カテゴリ: 雑記

2019年も最終日になりました。
僕は伊達巻がとても好きなのですが、年に一度しか機会がないその伊達巻を買った記憶のあまりの近さに、改めて1年間が過ぎ去る速さを実感しました。

負のスパイラルと再生


辛く、苦しいことが多かった2018年と打って変わって、2019年は自分にとって再生の一年でした。
久しぶりに味わった仕事を通じて人から感謝される、喜ばれるという体験は、想像していた以上に充実感をもたらすとともに、新たな領域へのチャレンジすることの苦しさは、こういう体験から遠ざかるところにもあったりするのかなという気づきも与えてくれました。

とはいえ、全く価値を発揮できない自分と否応なく向き合えたことは、遅すぎたとは自分では思うものの、今振り返るととても大切な経験でした。もう二度とあの苦しさは経験したくはありませんが。
良い成果を出せないことから始まる「信頼が損なわれる→この人には任せられないと、チェックが厳しくなる→成果から問題が見つかりやすくなる→信頼が損なわれる」の負のスパイラルは、嵌った人でなければなかなか実感できないものですし、それだけに手を差し伸べることも難しいものでもあります。
最初の一歩を間違えると誰でもそのスパイラルに嵌る恐れがあること、そして、一度嵌ると自力で抜け出すことはとても難しいということ(それゆえに、現在負のスパイラルに嵌っている人も、きっかけ次第で再生しうること)は、今後も忘れないようにしていきたいと思っています。

他方で、現職の「初めて法務を雇い入れるIT企業での一人法務」というミッションは、ある意味自分の最も得意とする領域であり、魚屋がアジをさばくような感じでスルスル進めることができ、正解を知っていることの強さも再確認しました。
また、慣れ親しんだミッションを与えられたことの副産物として時間的・気持ち的な余裕も大きく確保でき、特に下半期は一度お話をお伺いしたいと思っていた方にお会いする機会をたくさんいただくことができたのも、とてもありがたかったです。


転職チャネルのもう一つの選択肢を作りたい


「なんで法務の領域で●●ライトニングトークとかAdvent calendarとかをやろうと思ったんですか?」みたいな質問を受けることが時々あるのですが、今までは「おもしろそうだったから」以上の回答ができず、なぜそれをおもしろそうだと思ったかは自分でも今ひとつ言語化できていませんでした。
ところが、年末にbizreachの小田さんとランチする機会を頂き、お話をする中で「自分は、法務の人が成果や知見をどんどん共有し、その結果としてすごい人のすごさが可視化される世界を欲している」ということに気づいたのです。そして、改めて考えてみると、思いつきで今年立ち上げたIT法務互助会も、同じような位置づけだったな、と合点がいきました。
結局の所、僕は色んな人が「俺はこんな事やって、これだけ効率化したぞ」「私はこんな取り組みをして、これだけ業務品質向上したよ」みたいなことを競い合う土壌のもとで、どんどん法務全体の知見が底上げされていくのを見てみたいだけだったんです。
自分のモチベーションの源泉を自覚できたことをきっかけに、さらに一歩進んで、すごさが可視化された人と、そのすごさを欲する企業が直接つながって転職が成立するようなところまで行けたらいいな、と今は思うようになりました。

来年やること


まずは、所属している会社が掲げている目標をちゃんと達成すること。
それに加え、クロトワさんからある領域でメディアを持つと良いとのアドバイスを頂いたことを受け、来年は、このメディアをちゃんと形にしたいと思っています(今月からwordpressとcocoon(というwordpressのテーマ)を弄りつつ、高機能差に圧倒されながらコンテンツの投稿を始めています)


それでは皆さん、良いお年を。
そして、来年もよろしくおねがいします〜
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このエントリーは、法務系 Advent Calendar 2019の10日目です。

当初、Googleスプレッドシートで作ったメンテナンスコストが超低い新株予約権原簿を共有してクリアしようと考えていたのですが、裏表のこれまでのエントリーを拝見し、単なるtipsみたいなエントリーでお茶を濁すのもちょっと違うなと思い直し、最近良く考えるようになった「正解を追う」スタイルについて書いてみることにしました。

