カテゴリ: 雑記 【おしごと関係】

新年早々、弁護士を1年やっていてわかったことという素晴らしいエントリーに触れました。

そして、ある程度忙しいと、ある種の満足感ともいうべ、「やった感」を感じるようになります。また、周囲も、「○○先生頑張ってるね」と一応評価してくれます。しかし、これが危険です。(中略)日々の業務には励みつつ、勉強を怠ると、一応の腕はあるが、知識がなく、経験とそれによって得たもの(場当たり的なハッタリや交渉力)しか武器がない弁護士になってしまうでしょう。
は、まさに至言。

目標管理や年始の誓いなどで大きな目印をたてないと、ばたばたしているうちに一年が経過してしまい、去年と違うのは、少しの経験と、失った1年分の若さだけ、ということになりかねません。

というわけで、今年の目標を立ててみました。


会社法にちゃんと取り組む
今までお手伝い程度でしか関与してこなかったコーポレート法務に今期から本格的に携わることになったので、急遽錆びつきまくった会社法の知識を何とかする必要が生じました。
レベル感としては、まずは江頭会社法に書いてあることはわかってる・知っている(覚えているではなく)状態を目指そうと思います(それくらい錆びてるんです・・・)。
今は善管注意義務周りと組織再編くらいしか使っていないので、ほぼ1からのリスタートになりますが、逃げずに、謙虚に、基礎からしっかりとやり直したいと思います。

one more thing...
これは今年というより、今後、という話なのですが、今まではどちらかというと避けがちだった「人と出会う」ということにちゃんと取り組もうと思います。
とはいえ・・・これ、どうやって進めればいいのやら・・・

というわけで、今年も一年、よろしくお願いします。
kotoyoro
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法務系Advent Calendar2015の4日目です。

先日公開した契約書のスタイルガイドに続く「契約法務はじめの一歩ツール」として、契約条件の修正パターンをまとめてみました。
新たに契約法務に携わるようになった方にとってのガイドとして機能するよう、できる限り断定的な表現で書くように心がけています。
なお、特定の論点にだけ用いられる修正パターン(合意管轄における被告地主義など)には触れません。
私の個人的な経験・感覚に依るところが大きいので、誤りが含まれている可能性もあります。おかしな記述、疑問点等を発見された場合は、コメントやSNS等を通じて教えていただけると嬉しいです。

A:権利の制限・責任の限定
最も基本的な修正パターンです。
大きく、権利/義務の発生自体を調整するパターン(1・2)と、発生した権利/義務のレベルを調整するパターン(3〜8)とに分けることが可能です。

1.権利・義務の発生要件の追加
説明:
権利・義務を発生させるための要件を追加する修正であり、最も基本的、かつ最も多く行われるパターンの一つです。
基本的とはいえ、条項毎に追加される要件のバリエーションは様々であり、実務に即し、かつ効果的な要件を追加することはそう簡単ではありません。
どのような要件を追加すればよいかわからない場合には、下記の具体例のように、オールマイティの要件である「自社の同意」を追加することを検討してください。
これは、権利の発生を同意当事者が決定できるようになるという意味で、見た目以上に非常に強い意味を持ちます。
逆に、「協議」には要件として追加する実務上の意味がほとんどないため、敢えて追記や削除をする意味はほとんどありません。
複数の要件を追加する場合は、各要件を号に切り出すとともに「以下の各号の要件を満たした場合」といった規定ぶりにすると読みやすくなります。

具体例:
Aは、事前にBの同意を得た場合に限り、本件業務のためにAが要した費用をBに請求することができる。

2.権利・義務の発生を阻害するケースの追加
説明:
但書等により、権利・義務の発生を阻害するための要件を追加する修正です。
基本的に1と同様の機能を持ちますが、権利行使の可否が争われた場合、原則として立証責任は権利行使を受ける側(権利行使を否定する側)が負うことになるため、立証責任を調整するために、権利発生要件として定められた要件を阻害要件に切り替えるといった趣旨でこの修正がなされることもあります。

具体例:
Aは、本件業務のためにAが要した費用をBに請求することができる。ただし、事前にBが除外対象として指定した費用については、この限りではない。

3.権利・義務の対象の範囲の限定
説明:
ライセンスの範囲(地域や領域など)や、秘密保持義務の対象となる秘密情報の範囲などを限定する修正です。
損害賠償の範囲について、「直接損害に限定する」「通常損害に限定する」といった修正が行われることは少なくありませんが、発生した損害が「通常損害」「直接損害」ではないことが明確なケースは決して多くないため、本当にその限定が損害賠償責任の限定という意味で実効性があるのかについては注意が必要です。
逆に、受注者側にとっては、何が瑕疵かをめぐって発注者と認識の相違が生じがちなので、瑕疵の範囲についてしっかり限定をかけておくことは実務上も非常に重要です。
また、実務上うまく設定するのが難しいのが「競業避止義務の対象となる業務の範囲」です。現場(競業されて直接困る人)にしっかりヒアリングするとともに、経験豊富な同僚にダブルチェックしてもらう等の漏れを防ぐための工夫をお忘れなく。

具体例:
Aは、本契約に関してBから開示された情報のうち、秘密に取り扱うべき旨が明示された情報を、第三者に開示もしくは漏洩し、または本件業務の実施以外の目的のために利用してはならない。

4.権利・義務の上限の設定
説明:
損害賠償額や収益分配金額などの上限を設定する修正です。
上記の3で触れた損害賠償の範囲の限定と異なり、損害賠償額の上限設定は「これ以上損害賠償責任は負わない」というわかりやすい制限がかかるという意味で、非常に強力な限定となります。
継続的契約において上限設定を行う場合は、上限のリセットタイミングや判定の単位も設定しないと不合理な規定になってしまう可能性がある点には注意が必要です。
また、強力な限定であるがゆえに、取引全体のバランスに鑑みてあまりに不合理な限定を設定してしまうと、ケースによっては裁判所から上限をスルーされてしまう可能性もあることにも注意が必要です。

