カテゴリ: 雑記 【おしごと関係】

というわけで、新株予約権原簿です。
ダミーデータ入り


ダミーデータなし




コピーしてご利用ください。

利用方法は以下の通り。
    新株予約権発行時
  1. 「【入力用】SOサマリー」シートにSOの発行条件を記入
  2. 「【入力用】新株予約権者(氏名・住所・備考)」シートに割当対象者の情報を記入(過去SOを発行したことがある方はすでに記入されているのでこのステップは不要)
  3. 「【入力用】SO異動情報」シートに割当内容を記入(記入済みの行はいじりません)
    退職等による新株予約権消滅時
  1. 「【入力用】SO異動情報」シートに異動内容を記入(異動数はマイナスで記入する)
    新株予約権原簿を生成する
  1. 「【レポート】新株予約権原簿」シートのA1をダブルクリックしてカレンダーを表示し、基準日を選択
    登記用の情報を確認する
  1. 「【レポート】新株予約権原簿」シートのA1をダブルクリックしてカレンダーを表示し、基準日を選択
  2. 「【入力用】SOサマリー」シートのM列以降を参照
    株式分割時
  1. 「【入力用】株式分割履歴」シートに分割日付と分割比率を追記(比率は1株が何株になるかの数字だけを記入すればOK)



この新株予約権原簿でやっていることの解説


簡易DBとして構成している


閲覧用のシート(=レポート)と、データ保持用のシート(=テーブル)を分けています。
なお、閲覧用のシートの内容はデータ保持用のシートからquery関数で抽出しています。
データベース的発想でスプレッドシートを作るということにピンとこない方におすすめの一冊は、こちらです。(もともと、ピボットテーブルって何だ?という疑問に対してはっしーさんにお勧めいただいた本なのですが、データベース発想でスプレッドシートを作る作法についてもとてもわかり易く解説されていて良い意味で驚きました。)


メンテコストが最小限になるように割り切っている


割当・消滅というログについてはすべて記録する一方で、住所については最新の情報のみを保持するにとどめています。
これにより、基準日を過去日に設定しても当時の住所が設定されないという不備が生じてしまうのですが、実務上過去日付のSO原簿を住所の正確性を担保した状態で生成しなければならないケースはほとんど発生しないことに加え、住所変更時に行を足すという動作は直感的でないため、あえてここは割り切りました。


実務上使っているものをベースにしているので多分クリティカルな不具合はないと思うのですが、もしおかしな点を見つけたら教えて下さいませ〜
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法務を飛び出て管理部門を管掌する取締役にチャレンジしたタイミングでちょうどBusiness Lawyersの第6回 一人法務からバックオフィスの責任者へ - 法務のスキルでキャリアを拡大という記事を拝見して以来、機会があったら一度中根さんのお話をお伺いしたいとずっと思っていたところ、サイボウズのむつみめもさんにお繋ぎいただき、お会いするチャンスをいただくことができました。IT法務互助会ばんざい!

上記記事にもある通り、中根さんは現在サイボウズのバックオフィスを統括する責任者になられており、法務からガチマネージメントコースへと進まれた稀有な方のお一人ということもあって、お話をお伺いするにうちに、同じような役割から早々と撤退した私自身が抱えていた反省点や悩みがスルスルと解きほぐされていくような(そういった表現が適切かはわからないのですが)とても心地よい1時間でした。中根さんの人間的な魅力、人を惹きつける力の強さはすごいので、転職を考えている法務の方は、一度サイボウズさんの募集にエントリーすることをおすすめします。(2019/11/22現在、サイボウズさんは契約担当の法務を募集されています

中根さんのキャリアについても色々お伺いしたのですが、上記記事を始めとしたウェブメディアに詳しく記載されているので、ここではお伺いしたお話の中で、極々個人的に特に心に残ったポイントに絞って触れたいと思います。

「M&Aの過程でDDをする際、財務・経理面ではわからない言葉や概念がたくさんでてきて、それを片っ端から経理の同僚に聞いて教えてもらったんです。」


M&Aに際しては、大きく分けて事業、法務、人事、財務・経理といった領域でDDを行うことになりますが、特に一人法務の会社では法務DDだけで手一杯になり、他領域について興味関心を払う余裕がないのが通常なのではないかと思います。激務の中、法務に閉じることなく他領域にも好奇心を持つ姿勢で日々の業務にあたっていらっしゃったことは、領域を広げる際に何よりの力になったのではないかと想像しました。
「物怖じせず飛び込んでいく性格なんです」と軽やかに笑っておっしゃる姿を見て、大変なことを自然体でやれる凄みを感じるとともに、1年前の自分の蹉跌の原因の一つは、法務に閉じていた過去の自分にあったのだということを改めて自覚しました。普段からトレーニングしていなければ、いきなりトラックに立っても走れるわけないんですよね。当然のことではありますが、法務としてそれなりにこなせるようになったことで、この当たり前を忘れてしまっていたのかもしれません。いずれは法務以外の領域にも、という想いを持っている方は、明日から他部署の業務に首を突っ込んでいった方がいいですよ。その時が来てからじゃ、遅いんですからね(自戒)

