雑記

企業法務マンサバイバル(通称マンサバ)のエントリー”法務パーソンにとっての「差別化」”を読んで気づいた事についてのメモ。




1.そもそも差別化要因にはどんなものがあるのか
細かく言えばキリはないのでしょうが、大きく括ってしまうと重要なのは「知識」「経験」「資格」「実績」「能力」の五つに分けられんじゃないかと思っています。(年齢はアンコントローラブルなのでここでは除外)
  • 知識
    どれだけ知っているかということ
    対象は法律であったり、実務であったり、現場だったりと、様々
    幅と深さが問われる
    勉強で得られる知識と業務を通じて得られる知識は、どちらも同じくらいに重要
  • 経験
    どれだけやったことがあるかということ
    こちらも幅と深さが問われる
    経験を抽象化すると知識に転化する
  • 資格
    文字通り
    法務に限って言えば、差別化という意味で役に立つのは法曹、弁理士、司法書士、外国弁護士など極わずか
    どうでもいい資格をたくさん持っていても、暇人とかマニアだとか言われるだけなので黙っていた方がマシなことすらある。
  • 実績
    可視化された経験、知識をどれだけ世に出したかということ
    差別化という意味でキャッチーなのは書籍の出版など
    業界によってはblogが大きく貢献することも
    経験や知識が豊富でも実績に乏しい人は少なくない
  • 能力
    実務の処理能力
    最も重要だが、最も測定が難しい
    知識が豊富なのに能力に欠ける人は頭でっかちと呼ばれ、経験が豊富なのに能力に欠ける人は老害と呼ばれ、輝かしい資格・実績があるのに能力に欠ける人は見かけ倒しと呼ばれることになるため、これがないと結局どうにもならない
Presentation-1


2.入り口段階における差別化要因と、実務段階での差別化要因
前記1の通り、最も重要な差別化要因である「能力」は、様々な要素が複雑に絡み合って形成されているものなので、入り口段階、すなわち面接のタイミングでは正確に計ることがとても難しいものです。
そんなわけで、入り口段階では「経験」、「資格」、「実績」のような有無や程度がわかりやすい要素の方がより威力を発揮するため、差別化要因というと、これらを思い浮かべがちです。しかし、中に入った後の実務段階では、「能力」以外はほとんど差別化要因として機能しないのが実情です。(弁護士の「資格」と、強力な「実績」は例外。)
この違いを意識せずに、つまり能力以外の要因についてだけ「差別化」をがんばっていると、なんかすごいけど、仕事では使えない人になってしまうおそれがあるんじゃないかと思います。

3.差別化要因の重要性に対する主観と事実との間のギャップ
自分では「ここがアピールポイント」と思っていたのに人からさっぱり評価されなかったり、逆に自分では大したことないと考えていたことが人から高く評価されたりという経験をしたことがある人は結構多いのではないかと思います。これは仕事に限ったことではなく、たとえば恋愛とかでも。
このギャップを自分自身の力だけで埋めることは困難なのですが、すごく手っ取り早く検証する方法があるのをご存知でしょうか。
それは、転職活動をすること、です。
というのは冗談ですけど(本末転倒も甚だしい)、実際、転職活動をすると自分に対する客観的な評価を知ることができるというのは間違いありません。
もし、これから転職活動をする方がいたら、このギャップについて意識すると今後力を入れていく領域を決めるに当たって役に立つんじゃないかって気がします。自分でそんなこと考えて転職したことはないので、気のせいだったらごめんなさい。

4.じゃあ今、具体的に、何をすべきなのか
とはいえ、今転職活動をしている人なんてそう多くはないはずで、しばらく転職活動なんてするつもりがない大多数の人(たとえば僕のように)が今何に着目すべきかをこちらの図(上の図に各要素の源泉となる「業務」「人脈」「勉強」を追加したもの)を使って考えてみました。
Presentation-2



この図をベースに、どの要素がどの要素に寄与しているのかを線でつなぐとこんな感じに・・・


Presentation-3


もうね、一目瞭然。
キーになるのは、「業務」でした。
「業務」が良質であれば、「経験」が蓄積され、「知識」は充実し、「実績」に、そして何より、サバイブしていくために必要不可欠な「能力」も繋がっていく。
そして、「経験」や「能力」、「実績」は、さらなる業務の獲得へつながり、好循環が始まる。