具体例:
Aは、Aの責に帰すべき事由によりBが損害を被った場合は、Bの請求に応じ、本件委託料の金額を上限として、Bに対してかかる損害を賠償する責任を負う。

5.権利・義務の存続期間の設定
説明:
収益分配権や、秘密保持義務などの存続期間を限定する修正です。
契約終了後の存続期間を設定するパターンと、契約有効期間の満了前に一定の権利や義務を終了させるパターンの2つがあります。
秘密保持義務については存続期間を限定することに合理性があるケースはあまり多くないはずですが、なぜか限定を求められるケースが少なくありません。そんなときは、「秘密保持義務の存続期間終了後は、Twitterや2chに書き込んでもOKということでしょうか?」と質問してみましょう。
また、以外に辛いのが事業譲渡契約等で定められる長期の競業避止義務です。数年経てば状況が全く変わっていることも少なくないので、強力な義務を長期間負う場合は、現場の責任者にしっかりと義務の内容を認識してもらい、実務上の問題が生じないことを確認する必要があります。

具体例:
Aは、Bに対し、第●条(有効期間)第1項に定められた本契約の当初期間中、毎月末日までに、前月分の本件収益の10%及びこれにかかる消費税相当額を支払うものとする。

6.義務レベルの低減
説明:
義務のレベルを、努力義務や「合理的な範囲で」といった限定つきの義務に落とす修正です。
請負的な仕事の完成義務を委任的な善管注意義務に変更するのもこの修正に該当します。
義務のレベルを落とすことで、債権者としては損害賠償や解除などを行いにくくなるため、B-1の退路の確保といった対抗策を検討する必要があります。
なお、「しなければならない」を「するものとする」に変更しても実務上の意味はほとんどないため、義務のレベルを落とすためにこのような修正を行うことは避けるべきです。

具体例:
Aは、Bから本件システムに関する問い合わせを受けた場合、2営業日以内に回答するよう努めるものとする。

7.多段階化
説明:
権利や義務の内容を一定の基準にしたがって段階分けする修正です。
単価が折り合わない場合に、販売数量に応じて単価を変動させる料金表を作成したり、事業運営に対する影響度に応じて対応の速度を変更するといったことが代表例です。
また、SLAによる履行義務の内容と債務不履行責任の精緻化も、この多段階化の一例といえます。
単純な権利の制限や義務の引き下げよりも手間がかかる反面、相手方の納得を得られやすいため、白か黒かだけではなく、その間のグレーの領域も有効活用することができるようになると、選択肢の幅を大きく広げることが可能になります。

具体例:
Aは、Bから本件システムに関する問い合わせを受けた場合、 2営業日以内 Aが判定する当該問い合わせの重要度に応じ、表1記載の期間内に回答するものとする。

8.双務規定内の義務の切り分け
説明:
双務規定の中に同じ内容で定められている両当事者の義務のレベルを、当事者別に設定する修正です。
双務規定は一見フェアな条件に見えがちですが、実務に照らすと実際には当事者の一方にしかほとんど適用される余地がなかったり、一方当事者に不利な内容になっていることは少なくありません。
そのようなケースでは、敢えて一つの双務規定内の義務の分割や場合分けによって当事者間の義務に差をつけることで、より実態に即した規定に変更することが可能になります。

具体例:
本契約において秘密情報とは、秘密に取り扱うべき旨が明示されたうえで相手方から開示された情報及びAにおいては、秘密表示の有無を問わずBから開示された●●に関する情報をいう。


B:バーター
自社に不利な条件を受け入れる代わりに、一定の譲歩を引き出す修正パターンです。
受け入れる条件と譲歩を要求する条件とが合理性のあるストーリーで関連していることから、単なる交換条件よりも相手方の譲歩を引き出しやすいのが特徴です。

1.退路の確保
説明:
通知解約権の確保や、契約期間の短スパン化によって契約から離脱しやすくしておくための修正です。
また、単に契約を解消しやすくするだけでなく、損害賠償義務の否定、仕掛品がある場合はその買い取り、競業避止義務の調整などにより、契約解消後の悪影響を最小限に留めるための修正もこれに該当します。
A-6で義務のレベルを落とした場合、相手方の義務履行のクオリティに不満があっても責任を追及しづらくなるため、カウンターとして退路の確保を要求することを検討すべきです。
逆に、自社の義務が重い契約も、契約関係から容易に離脱できるようにしておく必要性が高いといえます。
なお、通知解約条項は柔軟性がある一方で、しがらみや相手方への遠慮から実際に行使することがためらわれる傾向にあるため、売上目標やPV等をKPIをして指定し、一定の基準を達成できなければ当然に契約を終了させる、といった形をとることでさらに実効性は高くなります。

具体例:
Aは、Bに対して書面により通知することにより、損害賠償その他の義務を負うことなく、直ちに本契約を解約することができるものとする。

2.最低ラインの確保
説明:
販売ノルマの設定や、ミニマムギャランティの設定等により、最低限の利益等を確保するための修正です。
収益分配案件における収益獲得面を相手方に委ねる場合、具体的には独占ライセンスを設定したり、協業案件において販売面を一任したりする場合は、カウンターとして分配金額や販売数量に最低ラインを確保し、サボることに対して負のインセンティブを設定することを検討すべきです。

具体例:
Aは、Bに対し、毎月末日までに、前月分の本件収益の10%及びこれにかかる消費税相当額を支払うものとする。ただし、本件収益の金額が10,000,000円に満たなかった月においては、1,000,000円及びこれにかかる消費税相当額を支払金額とする。

3.巻き込み
説明:
ある義務を引き受ける代わりに、相手方にも義務の一部の履行を求める修正です。
義務自体は引き受けているので、相手方を巻き込むことに合理性があるケースでは、譲歩を引き出しやすいパターンです。

具体例:
Aは、Bから本件手順の変更を指示された場合、速やかに指示の内容にしたがって本件手順を変更するものとする。なお、この場合、Bは、自己の責任と費用負担により、本件顧客に対する本件手順の変更に関する個別説明及び本件顧客からの本件手順の変更にかかる問い合わせに対する対応を行う責任を負う。