「正解を追う」というのはどういうことか


最近、「正解を追う」というスタイルについてよく考えています。
この「正解を追う」というのは、ある業務に正解があることを前提として、現状とその正解との差分を埋めようとする動きを指しています。これに対し、正解を特に意識しない場合の業務改善は、「今」を基準に、今をより良くする方法を模索するという形を取ることになります。
言ってしまえば軸足の置き場の違いでしかないわけですが、これが長期的に見ると結構な違いを生むのではないか、というのが、今考えていることなのです。

こういった事を言うと、「正解は一つではない」というご指摘を受けることもあるのですが、正解を追うということと正解は一つではないということは、相反することではありません。リソース、業種、組織のミッションなどによって正解は異なるのは当然ですが、その異なる正解をそれぞれが追うというだけのことでしかないのです。

正解は誰が知っているのか


ある程度経験を積んだ方であれば、概ね正解はわかっていると思われるかもしれません。ですが、「概ね」がついてしまう時点でそれは正解ではありません。1足す1は2であって、概ね2ではないのです。
では、その正解を知っているのは誰か、というと、それは全世界にいる先達です。より正確に言えば、先達の知恵の集合体・最小公倍数こそが、正解だと思うのです。
有名な格言に、巨人の肩の上に立つ、というものがあります。
先達が積み上げた知恵を、自分の経験や能力だけで超えることなどできるはずがありません。
その道の第一人者が書いた本を読み、話を聞き、それを実務に適用することが、正解を追う最もストレートなやり方だと思うのです。

ものすごく当たり前のことを書いているなと自分でも思うのですが、他方で愚直にこれをやれる人は多くありません。そもそも積極的に本を読んだり人の話を聞きに行く人自体が少数であり、そのハードルを乗り越えたとしても、読むだけ、聞くだけで終わってしまい、実務に適用するところまでやりきれる人となるとごく少数しかいないのではないでしょうか。

今自分が置かれた環境における正解を目指そうとすると、正解がわからなければ最初の一歩を踏み出すことができなくなりますし、そもそも正解がわからないという状態に居心地の悪さを感じるようになります。
正解を追うというのは中々不便なことであり、また息苦しいことでもあります。だからこそ、理屈としては巨人の肩の上に立つ方が遠くを見通せるとわかっていても、自分の身の丈の目線から見える景色で満足してしまうのだと思うのです。

正解は変わり続ける


一度正解にたどり着いたとしても、安心はできません。前述の通り、正解は環境によって異なり、環境は常に変化し続けるので、当然の帰結として正解も変わり続けるからです。
しかし、正解が不安定で不確かなものであるということは、大きな問題ではありません。なにしろ「一度正解にたどり着いたとしても」ということ自体が非常にあやうい仮定であり、そもそも正解が何かを客観的に正しく把握することは基本的には不可能だからです。
つまり、実際にはそのような前提のもとで、巨人の肩の上に立って得た正解らしきものを追うのが、「正解を追う」の正体なのです。

ただ、正解らしきものと正解は異なるので、盲目的にそれを追うだけでは不十分です。
正解らしきものを、自らが発見し、または他者が提唱する正解とぶつけて、より正しいものを取るというテストする必要があるのです。
そして、このテストは、一度たどり着いた(と自分では思っている)正解に固執してしまう保守性のバイアスを乗り越える良い手段にもなりえます。
実のところ、保守性のバイアスは、正解を追うスタンスの最大の敵とも言えます。苦労して見つけ出した正解であればあるほど、環境の変化についていけず、時代遅れになってしまっていることを認めたくなくなるからです。そのため、常に正解を疑い、テストを続けることは、正解を追うことと必ずセットにする必要があるのです。

正解に固執しているかチェック


前述の通り、一度得た成果に固執してしまうことは、正解を追うことの妨げになるのですが、自分自身で正解に囚われていることに気づくことは容易なことではありません。そこで、シンプルなチェックを考えてみました。
  • 自分の正解に固執している人は、他者が提唱する正解の穴を探すが、そうでない人は他者が提唱するの正解と自分の正解との差分を探す。
  • 自分の正解に固執している人は、自分の正解を否定されると反発するが、そうでない人は検証を始める
  • 自分の正解に固執している人は、他者による自分の正解と異なる正解の提唱に反論するが、そうでない人は無視する

