良くなるよ」みたいなご指摘・コメントをお待ちしてます。

ではでは〜
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というわけで、新株予約権原簿です。
ダミーデータ入り


ダミーデータなし




コピーしてご利用ください。

利用方法は以下の通り。
    新株予約権発行時
  1. 「【入力用】SOサマリー」シートにSOの発行条件を記入
  2. 「【入力用】新株予約権者(氏名・住所・備考)」シートに割当対象者の情報を記入(過去SOを発行したことがある方はすでに記入されているのでこのステップは不要)
  3. 「【入力用】SO異動情報」シートに割当内容を記入(記入済みの行はいじりません)
    退職等による新株予約権消滅時
  1. 「【入力用】SO異動情報」シートに異動内容を記入(異動数はマイナスで記入する)
    新株予約権原簿を生成する
  1. 「【レポート】新株予約権原簿」シートのA1をダブルクリックしてカレンダーを表示し、基準日を選択
    登記用の情報を確認する
  1. 「【レポート】新株予約権原簿」シートのA1をダブルクリックしてカレンダーを表示し、基準日を選択
  2. 「【入力用】SOサマリー」シートのM列以降を参照
    株式分割時
  1. 「【入力用】株式分割履歴」シートに分割日付と分割比率を追記(比率は1株が何株になるかの数字だけを記入すればOK)



この新株予約権原簿でやっていることの解説


簡易DBとして構成している


閲覧用のシート(=レポート)と、データ保持用のシート(=テーブル)を分けています。
なお、閲覧用のシートの内容はデータ保持用のシートからquery関数で抽出しています。
データベース的発想でスプレッドシートを作るということにピンとこない方におすすめの一冊は、こちらです。(もともと、ピボットテーブルって何だ?という疑問に対してはっしーさんにお勧めいただいた本なのですが、データベース発想でスプレッドシートを作る作法についてもとてもわかり易く解説されていて良い意味で驚きました。)


メンテコストが最小限になるように割り切っている


割当・消滅というログについてはすべて記録する一方で、住所については最新の情報のみを保持するにとどめています。
これにより、基準日を過去日に設定しても当時の住所が設定されないという不備が生じてしまうのですが、実務上過去日付のSO原簿を住所の正確性を担保した状態で生成しなければならないケースはほとんど発生しないことに加え、住所変更時に行を足すという動作は直感的でないため、あえてここは割り切りました。


実務上使っているものをベースにしているので多分クリティカルな不具合はないと思うのですが、もしおかしな点を見つけたら教えて下さいませ〜
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法務を飛び出て管理部門を管掌する取締役にチャレンジしたタイミングでちょうどBusiness Lawyersの第6回 一人法務からバックオフィスの責任者へ - 法務のスキルでキャリアを拡大という記事を拝見して以来、機会があったら一度中根さんのお話をお伺いしたいとずっと思っていたところ、サイボウズのむつみめもさんにお繋ぎいただき、お会いするチャンスをいただくことができました。IT法務互助会ばんざい!

上記記事にもある通り、中根さんは現在サイボウズのバックオフィスを統括する責任者になられており、法務からガチマネージメントコースへと進まれた稀有な方のお一人ということもあって、お話をお伺いするにうちに、同じような役割から早々と撤退した私自身が抱えていた反省点や悩みがスルスルと解きほぐされていくような(そういった表現が適切かはわからないのですが)とても心地よい1時間でした。中根さんの人間的な魅力、人を惹きつける力の強さはすごいので、転職を考えている法務の方は、一度サイボウズさんの募集にエントリーすることをおすすめします。(2019/11/22現在、サイボウズさんは契約担当の法務を募集されています

中根さんのキャリアについても色々お伺いしたのですが、上記記事を始めとしたウェブメディアに詳しく記載されているので、ここではお伺いしたお話の中で、極々個人的に特に心に残ったポイントに絞って触れたいと思います。