4.費用負担
説明:
ある義務を引き受ける代わりに、相手方に義務履行に伴って発生する費用の負担を求める修正です。
B-3同様、義務自体は引き受けているので、情報を引き出しやすいパターンです。
また、立ち入り監査等の場面で費用負担を求めることで、相手方のカジュアルな権利行使を抑制する効果も得られます。

具体例:
Aは、Bから本件手順の変更を指示された場合、速やかに指示の内容にしたがって本件手順を変更するものとする。ただし、Bは、当該変更に伴って新たにAが負担することとなった費用をAに支払う義務を負うものとする。

5.許可に伴う責任
説明:
相手方にある権利を認める代わりに、それに伴う責任を課す修正です。
秘密情報の再開示を認めつつ、再開示先の管理責任を負わせたり、再委託を認めつつ、再委託先による義務違反について直接責任を負わせるのがこのパターンです。

具体例:
Aは、本件業務の全部または一部を第三者に再委託することができる。この場合、Aは、当該第三者に本契約に基づいてAが負う義務と同等の義務を課すとともに、当該第三者によるかかる義務違反について連帯して責任を負うものとする。

6.許可と報告
説明:
相手方にある権利を認める代わりに、権利の行使状況等について通知・報告を求める修正です。
許可そのものについて制限を課すものではないという意味でバーターパターンの中では最も受け入れられやすいパターンです。

具体例:
Aは、本件業務の全部または一部を第三者に再委託することができる。ただし、Aは、当該再委託を行う場合、事前に名称その他のBが指定する再委託先に関する情報をBに報告しなければならない。

7.同意の義務付け
説明:
A-1やA-2で相手方の同意を要件に加えることを受け入れた際に、同意するか否かを相手方の裁量に完全に委ねてしまうと、あたかも権利を人質に取られたかのような状態になってしまいます。
そこで、同意を要件に加えることを受け入れる代わりに、一定のケースでは同意することを義務付ける修正です。
同意しない場合には「合理的な理由」を求めるのが典型例です。
同意の義務付けにとどまらず、一定のケースで同意を擬制することができれば、更に強力になります。
具体的には、同意要求の後、一定期間内に一定の条件をみたせなかった場合に同意したものとみなす、といった規定が考えられます。

具体例:
Aは、 事前に Bの同意を得た場合に限り、本件業務のためにAが要した費用をBに請求することができる。ただし、Bが、Aから費用請求を受けた後15日以内に費用負担を拒否する旨及びその理由をAに通知しない場合、Bは、当該費用の負担について同意したものとみなすものとする。


C:合意タイミングのコントロール
一つの契約書内で全ての要決定事項について合意することが難しいことは珍しくありません。
そのようなケースで無理なく契約締結達するためのパターンです。

1.合意の先送り
説明:
契約条件の大部分について合意できたものの、一部については合意できない場合に、合意できない部分について「別途合意して定める」と決定を先送りしてしまい、契約の締結を進める修正です。
また、協議の結果として合意に至らなかったような場合以外にも、細かい論点であり、契約締結段階で決めておく必要まではないが、当事者のどちらかが一方的に決定されてしまうことは避けたい、といったケースにも適しています。
合意の先送りをする場合は、先送りした合意事項について結局合意に至らなかった場合に、実務上の支障がないかを必ず確認する必要があります。例えば、義務の履行期日についての合意を先送りする場合は、自社が義務履行当事者のときは合意に至らなくても実務上の支障は少ないと言った具合です。
合意に至らなかった場合に不都合が生じるようなケースでは、合意に至らなかった場合の対処方法を予め定めておくといった対応も重要になります。

具体例:
本件業務を通じて新たに得られた知的財産権(著作権法第27条及び第28条の権利を含む。) は、全てAに帰属、または移転する の帰属については、別途両当事者間で合意して定めるものとする。

2.合意の前倒し
説明:
「別途合意して定める」としている事項を、契約書内で定める修正です。
合意内容が定まっていなくても、決定者を当事者のどちらかに設定することで合意を前倒しすることが可能です。
将来にも合意できない可能性が高い場合には、案件が進捗し、引き返せない状態になってからデッドロックに陥ってしまうことを避けるために、合意を前倒しすることを検討する必要があります。

具体例:
本件成果物の納入方法は、別途 両当事者間で合意して定める Aが指定する方法によるものとする。

3.合意の切り出し
説明:
契約条件の一部についてのみ先行して合意できている場合に、合意できた部分のみを切り出した契約書を別途作成する修正です。
基本合意書を先行して締結するといったものが典型例ですが、仮発注書や内示書といった契約締結前にやり取りする各種書面も、このパターンの一つといえます。
C-1と同様、切り出した残りの部分についてその後の協議を経ても合意できない可能性があることを念頭に、法的拘束力を調整する必要があります。

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このブログのテンプレートのせいもあるのかもしれませんが、かなり読みづらいですね・・・
ごめんなさい。
というわけで、はっしーさんにバトンをお渡しします。
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と呟いたところ、栗原先生から即レスで




とのコメントを頂き、そっかーとがっかりしたのですが、続いて




というコメントを頂き、速やかに解決に至りました。

というわけで、具体的な方法です。

STEP1
http://twilog.org/trademark_bot
にアクセス

STEP2
右カラム上部の検索窓から、検索したい商標を検索(称呼ではダメ)

STEP3
ヒットしたら、出願番号をコピー

STEP4
https://www1.j-platpat.inpit.go.jp/RS1/cgi-bin/RS1P001.cgi
にアクセスし、商標タブを選択

STEP5
コピーした出願番号で検索

で解決です。
やったねたえちゃん!

