Audibleとの最初の出会いは、チケット制(月に1冊相当のチケットをもらえる月額制)だったころ、英語学習用に洋書を流し聞きするために登録したことだったんだけど、このときは通勤時間を聞く時間に充てていたのでいまいち集中できず、コスパの悪さも相まって半年くらいで退会してしまった。
その後、聴き放題になったことをきっかけに再開してみたところ、これがランニングのお供として最適だということに気づいた。

良いと思ったポイントはいつくかあって、まずひとつ目はAppleWatchだけで聴けること。ランニングにiPhone本体はもって行きたくないので、AppleWatchアプリがあって、AppleWatchだけでさくっと聴けるのはすごく楽。事前に同期しておかなければならないのは手間ではあるものの、1冊聞き終えるのに数日はかかるので、同期するのは1ヶ月に1回も無いくらいで済むからあまり気にならない。数ヶ月前からAppleWathcアプリのバージョンアップに伴って倍速再生ができなくなり、使い物にならなくなっていたんだけど(1.7倍くらいで聞かないと読み上げが遅すぎるのです)、最近解消された。

次に、ラインナップがかなり充実していること。
Audibleのサイトを見ると分かる通り、話題になったビジネス書がかなりの確立で収録されているし、僕はあまり聞かないんだけど小説も話題作は結構はいっている感触。
あと、ビジネス書は今読む必要性があるわけではないので積みがちなジャンルだと思うんだけど、ランニング起点で読み進められるので、積まずに済むというのも良いポイントだと思う。

そして、ランニングと聞く読書の相性が抜群に良いこと。通勤時間はつい携帯を見たり、仕事のことを考えたりしてしまって意識が別のところに行きがちだけど、ランニング中は外からの刺激が少ないので本から意識が逸れにくいし、ある程度まとまった時間同じ行為を続けるので細切れになりにくい。CMではランニング以外に家事をしながら聞いているシーンも使われているけど、ランニングのような同じ単純作業を長時間するわけではないので、集中するのは結構難しいんじゃないだろうか。

こんな感じで今年いろいろな本を聞いたんだけど、中でも良かったものをいくつかご紹介します。

三体シリーズ
いわずと知れた三体三部作に加えて、公認されたファンブック?の三体Xも聴き放題。めちゃくちゃ長いので、本だと相当気合を入れないと読み始める気になれないんじゃないかと思う。
これを三体を聞いていた期間は、地球外生命体が存在することが当然の事実として自分の中で認識されていたし、今でもそういう感覚はそこそこ残っている。本格SFを読んだことがなかったので、インパクトがより大きかったのかも知れないけど、読了後の感想は「すごいものを読んでしまった」。

起業の天才!―江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男
経営者の軌跡を追った本は好きなジャンルの一つなんだけど、そういう好みの問題を超えて抜群におもしろかった。リクルートがつまづきながらも成功して大きくなるサクセスストーリーだけでなく、その後の孤立やリクルート事件を巡る駆け引きも生々しく描かれていて、ドラマがあった。

アナロジー思考
伝わりにくい例え話をすることに定評のある私ですが、例え話が好きな理由を自覚できたのはこちらの本を聞いたから。
事象の抽象化と共通点の抽出を通じて、全然関係なさそうな2つの物事に強い共通性があることを発見したときの快感を共有したいってことなんだけど、なかなかわかってもらえずに悲しい思いをしているので、みんなもこれを聞いて伝わりにくい例え話を好きになってほしい。

ストーリーとしての競争戦略
戦略の競争力を、因果関係の太さと長さで説明してくれる。
↑のアナロジー思考とも通じるなるほどね、感があった。

ランニングしていてAppleWatchもってる方には、Audibleおすすめです!