こう書くと、おっさんが若手によく言う「細かいこと考えないで目の前の仕事に集中しろ!」みたいな話にも見えてしまいますが、それともちょっと違います。「良質な業務」でなければ、一生懸命取り組んでも、差別化にはあまり効率的に寄与しないからです(いや、まぁ、根性はつくかもしれませんけど)

じゃあその、「良質な業務」って何なんだ、という話になるわけですが、これもさっきの話の裏返しで、あらたな「経験」や「知識」が増える、つまり未経験の業務で、かつ「実績」に繋がっていく、つまり注目度やニーズの高い業務、ということだろうなと思います。

勉強も、実績づくりも、資格取るのも悪くはないけど、目の前の業務をより良質なものに変えていくことと、担当した良質な業務をしっかり処理することの方が、差別化という意味ではずっと効果的なんじゃないかな、ということですね。



今やっている仕事が良質といえないときはどうするべきかは、引き続き考えてみたいと思いますが、今日のところはこのへんで。

んでは、また。
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あっという間に転職して一ヶ月が経ちました。

こういうのってすぐに忘れてしまうものなので、記憶がフレッシュな今のうちに、この一ヶ月間に意識してきたことを記録に残しておこうと思います。

過去のメールや資料を読み漁る
継続案件を抱えておらず、また受け入れ側の遠慮もあって、着任直後はとにかく時間に余裕が生まれがちです。
こんな時、つい「何かやることありますか」的なことを聞きたくなってしまいますが、受け入れ側からすると正直この質問受けるのって結構キツイんですよね。
どこまで任せられるかわからないから「じゃぁこれよろしく」なんて気軽に言えないし、かといって手頃な仕事を見繕うのもそう簡単じゃない。
過去の経験からこのことが身にしみていたので、時間がある時はひたすら過去のメールを読んでこの会社における法務の立ち位置や回答の温度感を把握することに努めていました。(GoogleApps導入企業でリーガルチェックのやりとりに特定のエイリアスを含めることをルール化している場合、Googleグループから当該エイリアス宛ての過去のメールを全て読むことができます。)
また、雛形を読んでおくのも、会社のスタンスを手っ取り早く把握するために有用です。
同時に、BtoC屋さんだったので、主要なサービスの利用規約を読み込んでおきました。(ただ、これは入社前に済ませておくべきだったかもしれません)


目の前の仕事を早く高品質に仕上げる
転職直後は前職との比較で改善した方が良いように感じる点に気付きやすいもので、それが外の血を入れる意義の一つであることは間違いないのですが、とはいえ会社特有の事情(しがらみとか、過去の経緯とか)に疎いとどうしても的を外しがちであり、また最悪のケースでは周囲の不興を買うことになってしまう場合もあります。
そんなわけで、改善した方が良いと感じた点はメモとして蓄積しておき、折に触れて対応策を検討・ブラッシュアップすると共に、まずは目の前の仕事を早く、そして高品質に仕上げることに集中しました。


中の人になる
転職直後は知り合いがほとんどいない状態からのスタートになりますが、特に依頼者と接するときは意識的に「もう三年前からいますよ」みたいな雰囲気・態度で接するように心がけました。個人的な感覚でしかないんですけど、こうするだけで馴染むスピードが格段に上がるんですよね。
また、転職先の社風のおかげで、入社直後からたくさんの方にランチにお誘いいただき、職種の枠を越えていろいろな方と知り合いになれたのも幸いでした。人の名前をなかなか覚えられないという僕自身の問題と相まって、顔はわかるけど名前がすぐに出てこない人の割合がものすごく高いということは内緒ですよ。