なお、商標速報botのTwiLogは、2011年12月から蓄積されているので、それ以前の出願分はこの方法では検索できません。
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前回ダブルチェックを通じたスキル継承に対する優位性をお伝えした法務版ペアプロですが、本来のペアプロと同様、ただ単に一人が契約書を作る様子をもう一人が眺めているだけでは高い効果を得ることはできません。
というわけで今回は、法務版ペアプロの進め方とコツをお伝えしたいと思います。

    事前準備
  1. 契約書の作成・修正の方法(スタンスや考え方に留まらない、具体的な手順)を教える
    自分が実際にやっている手順でOK
    教える人は事前に棚卸しをしておく必要がある(体に染み付いたことでも、わかりやすく言語化できるとは限りません)
    確固たる手順を持っていない人は、人に教える前に自分が手順を確立する方が先・・・かも・・・
  2. 法務版ペアプロの趣旨を教える人と学ぶ人との間で確認する
    ・スキル継承の手段であること
    ・質問でカットインすることにためらってはならないこと
    ・自分なりのやり方と違っても、言われた方法でやってみること(スキル継承のため)
    は必ず確認すること。

    【進め方・コツ】
  1. 学ぶ人が、自分なりに契約書の作成・修正を行う
    このステップを飛ばすと、学ぶ人の質問が薄くなってしまう
  2. 教える人がドライバー(書く人)、学ぶ人がナビゲーター(見る人)になって、契約書の作成・修正を行う。
    この際、学ぶ人は、1で作成・チェックした契約書を印刷して手元に持っておく。
    学ぶ人は、教える人の修正の意図が分からなかったら、都度質問をする。
    教える人は、考えていることや浮かんだ疑問などをできるだけ口に出す。(別の場所に書いてあるのかな・・・とか、これおかしくないか?とか)
    作成・チェックの完了後、1と2の成果物のギャップを確認し、ギャップが生じた理由を確認する
    最初に学ぶ人が作成・チェックした契約書は無駄になるが、スキル継承のために必要なコストとして割り切る。
  3. 上記2を何度か行い、学ぶ人が契約書の作成・修正の手順を概ね理解できたタイミング(概ね3〜4案件が目安)で、ドライバーとナビゲーターを交代する
    教える人は、言葉遣いに注意!
    過去の否定は、それ自体が人を傷つけてしまうことを忘れずに。
    教える人は別の作業をせず、ナビゲーターに集中すること。
    指摘は理由を必ず添えること。


なお、法務版ペアプロに限らず、スキル継承は、教える人が学ぶ人に継承すべきスキルを持っていることが当然の前提になります。
特に2で教える人が負担する工数が気になってしまうかもしれませんが、そもそもスキル継承には工数がかかるもので、この程度は必要なコストだと思っています(逆に言えば、この程度のコストもかけずにスキル継承をしようとするから、無駄にスキル習得に時間がかかってしまう)。

もし、もっといいやり方があるよ、といったアドバイスがあればぜひ教えてくださいませ〜

ではでは
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昨日のエントリーで書いたダブルチェック&フィードバックに代わるスキル伝達方法について、Twitterでこんな言及を頂きました。

そうなんです、これ、ペアプログラミングを契約書作成に適用してみたやつなんです。

一般的に、契約書作成スキルの承継は、ダブルチェックとその結果のフィードバック(DC)を通じて行われていると思いますが、契約書版ペアプログラミング(PP)は、DCが持つ以下のような欠点を補ってくれます。

・フィードバックの効果が高い
DCでは、成果物を作成してからそのフィードバックを受けるまで、短くても数十分、長ければ数日間隔が開いてしまいます。間隔が開けば、それだけ「何を考えて、何に悩んでいたか」に関する記憶が薄れてしまうので、フィードバックの効果が低減します。
これに対してPPでは、フィードバックを即時に得られるので、フィードバックの効果を最大限に活かすことができます。

・やり方を伝えられる
DCでは、チェック結果のやり取りによってスキルの承継を行うことになるので、どうやってその結果にたどり着いたかという「やり方」を伝えることはできません。
これに対してPPは、契約書を作成し、または修正する過程をつぶさに見ることができるので、「やり方」を学ぶことが可能です。

・疑問をその場で解消できる
DCでは、フィードバックをまとめて渡されるので、チェック者を捕まえて確認する程ではない些細な疑問については、そのまま放置してしまいがちです。
これに対してPPは、リアルタイムでフィードバックが渡されるので、個々のフィードバックについて都度不明点等を確認することが可能なので、疑問が放置されにくくなります。

・緊張感を持てる
DCでは、特に業務の繁忙期には、「この後ダブルチェックをしてもらえるから」「自分が見る前に別の人がチェックしているから」という甘えから、チェックが緩くなりがちです。
これに対してPPには上記のような甘えが入り込む余地はなく、それどころか後ろでつぶさに作業を見られるため、通常時以上に緊張感をもって作業にあたることができます。


次回は、法務版ペアプロの具体的な進め方やコツを書きたいと思います〜
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7月になりました。
今年も半分が終わったという事実に愕然とします。

・・・さて、先々月から、何度目かの「人に契約法務のスキルを人に伝える」ということに携わっていて、当初から一区切りの時期として設定していた6月末が過ぎたので、備忘録も兼ねて、ここで一度振り返りをしてみたいと思います。

1.ダブルチェックを、スキル伝達ツールとして使わない
今までも何度か「教育係」的な役割を任せられたことがありますが、今思うと本当に申し訳ないことに、なんとなく「とりあえずチェックしてみて」からのダブルチェックで追加修正&フィードバックを重ねる、場当たり的で非効率な方法を採ることしかできていませんでした。
でも、こんなやり方で自分が持つスキルを伝承しようとしたら、何年かかるかわかりません。というか、何年かかってもしっかりとは伝えきれないのではないかと思います。というわけで、今回は「スキルを伝えるための方法として、ダブルチェックは使わない」という方針を立てることにしました。
その代わりにやったのは、
1.自分が契約書を作ったり、修正する作業を全て後ろで見ていてもらう
2.作業をしながら「考え方」や「コツ」を伝える
3.見ていてわからないことがあったら、その場でカットインして質問してもらう
4.質問を受ける都度、作業を中断して理解を得られるまで説明をする
を何度か繰り返し、わかってきたかな、というタイミングで、今度は
1.契約書を作ったり、修正する作業を全て後ろで見る(並行して他の作業はしない)
2.作業を見ながら「考え方」や「コツ」を伝える
3.見ていて意図がわからないことがあったら、その場でカットインして質問する
4.質問の都度、作業を中断して共通認識に至るまで協議する
を繰り返す、という方法です。