「法務部長を後任に引き継ぐとき『ものすごく楽しい仕事なんだよ。本当に。すごく楽しいから、楽しんでね。』って言って引き継いだんです。」


後任の立場からすると掛け値無しで最高の引き継ぎコメントだな、と思うとともに、中根さんのような方にとっても、ステージを一段上げるということは、いわゆるコンフォートゾーンを飛び出るということに他ならないのだという事実を再確認しました。
実際、しっかり回せている実感をもてているときの法務部長って、最高に楽しい仕事だと思うんですよね。難しい業務がどんどん降ってくるのでやりがいも学びもあり、成長している実感も得やすいですから。そんな業務を後任に託して新しいチャレンジをする選択肢を選ぶ際の複雑な気持ちは、「昇進おめでとうございます」という文脈には乗らない重要な要素だなと思いました。

「私は、この社会に対して個人的に抱いている問題意識があるんです。怒りと言ってもいい強さの問題意識。そしてこの会社においては、私はその問題の解決に取り組める立場にいる。」


今回、一番ハッとしたご発言がこれでした。
昇進するということは裁量が大きくなるということであり、それはつまり自分の影響力が大きくなるということを意味します。例えば、最近もまた例の報告書がきっかけで話題になっている法務部門のあるべき姿について言えば、Twitterであれこれ論評しているだけでは社会へのインパクトはほぼ皆無です。しかし、もしあなたが法務部門の責任者であれば、少なくともその会社の法務部門のあり方は、あなた次第でかなりの程度変えることは可能なはずであり、ある会社が変わるということは、その程度において社会へ影響を及ぼしていると言えます。決して大きなインパクトではありませんが、もっともらしいことを好きなように言い放っているだけの外野とは雲泥の差であることは間違いありません。
敢えて波風の立つ言い方をするならば、「ぼくのかんがえたさいきょうのほうむぶ」的な無責任さの対極にある強い当事者意識を感じた瞬間でした。


なお、上記は、1時間という限られた時間の中で多岐にわたる話題をお伺いする中で私自身が感じたことを記載したものであり、中根さんのご見解とは一致しない可能性がありますので、その点はご留意ください(カギカッコ内も録音等をしていない私の記憶からの引用なので、中根さんのご発言を正確引用したものではありません)

それでは!
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はじめに


現職では久しぶりに一人法務に戻ったこともあり、1から10まで自分でやってきたのですが、良い方がいたらアルバイトであればアシスタントを雇えることになり、bosyu経由で司法試験受験生の方を採用し、先月から稼働を開始していただいています。
実務としては反社チェック、契約書保管を始めとしたマニュアルベースの業務から、契約書の一次チェック、リサーチ、マニュアルのリバイスといった一歩踏み込んだ業務まで担当してもらっているのですが、当初の想像を遥かに超えたスピードと品質でバリバリ活躍してくれているので、(n=1なので当社に来ていただいた方が特別に良い方だったという可能性はあるものの)皆さんにもぜひおすすめしたいと思い、久しぶりにブログを書くことにしました。

司法試験受験生をアルバイト雇用するメリット


正社員よりも気軽に雇える
1人や2人で回している小規模な法務において、「もうひとり雇う」ことのハードルは非常に高いもので、それ故にギリギリまで現有戦力で戦い、疲弊しきって倒れる寸前まで採用活動を開始しないケースは少なくありません。というか、そうなるのが普通とすら言えるかもしれません。
ところが、一口に法務といってもスキルセットやマインドは様々であり、そう簡単にピッタリの人材と出会うことはできません。また、正社員を雇用するとなると、スキルだけでなくカルチャーフィットを見る必要があったり、「外すわけにはいかない」というプレッシャーから選考も保守的になりがちです。
他方、アルバイトであれば、社内手続きとしても、採用側の気持ちとしても、正社員と比べるとフットワーク軽く採用することができます。10人が11人になるときはある程度選択の幅を取れたり、妥協が許容されるところもありますが、小規模法務における増員においてはそういうわけにもいかないという事情に鑑みても、1人月未満の工数をアルバイトの方に提供してもらうことは滑らかな組織拡大のためにとても有用です。

ある程度安心して秘密情報を取り扱わせることができる
法務は秘密情報を取扱えないと仕事にならない部署ですが、何のバックグラウンドもない短期雇用の方に秘密情報を取扱わせることには躊躇してしまい、これが法務におけるアルバイト雇用のハードルの一つになっています。
この点、司法試験受験生は、秘密保持義務の意味を正確に理解できることが期待できることに加え、仮に秘密情報を漏洩してしまうと自分の将来を完全に棒に振ることになるわけで、カジュアルな秘密情報の漏洩も含めると、むしろ他部署の正社員よりも意識が高い可能性があり、秘密情報の取扱いを伴う業務を担当していただきやすいといえます。

被用者にとってもメリットがある
司法試験受験生が仕事をする際、ネックになることの一つに「勉強・試験との両立」があります。
その点、法務部員は試験に対する理解があり、いつ頃ピークが来るのか、どのような勉強しなければならないのか、また、どの程度のプレッシャーが掛かっているのかという点について、説明しなくてもわかってもらえる(それゆえに日程調整も気軽に相談できる)という点は、かなりのメリットになるのではないかと思います。
また、業務内容としても、試験科目とは関連が薄いことが多いとはいえ、法律を全く使わない業務よりも司法試験と親和性が高いのは間違いないはずです。何より、合格後に弁護士になる場合、法律事務所に勤務するにせよインハウスになるにせよ、法務部門の実務を肌感で掴んでいることは、財産になるはずです。