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このエントリーは、はるたろうさんのリクエストにお応えしてお送りします。

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しくじり法務先生とは、テレビ朝日の番組「しくじり先生」のフォーマットに乗っかって、法務担当者が過去の失敗談とそこから得た学びを共有する法務互助会内のイベントで、2022年7月からいつものとおり思いつきで始まり、2022年は4回開催されました。(第5回の開催も決まっています。)
【第1回のスライドから抜粋】
スクリーンショット 2022-12-25 22.18.04

はじめたきっかけは、前述のとおり思いつきなのですが、これには実は原型があり、それはリモートワークが本格化したタイミングで始まった朝会のおまけコンテンツでした。
この朝会は、出社が減ったことによるコミュニケーション不足を補うために始まったものだったのですが、業務連絡だとコミュニケーションが発生しにくいので、朝会の最後にコラム的なちょっといい話をしようぜ、ということになり、そこで僕が過去の失敗談と学びを何度か話したところ結構盛り上がったので、色んな会社の法務の人からも聞きたいなと思って始めてみたといったところです。

効果ですが、過去の失敗とそこから得た学びを資料にまとめるという営みは、かさぶたを剥がすような痛みを伴う反面、原因とまなびを言語化する過程で必ず丹念な振り返りをすることになるので、発表者にとっては強い学びの機会になるように感じます。漠然と「あのときはうまくいかなかったなぁ」と思っているだけでは到底見つけられなかった教訓を引き出せたという実感があったのは、僕以外の3人の発表者の方も同じなんじゃないでしょうか。
あとは、(こんな言い方をするのもどうかと思いますが)人の失敗談はそれ自体エンタメなので、聞き手にとっておもしろく、かつ学びもある良質なコンテンツのある程度決まったフォーマットで(=自分で工夫を凝らさなくても)提供できるというところも大きいと思います。一言でいうと、資料を作るのがかなり楽です。こういうのを目の当たりにすると、昨今は若者は全然見てないとか斜陽産業と言われがちですが、やっぱりテレビの企画力ってすごいなぁって思いますね。


最後に、しくじり法務先生で発表されたこちらのメッセージを共有して締めようと思います(これは、書籍や映像作品も含めた2022年に見聞きしたセンテンスのうち、最も心に残ったものです)


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昨日ポストしたエントリー(法務部門長のおしごと)は、実は20時にそれまで書いていた草稿を捨ててがーっと書いたものだったのですが、捨てた方もせっかくなので#LegalAC外でひっそりポストしておこうと思います。
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法務部門長になる道筋


法務に限らず、部門長の求人は、原則として現任の部門長か、部門長の経験者であることが要件になっていることがほとんどなので、「なりかた」という意味では、現実的な答えとしては昇格するしかありません。
参考:

そこで、まず把握しなければならないのは、状況的に、あなたが法務部門長に昇格できる可能性はあるのか、です。まず、以下のマトリックスをご覧ください。
matrix
「次の部門長候補」は、上長から特命的なミッションを依頼されたり、上長の不在時に決裁の代理や会議のファシリテーションをすることが(同僚からではなく)上長から期待されている人です。多くの組織では「候補」が明確なことが多いのではないかと思います。

AまたはBの場合


上記のマトリックスに当てはめて、Aの環境にいる人が自分の努力だけで法務部門長になるのが難しいということについて、特段の説明は不要でしょう。また、Bの環境にいる人も、「候補」が次の法務部門長になることが見えている以上、Aの人と状況に大差はありません。
つまり、「候補」になれていないAまたはBの方は、そのままでは何年経っても法務部門長になれないと考える必要があります。

そこで問題になるのが、「候補」になる方法です。
これについては、ある程度合理的に運営されている組織においては、身も蓋もない話ですが、チーム内で最も高いパフォーマンスを発揮し続けることしかないと思っています。ただ、ポイントなのは、ここでいうパフォーマンスの高さは、あなたの自己評価も、依頼者からの評価も、同僚からの評価も無関係で、評価者から見たパフォーマンスの高さだということです。
特にBの環境では現任の法務部門長がいないため、被評価者からの評価と自己評価も含む法務内の評価との間にギャップが生じることが少なくありません。しかし、こと「候補」になることを目指す場面では、「評価者がわかっていない」ではなく、「自分が評価されるポイントを把握できていない」という発想を持たなければ、このギャップを埋めることは難しいのですが、ここはなかなか理解を得にくいポイントであるように感じます。(諦めてしまったり不満を抱くだけで、堂々巡り・足踏み状態になってしまう人が少なくない。そうさせてしまうのは上長の責任でもあるのですが…)