2.「考え方」「やり方」を棚卸しして、検証する
教える側にとっての「守破離」というエントリーは、「人に何か教えるなら、教えることについて明確な型を持っている必要がある」と思って書いたものです。
そして今回、自分の「型」を明確にするため、契約書を作ったり修正したりするときに、どのように考え、どのようなツールを使い、どのように作業しているのかを棚卸しして、上記の1に入る前と、上記1の2において伝えるようにしました。

3.ブレない
人に何かを教えていると、どうしても「人にはこんなこと言ってるけど、自分でもできてないかも」という気後れや、「やり方はこれだけじゃないんだよな」という思いが脳裏をよぎり、どうしても断定的な言い方を避けがちになってしまいます。
でも、こういったブレって教える人の保身に過ぎなくて、教えられる人にとっては迷惑でしかないと思うんですよね。正直、「いや、これは人によるんだけどね。」とか言われても、言われた方は困るじゃないですか。
というわけで、最初に「教えたやり方がベストではない可能性はあるけど、6月末までは、とにかく教えたやり方通りにやって欲しい。」と伝え、その後は極力やり方については断定的な言い方で伝えることを心がけました。

4.期限を切る
スキルの継承は明確な終わりが見えづらいタスクないものなので、だらだら進めてしまいがちですが、効果を検証するために、いつまでに、どのレベルまでできているようになるべきか、現時点での到達度はどうかを対象者と日々確認することを意識してスキル継承に取り組みました。



ブラッシュアップする余地はまだまだ大きいですが、それでも日常業務の片手間に、しかも本来は成果物の品質向上のための施策であるダブルチェックを通じてスキルの継承に取り組んでいたときとは段違いに効率的にスキルを継承できた気がします。
とはいえまだ情報が少ない分野だと思うので、「自分はこうしてるよ」といった情報やノウハウがあれば、ぜひ教えて下さい〜。

ではでは。
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上手に使うと業務効率向上の大きな武器になる反面、暴走しちゃうと社内に混乱をもたらす諸刃の剣、それが契約書のひな形ですが、これまで数社を渡り歩く中で利用者のとっての利便性の確保と法務にとっての管理の容易性が釣り合う落とし所がが見えてきたので、ベストプラクティス案として一旦とりまとめてみようと思います。
一つ一つは当たり前のことですけど、こういう当たり前をきっちりやりきるのって、結構たいへんなんですよね。

【解決すべき課題(混乱の素)】

  1. 「法務チェック済みの汎用的な契約書フォーマット」と、性格が全く異なる書面、例えば以前同種の案件で利用した個別案件用の契約書などが、「ひな形」で一括りにされがち
  2. ひな形の改定後も、古いバージョンのひな形が利用されがち
  3. 内容が微妙に異なるひな形が混在しがち
  4. 想定外の用途に転用されてしまいがち
  5. 改定が滞りがち

【ベストプラクティス案】

  1. 「ひな形」とは呼ばない
    いきなりですが、法務が管理するひな形は「ひな形」とは呼ばず、多義的な「ひな形」とは別物という位置づけにします。(過去の経験では、法務が指定したひな形という趣旨で、「指定フォーマット」や「指定フォーム」と呼ぶことが多かったです)
    これにより、課題1を解決します。
    →このエントリーでも、普通名詞としてのひな形と区別するために、「指定フォーム」と呼びます。

  2. 最新バージョン以外の利用を禁止する
    指定フォームは、法務以外のメンバーはダウンロードのみ可能な設定にしたファイルサーバやファイル共有システムから、最新版のみを提供します。
    また、指定フォームは、常に利用時にダウンロードすることを求めます(他案件用にローカルに保存したひな形の転用を見つけたらNGにする)。
    指定フォームのファイル名末尾とヘッダーにバージョン番号を記載し、古いバージョンが利用されていた場合にすぐに気づけるようにします。
    これにより、課題2を解決します。

  3. 提供方法を2つに分ける
    指定フォームの中にも、汎用的なNDAや外注時の取引基本契約のように、どの部署でも利用する可能性があるものもあれば、出版契約や特定のコンテンツのライセンス契約など、特定の部署でしか利用しないものも存在します。
    このように、特定の部署でしか利用しない指定フォームについては、指定フォームの共有フォルダまたは提供システムの設定で、利用部署だけにアクセス権を付与したり、それが手間であれば、特定の部署だけにファイルパスやURLを開示するといった方法で、指定フォームを入手できる部署を限定します。
    これにより、課題4を解決します。

  4. 1ページ目を説明書にする
    指定フォームがカバーしている用途を1ページ目に書き、契約書本文は2ページ目からスタートさせます。
    これにより、課題4を解決します。
    なお、当然のことではありますが、相手方も見ることになるので、余計なことは書かないように注意しましょう。(一ページ目は相手方に出しちゃだめ、的な指示が守られることはまずありません)

  5. フォームのみ編集可の保護をかける
    指定フォームには、相手方社名、締結日などの案件によって変更する必要がある項目にテキストボックス等のフォームコントロールを設置し、フォームのみ編集可の文書保護をかけます(保護の解除は法務以外には行えないようにパスワードを管理します)。
    これにより、課題3を解決し、加えて相手方からの趣味の修正を抑止する効果も得られます。
    なお、フォームコントロールについては冒頭にすべて取りまとめることで、指定フォームの使い勝手が格段に向上します。

  6. 修正は特約事項で対応
    指定フォームには、必ずテキストボックスを設置した特約事項欄を設けておき、相手方から指定フォームの契約条件の修正を求められた場合は、原則として特約事項への追記で変更に対応します。
    また、修正点が多い等の理由で特約事項で対応できない場合は、ヘッダーのバージョン番号の後ろに「一部変更」等の追記を行い、指定フォームから内容が変更されていることが明確になるようにします。
    これにより、課題3を解決します。