「M&Aの過程でDDをする際、財務・経理面ではわからない言葉や概念がたくさんでてきて、それを片っ端から経理の同僚に聞いて教えてもらったんです。」


M&Aに際しては、大きく分けて事業、法務、人事、財務・経理といった領域でDDを行うことになりますが、特に一人法務の会社では法務DDだけで手一杯になり、他領域について興味関心を払う余裕がないのが通常なのではないかと思います。激務の中、法務に閉じることなく他領域にも好奇心を持つ姿勢で日々の業務にあたっていらっしゃったことは、領域を広げる際に何よりの力になったのではないかと想像しました。
「物怖じせず飛び込んでいく性格なんです」と軽やかに笑っておっしゃる姿を見て、大変なことを自然体でやれる凄みを感じるとともに、1年前の自分の蹉跌の原因の一つは、法務に閉じていた過去の自分にあったのだということを改めて自覚しました。普段からトレーニングしていなければ、いきなりトラックに立っても走れるわけないんですよね。当然のことではありますが、法務としてそれなりにこなせるようになったことで、この当たり前を忘れてしまっていたのかもしれません。いずれは法務以外の領域にも、という想いを持っている方は、明日から他部署の業務に首を突っ込んでいった方がいいですよ。その時が来てからじゃ、遅いんですからね(自戒)

「法務部長を後任に引き継ぐとき『ものすごく楽しい仕事なんだよ。本当に。すごく楽しいから、楽しんでね。』って言って引き継いだんです。」


後任の立場からすると掛け値無しで最高の引き継ぎコメントだな、と思うとともに、中根さんのような方にとっても、ステージを一段上げるということは、いわゆるコンフォートゾーンを飛び出るということに他ならないのだという事実を再確認しました。
実際、しっかり回せている実感をもてているときの法務部長って、最高に楽しい仕事だと思うんですよね。難しい業務がどんどん降ってくるのでやりがいも学びもあり、成長している実感も得やすいですから。そんな業務を後任に託して新しいチャレンジをする選択肢を選ぶ際の複雑な気持ちは、「昇進おめでとうございます」という文脈には乗らない重要な要素だなと思いました。

「私は、この社会に対して個人的に抱いている問題意識があるんです。怒りと言ってもいい強さの問題意識。そしてこの会社においては、私はその問題の解決に取り組める立場にいる。」


今回、一番ハッとしたご発言がこれでした。
昇進するということは裁量が大きくなるということであり、それはつまり自分の影響力が大きくなるということを意味します。例えば、最近もまた例の報告書がきっかけで話題になっている法務部門のあるべき姿について言えば、Twitterであれこれ論評しているだけでは社会へのインパクトはほぼ皆無です。しかし、もしあなたが法務部門の責任者であれば、少なくともその会社の法務部門のあり方は、あなた次第でかなりの程度変えることは可能なはずであり、ある会社が変わるということは、その程度において社会へ影響を及ぼしていると言えます。決して大きなインパクトではありませんが、もっともらしいことを好きなように言い放っているだけの外野とは雲泥の差であることは間違いありません。
敢えて波風の立つ言い方をするならば、「ぼくのかんがえたさいきょうのほうむぶ」的な無責任さの対極にある強い当事者意識を感じた瞬間でした。


なお、上記は、1時間という限られた時間の中で多岐にわたる話題をお伺いする中で私自身が感じたことを記載したものであり、中根さんのご見解とは一致しない可能性がありますので、その点はご留意ください(カギカッコ内も録音等をしていない私の記憶からの引用なので、中根さんのご発言を正確引用したものではありません)

それでは!
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はじめに


現職では久しぶりに一人法務に戻ったこともあり、1から10まで自分でやってきたのですが、良い方がいたらアルバイトであればアシスタントを雇えることになり、bosyu経由で司法試験受験生の方を採用し、先月から稼働を開始していただいています。
実務としては反社チェック、契約書保管を始めとしたマニュアルベースの業務から、契約書の一次チェック、リサーチ、マニュアルのリバイスといった一歩踏み込んだ業務まで担当してもらっているのですが、当初の想像を遥かに超えたスピードと品質でバリバリ活躍してくれているので、(n=1なので当社に来ていただいた方が特別に良い方だったという可能性はあるものの)皆さんにもぜひおすすめしたいと思い、久しぶりにブログを書くことにしました。