さて、取りあえず大過なく最初の一ヶ月を過ごすことができ、まずは一安心です。
今の悩みは会社の駐輪スペースに空きがなく、チャリ通できないため、体重がもりもり増えていること。
来月には何とかなる予定とのことですが、それまでどこまで太ってしまうのか戦々恐々です。
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76年に1度と言えば、そうですね、ハレー彗星ですね。
20年に1度と言えば、そうですね、伊勢神宮の式年遷宮ですね。
7年に1度と言えば、そうですね、善光寺のご開帳ですね。
3年に1度と言えば、そうですね、kataxさんの転職ですね。

というわけで、本日、7月11日を最終出社日として、また転職することになりました。
誰にも言ってもまったく信じてもらえないのですが、僕はジョブホッパー的に転職を繰り返すことについて1μgたりとも良くは思っておらず、それどころか、できることなら一つの会社にしっかりと根を下ろして働くことの方が、会社にとってはもちろん、本人にとっても良いと心底考えています。
それにもかかわらず、振り返ってみるとほぼ3年に一度の周期で転職を重ねてしまっているのは、偏に「伏せられているカードを目にすると、めくらずにはいられない」、または「得体の知れないスイッチがあるのに気づくと、押さずにはいられない」という僕の性格によるものなのではないかと思います。

あれだよね。
理性って、最終的には本能に勝てないんだよね。
知ってた?

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とはいえ、今回の転職は、年齢的にも(ぼちぼちアラフォー)、重ねてきた転職回数的にも(今回で早くも4回目)、勤務先の業績的にも(前期は過去最高益)、勤務先に対する家族の評価的にも(ワークライフバランスに優れ、家族にも優しい)、いろいろ悩みの多いものでした。
そんなこともあり、妻からは、なぜ今転職しなければならないのか、腰を落ち着けて働くことはできないのか、仕事仲間に迷惑をかけることに罪悪感を覚えないのか、脱いだ靴はちゃんと揃えろ、いい歳してちょこちょこ転職してたら人から信頼を得られるわけがないだろう、トイレの電気はちゃんと消せ、などと何度も問いただされました。
理性ではね、わかってるんですよ。僕だって。
でも、目の前の安定を手放すことができずにこのチャンスを見送ったら、多分後悔するだろうなって思ったんです。そんなわけで何度も話し合いを行い、一度はお断りしようという結論にも至ったのですが(そして実際にお断りの連絡をしてしまったのですが)、いろいろあって最終的にはあらたなチャレンジに一歩踏み出すことになりました。

思い返せば今の勤務先に転職するとき、ここはきっといい会社だと直感的に思ったわけだけれど、結果的にその直感は大当たりでした。
尊敬できる合理的な経営陣、日々降ってくる新しく刺激的な仕事、ビル直結の駐輪場、たのしく思いやりのある同僚、ビル直結の駐輪場、従業員思いの制度、そしてなによりビル直結の駐輪場、どれをとっても本当にすばらしいものでした。
敢えて苦言を呈するとすると、駐輪場がビル直結なのにも関わらず、勤務先のフロアにはエレベーターの乗り換えが必要なことくらいでしょうか。
それくらい、本当にいい会社でした。
3年間の決断は、僕が僕の人生の中で行った中でも最良のものの一つだったと断言できます。
そんな会社を辞めることにした以上、これからは、これまで以上に「選んだ選択肢を正しいものにする」アクションが必要になるのだと思っています。

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結果として、冬から春にかけて面接官としてたずさわっていた採用活動において僕自身が口にしていた「転職回数がやや多いですね」とか、「在籍期間が短めですよね」という言葉達がブーメランとなって鮮やかに額に突き刺さることになった次第ですので、この鋭いブーメランの痛みを忘れられるよう業務に邁進したいと思っています。皆様におかれましては、引き続きご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

なお、次の勤務先はtoCのウェブサービス屋さんです。

ではでは。
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昨日今日と、特に予定もないのにお休みを頂いたので、こんなものを作ってみました。



受付はGoogleフォーム、処理はGoogle Apps Script、生成した利用規約はGoogleドキュメントという、完全にGoogleAppsのみで作ったものなので、意図せずモバイルにも対応してます。それにどれだけ意味があるのかはさておき。