  7. 効果を明確に
    指定フォームを利用した場合にのみ、内容に変更がなければ法務の事前チェックを省略できるという効果を得られることを明確にし、指定フォームと、指定フォーム以外のひな形の取り扱いを分けます。
    これにより、課題1を解決します。
    また、最新版ではない指定フォームは、指定フォームであっても上記の効果を得られないことも明確にします。
    これにより、課題2を解決します。

  8. 改定の責任者・手順を固めておく
    一度リリースしてしまった指定フォームは改定が滞る傾向にあるので、指定フォームの品質確保にコミットする担当者を法務内で選任するとともに、改定手順を明確にしておきます。
    また、各法務担当者が相手方から受けた指摘や、気づいたことを手軽に放り込んで一時的にストックしておく仕組みを用意しておきます。これにはRedmineやTracなどのバグトラッキングに適したシステムを利用できるととても便利なのですが、むずかしいようであれば、専用のエイリアスを作ったり、最悪エクセルなどに書き込むのでもいいと思います(ただ、経験上、エクセル管理はうまく回らない(だれも登録してくれない)ことが多いです。とにかく簡単に放り込めるようにすることを重視してください。)
    これにより、課題5を解決します。

    以上です。
    「もっといい方法があるよ」とか「これもやったほうがいいよ」といったご指摘をいただければ嬉しいです。
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ウェブサイトやアプリに広告を貼ろうと思って広告配信に関する契約を締結しようとすると、広告配信サイドからコンテンツの適法性や適切性について様々な保証を求められることになります。
例:nend利用規約第 18 条(禁止行為)1項1号
1.メディアパートナーは、nendメディアパートナーサービスを利用するにあたり以下各号に定める事項を行ってはならず、当社から是正の要請のあった場合には、すみやかに応じなければならない。
(1) メディアサイト等(メディアサイト等に掲載されるバナー、メディアサイト等のユーザーが投稿した記事・音声・動画等の情報を含む)に、アダルト、暴力・虐待の推奨、人種差別の推奨、その他、公序良俗に反する、当社を含む第三者の著作権その他の権利を侵害する、又は法令に違反する等、当社が不適当と判断するコンテンツの掲載行為


アドネットワーク事業者等からすれば、おかしなサイトに広告を配信するわけにはいかないので当然の要求ではあるのですが、メディア側でUGC(ユーザーが生成したコンテンツ)を受け入れている場合、事前に全件チェックをしているような例外的なケースを除き、メディア上のコンテンツを全てコントロールすることはできません。

というわけで、UGCに関する免責を設定する必要があるわけですが、じゃぁ具体的にどんな感じで免責を定めるかを段階的に膨らましてみよう、というのが今回のお話です。



Level 1
まずは、UGCに関しては完全に免責を受けるというパターン。
だれが受け入れるんだよ、と思う向きもあるかもしれませんが、試しに言ってみたらOKがでてこっちがびっくりすることもたまにあるという風のうわさを耳にしたことがあります。
【内容保証を定めた条項】の規定にかかわらず、広告掲載メディアのユーザーが広告掲載メディアに投稿その他の方法によって送信した情報については、メディア運営者は何らの責任も追わないものとする。


Level 2
続いて、ユーザーに義務を課すから勘弁してね、というパターン。
ちょっと中途半端感があって、これに落ち着いたという経験は僕はありません。
【内容保証を定めた条項】の規定にかかわらず、広告掲載メディアのユーザーが広告掲載メディアに投稿その他の方法によって送信(以下、本稿において「投稿等」という。)した情報(以下、本項において「UGC」という。)については、メディア運営者が広告掲載メディアのユーザーに対し、【内容保証を定めた条項】に反するUGCを広告掲載メディアに投稿等しないよう義務付けることを条件に、メディア運営者は何らの責任も追わないものとする。


Level 3
さらに、違反コンテンツは削除するから勘弁してね、というパターン。
ここら辺から徐々に条件に合理性が出てきます。
【内容保証を定めた条項】の規定にかかわらず、広告掲載メディアのユーザーが広告掲載メディアに投稿その他の方法によって送信(以下、本稿において「投稿等」という。)した情報(以下、本項において「UGC」という。)については、メディア運営者が以下の各号を遵守すること条件に、メディア運営者は何らの責任も追わないものとする。
(1)メディア運営者が広告掲載メディアのユーザーに対し、【内容保証を定めた条項】に反するUGCを広告掲載メディアに投稿等しないよう義務付けること
(2)メディア運営者が【内容保証を定めた条項】に反するUGCを発見した場合、すみやかに広告掲載メディアから削除すること


Level 4
一歩進んで、発見のための努力もするよ、というパターン。
ウェブメディアでは言われてなくてもやってるよ、というところも少なく無いと思います。
【内容保証を定めた条項】の規定にかかわらず、広告掲載メディアのユーザーが広告掲載メディアに投稿その他の方法によって送信(以下、本稿において「投稿等」という。)した情報(以下、本項において「UGC」という。)については、メディア運営者が以下の各号を遵守すること条件に、メディア運営者は何らの責任も追わないものとする。
(1)メディア運営者が広告掲載メディアのユーザーに対し、【内容保証を定めた条項】に反するUGCを広告掲載メディアに投稿等しないよう義務付けること
(2)広告掲載メディアの性質に鑑みて合理的な頻度及び程度で、メディア運営者が【内容保証を定めた条項】に反するUGCが広告掲載メディアに投稿等されていないことを確認すること
(3)
メディア運営者が【内容保証を定めた条項】に反するUGCを発見した場合、すみやかに広告掲載メディアから削除すること