思いつきで考えたものですが、方向性としてはこういうことではないかと思っています。

最後に


最近、様々なすごい方からお話をお伺いする機会を頂いているのですが、やはり第一人者の方の話を聞くのは本当に勉強になります。
蛸壺と称されがちな法務だからこそ、どんどん人と会って、話を聞きに行きましょう!
(時間切れ目前になって締めがめっちゃ雑になってしまった)

というわけで、次はにょんたかさんです〜
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SaaS利用規約ナイトに参加し、想像の5割増しくらいで発見があったので、少し時間が経ってしまったけどメモを残しておく。
  • SaaSとかサブスクリプションモデルという言葉は、純粋にその語句が示す意味だけでなく、ユーザーとの継続的関係を基礎とするビジネスモデルという意味合いで用いられている。これはおそらくSaaSやサブスクだけでなく他の言葉でも起きているはずのことで、同時に語義に忠実な(傾向がある)法務畑の人が足をすくわれやすいポイントかも知れない。
  • SaaSの提供企業では、ユーザーとの継続的関係を構築するために何をすべきか、どうすべきか、という発想でCSやマーケやセールスは動いているし、当然バックオフィスも同じ発想で判断する必要がある。ただ、何らかの判断を迫られたときに、クライアントとの関係の保全と、リスクヘッジのバランスを取ることは容易ではないはず(会社を守ればいいならそっちのほうが100倍楽)。
  • 利用規約は契約書と比べるとそれに対する同意はおぼろげであり、かといって法律のように民主的な正当化プロセスを経ていない以上、その内容の妥当性を自ら担保する必要性が高いし、一期一会ではないSaaSにおいてはその傾向はさらに強くなる。暗黙の了解のど真ん中を捉えるセンス、そこから外れた特約についてスムーズかつ最小限のハレーションで同意を取り付けるセンス、時流の変化を掴むセンス、みたいな、これまでとは違うセンスが必要になってくるのかも。で、自分はそれについていけるのだろうか・・・という危機感を覚えた。
  • 利用規約は、これまでもっぱらサービスプロバイダを守る盾として位置づけてきたので、多少書きすぎでもOKというところはあったし、要約なんてリスクファクターでしかないと思っていたけど、利用規約をクライアントとのコミュニケーションツールと位置づけるとそうも言っていられないよね。

開始10分前に到着したのに結構な埋まり具合でいい席座れなさそうだな、と思ったけど、一列目のど真ん中が空いていたのでラッキーだった。
本イベントは実況OKだったので、久しぶりにTwitterで実況をしたんですけど、小休止の時間に自分の中を通り過ぎていった言葉が高速で再構成されて花火みたいに気づきがポンポン産まれてくる快感はちょっと他では得られないものなので、可能なときは皆様も実況しながら聞くことをおすすめします(すっごく疲れるけど)
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約5年前、技術評論社の傅さんから「雨宮さん、橋詰さんと一緒に利用規約の本を書きませんか?」とお声掛けを頂いたことが、本書良いウェブサービスを支える「利用規約」の作り方に関わることとなったきっかけでした。

当時、書籍づくりについて、雑誌への寄稿のボリュームアップ版程度の甘えた認識しか抱いていなかった僕は、深く考えることもなく二つ返事でお引き受けしたように記憶しています。
しかし、ある意味自分が書けるテーマについてだけ好きなように書かせてもらえる雑誌への寄稿と、特定のテーマについて、実務の役に立つ解説書を作り上げる書籍づくりとの間には、その困難さにおいて大きな隔たりがありました。

豊富な実務経験と知識を持つAZX法律事務所の雨宮先生と、今では「サインのリ・デザイン」編集長として「その時実務家が知りたいトピック」をいち早くカバーすることで抜群の存在感を発揮する橋詰さんのお二人ととでなければ、良い悪い以前に、完成にまでたどり着くことすらおぼつかなかったのではないかと思います。