司法試験受験生をアルバイト雇用するメリット


正社員よりも気軽に雇える
1人や2人で回している小規模な法務において、「もうひとり雇う」ことのハードルは非常に高いもので、それ故にギリギリまで現有戦力で戦い、疲弊しきって倒れる寸前まで採用活動を開始しないケースは少なくありません。というか、そうなるのが普通とすら言えるかもしれません。
ところが、一口に法務といってもスキルセットやマインドは様々であり、そう簡単にピッタリの人材と出会うことはできません。また、正社員を雇用するとなると、スキルだけでなくカルチャーフィットを見る必要があったり、「外すわけにはいかない」というプレッシャーから選考も保守的になりがちです。
他方、アルバイトであれば、社内手続きとしても、採用側の気持ちとしても、正社員と比べるとフットワーク軽く採用することができます。10人が11人になるときはある程度選択の幅を取れたり、妥協が許容されるところもありますが、小規模法務における増員においてはそういうわけにもいかないという事情に鑑みても、1人月未満の工数をアルバイトの方に提供してもらうことは滑らかな組織拡大のためにとても有用です。

ある程度安心して秘密情報を取り扱わせることができる
法務は秘密情報を取扱えないと仕事にならない部署ですが、何のバックグラウンドもない短期雇用の方に秘密情報を取扱わせることには躊躇してしまい、これが法務におけるアルバイト雇用のハードルの一つになっています。
この点、司法試験受験生は、秘密保持義務の意味を正確に理解できることが期待できることに加え、仮に秘密情報を漏洩してしまうと自分の将来を完全に棒に振ることになるわけで、カジュアルな秘密情報の漏洩も含めると、むしろ他部署の正社員よりも意識が高い可能性があり、秘密情報の取扱いを伴う業務を担当していただきやすいといえます。

被用者にとってもメリットがある
司法試験受験生が仕事をする際、ネックになることの一つに「勉強・試験との両立」があります。
その点、法務部員は試験に対する理解があり、いつ頃ピークが来るのか、どのような勉強しなければならないのか、また、どの程度のプレッシャーが掛かっているのかという点について、説明しなくてもわかってもらえる(それゆえに日程調整も気軽に相談できる)という点は、かなりのメリットになるのではないかと思います。
また、業務内容としても、試験科目とは関連が薄いことが多いとはいえ、法律を全く使わない業務よりも司法試験と親和性が高いのは間違いないはずです。何より、合格後に弁護士になる場合、法律事務所に勤務するにせよインハウスになるにせよ、法務部門の実務を肌感で掴んでいることは、財産になるはずです。

日本語能力が高い
ちゃんとした教育を受けた人でも、ちゃんとした文章を書けるとは限りません。
その点、論文試験の勉強を通じて文章で主張を伝えるトレーニングをしている司法試験受験生は、伝わる文章を書けることが期待できます。
法務であれば当たり前にもっているスキルですが、これをアルバイトの方に求めることができるということは非常に大きなアドバンテージだと思います。

空き時間が無駄にならない
優秀な方であればあるほど、渡した仕事をどんどん処理してしまい、「次に何をやればいいでしょうか?」という状態が生まれがちです。
普通のアルバイトであれば困ったことになってしまうのですが、司法試験受験生の場合は「この本読んでおいて」と、業務上必要になる法律実務書のインプットをしてもらうことが可能で、実務的にはこれはものすごく楽です。

良い採用をするために


採用のタイミングは、合格発表(正確には不合格発表)直後がお勧めです。
また、合格に近い方、具体的には来年合格できそうな方に来ていただく方がお互いハッピーになりやすいと思います。(まだまだこれからという方は、仕事にパワーを割くとどっちつかずになってしまうおそれがある)
採用チャネルが問題ですが、僕は会社の許可をとって自分のtwitterアカウントでbosyuを使ってダイレクトリクルーティングをしました。これは良いチャネルがあれば逆に聞きたいところです。




ではでは
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GitHubでドキュメント管理というのはすごく「techしてる」感があって文系職種としてはワクワクするのは事実ですし、実際始めてみればレビューのスムーズさや堅牢性などの点で利便性がすごく高いのは間違いありません。

他方で
  • 最初に全規程をmarkdown化するのがめっちゃ大変。特に表は、移植時に一度死に、改定時にもう一度死ぬことになる。
  • 全社員がgithubアカウントを持っている会社じゃないとGitHubPages化が必要
  • そもそも法務にアカウントが付与されていないと導入に際して追加費用が発生することになる
  • 修正内容によっては改定箇所の強調表示が分かりづらいことがある
  • 上の人がGitHubでやることをおもしろがってくれない会社では導入のハードルが高い
といった難しい点があるのも事実です。