日本語能力が高い
ちゃんとした教育を受けた人でも、ちゃんとした文章を書けるとは限りません。
その点、論文試験の勉強を通じて文章で主張を伝えるトレーニングをしている司法試験受験生は、伝わる文章を書けることが期待できます。
法務であれば当たり前にもっているスキルですが、これをアルバイトの方に求めることができるということは非常に大きなアドバンテージだと思います。

空き時間が無駄にならない
優秀な方であればあるほど、渡した仕事をどんどん処理してしまい、「次に何をやればいいでしょうか?」という状態が生まれがちです。
普通のアルバイトであれば困ったことになってしまうのですが、司法試験受験生の場合は「この本読んでおいて」と、業務上必要になる法律実務書のインプットをしてもらうことが可能で、実務的にはこれはものすごく楽です。

良い採用をするために


採用のタイミングは、合格発表(正確には不合格発表)直後がお勧めです。
また、合格に近い方、具体的には来年合格できそうな方に来ていただく方がお互いハッピーになりやすいと思います。(まだまだこれからという方は、仕事にパワーを割くとどっちつかずになってしまうおそれがある)
採用チャネルが問題ですが、僕は会社の許可をとって自分のtwitterアカウントでbosyuを使ってダイレクトリクルーティングをしました。これは良いチャネルがあれば逆に聞きたいところです。




ではでは
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GitHubでドキュメント管理というのはすごく「techしてる」感があって文系職種としてはワクワクするのは事実ですし、実際始めてみればレビューのスムーズさや堅牢性などの点で利便性がすごく高いのは間違いありません。

他方で
  • 最初に全規程をmarkdown化するのがめっちゃ大変。特に表は、移植時に一度死に、改定時にもう一度死ぬことになる。
  • 全社員がgithubアカウントを持っている会社じゃないとGitHubPages化が必要
  • そもそも法務にアカウントが付与されていないと導入に際して追加費用が発生することになる
  • 修正内容によっては改定箇所の強調表示が分かりづらいことがある
  • 上の人がGitHubでやることをおもしろがってくれない会社では導入のハードルが高い
といった難しい点があるのも事実です。

そこで、規程管理が辛い状態だけど、GitHubを導入してなんとかするほどでもないという皆様におすすめなのが、Googleドキュメントでの規程管理です。
Googleドキュメントは、プルリク→レビュー&approveみたいな堅牢性はありませんが、大抵の会社では全社員がアカウントを持っていて追加費用は不要で、表も箇条書きもWYSIWYGに作れます。

具体的な手順はこんな感じ

最初の準備

  1. おそらくWordで管理されている最新版をGoogleDrive上に作った規程集フォルダにアップロード
  2. しっかり規程のフォーマットが構造化されていればほとんど破綻なく変換されているので過去の自分に感謝する(そうでない人は過去の自分を呪いつつ体裁を直す)。
  3. 規程集フォルダを閲覧権限で全社員に公開
  4. 法務部員等の規程の改定作業をする実務担当者だけに編集権限を付与する。

改定手順

  1. 改定したい規程を開き、提案モードで改定したい内容をガシガシ書いていく。(注:提案モードで編集した内容は、承認するまで閲覧権限ユーザーには見えません)
  2. 改定案作成後、docx形式でダウンロード
  3. いつものようにフォントがダサくなっているのでフォントだけ一括変換
  4. 変更案が変更履歴の形式で表現されているのでこちらで決裁を取る
  5. 決裁完了後、再度規程を開いてすべての提案を承諾して、リリース完了
  6. うっかり編集しちゃったときに戻れるように、版の名前を「●年●月●日決議版」みたいに変更しておく

いかがでしょうか。
「えっ、マスター版を直接弄っちゃうの?」とか、「間違えて、または意図的に編集モードで編集されたら、公開されてる規程が変わっちゃうじゃん」と思った方。
あなたはまともな感覚の持ち主です。
そして、まともな感覚の持ち主であるがゆえに、規程管理みたいなどうでもい・・・じゃなかった、地道なタスクで苦しむ羽目になってしまっているのです。
重要な業務とは言え所詮は社内のルール。
何かあっても死ぬわけでもないんだし、いざというときは履歴をたどれば戻すことは可能なわけですから、ここらは一つ「こまけーこたーいいんだよ」というスタンスのやわらかな規程管理で苦しさから自分を開放してあげてはいかがでしょうか。(というスタンスが許容される規模・ステージの会社に限られるので、その点はご注意ください。念の為。)

ちなみに、この管理方法を採用すると、気になったポイントを提案モードでガンガン書き込んでいけるため、「細かいから次の改定にまとめよう」と先送りにされた挙げ句に結局忘れ去られがちな軽微修正なども確実に抑えていけますし、コメント機能で簡単な議論も可能です。
↓適当に拾ってきた就業規則でやってみたイメージ
blog