初版の執筆時と同様、今回刊行される改訂版の執筆の際も、共著者三名で遠慮せずに徹底的に直しを入れ合いました。中には、一度書いたにもかかわらず、「ウェブサービスの実務的には重要ではなく、ノイズになる。」として大胆に削り落とした部分もあります。
敢えて確認したわけではありませんが、すべての判断基準は、「実務の役に立つか」という点で、共著者間の認識は共通していました。

技術評論社の傅さん、秋山さんのお力添えもあり、改訂版を初めてお手に取られる方にとってはもちろん、初版をお買い上げ頂いた皆様にもしっかり価値をお届けできる内容に仕上がっていると思います。
技術評論社ウェブサイト内の本書の紹介ページからECサイトの予約ページにリンクされていますので、ぜひお手にとって頂ければ幸いです。

一人でも多くのウェブサービス運営者の方のお悩みの解決に、本書を通じて貢献できればこれ以上の喜びはありません。

最後になりましたが、技術評論社の傅さん、秋山さん、とてつもないクオリティで英語版利用規約のレビューをしてくださったAZX法律事務所の林賢治先生、利用規約・プライバシーポリシーのパブリックコメントをお寄せいただいた皆様、そして何より共著者のお二人に、心から御礼を申し上げます。

それでは!
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今年も残すところ2日強となった今になって、2017年がどういう一年だったのかを振り返った時、真っ先に思い浮かんだことは「成長のない一年だった」でした。
これは別に自虐でも何でもなく、ほんとうに「去年までできなかったけれど、今年できるようになったこと」が何も思い浮かばないんです。

これまで年末に一年を振り返れば、新しい分野へのチャレンジの2つや3つ自然と思い起こせるのが普通でしたし、そもそも成長することへの渇望、停滞への危機感の強さだけが自分の取り柄だと思っていただけに、年末になってこの事実に直面したときはショックを覚えました。
そして、更に良くないことは、ただ徒に1年間を過ごしてしまったというその事実だけでなく、あの時あれをやっておくべきだった、といった具体的な後悔もあまりないということです。
これは、成長することへの慣性が働いていないということであり、それはつまり、もう一度意識的にアクセルを踏み込まなければ、来年の年末にも同じことを思う羽目になるということでもあります。
そしてきっと、その時には、今感じているようなショックを受けることはないのでしょう。
こうやって人は成長することを止め、老害への道を辿り始めるのかもしれません。

比べること自体がおこがましいのは承知の上で引き合いに出すと、僕も日野原重明さんのように、生きている間中チャレンジを続けていきたいし、それができるものだと思っていたのだけれど、どうやらそれは、僕にとっては無意識にできるようなことではなかったようです。

そんなわけで、来年は、意識的に新しいことにチャレンジしていきたいと思います。

それでは、みなさま良いお年を!
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12/8追記

本エントリーのアップ後に @takujihasizume さんとディスカッションした結果を踏まえ、提案1については主張を撤回します。
→捺印書面は別にいらないんじゃないかな、という趣旨です。




このエントリーは法務系 Advent Calendar 2017の7日目のエントリーです。




このエントリーの結論は以下のとおりです。
  1. 弁護士ドットコムやリグシーに、電子契約の送付先メールアドレスを収集・管理する一般社団法人を設立・運営してほしい
  2. さらに、その一般社団法人で標準的な契約条項を管理&公開して欲しい





電子契約の送付先メールアドレスを収集・管理する一般社団法人を運営してほしい


電子契約の導入を検討する際にネックになるのが、相手方の会社としての意思が電子署名に乗っているのかがわからない、ということです。

捺印であれば、二段の推定の一段目によって本人の意思による捺印であることの推定が働くことに加え、仮に推定が覆る事実があった場合でも印章の性質上表見代理が認められる期待もそれなりにできますが、メールアドレスをキーにする電子署名にはこのような期待は通常できません。

もちろん、相手方が本人確認を行う電子署名法に準拠した電子署名を用いて契約を締結してくれればこの問題を解決できはしますが、導入負荷が重すぎて電子署名法準拠の電子署名を電子契約一般に用いるというアイデアは現実的ではないため、本格的に電子契約を導入したければ必然的にDocusignやクラウドサインのようなメールアドレスをキーにした電子署名(カジュアル電子署名)の利用を前提にせざるを得ません。