Level 5
保証違反の判断を広告配信側にもさせるパターン。
だんだんエグみが出てきました。
【内容保証を定めた条項】の規定にかかわらず、広告掲載メディアのユーザーが広告掲載メディアに投稿その他の方法によって送信(以下、本稿において「投稿等」という。)した情報(以下、本項において「UGC」という。)については、メディア運営者が以下の各号を遵守すること条件に、メディア運営者は何らの責任も追わないものとする。
(1)広告掲載メディアのユーザーに対し、【内容保証を定めた条項】に反するUGCを広告掲載メディアに投稿等しないよう義務付けること
(2)広告掲載メディアの性質に鑑みて合理的な頻度及び程度で、【内容保証を定めた条項】に反するUGCが広告掲載メディアに投稿等されていないことを確認すること
(3)【内容保証を定めた条項】に反するUGCを発見した場合、すみやかに広告掲載メディアから削除すること
(4)広告配信事業者から【内容保証を定めた条項】に反する旨を通知されたUGCを、広告掲載メディアからすみやかに削除すること


Level 6
そもそも技術的に水際で食い止めてよパターン。
とりあえずNGワードリストでいかがでしょう。
【内容保証を定めた条項】の規定にかかわらず、広告掲載メディアのユーザーが広告掲載メディアに投稿その他の方法によって送信(以下、本稿において「投稿等」という。)した情報(以下、本項において「UGC」という。)については、メディア運営者が以下の各号を遵守すること条件に、メディア運営者は何らの責任も追わないものとする。
(1)広告掲載メディアのユーザーに対し、【内容保証を定めた条項】に反するUGCを広告掲載メディアに投稿等しないよう義務付けること
(2)広告掲載メディアの性質に鑑みて合理的な頻度及び程度で、【内容保証を定めた条項】に反するUGCが広告掲載メディアに投稿等されていないことを確認すること
(3)【内容保証を定めた条項】に反するUGCを発見した場合、すみやかに広告掲載メディアから削除すること
(4)広告配信事業者から【内容保証を定めた条項】に反する旨を通知されたUGCを、広告掲載メディアからすみやかに削除すること
(5)【内容保証を定めた条項】に反するUGCを合理的な範囲で探知しうるNGワードリストを作成及び更新し、NGワードリストに該当するUGCが投稿等された場合に、広告掲載メディアに掲載しないこと


Level 7
投稿の都度、ユーザーに注意喚起することを求められるパターン。
ここまで来ると、サービスへの影響が・・・。
【内容保証を定めた条項】の規定にかかわらず、広告掲載メディアのユーザーが広告掲載メディアに投稿その他の方法によって送信(以下、本稿において「投稿等」という。)した情報(以下、本項において「UGC」という。)については、メディア運営者が以下の各号を遵守すること条件に、メディア運営者は何らの責任も追わないものとする。
(1)広告掲載メディアのユーザーに対し、【内容保証を定めた条項】に反するUGCを広告掲載メディアに投稿等しないよう義務付けること
(2)広告掲載メディアの性質に鑑みて合理的な頻度及び程度で、【内容保証を定めた条項】に反するUGCが広告掲載メディアに投稿等されていないことを確認すること
(3)【内容保証を定めた条項】に反するUGCを発見した場合、すみやかに広告掲載メディアから削除すること
(4)広告配信事業者から【内容保証を定めた条項】に反する旨を通知されたUGCを、広告掲載メディアからすみやかに削除すること
(5)【内容保証を定めた条項】に反するUGCを合理的な範囲で探知しうるNGワードリストを作成及び更新し、NGワードリストに該当するUGCが投稿等された場合に、広告掲載メディアに掲載しないこと
(6)広告掲載メディアのユーザーが投稿等する際に、【内容保証を定めた条項】に反するUGCの投稿等が禁止されていることを明示すること


といったところで時間切れ
「こんな規定もありじゃね?」みたいなアイデアがあれば、ぜひ教えて下さいませ〜
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法務系Advent Calendarの7日目のエントリーです。
@overbody_bizlaw先生、立ち上げ&とりまとめ、ありがとうございます!

もう5年以上前になるのですが、契約書の管理(締結済み契約書編)というエントリーを書いたことがあり、中途半端な内容の割に、今でも検索エンジン経由で一定のアクセスがあるので、もう少し整理したいと思っていました。
というわけで、この機会に締結済み契約書の管理について、マニュアルっぽく仕立て直すことにしました。

なお、想定しているターゲットは契約締結件数が100件/月未満の規模の企業です。

1.管理簿を作る
  • 管理簿の立ち上げ段階では、項目を「契約書を特定するためのキーとして利用するもの」に限りましょう。
    項目を増やしても、正確な情報が記載されている保証がなければ結局原本をあたることになるので、実務的にはあまり役に立たないのが通常です。
    加えて、契約書を読める人でなければ登録できないような登録簿は、運用コストが高すぎます。
    通常は、管理番号、相手方名、締結日、契約書のタイトル、申請部署、備考・メモ欄程度で充分です。
  • 項目が少ない段階では、エクセルやGoogleスプレッドシートなどの表計算(スプレッドシート)で作成したシンプルな管理簿で充分事足ります。(後述するリーガルチェックとの紐付けをする場合はその情報も)
    また、データベースアプリケーションは、まず間違いなくcsvをインポートできるので、将来データベースアプリケーションへ移行することになった場合もスムーズな移行が可能です。
  • データベースアプリケーションで管理簿を作る場合、「部内のできる人」の属人的なスキルに頼ると、その人が辞めた後、メンテナンスができなくなってしまうという悲劇に陥ることになりかねないので、絶対に避けるべきです。必ず情シスなどを巻き込み、組織的に対応しましょう。
  • GoogleスプレッドシートやZOHO Creatorのようなクラウドサービスを利用しない場合は、管理簿のバックアップをとり忘れないようにしましょう。データは、消える時はサクッと消えるものです。
  • 特に事情がない限り、管理簿への登録は、原本を保管に回すタイミングで行いましょう。
    これにより、「管理簿に記録されている=原本が一旦は保管に回った」という保証がなされるため、原本紛失時の原因探知に役立ちます。