というわけで、久しぶりの法務関連の雑記でした。
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ほぼ無風だった2017年とは打って変わって、2018年はまさに激動の一年でした。
その激動の一年の締めくくりとして、12月末で現職を退任し、1月からまた別の会社に移ることになったのですが、それについては一旦横においておくとして、短いながらも人事、経理、財務、広報の入り口を垣間見るとともに、資金調達にキックオフからクロージングまで触れた経験はとても貴重だと思うので、この感覚を忘れないうちに気づいたこと、学んだことを文章に残しておこうと思います。

マニュアルは大切


やるのは自分だけ、という状況下ではマニュアル作りを後回しにしがちですが、忘れっぽい性格であることを自覚していたので、労務・経理系で大量の定型作業が発生することを見越して結構細かい作業についても自分用マニュアルを作るようにしました。
もちろん、マニュアルは手順を忘れないようにするという意味でも役にたったわけですが、それ以上に
・(特に急いでいるときに)作業の抜け漏れを防げた
・別の人への作業の引き継ぎをスムーズに行えた
・迷う時間がなくなり、作業が早くなった
といった効果を得られたことを実感しました。
「そんなの当たり前だろ」と思われるかもしれませんが、他の管理部門と比べると法務にはそれほど定型作業が多くないので、マニュアルを整備するメリットを感じる機会ってそこまで多くないんですよね。
マニュアルは標準化を必然的に伴うので、法務が標準化に今ひとつ弱いのもこういう面が影響しているのかもしれませんね。

職種ではなく、役割・機能で業務を捉える


定期的に話題になる「攻めの法務・守りの法務」や「法務のキャリアパス」は、どちらかというと、職種の観点から法務という業務を捉えています。
他方、役割・機能から法務を捉えるのはどういうことかというと、「この会社にとって必要な法務とは」という視点から法務を見るということを意味しています。
会社の規模、業種、ステージや、役員のマインド等の要素によって、必要な法務の役割や機能は大きく異なるはずなのですが、法務の中にいると、どうしてもこのような観点を失いがち(または意図的に目をそらしがち)になってしまいます。法務の側からの「こうなりたい・こうしたい」という発想ではなく、会社にとってベストな選択肢はどれなのか、という発想から機関運営、契約、知財などの業務を定義できると、「攻めの法務」とか「経営のパートナー」といったお題目以上に、法務が存在意義を発揮できるようになるんじゃないかと今は思っています。

未経験の業務に携わる難しさ




最終出社日の後、1ヶ月以上インプットのための時間を確保することも可能だったのですが、実際には人事系の書籍を数冊読んだだけで業務に飛び込んでしまったのが、今回の蹉跌の大きな原因の一つだったように思います。そもそも、自分が他の人と比べて高い成果を出せる(可能性がある)のは法務の領域だけであり、人事、経理、財務を始めとしたその他の領域では素人同然であったにもかかわらず、危機感が圧倒的に足りませんでした。そして、着任後は怒涛の業務に日々追い立てられ、時間的にというより精神的にインプットを行う余裕はなくなり、負のスパイラルを招くこととなってしまいました。
今思えばなぜ「なんとかなる」と思っていたのか不思議でならないのですが、当然のことながら、新しいことにチャレンジするのはとても難しいことであり、先人に教えを請うたり、書籍を浴びるように読んだりすることはスタートラインに立つために最低限すべきことだったんですよね。
また、新しいことへのチャレンジが難しい以上、もっと慎重に、徐々に領域を広げていくような進め方が必要だったのだろうなとも思います。もちろん、そんなまどろっこしいことをせずに突き進んでいけるスーパーな人は実際に存在するわけですが、自分はそういうタイプの人間ではないということについてはもう少し自覚的であるべきだったな、と。

助けてくれる人のありがたさ


この8ヶ月間、本当に多くの人に、色んな角度から助けていただきました。
資金調達についてアドバイスをくださったVCのパートナーの方や事業会社の投資担当者の方、人事・財務の考え方を基礎からレクチャーしてくれた元同僚の手助けがなければ何倍も右往左往することになっていたと思いますし、退任を決めた後に超短期間で転職先が決まったのも、声をかけてくれた前の上司・同僚や知人のおかげでした。
この感謝の気持ちを忘れないようにするとともに、Pay it Forward的に、同じようなチャレンジをして悩んでいる人がいたら積極的に手を差し伸べていきたいなとも思っています。

といったところで遅い時間になってしまったので続きは明日(というか、もう今日か)に。
資金調達に関して学んだことをまとめてみようと思います。
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さて、前回の転職が2014年7月16日づけだったので、3年9ヶ月を経過し、そろそろ4年目に突入しようとしているわけですが、ほら、何か違和感ありませんか?

76年に1度と言えば、そうですね、ハレー彗星ですね。
20年に1度と言えば、そうですね、伊勢神宮の式年遷宮ですね。
7年に1度と言えば、そうですね、善光寺のご開帳ですね。
3年に1度と言えば、そうですね、kataxさんの転職ですね。
えっ?嘘でしょ?kataxさんまた転職するの?えっ?(2014年07月11日)


・・・ね?