だーっと書いたものなので、生成されるのは読むたびに誤字が見つかる味わい深い利用規約ですが、ともあれ、10時間くらいあればこのくらいのものは一般人でもキャッシュアウトゼロで作れてしまう世界に僕たちは既に生きているわけで、その中で自分の価値がどこにあるのかということを再考する材料としては悪くないんじゃないだろうかと思っています。

もうね、社名略称の当事者定義を甲乙に置換してみたり、業務を委託してる側なのに期限の利益喪失条項を双務に変更してみたりしてる場合じゃないですよ。

なお、一部簡略化したり変更しているところはありますが、生成される利用規約は、例の利用規約本(良いウェブサービスを支える「利用規約」の作り方)に掲載されているひな形がベースになっています。
著者の一人としてこんなことを言うのもアレですが、これ、本当にいい本なので、まだ利用規約本を持っていない方は自宅用と勤務先用と枕用で計3冊ご購入されることを強くお勧めします。
紙の書籍はこちらから、買ってすぐに読めるkindle版はこちらからどうぞ!

ちなみに、kindle版はその性質上枕には適さないのでご注意ください。
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記憶は移ろいやすいもので、時間の経過とともに薄れゆき、場合によっては無意識のうちに書き換えられてしまうことを止めることはできないけれど、書き残したことはそのままの姿でそこにあり続けます。
今朝、あのとき、自分が何を考えていたんだっけとふと思い、久しぶりにtwilogにアクセスし、3年前のtweetを読み返してみました。

当時、僕はビルの17階のオフィスで船に乗っているかのような揺れを感じ、その後、テレビ中継で津波が見知らぬ土地を蹂躙していく様を同僚と一緒に呆然と眺めていました。
携帯は繋がらず、家族の安否がわからない不安。
直後の大きな余震がまた繰り返されるのではないかという不安。
書いてあることとは無関係に、いろいろな記憶が怒濤のようによみがえってきます。

あの地震のあとの最初のtweetは

でした。
その時は、原子力発電所が爆発するということも、膨大な死者・行方不明者がでているということも、3年経っても更地のままの土地がいたるところに残されることになるということも、何も知りませんでした。
大変なことが起きたとは思ってはいたものの、この時点では完全に他人事でした。

翌日、そのまた翌日へと読み進めていくと、当時のねじまがった感覚も蘇ってきました。
ねじまがった感覚というのはつまり、絶望とか焦りとかそういうものに支配されていたのに、言ったり書いたりすることはポジティブなことだけにしなきゃならないと思っていた、ということです。
そうしなければならないと、誰に言われたわけでもないのに。

このエントリーに、オチや教訓やまとめはありません。
3年前に自分が書いたものを読んだら、それがきっかけになって(まるで燃焼反応のように)鮮烈に当時の記憶がよみがえったという、それだけのことです。
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Footprintsで10周年突入エントリーを拝見した直後、isologueにも10周年記念エントリーがあがり、すごい偶然だなーなんて思って自分のエントリーのログをたどってみたら、ここも10年経っていたことを発見。

超不定期更新で、しかも途中で自意識過剰なブログ止める宣言をしてみたりと、果たして「10年続けた」といえるのかは自分でもやや疑問ですが、とにかくまぁ、始めてから10年以上経過して、今でもこうしてたまにエントリーを書いているのは事実な訳です。

昔のエントリーを読み返すと自己評価と実力とのギャップが露になり、枕に顔を埋めて「ヴぁぁぁぁぁぁぁぁぁあlぁl」と絶叫したくなってしまいますが、そのことを10年後の今目の当たりにできるということもブログを書き続けることで得られる価値なのかもしれません。というか、そう考えなければ、「今すぐ開始から5年分くらいのエントリーを一括削除したい」という心の底から突き上がってくる衝動を押さえることができません。

改めて(枕を傍らに置きながら)過去エントリーを読み返すと、これまでの10年は、「今までやったことのないことをやろう」ということを心がけて過ごしたんだな、ということを実感します。
次の10年が経過したあと、昔を振り返って同じような感想を抱くことができたらいいな、と思ったりしました。

そんじゃ、今日も一日がんばりましょう!
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2014年は、「英語をちゃんと使えるレベルに引き上げる」ということに取り組むことにしました。