そのため、カジュアル電子署名を前提に、会社の意思をある程度確実に乗せるためにどのような対応をすればよいかが問題になるわけですが、これはもう印章が持つ力を借りるしかないな、という結論に至っています。
これはつまり、「このメールアドレス宛に送られた電子署名リクエストに応じて付した電子署名は、当社の意思に基づく電子署名ですよ」という宣言を代表者印捺印済みの書面で事前にもらっておく、ということです。
仮に捺印という極めて優れた意思表示の方式が日本になかったとしたら、電子署名に切り替えることで増えるリスクは限定的なものにとどまるので、こんなことを考えずにスッと電子署名に切り替えられたのだろうと思います。というか、サインのような偽造が容易でかつ検証困難な仕組みを維持するくらいなら、電子署名のほうがまだましと考えるのが自然なのかもしれません。

このやり方は手間と得られる効果のバランスがとれた良い方法だとは思うのですが、いかんせん各企業が独立して対応するのはあまりに非効率なので誰かにぜひ取りまとめてもらいたい。
そして、特定の事業者が取りまとめてしまうと、それ以外の事業者が提供するサイニングシステムのユーザーが利用しづらくなるので、ぜひ一般社団法人を設立し、(少なくとも外形的には)中立の立場から取りまとめを推進してもらいたいと願っています。
クラウドサインの弁護士ドットコムさん、Holmesのリグシーさん、いかがでしょうか!
この一般社団法人が運営されている世界の理想像はこんな感じです。
ある企業と電子契約を締結する際、DocusignやクラウドサインやHolmesに送付先メールアドレスを記入し、「確認」ボタンを押すと、API経由で登録メールアドレスDBに検索リクエストが送信され、登録済みであればメールアドレスとセットで登録されている法人名と代表者名が返ってきてサイニングシステムに自動的に登録される。登録済みでなければその旨のアラートが出る。
(サイニングシステム側のタスクですが)未登録アラートが出た場合は、そのまま電子契約を進めるか、相手方にDB登録を促すメールを送るかを選択できる。


標準的な契約条項を管理&公開して欲しい


先日、永井先生とランチをご一緒し、契約法務業務の効率化について意見交換をさせていただいた際に、契約条項をウェブ上で公開し、各社がその契約条項を参照して契約を締結するようになれば劇的に業務を効率化できるのではないか、というアイデアを検討する機会がありました。
これは、
  • 各企業におけるドラフティングの手間を省略できるだけでなく、
  • (語弊を恐れずに言えば)セミプロの手による完成度の低い契約条項を修正しなければならないという面倒も未然に防ぐことができ、
  • 標準契約やひな形のようにカスタマイズが入る恐れもないので一度内容を把握すれば次から再び読む必要はなくなり、
  • またCreative Commonsのように重要な条件をわかりやすく利用者に提示してくれれば契約書を読み慣れていない人も適切な契約条件を選択できるようにもなる
というなかなか悪くない施策だと思うのですが、いかんせん特定の企業がそのような取り組みを始めたとしても、当該特定企業が当事者にならない契約において利用されることは期待できないのがネックです。
そこで、電子署名用のメールアドレスのDBを管理する一般社団法人が設立された暁には、各事業者から一歩引いた存在としてこの契約条項の公開と管理も担って欲しいのです。

紙+捺印で契約書を取り交わすことを前提にすると、このような施策は紙からウェブ上の規約を参照するという歪な状態を受け入れる必要があり、あまり現実的ではありませんでしたが、もし電子契約が主流になった暁には特段の違和感はないのではないかと思います。
それどころか、サイニングシステムが契約条項のインポートに対応しさえすれば、宛型のメールアドレスを記入し、契約条項を選択し、期間等の変数部分を入力すれば、相手方に電子署名が付された完成した契約書を送付することも可能になります。

技術的には何一つとして難しいことをしていないので、しかるべき団体がやる気を出せば、さほど時間をかけることなく運用を開始できるのではないでしょうか。
クラウドサインの弁護士ドットコムさん、Holmesのリグシーさん、いかがでしょうか!(二度目)