というわけで、2018年3月30日を最終出社日としてまた転職することになりました。

これまで、日本ウリサインとか、kataxの採用決定を重要事実に含めるべきでないかについて東証が検討中とか散々な言われ方をしてきましたが、次は未上場企業なので市場関係者の皆様に於かれましては一旦ご安心いただければと思います。

で、
誰にも言ってもまったく信じてもらえないのですが、僕はジョブホッパー的に転職を繰り返すことについて1μgたりとも良くは思っておらず、それどころか、できることなら一つの会社にしっかりと根を下ろして働くことの方が、会社にとってはもちろん、本人にとっても良いと心底考えています。
えっ?嘘でしょ?kataxさんまた転職するの?えっ?(2014年07月11日)
との整合性というか、言い訳については、今回は「チャレンジ」の一言に尽きます。

2017年末に一年を振り返ったとき、これまでにないほどの停滞ぶりを目の当たりにして「これが老化というものか」と恐れおののいたわけですが、自分の意識や努力でどうにかできる範囲は限られているのでどうしたもんかと悩んでいたところ、色々あって人事・法務・広報を含む管理部門全般を見るという役回りの職を得るチャンスを得られたため、思い切って飛び込むことにしました。
こういうときは、自分にできるかどうかを考えず、自分がやりたいと思っているか、やらないと後悔しないかを基準に行動した方が良いと思うんですよね。

無資格法務のキャリアパスについてでいうところの、1-bガチマネージメントコースであり、これまでの法務としての経験を活かせる領域は限定的なわけですが、不思議と不安はそれほどなく、今はただひたすら新しいチャレンジを前にワクワクしています。

なお、会社の規模やステージに鑑みると、法務業務の負荷は全体の20%以下になることが見込まれますし、またそうしなければならないとも思うので、タイトルで「法務をやめる」宣言をしてはみましたが、このブログは今後も折に触れて更新していこうと思っていますので、今後ともよろしくお願いします。

あと、次こそ、次こそは、長く勤め上げたいと思っています!

ではでは〜
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先日の法務系LTイベント「法務&知財系ライトニングトーク2017 <リーガルテック祭>」において、シティライツ法律事務所の平林先生が
※誤字修正しています


というご発言をされたのを受け、僕も日々契約書を書いていた頃に使っていた条項集を公開しちゃおうと思いたちました。
公開先はこちらです。

公開することを想定していない資料なので、実際にはめったに使わない条項も含まれてしまっていると思いますが、お気づきの点があれば教えてください〜

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今月のビジネス法務(2017年10月号)の特集1は「法務部の生産性向上」ということで、定期購読している雑誌をなかなか読まない僕には珍しく速攻でチェックしました。


・・・が。


ぜーんぜん、生産性向上についての記事が載ってない!!

いや、全然ではなかった。
GMOペパボの株主総会の準備をガチのスクラムでやってみた件はちゃんと生産性向上について書かれていたし、雛形運用のようなありふれたものではあるけど業務の効率化策に関する記載もあったので、正確には

GMOペパボ以外は生産性向上のヒントになる記事はなかった

だった。


いやね、どの記事もいいこと書いてあるんです。これはほんと。ただ、その多くは業務品質の向上策についてのものなんですよね。
でも、生産性ってのは「インプットに対するアウトプットの比率」なので、業務品質の向上、つまりアウトプットの質の向上についてだけ触れるだけでは生産性向上について書いたことにはならないと思うんです。
また、業務効率化は付加価値の低下を最低限に留めることが当然の前提にされているはずなので生産性の向上策であることは間違いないんですけど、程度の差こそあれ業務の効率化には既にどのチームもある程度は取り組んでいるので、それによって目に見えて生産性が向上することはあまり期待はできません。

そもそも法務は生み出す付加価値について他者の評価にさらされる機会が他の職種に比べて極端に少ないことから、仮に付加価値をあまり生み出していなくても、そのことを咎められにくい職種の一つであるといえます。
加えて、法務以外の部署にとってリーガルリスクを敢えて放置するという判断は採りづらいので、生産性が低い(投入する労働力とのバランスが崩れている)付加価値向上策であっても、それを外野から非難するのは困難であることもこの傾向に拍車をかけます。
こういった事情を背景に、(最近はだいぶましになってきているとは思いますが)未だにセレモニーに毛が生えたようなNDAに対して丹念な修正を加えたり、実務上のリスクが極めて低い事案に時間を割いてきっちり対応したりするといった、乏しい付加価値に対する労働力の投入が普通に行われているように感じています。

そんな状況下で「法務部の生産性向上」が特集されているということだったのでとても楽しみにしていたのですが・・・。
もっと正面から「生産性」の向上に向き合った他社事例を読みたかったな、と残念に思いました。


なお、繰り返しになりますが、この特集が「生産性向上」ではなく、「業務品質の向上」をテーマにしたものであれば、普通に良い特集だったとは思います。

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法務系Advent Calendar1日目のエントリーです。

先日、大規模な法務部を擁する会社に遊びに行った際、
ある程度辞退されることを見越して多めに修習生を採用したら全員入社まで至って嬉しい悲鳴
とのお話をお伺いし、
  • そもそも修習生をターゲットにした採用活動をしているという事実
  • まとまった人数が修習修了後ダイレクトに(法律事務所を経ずに)会社員になっているという事実
に驚かされ、いよいよ無資格法務部員にとっては苦難の時代が到来しつつあるんだな、ということを実感したわけですが、そんなこともあり、今年は「無資格法務部員のキャリアパス」について好き勝手なことを書いてみようと思います。
なお、根拠は主観や想像ですので、誤解や誤認は笑ってご容赦頂くとともに、コメント欄でご指摘頂けると幸いです。