【やること】
・日本語と英語のどちらでも読める情報は、英語で読む
・ケータイから日本語のエンタメ系コンテンツを削除する
・kindleで英語の本を多読する
・昼休みは英語の勉強(主に単語)に充てる
・平日は最低30分間は英語の勉強(主に文法)に充てる
・休日は最低60分間は英語の勉強(主に多読)に充てる

【達成すること】
・TOEIC(7月)で900点以上とる
・2014年中にDUOに載っている英単語を全て覚える
・2014年中に英語の本を12冊以上読む

それでは、本年もよろしくおねがいします。
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2013年も、もうそろそろ終わりですね。
今年一年を振り返ると、何をおいてもやっぱり 良いウェブサービスを支える「利用規約」の作り方の執筆に参加させていただいたことが最大の出来事だったと思います。
自分で言うのもなんですが、ウェブサービスをリリースしようとされている方や、今まさにウェブサービスを運営されている方にはきっと役に立つ一冊ですので、ぜひお手に取っていただければと思います。

また、「人に仕事を教える」ことにどっぷりつかることになり、その反射として自分の仕事を見つめ直した一年でもありました。

あとは、Advent Calendarですね。
ご参加いただいたみなさん、師走のお忙しい時期にも関わらず快くご協力いただき、ありがとうございました。

なんてことをつらつら書いているうちにもう2013年が終わってしまいそうなので、この辺で。

今年一年、お世話になりました。
来年もよろしくお願いします。

除夜の鐘の順番待ちをしながら。
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このエントリーは法務系Tips Advent Calendar 2013の21日目の記事です。



このエントリーは、Google Appsを導入していない企業や事務所にお勤めの方にはあまり意味のない内容になっています。予めご了承ください。

0.導入
Google Appsに含まれるGoogle Driveには、「フォーム」を作成する機能が含まれています。
この「フォーム」が本来想定している用途は、お問い合わせフォームやアンケートフォームのように、不特定または多数の対象者から広く情報を集めるというものなのですが、実はGoogle Apps Scriptという、JavaScriptをGoogleが拡張したスクリプト言語と組み合わせることで、簡単な「依頼受付システム」の入り口にすることも可能です。
とはいえ、これだけではさっぱりイメージが湧かないと思いますので、実際にサンプルを作ってみました。
今回は、このサンプルをベースにGoogleフォームとGoogle Apps Scriptを利用した「依頼受付システム」のご紹介したいと思います。

1.サンプル
※あくまでサンプルなので、メールアドレスは10 Minute Mailなどのサービスで取得したものを利用することをお勧めします(公開設定のスプレッドシートに記載されてしまいます)


(1)Googleフォームから送信された情報がスプレッドシートに記録される(Googleフォームが元々備えている機能)
※Google Apps for BusinessのGoogleフォームではログインID(メールアドレス)を自動取得するよう設定できるので、フォーム上で依頼者のメールアドレスの記入を求める必要はありません。

(2)フォームからスプレッドシートに情報が登録されると、予めスプレッドシートのスクリプトとして組み込み、フォームから申請を受け付けた際に自動実行するよう設定しておいた「requestReceived」という関数が自動実行される。
【フォームから情報を受け付けた際に自動実行するスクリプトの設定方法】

WS000071

WS000072


(3)requestReceivedが、管理簿用の別のスプレッドシートに必要事項を転記しつつ、依頼者のメールアドレスと処理担当者のエイリアス(今回はrequestreceive20131211@googlegroups.com)に受付メールを送付
ちなみに、requestreceive20131211@googlegroups.comに送付されたメールはこちらから確認可能


なお、Google Apps Scriptを利用すると、上記の処理の他にも、例えば「Googleドライブ上に依頼者と処理担当者が共同編集者に設定されたフォルダを自動作成する」とか、「管理簿上のデータ(例えば仕掛り案件数など)を読み取って受付メールに記載する」などの処理も比較的簡単に実現することが可能です。

