企業法務マンサバイバル(通称マンサバ)のエントリー”法務パーソンにとっての「差別化」”を読んで気づいた事についてのメモ。
1.そもそも差別化要因にはどんなものがあるのか
細かく言えばキリはないのでしょうが、大きく括ってしまうと重要なのは「知識」「経験」「資格」「実績」「能力」の五つに分けられんじゃないかと思っています。(年齢はアンコントローラブルなのでここでは除外)
2.入り口段階における差別化要因と、実務段階での差別化要因
前記1の通り、最も重要な差別化要因である「能力」は、様々な要素が複雑に絡み合って形成されているものなので、入り口段階、すなわち面接のタイミングでは正確に計ることがとても難しいものです。
そんなわけで、入り口段階では「経験」、「資格」、「実績」のような有無や程度がわかりやすい要素の方がより威力を発揮するため、差別化要因というと、これらを思い浮かべがちです。しかし、中に入った後の実務段階では、「能力」以外はほとんど差別化要因として機能しないのが実情です。(弁護士の「資格」と、強力な「実績」は例外。)
この違いを意識せずに、つまり能力以外の要因についてだけ「差別化」をがんばっていると、なんかすごいけど、仕事では使えない人になってしまうおそれがあるんじゃないかと思います。
3.差別化要因の重要性に対する主観と事実との間のギャップ
自分では「ここがアピールポイント」と思っていたのに人からさっぱり評価されなかったり、逆に自分では大したことないと考えていたことが人から高く評価されたりという経験をしたことがある人は結構多いのではないかと思います。これは仕事に限ったことではなく、たとえば恋愛とかでも。
このギャップを自分自身の力だけで埋めることは困難なのですが、すごく手っ取り早く検証する方法があるのをご存知でしょうか。
それは、転職活動をすること、です。
というのは冗談ですけど(本末転倒も甚だしい)、実際、転職活動をすると自分に対する客観的な評価を知ることができるというのは間違いありません。
もし、これから転職活動をする方がいたら、このギャップについて意識すると今後力を入れていく領域を決めるに当たって役に立つんじゃないかって気がします。自分でそんなこと考えて転職したことはないので、気のせいだったらごめんなさい。
4.じゃあ今、具体的に、何をすべきなのか
とはいえ、今転職活動をしている人なんてそう多くはないはずで、しばらく転職活動なんてするつもりがない大多数の人(たとえば僕のように)が今何に着目すべきかをこちらの図(上の図に各要素の源泉となる「業務」「人脈」「勉強」を追加したもの)を使って考えてみました。
この図をベースに、どの要素がどの要素に寄与しているのかを線でつなぐとこんな感じに・・・
もうね、一目瞭然。
キーになるのは、「業務」でした。
「業務」が良質であれば、「経験」が蓄積され、「知識」は充実し、「実績」に、そして何より、サバイブしていくために必要不可欠な「能力」も繋がっていく。
そして、「経験」や「能力」、「実績」は、さらなる業務の獲得へつながり、好循環が始まる。
こう書くと、おっさんが若手によく言う「細かいこと考えないで目の前の仕事に集中しろ!」みたいな話にも見えてしまいますが、それともちょっと違います。「良質な業務」でなければ、一生懸命取り組んでも、差別化にはあまり効率的に寄与しないからです(いや、まぁ、根性はつくかもしれませんけど)
じゃあその、「良質な業務」って何なんだ、という話になるわけですが、これもさっきの話の裏返しで、あらたな「経験」や「知識」が増える、つまり未経験の業務で、かつ「実績」に繋がっていく、つまり注目度やニーズの高い業務、ということだろうなと思います。
勉強も、実績づくりも、資格取るのも悪くはないけど、目の前の業務をより良質なものに変えていくことと、担当した良質な業務をしっかり処理することの方が、差別化という意味ではずっと効果的なんじゃないかな、ということですね。
今やっている仕事が良質といえないときはどうするべきかは、引き続き考えてみたいと思いますが、今日のところはこのへんで。
んでは、また。
今回のマンサバのエントリーを読んで気づいたことが二つあって、一つは人材の差別化要因は、入り口段階とは別に、その後の評価という面からも考える必要があって、それらはかなり違いそうということ。もう一つは、差別化要因の重要性に対する主観と事実との間には大きなギャップがありそうということ
— Genichi Kataoka (@katax) 2014, 8月 23
1.そもそも差別化要因にはどんなものがあるのか
細かく言えばキリはないのでしょうが、大きく括ってしまうと重要なのは「知識」「経験」「資格」「実績」「能力」の五つに分けられんじゃないかと思っています。(年齢はアンコントローラブルなのでここでは除外)
- 知識