【前提】


  • ここでは「無資格」を、日米いずれの弁護士資格も保有していない人という意味で使います。
  • 企業内弁護士の人数は、今後も現在と同等またはそれ以上のスピードで増えていくと想定しています。
  • IT系企業に所属した経験しかないので、それ意外の業種には当てはまらないかもしれません



【全体像】


実際のところ、有資格者であるか無資格者であるかを問わず、会社員というくくりで見ればキャリアパスの選択肢自体に大きな違いはありません。すなわち、マネージメント層を目指すか、スペシャリストとしてスキルを掘り下げるか、法務で培った知見をベースにジョブチェンジするか、の3択です。
今回は、法務の観点からこの3択を「法務マネージャーコース」「ガチマネージメントコース」「契約法務コース」「知財法務コース」「コーポレート法務コース」「内部統制・監査補助者コース」「投資コース」「人事コース」の8つのコースに細分化して考えてみたいと思います。
careerpath


【マネージメントルート:法務マネージャーコース】


  • 特徴


    いわゆる法務部門の責任者を目指すコースです。
    法務部門の責任者といっても、役員クラスから部門内のリーダークラスまでそのレベル感は様々です。
    積極的にマネージャーになりたいと考えている法務担当者だけでなく、将来について特に何も考えていない法務担当者も、基本的には成り行きでこのコースを進む(ものと周囲から見られる)ことになります。それでいて、実際にマネージャーになれるのは小さい組織でも数人に一人、大きい組織だと数十人に一人という狭き門なので、超絶レッドオーシャンの選択肢といえます。例えば、同年代に自分より上の覚えがめでたく、自分より優秀な同僚がいる場合、その同僚が辞めない限りマネージャーのお鉢が回ってくる見込みはありません。また、周りを見渡して自分にマネージャーになる見込みがなかったら、転職することでマネージャーの地位を手に入れたらいいんじゃないかと考えるアグレッシブな方もいらっしゃるかもしれませんが、実のところそれはそれで容易ではありません。なぜなら、マネージャーとして採用されるのは、原則としてマネージャーだけだからです。逆に言えば、似非でも飾りでもなんでも良いので、マネージャーっぽい肩書を手に入れることさえできれば、転職を通じて本当のマネージャーに華麗に転身することは不可能ではありません。

  • このコースのおすすめポイント


    マネージャーへの昇格の基準として、有資格者か否かはさほど重要視されないことが多いので、昇格の場面では無資格であることが不利に働くことについてさほど心配はいりません。
    また、ある程度年齢を重ねると、無資格法務はマネージメント経験がないと転職することが厳しくなるため、会社が傾いたときに離脱しやすくなるということも利点と言えるでしょう。

  • このコースの厳しい点


    所詮は部門責任者なので、待遇の上限や裁量の幅は限定的です。
    外資系等一部の企業においては、弁護士であることがマネージャーの要件になっており、そもそも無資格者に門戸が開かれていないことがあります。
    また、最近は将来有望なベンチャー企業には早い段階で弁護士が法務責任者として参画していることが少なくないため、「ベンチャー企業に法務として入って上場まで支援する。」という役割は無資格法務の手に渡りづらくなっています。



【マネージメントルート:ガチマネージメントコース】


  • 特徴


    管理本部長や子会社社長などの、法務の枠を超えたより広い領域をカバーするマネージャーを目指すコースです。
    もちろん、最終的には本社社長ということもありうるのでしょうが、起業したようなケースを除けば極めてレア(僕は2人しか実例を知らない)です。
    ここを目指すのであれば、法務の枠にとらわれず、意識的に経営・財務・経理・税務の知識を蓄え、経験を積むとともに、早い段階から「このポジションを目指している」ことを上司に宣言しておくことをお勧めします。とはいえ、望んでなれるものではなく、周囲が認める実力や人望と共に、卓越した運も必要になることでしょう。

  • このコースのおすすめポイント


    経営層の一員になるわけですから、他のコースと比べると待遇は良くなります。
    対外的なステータスとしても抜群で、外受けもバッチリでしょう。

  • このコースの厳しい点


    前述のように法務責任者も狭き門でしたが、このコースでは他部門のマネージャーとの競争にも勝つ必要があるため、それより更に難易度は上がります。しかも、管理部門のトップは、財務・経理系や経営企画・経営管理系の部門から迎えられることが多く、法務責任者にその役割は期待されていないこともさらに難易度の上昇に拍車をかけることでしょう(それ故に、早い段階でここを目指すことを公言すべきなのです。)。
    また、ここまで偉くなってしまうと転職は責任の放棄を意味することになりますので、自分の意思だけで転職することは難しくなります。とはいえ、そもそも自分の意思で転職しようと思っちゃうような人はここまで上り詰めることはできないのでしょうけれども。


【スペシャリストルート:契約法務コース】


  • 特徴


    契約法務を専門領域にするプレイヤーです。
    ほとんどの法務部員は一定レベル以上の契約法務のスキルを有していることに加え、外部の弁護士との競争が最も激しいコースであることから、将来的に淘汰される可能性が低くない、かなりリスキーな選択肢なのですが、マネージャーになりたくない無資格法務担当者はなぜかこの道を進みがちです。いったい何を考えているんでしょうか
    スペシャリストである以上、英文契約を適切に処理できるスキルは必須であり、また、業法を含む幅広い法律知識の習得が必要になります。
    このコースを選ぶ人は変わり者であることが多く、実際周囲からも変人扱いされがちです。年下のマネージャーから「この人ほんと使いづらいわ・・・」って思われないようにしましょうね。