JavaScriptを一度も触ったことがないという方にとっては一見意味不明かもしれませんが、難しいこと、複雑なことは一切していませんので、ちょっとした知識を身につけるだけで何をやっているかはすぐにわかるようになるはずです。
わからないなぁという方も、この機会に冬休みの課題としてJavaScriptを触ってみてはいかがでしょうか。
→Codecademy(http://www.codecademy.com/ja/tracks/javascript
→ドットインストール(http://dotinstall.com/lessons/basic_javascript

2.requestReceivedのコード
https://docs.google.com/document/d/1FFBMdX_bCT0CElJu-dSDSklFswR_rNRCIw3OdO88Qsk/edit

3.フォームで依頼を受け付けることで得られるメリット
ここまで読んで、「こんなめんどくさいことをしなくてもメールで依頼を受け付ければいいじゃん」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんので、メールでの依頼受付では実現できないメリットに触れておきたいと思います。

(1)必要な情報を効率的に収集できる
フォームには「必須記載事項」を設定できるため、「依頼時に必要な情報が揃わない」という状況になるのをある程度抑制できます。例えば謄本請求依頼を受ける際に「現在事項?履歴事項?」「コピーでOK?」「3ヶ月以内縛りあり?」といった情報が依頼時についてくるようになるのです。

(2)管理簿を自動作成できる
管理簿を作ることで、業務の繁閑期や担当者の処理件数などの分析や、仕掛り案件の状況把握が容易になりますが、その一方で、管理簿に全ての受付案件を登録することは面倒です。
フォームとGoogle Apps Scriptを組み合わせることで、この管理簿への登録処理の多くを自動化することが可能になります。

(3)依頼の見落としを防げる
メールによる依頼は、他のメールに埋もれて見落としてしまう可能性がありますが、フォームとGoogle Apps Scriptを組み合わせることにより、
1.管理簿に自動的に転記される
2.所定のタグを本文や件名に埋め込むことにより、非常に精度の高いメール振り分けが可能になる
という2点から、依頼を受けたのに見落としていた、という事態を防ぐことができます。

(4)依頼者の安心感につながる
一日に何件も新規依頼を受け付ける場合には、受け付けた時点で受付メールを手動送信するのは面倒です。
他方で、依頼後になんのリアクションもないと、依頼者は「依頼した件、ちゃんと処理を開始してもらえたのだろうか」という不安を抱くものです。
フォームとGoogle Apps Scriptを組み合わせることで受付メールを自動送付できるようになるため、依頼者の安心感にもつながります。

(5)組織としての対応が容易になる
メールは基本的に個人が個人に送付するものなので、メールで依頼を受け付ける仕組みでは、どうしても自分の知っている担当者個人に宛てて依頼をしてしまい、担当ローテーションの妨げになってしまったり、ノウハウの属人化の一因になってしまう可能性があります。
フォーム経由の依頼は「個人宛て」のイメージを伴わないため、組織としての対応が容易になります。


やっていることは単純なので、最初の一歩さえ踏み出してしまえば思いのほか簡単に扱えるようになるGoogleフォーム+Google Apps Scriptでの依頼受付システム。
プログラミングが必要というだけで毛嫌いせずに、ぜひチャレンジしてみることをお勧めします。

上記のメリットの他にも、事前の準備をせずに手っ取り早くプログラミングの楽しさを味わえるという点も見逃せないポイントです。


というわけで、法務系Advent Calendar21日目は以上で終わりです。
明日はyoucutherhairさんです。
よろしくおねがいします〜
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このエントリーは法務系Tips Advent Calendar 2013の1日目の記事です。



いよいよ始まりました法務系Advent Calendar。
いつものこととはいえ今回も事前調整ゼロで見切り発車したわけですが、いやぁ、なんとかなるものですね。この世界は優しさで満ち溢れているようです。