Dの場合


では、「候補」でもあり、現任の法務部門長もいないDのようなケースは安泰かというと、そうとも言えません。Dは、組織としてはあなたを法務部門長にする余地があるにも関わらず、そうしていないという状態だからです。
Dの状態にある方への処方箋としては、まずは意志の表明、つまり、上長との1on1や、目標設定の場で法務部門長を目指すという意志を表明するということをお勧めします。能力的に問題ない場合には、案外するっとなれたりすることも少なくありません。自分のキャリアを、自分以上に真剣に考えている人はいないのです。がんばっていれば人は見ていてくれるという考えは美しいですが、ある種の甘えも含んでいるということもまた事実だと思うのです。

仮に、能力的に足りない部分があるなどの部門長に昇格させられない理由がある場合でも、意志を表明することでクリアすべき課題を明確にしてもらえることや、そのための助言や支援を受けやすくなるので、やって損はありません。
なお、事実上法務の責任者であるにも関わらず、部門長の役職を付与されない結果としてDになっている場合は、対外交渉の際に肩書があると便利とか、親が喜ぶとか、年始のおみくじにかいてあったとか、何でも良いので理由をつけて肩書を貰ってしまうことをお勧めします。冒頭で書いたとおり、「部門長の求人は、原則として現任の部門長か、部門長の経験者であることが要件になっている」ので、肩書がないと転職のときにハンディキャップを負うことになってしまうからです。

Cの場合


Cの中には、仮に現任の法務部門長がいなくても法務部門長に選任されない人と、現任の法務部門長がいなければ後任として昇格する人が含まれ、前者については前述のDのアドバイスがそのまま当てはまります。
後者については、上が詰まっていない会社に転職するのも悪くはありませんが、転職先で再度「候補」になれるとは限りません。その人が活躍できるかは、その人自身の能力と同じくらい、ときにはそれ以上に、環境(上司・同僚との相性、カルチャー、規模など)に左右されるということには注意が必要です。(ちなみに、募集要項の「マネージャー候補」という記載は、現時点でマネージャーや強い「候補」がいないことと、この採用では「候補」になれそうな人を採りたいという募集企業の意向を示しているだけであり、採用された人が「候補」になれることを約束するものではないことにも注意が必要です。)

そのため、一番におすすめしたいのは、いずれは部門長になりたいという意志を表明しつつ、部門長の右腕に徹することです。あなたが「候補」である限り、権限移譲や陪席という形で部門長の業務に携わったり至近距離で見たりする機会は少なくないはずで、それは座学では絶対に得られない学びの機会になります。
そうは言っても、現任の法務部門長がいる限り、自分がその席に座ることはないじゃないかというのはそのとおりではあるのですが、あなたが活躍すればするほど、現任の法務部門長が更に昇格する(その結果席があなたに回ってくる)チャンスも増えますし、そうでなくてもあなたのためにポジションが作られたり、役職がつくことは大いに期待できるのです(それが転職の際に武器になるのは前述の通り)

おわりに


向き不向きはあるにせよ、マネージャーという仕事には、一生をかけて取り組むに値するおもしろさがあると思っているので、将来どうしようかなーと思っている人がとりあえず目指す選択肢としてはありじゃないかな、と思ってこれを書きました。
ただ、多分大企業だとこんな単純な話ではないんでしょうね。
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このエントリーは、法務系Advent Calendar 2022の23日目のエントリーです。
TMIの大井先生からバトンを受け取りました。

はじめに


以前、twitterで法務担当者向けにキャリアの仕上がりの理想についてアンケートをとった際に、最も票数を獲得したのは法務部門の責任者でした。


それにもかかわらず、これまで法務部門長のしごとの全体像についてはあまり語られてこなかったのではないかと思います(単に僕が知らなかっただけだったらごめんなさい)。

そこで、今年の #LegalAC では、これまでのマネージャー業の棚卸しの意味も込めて、法務部門長のしごとを取り上げてみることにしました。

アウトライン


本稿では、法務部門長のしごとを、「チームを作る」と「チームを動かす」の2つに大きく分けました。
そして、さらに、「チームを作る」は「採用」と「育成」と「カルチャー作り」に、「チームを動かす」は「目標の設定」と「予算の策定」と「モチベート」と「アサイン」と「評価」に分けています。