  • このコースのおすすめポイント


    マネージメント業務から開放されるので、比較的ストレスは少ないはずです。
    突き詰めることが好きな人は、日々の業務が楽しくなるんじゃないかと思います。

  • このコースの厳しい点


    ある年齢を超えてから転職することになった場合、給与が大幅に減ることを覚悟する必要があります。というか、そもそも転職自体が非常に厳しくなります。
    また、スペシャリスト向けの給与テーブルを用意していない会社では、給与の上昇余地は限定的であり、そもそもスペシャリストというより「出世できなかった人」としか見てもらえない可能性があります。
    他のコース以上に幅広い知識を日々インプット&アップデートし続ける必要性が高いので、年齢を重ねて記憶力が衰えたり無理が効かなくなると、比例してパフォーマンスも落ちてしまう可能性がマネージメント系のコースより高いです。


【スペシャリストルート:知財法務コース】


  • 特徴


    産業財産権周りの対応を専門領域にするプレイヤーです。会社によっては、著作権(というか自社著作物のライセンス)も知財部隊が担当していることもありますが、主戦場がそこではないということには違いはありません。また、商標は商標でいろいろあるのでしょうが、商標一本で存在感を出すことは難しいので、やはり知財法務の花形は特許といえるでしょう。
    知財法務においてはインハウスの弁護士の存在感はさほど高くなく、専門資格である弁理士はそもそも保有者が劇的に増加しているような状況でもないので、他のコースと比較すると無資格であることが不利に働く場面は多くはないはずです。他方、特許に関してはエンジニアからの転身組との競争が発生するという点には注意が必要です。(特許の世界ではむしろエンジニア出身の方が本流であることが多い印象です。)
    なお、弁理士試験は法律系資格試験であるという意味でエンジニアより有利なはずなので、このコースを進むのであれば弁理士試験の合格を目指すのも良いでしょう。

  • このコースのおすすめポイント


    スキルのポータビリティが非常に高いため、知財法務の実務経験があることは転職時に有利に働くことが多いです。
    もし弁理士試験に合格することができれば、更に安定感が増すことでしょう。

  • このコースの厳しい点


    特許は登録までかなりの費用が必要になることもあり、知財のスペシャリストを置けるのは一定以上の規模の会社に限られてしまうため、そもそも中小規模の会社に所属していると知財法務スペシャリストを目指すことすらできない事があります。


【スペシャリストルート:コーポレート法務コース】


  • 特徴


    株主総会や取締役会などの事務局業務を専門領域にするプレイヤーです。
    会社法や金商法を始めとした法令以外にも社内規程や慣習などのローカルルールに精通する必要があります。
    ルーチンワークを確実にこなす能力が求められる一方で、ルーチンワークを確実に回すことだけに集中してしまうと、いわゆる「タコツボ化」に陥りやすい点には注意が必要です。あなたの会社にもいませんか?タコツボってるコーポレート法務担当者が。
    開示やインサイダー規制の方面にまで領域を広げることができると、存在感が更に高まることでしょう。

  • このコースのおすすめポイント


    法務マネージャーは株主総会・取締役会の事務局に入ることになるので、法務マネージャーに転身した際にコーポレート法務の経験は必ず役に立つことでしょう。
    経営層との距離が非常に近く、また取締役会の中に入れることもあり、一般社員が触れることができない情報に接する機会を多く得られます。

  • このコースの厳しい点


    法務マネージャーのサポートという位置づけになりがちであり、そうなってしまった場合は物足りなさを感じる方もいるかもしれません。
    どんなに文献等にあたってしっかり作成したコメントも、経営陣の「一応○○先生(お気に入りの弁護士)のコメントも聞いといて」の一言で粉砕されることがあります。(ただ、これはインハウスの弁護士に対しても程度の差こそあれ発生します。)


【別職種ルート:内部統制・監査役(委員)補助者コース】


  • 特徴


    内部監査系職種への転身コースです。
    内部監査において適法性のチェックは避けられないので、法務の経験を十二分に活かすことができることでしょう。
    受け身の監査(問題点の指摘)にとどまらず、監査を通じて各部の業務改善をサポートするという視点で業務にあたるようになると仕事の楽しさがぐっと高まるそうです。

  • このコースのおすすめポイント


    閑職と捉えられている会社もありますが、実は会社全体の情報を俯瞰できる立場から大きな裁量を与えられて業務を遂行できるという意味ではおもしろみのある仕事です。
    特に監査役(委員)補助者については経営側の意思で異動させることが難しいことから、落ち着いて業務にあたりたい人にとっては天国なのかもしれません。
    積極的にこのコースを希望する人はさほど多くないので、競争に晒される心配は少ないでしょう。
    基本的に全社の情報に隈なくアクセスできます。が、やり方を間違えると現場から激しく疎まれるのでご注意を。