さてさて、早速ですが、本題に入ります。
今日のテーマは「ランチャーアプリ『Launchy』を使って快適な法務生活を送ろう!」です。

1.Launchyって何よ
Launchyの基本的な機能は、ランチャーというからには当然ではありますが、「指定されたファイルを開く」というもの。
一般的にランチャーというと、メニューから開くファイルを選択する「メニュー型のランチャー」と、キーボードでファイル名を打ち込んで開くファイルを選択する「コマンドライン型(キーストローク型)のランチャー」の2つに大きく分けることができますが、Launchyは後者の「コマンドライン型のランチャー」です。
Launchyを起動すると、Alt+スペース(僕はCtlr+スペースの方が使いやすいので変更してます)でLaunchyの検索ウィンドウをポップアップさせることができるようになります。
そして、その検索ウィンドウに「chr」と打つとGoogle Chromeがサジェストされ、エンターを押すとChromeが立ち上げることができるといった具合に利用します。
Launchyが対象とするのはファイルだけではなく、ウェブページやコントロールパネルも含まれます。

2.で、そのLaunchyと法務の業務がどう関係すんの?
アプリケーションを立ち上げるだけなら、正直なところ法務にとってコマンドラインランチャーを使う意味はあまり大きくはないかもしれません。
必須アプリケーションであるブラウザもWordも、朝から晩まで起動しっぱなしですもんね。普通。せいぜい、マウスに手を伸ばさずにPDICを立ちあげられるくらいでしょうか。
ですが、ファイルやフォルダの命名規則をしっかり定めている会社では、こいつが法務業務で大活躍することになるわけです。

3.え?とういうこと?
抽象的な話ではイマイチわかりづらいと思うので、とある会社の話を具体例にします。
その会社では、リーガルチェックを受け付けると自動的に「管理簿への登録」「採番」「共有フォルダ作成」が行われます。
そして、その共有フォルダのフォルダ名は、「【管理番号】相手方名_案件サマリー」と設定されます。「【123】株式会社ホニャララ_占い師へのコンサルティング契約」みたいな感じですね。
んで、Launchyの設定で、共有フォルダの親フォルダを検索先として設定しておくとしましょう。
するとどうなるかというと、「この前返してもらった株式会社ホニャララとのコンサル契約になんだけど、占いが外れた時の損害賠償責任についてちょっと聞いていい?」なんて内線がかかってきたとき、「Alt+スペース」→「ホニャララ」で、「【123】株式会社ホニャララ_占い師へのコンサルティング契約」のフォルダがサジェストされ、即座に契約書案を確認できる状態になるわけです。
WS000065

もちろん、「ホニャララ」が付くファイルやフォルダが複数あれば複数サジェストされてしまいますが、その会社ではフォルダ名と同じものを案件のやり取りのメールの件名にするというルールが徹底されており、「それって何番のホニャララ案件ですか?」と聞くと「123のやつ」と答えが帰ってくるので、今度は「Alt+スペース」→「123」でドンピシャのフォルダがサジェストされます。

さらに、その会社では、締結済みの契約書は全てPDF化され、「管理番号_締結日_社名_タイトル」というファイル名が付されることになっています。
ということは・・・もうわかりますよね。「去年の今頃ホニャララと締結した業務委託契約の期間を2ヶ月延ばして対価を1.2倍にする覚書を作って」という依頼を受けたとき、原契約を2秒で探せるわけです。それどころか、Launchyは1行電卓の機能もあるので「対価975万円の1.2倍を知りたい」場合には、「Alt+スペース」→「975*1.2」と打ち込むと、Launchyのウィンドウ上には「1,170」と表示されているというわけです。(+エンターでクリップボードにコピーされます)
WS000063

細かい話ですが、よく使う2号文書の印紙税額のリストはinshi.txtというフォルダに転記してあるので2秒で印紙税額を確認できますし、ウェブページを登録できるプラグイン(weby)にグループミーティング用資料のGoogleスプレッドシートのURLを登録しているのでこちらも2秒で更新に取り掛かれますし、Googleと打った後にTabでGoogle検索もできます。

4.そこまで言うなら使ってみるか・・・
Launchyは、http://www.launchy.net/からダウンロードすることが可能です。
スキンを適用することで見た目をガラッと変えることもできるので、ぜひ自分好みのスキンを探してみてください。(僕は、Loupeというスキンを愛用してます。)

というわけで、法務系Advent Calendar一日目は以上で終わりです。
二日目は「世界が滅びても毎日更新されるのではないか」とまことしやかにささやかれているdtkさんです。
よろしくおねがいします〜
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