どれだけ知っているかということ
対象は法律であったり、実務であったり、現場だったりと、様々
幅と深さが問われる
勉強で得られる知識と業務を通じて得られる知識は、どちらも同じくらいに重要
- 経験
どれだけやったことがあるかということ
こちらも幅と深さが問われる
経験を抽象化すると知識に転化する
- 資格
文字通り
法務に限って言えば、差別化という意味で役に立つのは法曹、弁理士、司法書士、外国弁護士など極わずか
どうでもいい資格をたくさん持っていても、暇人とかマニアだとか言われるだけなので黙っていた方がマシなことすらある。
- 実績
可視化された経験、知識をどれだけ世に出したかということ
差別化という意味でキャッチーなのは書籍の出版など
業界によってはblogが大きく貢献することも
経験や知識が豊富でも実績に乏しい人は少なくない
- 能力
実務の処理能力
最も重要だが、最も測定が難しい
知識が豊富なのに能力に欠ける人は頭でっかちと呼ばれ、経験が豊富なのに能力に欠ける人は老害と呼ばれ、輝かしい資格・実績があるのに能力に欠ける人は見かけ倒しと呼ばれることになるため、これがないと結局どうにもならない
2.入り口段階における差別化要因と、実務段階での差別化要因
前記1の通り、最も重要な差別化要因である「能力」は、様々な要素が複雑に絡み合って形成されているものなので、入り口段階、すなわち面接のタイミングでは正確に計ることがとても難しいものです。
そんなわけで、入り口段階では「経験」、「資格」、「実績」のような有無や程度がわかりやすい要素の方がより威力を発揮するため、差別化要因というと、これらを思い浮かべがちです。しかし、中に入った後の実務段階では、「能力」以外はほとんど差別化要因として機能しないのが実情です。(弁護士の「資格」と、強力な「実績」は例外。)
この違いを意識せずに、つまり能力以外の要因についてだけ「差別化」をがんばっていると、なんかすごいけど、仕事では使えない人になってしまうおそれがあるんじゃないかと思います。
3.差別化要因の重要性に対する主観と事実との間のギャップ
自分では「ここがアピールポイント」と思っていたのに人からさっぱり評価されなかったり、逆に自分では大したことないと考えていたことが人から高く評価されたりという経験をしたことがある人は結構多いのではないかと思います。これは仕事に限ったことではなく、たとえば恋愛とかでも。
このギャップを自分自身の力だけで埋めることは困難なのですが、すごく手っ取り早く検証する方法があるのをご存知でしょうか。
それは、転職活動をすること、です。
というのは冗談ですけど(本末転倒も甚だしい)、実際、転職活動をすると自分に対する客観的な評価を知ることができるというのは間違いありません。
もし、これから転職活動をする方がいたら、このギャップについて意識すると今後力を入れていく領域を決めるに当たって役に立つんじゃないかって気がします。自分でそんなこと考えて転職したことはないので、気のせいだったらごめんなさい。
4.じゃあ今、具体的に、何をすべきなのか
とはいえ、今転職活動をしている人なんてそう多くはないはずで、しばらく転職活動なんてするつもりがない大多数の人(たとえば僕のように)が今何に着目すべきかをこちらの図(上の図に各要素の源泉となる「業務」「人脈」「勉強」を追加したもの)を使って考えてみました。
この図をベースに、どの要素がどの要素に寄与しているのかを線でつなぐとこんな感じに・・・
もうね、一目瞭然。
キーになるのは、「業務」でした。
「業務」が良質であれば、「経験」が蓄積され、「知識」は充実し、「実績」に、そして何より、サバイブしていくために必要不可欠な「能力」も繋がっていく。
そして、「経験」や「能力」、「実績」は、さらなる業務の獲得へつながり、好循環が始まる。
こう書くと、おっさんが若手によく言う「細かいこと考えないで目の前の仕事に集中しろ!」みたいな話にも見えてしまいますが、それともちょっと違います。「良質な業務」でなければ、一生懸命取り組んでも、差別化にはあまり効率的に寄与しないからです(いや、まぁ、根性はつくかもしれませんけど)
じゃあその、「良質な業務」って何なんだ、という話になるわけですが、これもさっきの話の裏返しで、あらたな「経験」や「知識」が増える、つまり未経験の業務で、かつ「実績」に繋がっていく、つまり注目度やニーズの高い業務、ということだろうなと思います。
勉強も、実績づくりも、資格取るのも悪くはないけど、目の前の業務をより良質なものに変えていくことと、担当した良質な業務をしっかり処理することの方が、差別化という意味ではずっと効果的なんじゃないかな、ということですね。
今やっている仕事が良質といえないときはどうするべきかは、引き続き考えてみたいと思いますが、今日のところはこのへんで。
んでは、また。