2.原本を保管する
  • 原本は、管理簿の管理番号順に並べて保管しましょう。
    50音順は、「途中に差し込む」という超煩雑な作業が発生することや、外国企業の場所が一意に定まらない(特に中国企業)という問題や、紛失したことが判明しづらい(別の場所に保管されているかも・・・)という問題があるため、絶対に避けるべきです。
    50音順ソートのメリットは特定の企業との契約をまとめてピックアップできることくらいですが、そのような場面はあまり発生しないことに加え、通常はフィルタをかけて一括で取り出すことができるPDFで事足りてしまいます。
  • また、保管用のツールは、バインダーではなく、ボックスファイルとクリアフォルダを使いましょう。
    バインダーはピックアップに手間がかかりすぎる上に、取り回しにも不便です。
  • 参照後に所定の保管場所へスムーズに戻せるよう、契約書の原本の上部に管理簿の管理番号を記入しておきましょう。
  • クリアフォルダは耳付きのものがあるので、耳に管理番号を書いておくことでピックアップのスピードアップに一定の効果を得られます。

3.契約書をPDF化する
  • PDF化する場合、ファイル名だけである程度の検索を行えるよう、「管理番号」「相手方名」「契約書名」「締結日」はファイル名に含めましょう。(後述するリーガルチェックとの紐付けをする場合はその情報も)
    ファイル名が長くなることは気にせず、略称は絶対に使わないようにしましょう。検索性が低下してしまいます。
    PDFファイルのファイル名を手で転記するのは面倒であり、また誤記の原因になるので、できるだけ管理簿でファイル名を自動生成し、それをコピペするようにしましょう。
  • PDF化作業の最大の壁は、「溜まっている締結済みの契約書をどうやってPDF化するか」ですが、これは期限を決めて一気にやってしまいましょう。
    「締結済み契約書が全件PDF化されている」という状態は、業務の効率化に大きく寄与します。
    人的リソースが足りない場合は、業務サポート系部門や派遣社員さんの力を借りることも検討してください。
  • 契約書が大量にある場合は、複合機を占領することになってしまうことを避けるため、契約書スキャン専用のスキャナを買ってしまうことをお勧めします。
    ScanSnap SV600であれば、スキャナの設置スペースもほとんど不要で、しかも座ったまま作業できるので、作業者の負担を軽減できます。(但し、フラッドヘッドタイプのスキャナより、行が「ふにゃっ」としがちです。)
  • PDFファイルはフォルダ分けをせず、一つのフォルダに全部保存することをお勧めします。
    申請部門毎や契約ジャンル毎のフォルダ分けは、手間がかかる割に役に立ちません。
    むしろ、検索ができる電子ファイルにおいては、単一のフォルダにまとめておいた方が使い勝手が向上します。
  • PDFファイルの作成後、スキャナ同梱のOCRソフトウェアやAcrobatを用いてOCR情報を付加しておくとPDFファイル内の検索が可能になるので、内容を再確認する際の業務効率がかなり向上します。
    アンダーライン等の装飾がついていない鮮明な活字であれば、かなり正確にOCR情報を付加してくれます。
    なお、上記のSV600の付属ソフトウェアにもOCR機能がついています。
  • 全契約書のPDF化が完了したら、原本は古いものから倉庫や利便性の良くないキャビネットへ移動させて、おそらく特等地だったであろう契約書原本の保管場所を別の用途に転用しましょう
  • 特に事情がない限り、新たに締結された契約書のPDF化作業は、原本を保管に回すタイミングで行いましょう。
    繰り返しになりますが、「締結済み契約書が全件PDF化されている」という状態は、業務の効率化に大きく寄与します。

4.契約書をピックアップする
  • 締結済みの契約書を参照する必要が生じた場合、原本でなければならないときを除いてPDFを参照するようにします。
    また、原本にアクセスできるメンバーは必要最小限に限定しましょう。
  • 契約書原本を保管場所から取り出す場合は、紛失防止のため、クリアファイルごとではなく、契約書原本だけを取り出すとともに、クリアファイルに「取り出した人」「取り出した日」「取り出した理由」を書いたメモを入れておく運用を徹底しましょう。
  • PDFファイルのピックアップには、Launchyなどのランチャーアプリや QTTabBarを使うと便利です。

5.決裁フローとの紐付け
  • 締結済み契約書側から契約締結決裁や捺印決裁の履歴と紐付ける必要は基本的にはありません。
    決裁→保管とフローが繋がっているので紐づけるのは容易ではありますが、役に立つことはほとんどないので具体的な必要性がないならばやめましょう。無駄です。

6.リーガルチェックとの紐付け
  • リーガルチェックについて案件管理がきっちりできている場合は、締結済み契約書とリーガルチェックとの紐付けを行うことを強くお勧めします。
    「締結済み契約書のWord版が欲しい」「どうしてこの条件を受け入れたのか、経緯を知りたい」「当時の担当者・担当部署を知りたい」という良くあるリクエストに瞬時に対応できるようになります。
  • 具体的には、管理簿に「リーガルチェックの管理番号」という列を追加する方法と、PDFファイルのファイル名に管理番号を埋め込んでしまう方法がありますが、余力があればどちらも実施することをお勧めします。
  • リーガルチェックとの紐付けを毎回検索して行うおうとすると事務コストとメリットが釣り合わなくなってしまうので、契約締結決裁や捺印決裁の際にリーガルチェックのキー要素(管理番号など)を記載することが前提になります。
    なお、決裁フローにおける法務のチェックの際には、決裁対象案件に関するリーガルチェックの情報を参照することになるので、契約書の管理とは直接関係しませんが、その意味でも決裁フローとリーガルチェックとの紐付けは有用です。


「これは違う」とか「もっといい方法がある」等ございましたら、ぜひご指摘ください。
ではでは。
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例えばNDAの「秘密情報の定義」の条項において、秘密指定(Confidential、社外秘など)をつけるか否かを決めるのは、秘密情報管理規程のような社内規程との整合性です。
例えば基本契約の「個別契約の成立」の条項において、みなし承諾を設けるか否かを決めるのは、受発注フローとの整合性です。
例えば業務を受託する個別契約の「著作権の帰属」の条項において、著作権を全部渡して良いか否かを決めるのは、どんな著作権が発生して、それを自社が将来流用するのかです。

有利とか、不利とか、過去がどうとか、他社との契約ではどうとか、そういうことではなく。

契約法務っていうのは、そういうことだと思うんです。
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