チームを作る

採用


チームを作る第一歩は、当然ながら採用です。
採用というと、「選考を通じて良い人を選ぶ業務」を想起してしまいますが、待ちの姿勢だけで自分の思い描くチームを作るのは、会社の魅力がとても高いような例外を除けば難しいはずです。そのため、この人と一緒に働きたいと思える人を普段から探し続けること、出会った良い人とつながりを持つことなども大切になります。
法務の採用については、私が法務マネージャーの範として私淑しているVISIONALの小田さんの全人格的な採用スタンスをロールモデルにしています。
全人格的ということは、取り繕えないということでもあるので、後述するカルチャー作りから採用は始まっているという言い方もできるのではないかと思います。

育成


育成といっても、知識やスキルを直接教えることは誰でもできる以上、法務部門長のしごとというには語弊がありそうです。
では、何が法務部門長が取り組むべき育成なのかというと、それは、メンバー自身の成長を後押しすることだと思っています。
成長を後押しするといっても、直接インプットを求めるようなことは逆効果です(そういうことを言いたくなったら、学生時代に、親から「勉強しなさい」と言われたときの気持ちを思い出してくださいね。)。
そもそも、やる人は言われなくてもやるし、やらない人は何を言われてもやらないのがスタート地点です。だとすると、法務部門長が取り組むべきことは、小さな成長を見逃さずに称賛したり、できることを増やそうと努力することはいいことだというムードをつくったりすることを通じて、「やる人」になってもらうことかな、と。
最初から「やる人」を採ることも重要なので、採用とも密接に繋がっていますし、ムード作りという意味では後述するカルチャー作りにも繋がっています。また、めんどくさいことを言われずに必要な研修の受講や書籍購入ができるようにするという意味では、予算の策定も影響してきます。

カルチャー作り


カルチャーは、常にそこにあるものだと思うので、カルチャー作りというよりカルチャー変革と言った方がしっくり来るのですが、やや大仰になってしまうので、カルチャー作りとしています。
これは、行動指針や業務ルールの策定、日々のフィードバックなどを通じて組織のムードを変えていくという仕事です。
カルチャーづくりにおいて気をつけなければならないのは、居心地の良さや仲の良さみたいななんとなく良さそうなものではなく、組織目標を達成するために必要なカルチャーを定義し、それを目指すことだと思っています。
なお、良いカルチャーも、たった一人の声の大きな冷笑家や評論家が入ってくるだけであっという間に崩れ去ってしまうものなので、採用の際にはカルチャーブレイカーではないかをよく確認する必要があります。

チームを動かす

組織目標の設定


組織として何を目指すのかを定めて明示するのが、目標の設定です。
法務がどの方向に向かうのかを示す旗印になる目標や、個人の目標策定の際に依拠できるのが良い組織目標だと思ってはいますが、なかなか難しいんですよね。
チームのミッションの策定も、組織目標に含んでいます。

予算の策定


何にいくら使うのかをスプレッドシートに書くことは最終的な作業で、実のところいちばん大切なのは、予算枠をとってくることだったりします。
予算枠はある程度の柔軟性はあるものの性質としてはゼロサムゲームなので、「お前が必要と言うならそうなんだろう」と決裁者に思ってもらえる信頼関係がとても重要になります。
予算がなければ採用もできないので、予算の策定は採用と密接に関連します。

アサイン


アサインも、本人の希望と業務をすり合わせて担当を割り振るだけでは不十分です。
例えば、権限移譲を通じて成長を促したり、高頻度のローテーションで変化を当然のこととして受け入れるカルチャーを育んだりすることもアサインのしごとに含まれます。
また、本人が気づいていない「向いている業務」の発見を手伝うことも、アサインによって実現できることの一つです。

モチベート


やる気の有無でパフォーマンスは大きく変わり、部門長の振る舞いによってメンバーのパフォーマンスは大きく変わるという意味で、メンバーのモチベートは部門長の最重要業務の一つです。
褒めてやる気にさせる、みたいな小手先のテクニックではなく(そういうのはたいてい透けて見えちゃうものなんですよね)、カルチャーや組織目標への共感や、成長実感などでモチベートできるようになると、好循環が回り始めるのでぜひそういう状態を目指したいですね。