そこで、規程管理が辛い状態だけど、GitHubを導入してなんとかするほどでもないという皆様におすすめなのが、Googleドキュメントでの規程管理です。
Googleドキュメントは、プルリク→レビュー&approveみたいな堅牢性はありませんが、大抵の会社では全社員がアカウントを持っていて追加費用は不要で、表も箇条書きもWYSIWYGに作れます。

具体的な手順はこんな感じ

最初の準備

  1. おそらくWordで管理されている最新版をGoogleDrive上に作った規程集フォルダにアップロード
  2. しっかり規程のフォーマットが構造化されていればほとんど破綻なく変換されているので過去の自分に感謝する(そうでない人は過去の自分を呪いつつ体裁を直す)。
  3. 規程集フォルダを閲覧権限で全社員に公開
  4. 法務部員等の規程の改定作業をする実務担当者だけに編集権限を付与する。

改定手順

  1. 改定したい規程を開き、提案モードで改定したい内容をガシガシ書いていく。(注:提案モードで編集した内容は、承認するまで閲覧権限ユーザーには見えません)
  2. 改定案作成後、docx形式でダウンロード
  3. いつものようにフォントがダサくなっているのでフォントだけ一括変換
  4. 変更案が変更履歴の形式で表現されているのでこちらで決裁を取る
  5. 決裁完了後、再度規程を開いてすべての提案を承諾して、リリース完了
  6. うっかり編集しちゃったときに戻れるように、版の名前を「●年●月●日決議版」みたいに変更しておく

いかがでしょうか。
「えっ、マスター版を直接弄っちゃうの?」とか、「間違えて、または意図的に編集モードで編集されたら、公開されてる規程が変わっちゃうじゃん」と思った方。
あなたはまともな感覚の持ち主です。
そして、まともな感覚の持ち主であるがゆえに、規程管理みたいなどうでもい・・・じゃなかった、地道なタスクで苦しむ羽目になってしまっているのです。
重要な業務とは言え所詮は社内のルール。
何かあっても死ぬわけでもないんだし、いざというときは履歴をたどれば戻すことは可能なわけですから、ここらは一つ「こまけーこたーいいんだよ」というスタンスのやわらかな規程管理で苦しさから自分を開放してあげてはいかがでしょうか。(というスタンスが許容される規模・ステージの会社に限られるので、その点はご注意ください。念の為。)

ちなみに、この管理方法を採用すると、気になったポイントを提案モードでガンガン書き込んでいけるため、「細かいから次の改定にまとめよう」と先送りにされた挙げ句に結局忘れ去られがちな軽微修正なども確実に抑えていけますし、コメント機能で簡単な議論も可能です。
↓適当に拾ってきた就業規則でやってみたイメージ
blog

というわけで、久しぶりの法務関連の雑記でした。
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ほぼ無風だった2017年とは打って変わって、2018年はまさに激動の一年でした。
その激動の一年の締めくくりとして、12月末で現職を退任し、1月からまた別の会社に移ることになったのですが、それについては一旦横においておくとして、短いながらも人事、経理、財務、広報の入り口を垣間見るとともに、資金調達にキックオフからクロージングまで触れた経験はとても貴重だと思うので、この感覚を忘れないうちに気づいたこと、学んだことを文章に残しておこうと思います。

マニュアルは大切


やるのは自分だけ、という状況下ではマニュアル作りを後回しにしがちですが、忘れっぽい性格であることを自覚していたので、労務・経理系で大量の定型作業が発生することを見越して結構細かい作業についても自分用マニュアルを作るようにしました。
もちろん、マニュアルは手順を忘れないようにするという意味でも役にたったわけですが、それ以上に
・(特に急いでいるときに)作業の抜け漏れを防げた
・別の人への作業の引き継ぎをスムーズに行えた
・迷う時間がなくなり、作業が早くなった
といった効果を得られたことを実感しました。
「そんなの当たり前だろ」と思われるかもしれませんが、他の管理部門と比べると法務にはそれほど定型作業が多くないので、マニュアルを整備するメリットを感じる機会ってそこまで多くないんですよね。
マニュアルは標準化を必然的に伴うので、法務が標準化に今ひとつ弱いのもこういう面が影響しているのかもしれませんね。