続いてはcaracalooさんです〜
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少し前までMac版とwindows版とでMS-Officeの仕様というか、出来に結構な違いがあり、それだけをもって法務の業務用端末をMacに切り替えることは現実的ではないと考えていたのですが、現行版のOfficeはちゃんと使いものになるっぽいので人柱として業務用端末をWinからMacに切り替えてみました。
で、1ヶ月ほど経ったので、感想をメモ。

【切り替えの内容】
Surface Pro 3→MacBook Early 2016

【3行まとめ】
  1. Macに慣れるまで辛い

  2. 環境構築がたいへん

  3. Macに慣れて環境構築が終わったら結構快適


1.macに慣れるまで辛い
自宅用としてMacBookを使っていたので特に問題ないと思っていたのですが、やはり業務用端末として使うとなると勝手が違いました。
地味に辛いのがウィンドウ切り替えで、windowsはAlt+Tabでウィンドウ単位で切り替えられるのですが、Macだと標準ではウィンドウの切り替えショートカットが用意されていません(アプリケーションの切り替えショートカットはあります)。で、Wordに至っては、わざわざ設定したウィンドウ切り替えのショートカットを無視するんです。一番ウィンドウを切り替える頻度が高いアプリケーションなのに。ひどい。
あとはcmdとoptionとctrlの各装飾キーの位置付けがよくわからないとか。特にoption。
cmdだって、ショートカットの装飾キーとして使うには場所が厳しくない?
と言った具合に、日常使いでは気にならなかった細かい点が少しづつストレスになるのですが、ほとんどの問題は設定をいじったりユーティリティアプリを導入することで解決できることに加え、残った問題も慣れればさほど気にならなくなります。

2.環境構築がたいへん
win→macの切り替えで一番苦労したのがやはり環境構築でした。
上記の1で「設定をいじったり」とか「ユーティリティアプリを導入する」とかるーく書いてしまっていますが、実のところ正解というか定石を知らないことから、壁に当たる都度解決法をググったり候補のアプリを導入してニーズに合っているかを検証しなければならず、手間がかかることこの上ないわけです。
なお、僕の場合、ファイルサーバに保存されている大量の日本語ファイル名のファイルを検索する機会がとても多いのですが、その用途に適したランチャーには未だに巡り会えていません・・・(今のところQuickSilverを使っていますが、日本語での検索の使い勝手が最悪です。)
なお、株式実務の世界ではまだIE必須のウェブシステムが残っているらしく、IEが提供されなくなったMacへの以降は現実的ではないとのこと。このご時世にIE必須って、まじかよ・・・

3.Macに慣れて環境構築が終わったら結構快適
といった辛い日々をなんとかくぐり抜けると、ようやく快適な日々が訪れます。
例えば、
  • スリープが普通に使える
    もしかしたら僕がハズレを引いているだけかもしれませんが、これまでのwin機はスリープ中もそこそこバッテリーを消費し、スリープからの復帰も遅く、surfaceに至っては稀にスリープから復帰しない(永遠の眠りと呼んでいた)こともあってスリープさせないよう半開き状態で持ち運ぶのが常でしたが、MacBookに変わってからは気軽にパカパカ閉じたり開けたりできるようになりました。

  • OSレベルでカーソル移動のショートカットがある
    win機ではwordやエディタなど限られたアプリ以外ではカーソルキーかマウスを使わなければカーソルを移動させることが出来ませんでしたが、Macでは基本的にどのアプリでもCtrl+fbpnhdが効くというのが意外に便利。特にGmailが便利になりました。

  • 軽い
    本体の軽さもさることながら、Surfaceみたいなごつい充電アダプタを持ち歩く必要がないのも便利。
といった点で快適さを実感できました。


といったところで、一旦アップします(今後気づいたことがあれば随時追記します。)
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久しぶりに書くのがこんなことというのもあれですが、でもまぁ、書いたので。




営業「なんで私が怒ってるかわかる?」
僕「え、わからない…」
営業「無茶な目標押し付けられたから来期の種まきもそこそこに必死になって達成したのに『やればできるじゃないか』の一言で片付けられて、前期比120%の目標が降りて来たからだよ!」