評価


目標設定の段階で達成できた場合の評価について認識合わせをするという意味で、目標設定も評価の一部に含んでいます。
評価は育成、カルチャー作り、組織目標の設定、アサイン、モチベートと密接に関連しているものなので、評価は部門長の業務の集大成と言えるものだと思います。
例えば、評価を通じて「来期はこれに取り組もう」ということに合意できれば、メンバーは「これ」をうまく進められるように努力をしてくれるかもしれませんし、率直なフィードバックを受け入れるカルチャーを作れていれば、傷つけないように過度に配慮するあまり何のダメ出しをしているのかわからないという状態を避けられるかもしれません、と言った具合に。
別の言い方をすれば、評価をいい感じに回せているかは、部門長のしごとをうまくやれているかを端的にあらわしているのかもしれません。

おわりに


もし、このエントリーを読んで部門長の仕事っておもしろそうだな、とか、出世に興味なかったけど、ちょっと目指してみようかな、なんて思ってくれる方が一人でも出てくれたらめっちゃ嬉しいです。
感想、反論、励まし、一緒に働きたいというお申し出は、@kataxまたはマシュマロまで!
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1ヶ月前、facebookで衝撃的な投稿を見かけた。
GMOインターネットグループ監査等委員取締役の橘さんが逝去されたとの、奥様による代理投稿。
追って、GMOから、プレスリリースも出された。

僕は、橘さんとそれほど親しくお付き合いをさせていただいていたわけではない。にもかかわらず、一方的に頼れる兄貴分のような信頼感を抱いていた。
飄々としていて、真面目な顔でおもしろいことを言い、教えを請えば快く応じてくださる方だった。
一度、職務発明制度を作るためにお話をお伺いした後、ランチをご一緒させていただいたことがあった。貴重なお話をお伺いさせていただいたこともあるし、そもそもこちらからお声掛けしてお時間を頂いたので、せめてランチ代くらいは持たせてくださいとお伝えしたら、おどけた調子で「こういうものはおとなしく払わせておけ」と訳のわからないことをいわれて結局ごちそうになってしまった。
LTのイベントをやるから何か喋ってくださいとお願いしたら、二つ返事で引き受けてくださり、抜群におもしろいLTをしてくださった。

GMOの開示には、同種の開示では見かけたことのない一言が添えられている。
人間味溢れる優しいお人柄は、共に働く仲間たちの心のよりどころとして前進する力を与えてくれました
という一文が、それだ。

繰り返しになるけど、僕は橘さんとそれほど親しくお付き合いをさせていただいていたわけではない。でも、このIRをみて、僕も、橘さんのような人になりたいって衝動的に思ったんですよ。ほんとうに。衝動的に。

橘さん、ありがとうございました。
あなたは、おもしろくて、かっこよくて、頼れる兄貴でした。
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はじめに


弁護士さんからみた企業法務担当者の困る行動について、Googleフォームでご意見募集をしたところ、意外にたくさんの投稿をいただけたのでまとめてみました。

こんな法務担当者は困る


締め切り設定の問題


当日締め切りや金曜夜に月曜朝指定などの超タイトな期限設定は当然不評。
0営業日発注
ショートノーティスの依頼
納期が急
当日中や明朝までの回答を求められること。
会議や他の急ぎの案件で日中はスケジュールが既に埋まっていることもあり、夜も家族の都合があるので(子供の迎えや寝かしつけなど)かなり迷惑です。
「いつも急なご相談ですみません」などの一文が添えられていたとしても、あまりにも頻回だと依頼を受けたくなくなります。

なお、急ぎの理由が不合理だったり、その後の対応が雑だと、困るというより辟易しているという温度感に。
「急ぎ」「大至急」がデフォになっている。そして、ファイルを開くと先方のコメントなどの日付が古くて、滞留していたことがうかがえる。
急ぎです!とか「至急」というのを必ずつけてくる人。そして急ぎ対応したのに、あとで「金額が間違っていたのでやり直したいです。」とか言ってくる人。
急ぎで回答くれ、と言って内容不十分な質問メールを投げてきたので、当該不十分な内容について質問するメールを即座に返信したのに、なんらレスがない
納期が急すぎる(明日、明後日まで)