  • このコースの厳しい点


    管理系部門の出世コースに組み込まれているような会社は別として、出世・昇進からは遠ざかることになることは覚悟したほうが良いかもしれません。
    監査においては会計・経理の知識が不可欠なので、新たな知識を大量にインプットする必要があります。


【別職種ルート:投資コース】


  • 特徴


    投資部門や投資子会社(CVC)への転身コースです。
    法務としてもM&Aや出資等のケースで事業譲渡契約や株式譲渡契約、合併契約などをチェックする機会はあると思いますが、このコースが想定しているのはむしろ法務にこういった契約のチェックを依頼する側の「投資先を見つけ、投資を実行し、投資後のフォローを行う」職種を想定しています。
    投資担当者をおける会社は非常に限定されており、そもそも所属先が投資担当者をおかない場合には自分の意向だけでこのコースに進むことはできません。また、投資業務は属人性が強いことが多く、ジョブローテーション等による人の入れ替えに消極的なため、投資事業を開始する際にメンバーに入れないと、後から参画することは簡単ではありません。投資事業の本流は現業部門であったり、間接部門でも経営企画・経営管理や財務系であることもこの傾向に拍車をかけます。

  • このコースのおすすめポイント


    投資実行の際にかならず考慮が必要になるリーガルリスクのチェックの際に法務の経験を活かすことが可能です。
    契約法務の経験を通じて「事業のつまづきポイント」に対する感度が鍛えられている方は、そのスキルが大いに役に立つはずです。
    コーポレート法務の経験を通じて様々なコーポレートアクションに関する書面総会・書面役会・登記を処理できる方はいちいち待たせる法務に頼む必要がなくなることから部内で重宝されることでしょう。

  • このコースの厳しい点


    投資先の企業価値を測定する上では経営・財務・会計の知識が不可欠なので、新たな知識を大量にインプットする必要があります。
    業務の性質上、すぐに成果が出るものではなく、また失敗に終わることも多いので、必死に頑張っても良い評価を得られない可能性があります。


【別職種ルート:人事コース】


  • 特徴


    法務のみならず、人事(基本的には総務も)を兼務するコースです。
    管理部門が小規模な会社では、専任の法務を置くことができないため、法務をやりたければこのコースに乗らざるを得ないというケースはよく有ります。
    有資格者はこのような兼務を避ける傾向にあるため競争は厳しくありませんが、会社の成長に合わせて法務を強化することになった場合に外から専任の法務担当者を調達され、総務・人事側に寄せられてしまうことのないようには注意しましょう。

  • このコースのおすすめポイント


    純粋な法務は労働法の知識に乏しいことが少なくないので、労務業務を通じて得られた労働法周りの知識や実務経験は大きな武器になりえます。
    経理側にマネージメント能力に優れた人がいない場合、レアルートのガチマネージメントコースに進める可能性があります。

  • このコースの厳しい点


    人事業務は給与計算、年末調整、採用なども担当すると業務負荷が非常に高くなるので、業務全体に占める法務の割合が低下しがちです。また、法務専任ではないことから、経費を使った書籍の購入やセミナーの受講などがすんなり認められないケースもありえます(必要なの?と聞かれてしまう。)。
    「法務部」という肩書が無い場合、法務専任で転職する際に経歴が不利に作用してしまう場合があります。
    「法務と、あとは人事や総務の仕事も一部やってもらいたいと思ってます。」と聞いていたのに、実際は法務の業務割合は20%くらいというケースはすくなくありません。こんなときは、ぶつくさ言わずに法務としての法務業務を開拓し、仕事を獲得していくしかありません。


といったところで、明日は柴田先生です〜。
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法務のような、「自ら作り出す仕事」ではなく「請け負う仕事」が業務の多くを占める部門では、期初にしっかり目標設定をしても、自分の意思とは無関係に発生する突発案件に振り回されてしまい、終わってみれば「今期も色々あったからねぇ」で目標から離れた評価をするはめになりがちですが、目標が蔑ろにされる状態が当たり前になってしまうと、今度は中長期的な視点から取り組む仕組みづくりや業務改善に積極的に取り組む機運が低くなってしまうという弊害が生じます。

今まではしょうがないと思って目をつぶってきたのですが、メンバーの目標設定を支援する立場になった以上はそんな腑抜けたことを言っているわけにもいかず、しばらく考えた上でこんな感じでメンバーにアナウンスすることにしました。

評価の対象と評価基準は、以下の通り
1.既に出来上がっている仕組みを回すこと(日々の業務)
  例:リーガルチェック対応、会議体運営、定例の研修など
  →正確性、安定性、処理スピード、処理件数新たなチャレンジかで評価
   →但し、最高評価でもこれだけでは「中の上」止まり
2.仕組みを作る・改善すること
  例:契約書管理の電子化、リスク管理システムの立ち上げなど
  →影響範囲(全社、部内、自分)、業務へのインパクト、主体性で評価
   →この点が最低評価だったとしても中の下までしか落とさない
3.突発案件対応
  例:M&A対応、新規の訴訟対応など
  →正確性、主体性、新たなチャレンジかで評価

評価基準のイメージはこんな感じです。

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この3つの軸をベースに目標を設定してもらうことで、各メンバーの志向に沿った目標を設定しやくなると同時に、評価の際の納得度も高められるんじゃないかなと期待してます。

んじゃ、また。
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