情シス「なんで私が怒ってるかわかる?」
僕「え、わからない…」
情シス「何もしてないのに突然動作がおかしくなった、みたいな見え透いた嘘をつくからだよ!」

経理「なんで私が怒ってるかわかる?」
僕「え、わからない…」
経理「何万回説明しても支払日基準で計上してくるからだよ。しかも今回は期をまたいでんじゃねえか!」

監査法人「なんで私が怒ってるかわかる?」
僕「え、わからない…」
監査法人「さっき送って来たファイルのファイル名に【監査法人に見せるver】って書いてあったからだよ。なめてんのか!」

経営企画「なんで私が怒ってるかわかる?」
僕「え、わからない…」
経営企画「さっき予算外の決裁申請して来ただろうが。まだ期初だぞゴルァ!」

法務「なんで私が怒ってるかわかる?」
僕「え、わからない…」
法務「先週『場合によってはいける余地もあるかもね』って答えただけなのに、法務もオッケーしてますって社長に言ったらしいな。貴様大脳ついてんのか!」

知財「なんで私が怒ってるかわかる?」
僕「え、わからない…」
知財「出願準備がようやく整ったってタイミングでエンジニアブログに発明の内容思いっきり書いてたよね。書 い て た よ ね !」

都知事「なんで私が怒ってるかわかる?」
都民「怒ってんのはこっちだよ!!!」

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前回の法務系LTからほぼ2年ぶりに、 @overbody_bizlaw先生主催で第4回目となる法務系ライトニングトークが昨日開催されました。

ATND(セットリストも)はこちら
まとめはこちら

前回、@takujihashizumeさんと共催したときは、参加人数の面でもLTerの面でも手作りで運営するのはもう限界という共通認識を抱いたのですが、今回、 @overbody_bizlaw先生は阿佐ヶ谷ロフトAという(こう言っては語弊があるかもしれませんが)ヘンテコなイベントの開催に慣れているライブハウスを利用することでこの限界を軽々と乗り越えられており、まずはその発想力と実行力に脱帽でした。

また、LTerのみなさまも、ほぼ時間内または時間ピッタリにLTを収められていて、普段から人前で話すことの多い職種であるということを差し引いてもこれはすごいと関心しきりでした。



さて、私といえば、昨今話題に登ることの多いAIと法律問題について、IT系にも縁遠い方もおもしろさを感じて頂けそうな著作権の帰属という側面からすこしお話させていただきました。
特段の規制がかからなければ今後間違いなく登場するであろう自律的に高品質な創作物を制作し続けるAIにより、現在の著作権秩序は一定の変容を余儀なくされるはず、という問題意識を共有できていれば嬉しいです。
スライドだけだと意味不明のような気もしますが、一応アップもしておきました。


最後に、主催の @overbody_bizlaw先生、前半司会のhttps://twitter.com/NH7023さん、後半司会の@kyoshimine先生、プロフェッショナルな支援をご提供頂いた阿佐ヶ谷ロフトAさん、その他の本イベントの準備・運営に携わられた皆様、本当にお疲れ様でした&ありがとうございました。
とても楽しかったです!
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最近の関心事は、どれだけ効率的に契約法務のスキルを人に伝えられるか、なのですが、その一環として契約書のスタイルガイドを作ってみたので公開します。
こちらからどうぞ

目新しい内容は含まれていませんが、既存のものは、内容が分散していたり、書き方という切り口でまとめられていなかったりと、スタイルガイドとしての使い勝手が悪いことも少なくなかったので、コンパクトにまとめたこと自体に一定の意味があるんじゃないかと期待してます。
また、水野先生のGitLawに関するエントリを読んで初めてGitに興味を持たれた法務畑の方もいらっしゃるのではないかと思いますが、そのような方に「Gitのはじめの一歩」として軽い気持ちでいじっていただく材料としても、ちょうどいいのではないかとおもってます。
→forkからプルリクまでの流れは、このエントリが分かりやすいのでオススメです。

いずれにせよ、これが最終版というわけではなく、今後も更新を続けていきたいと思っているので、お手元に似たようなガイドをお持ちの方(規模の大きな法務事務所や伝統のある法務部には、内部的にはこんな感じのガイドはあるんじゃないかと期待してます)がいらっしゃったら、差異についてご指摘いただけるとすんごく嬉しいです。

それでは!
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