職種ではなく、役割・機能で業務を捉える


定期的に話題になる「攻めの法務・守りの法務」や「法務のキャリアパス」は、どちらかというと、職種の観点から法務という業務を捉えています。
他方、役割・機能から法務を捉えるのはどういうことかというと、「この会社にとって必要な法務とは」という視点から法務を見るということを意味しています。
会社の規模、業種、ステージや、役員のマインド等の要素によって、必要な法務の役割や機能は大きく異なるはずなのですが、法務の中にいると、どうしてもこのような観点を失いがち(または意図的に目をそらしがち)になってしまいます。法務の側からの「こうなりたい・こうしたい」という発想ではなく、会社にとってベストな選択肢はどれなのか、という発想から機関運営、契約、知財などの業務を定義できると、「攻めの法務」とか「経営のパートナー」といったお題目以上に、法務が存在意義を発揮できるようになるんじゃないかと今は思っています。

未経験の業務に携わる難しさ




最終出社日の後、1ヶ月以上インプットのための時間を確保することも可能だったのですが、実際には人事系の書籍を数冊読んだだけで業務に飛び込んでしまったのが、今回の蹉跌の大きな原因の一つだったように思います。そもそも、自分が他の人と比べて高い成果を出せる(可能性がある)のは法務の領域だけであり、人事、経理、財務を始めとしたその他の領域では素人同然であったにもかかわらず、危機感が圧倒的に足りませんでした。そして、着任後は怒涛の業務に日々追い立てられ、時間的にというより精神的にインプットを行う余裕はなくなり、負のスパイラルを招くこととなってしまいました。
今思えばなぜ「なんとかなる」と思っていたのか不思議でならないのですが、当然のことながら、新しいことにチャレンジするのはとても難しいことであり、先人に教えを請うたり、書籍を浴びるように読んだりすることはスタートラインに立つために最低限すべきことだったんですよね。
また、新しいことへのチャレンジが難しい以上、もっと慎重に、徐々に領域を広げていくような進め方が必要だったのだろうなとも思います。もちろん、そんなまどろっこしいことをせずに突き進んでいけるスーパーな人は実際に存在するわけですが、自分はそういうタイプの人間ではないということについてはもう少し自覚的であるべきだったな、と。

助けてくれる人のありがたさ


この8ヶ月間、本当に多くの人に、色んな角度から助けていただきました。
資金調達についてアドバイスをくださったVCのパートナーの方や事業会社の投資担当者の方、人事・財務の考え方を基礎からレクチャーしてくれた元同僚の手助けがなければ何倍も右往左往することになっていたと思いますし、退任を決めた後に超短期間で転職先が決まったのも、声をかけてくれた前の上司・同僚や知人のおかげでした。
この感謝の気持ちを忘れないようにするとともに、Pay it Forward的に、同じようなチャレンジをして悩んでいる人がいたら積極的に手を差し伸べていきたいなとも思っています。

といったところで遅い時間になってしまったので続きは明日(というか、もう今日か)に。
資金調達に関して学んだことをまとめてみようと思います。
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さて、前回の転職が2014年7月16日づけだったので、3年9ヶ月を経過し、そろそろ4年目に突入しようとしているわけですが、ほら、何か違和感ありませんか?

76年に1度と言えば、そうですね、ハレー彗星ですね。
20年に1度と言えば、そうですね、伊勢神宮の式年遷宮ですね。
7年に1度と言えば、そうですね、善光寺のご開帳ですね。
3年に1度と言えば、そうですね、kataxさんの転職ですね。
えっ?嘘でしょ?kataxさんまた転職するの?えっ?(2014年07月11日)


・・・ね?

というわけで、2018年3月30日を最終出社日としてまた転職することになりました。

これまで、日本ウリサインとか、kataxの採用決定を重要事実に含めるべきでないかについて東証が検討中とか散々な言われ方をしてきましたが、次は未上場企業なので市場関係者の皆様に於かれましては一旦ご安心いただければと思います。

で、
誰にも言ってもまったく信じてもらえないのですが、僕はジョブホッパー的に転職を繰り返すことについて1μgたりとも良くは思っておらず、それどころか、できることなら一つの会社にしっかりと根を下ろして働くことの方が、会社にとってはもちろん、本人にとっても良いと心底考えています。
えっ?嘘でしょ?kataxさんまた転職するの?えっ?(2014年07月11日)
との整合性というか、言い訳については、今回は「チャレンジ」の一言に尽きます。

2017年末に一年を振り返ったとき、これまでにないほどの停滞ぶりを目の当たりにして「これが老化というものか」と恐れおののいたわけですが、自分の意識や努力でどうにかできる範囲は限られているのでどうしたもんかと悩んでいたところ、色々あって人事・法務・広報を含む管理部門全般を見るという役回りの職を得るチャンスを得られたため、思い切って飛び込むことにしました。
こういうときは、自分にできるかどうかを考えず、自分がやりたいと思っているか、やらないと後悔しないかを基準に行動した方が良いと思うんですよね。

無資格法務のキャリアパスについてでいうところの、1-bガチマネージメントコースであり、これまでの法務としての経験を活かせる領域は限定的なわけですが、不思議と不安はそれほどなく、今はただひたすら新しいチャレンジを前にワクワクしています。

なお、会社の規模やステージに鑑みると、法務業務の負荷は全体の20%以下になることが見込まれますし、またそうしなければならないとも思うので、タイトルで「法務をやめる」宣言をしてはみましたが、このブログは今後も折に触れて更新していこうと思っていますので、今後ともよろしくお願いします。

あと、次こそ、次こそは、長く勤め上げたいと思っています!

ではでは〜
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先日の法務系LTイベント「法務&知財系ライトニングトーク2017 <リーガルテック祭>」において、シティライツ法律事務所の平林先生が
※誤字修正しています


というご発言をされたのを受け、僕も日々契約書を書いていた頃に使っていた条項集を公開しちゃおうと思いたちました。
公開先はこちらです。

公開することを想定していない資料なので、実際にはめったに使わない条項も含まれてしまっていると思いますが、お気づきの点があれば教えてください〜

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今月のビジネス法務(2017年10月号)の特集1は「法務部の生産性向上」ということで、定期購読している雑誌をなかなか読まない僕には珍しく速攻でチェックしました。


・・・が。


ぜーんぜん、生産性向上についての記事が載ってない!!

いや、全然ではなかった。
GMOペパボの株主総会の準備をガチのスクラムでやってみた件はちゃんと生産性向上について書かれていたし、雛形運用のようなありふれたものではあるけど業務の効率化策に関する記載もあったので、正確には

GMOペパボ以外は生産性向上のヒントになる記事はなかった

だった。


いやね、どの記事もいいこと書いてあるんです。これはほんと。ただ、その多くは業務品質の向上策についてのものなんですよね。
でも、生産性ってのは「インプットに対するアウトプットの比率」なので、業務品質の向上、つまりアウトプットの質の向上についてだけ触れるだけでは生産性向上について書いたことにはならないと思うんです。
また、業務効率化は付加価値の低下を最低限に留めることが当然の前提にされているはずなので生産性の向上策であることは間違いないんですけど、程度の差こそあれ業務の効率化には既にどのチームもある程度は取り組んでいるので、それによって目に見えて生産性が向上することはあまり期待はできません。

そもそも法務は生み出す付加価値について他者の評価にさらされる機会が他の職種に比べて極端に少ないことから、仮に付加価値をあまり生み出していなくても、そのことを咎められにくい職種の一つであるといえます。
加えて、法務以外の部署にとってリーガルリスクを敢えて放置するという判断は採りづらいので、生産性が低い(投入する労働力とのバランスが崩れている)付加価値向上策であっても、それを外野から非難するのは困難であることもこの傾向に拍車をかけます。
こういった事情を背景に、(最近はだいぶましになってきているとは思いますが)未だにセレモニーに毛が生えたようなNDAに対して丹念な修正を加えたり、実務上のリスクが極めて低い事案に時間を割いてきっちり対応したりするといった、乏しい付加価値に対する労働力の投入が普通に行われているように感じています。

そんな状況下で「法務部の生産性向上」が特集されているということだったのでとても楽しみにしていたのですが・・・。
もっと正面から「生産性」の向上に向き合った他社事例を読みたかったな、と残念に思いました。


なお、繰り返しになりますが、この特集が「生産性向上」ではなく、「業務品質の向上」をテーマにしたものであれば、普通に良い特集だったとは思います。

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