締め切り設定そのものが悪いわけではなく、タイトでないなら逆に助かるよ、というコメントも頂いています。
「明後日中」「1週間後まで」などのリーズナブルな期限設定であれば、むしろ期限を設定していただいた方が助かります!こちらも優先順位をつけやすくなるので。

また、むしろ法務サイドのレスが遅いぞというお叱りも。
レスポンスが遅すぎる担当者

依頼の品質の問題


依頼が雑で困っている先生方もたくさんいらっしゃいました。弁護士はエスパーではないのです。
依頼が雑
依頼メールの情報量の不足、添付ファイルが解読困難
メールを一読しても意味のわからない相談。
社内用語の多用、5W1Hの欠落など。メールを送信する前に、「会社のことや当該案件の背景をよく知らない人間が読んでも理解できる文章か?」確認していただきたいです。
「不明な点があればおっしゃってください」などの一文が添えられていたとしても、忙しい弁護士はなるべくさっさと返信して仕事を終わらせたいと思うものなので、不明な点があると場合分けして回答したり、文面から予想した前提のもとで回答することが多く、結果として弁護士・依頼者の双方に余計な時間がかかります。

また、その依頼だと充分な品質のアウトプットができない、または期待に応えるのは難しいといった声も多かったです。
「雛形でいいので契約書が欲しい」と言われる(ちゃんとアレンジしたい)。
「簡単に」「ざっとで良いので」対応してもらえますか?という要望。
実際にさっと対応できる相談もありますが、それなりに深いリサーチが必要な場合もありますし、契約書のレビューも、元のドラフトの出来が悪いと、ちょっと手直しするだけでは足りずほぼゼロからドラフトし直すこともあります。
着手してみないことには、「簡単に」「ざっと」作業できる性質の仕事かどうかはわかりません。そのため、(全力は尽くしますが)短期間で対応できるかどうかや、フィーが抑えられるかどうかは依頼時点ではお約束できません。
顧問料の範囲内で対応して欲しいのか、それとも個別案件として予算を確保しているのかを明示しない。
弁護士の活動の箸の上げ下げまで一方的に細かく指示する。
経営陣以外が、社内の内紛・ハラスメント等の従業員と会社との間で利益相反がありうる相談をする(会社の顧問ですので‥‥)


依頼方法の問題


人によるのかもしれませんが、電話しがちな法務担当者に困っている先生は複数いらっしゃいました。
平時からまず電話で連絡がくる(大体出れず折り返すことになる)
電話が多い。メールで済ませられる要件でも電話をかけてくる。

ちなみに、全然別の話題の一般論ですが、メールの返事が遅い先生に対しては、法務担当者は電話にシフトする傾向があります。いえ、全然別の話題の一般論です。

また、依頼時に適切なCCを設定していないっぽいけど大丈夫?という心配も頂いています。それ、多分大丈夫じゃないです。
ccに会社の人(ミーティング参加者)を入れないでやり取りをしたがる。弁護士との連絡は、自分とだけにしたいと思っているようだが、会社内でこちらの回答等が展開される際に正しく伝わらないという心配がある。
メールなどで、上司の方をCCに入れずカジュアルに新規相談をして来られる部下の方がいる(タイムチャージ発生しますがいいのでしょうか‥‥)

チャージの問題は稟議を取っていれば問題ないのですが、弁護士とのやり取りを自分だけに閉じる合理性は無いので、法務担当者のマインドまたは法務チームの心理的安全性に問題がないか、心配になっちゃいますよね。

法務の調整ミスの問題


弁護士さんからすると法務は会社との数少ない接点なので、法務が社内調整下手だと、その悪影響は弁護士さんにも波及してしまいます。
社内の稟議決裁が遅いまたは根回しができておらず、方向性がぶれる
会議で握った内容の撤回
方針が理由なくころころ変わる(一度相手方に方針を伝えた後に変更されるとすごく困る)

ただ、法務担当者もはしごを外された被害者の一人であるケースもそれなりにあるということは、先生方にもぜひご理解いただきたいのです・・・。

担当者の資質の問題


やる気が無いのはバレちゃっているみたいですよ。
やる気がない担当者
完全にお任せ状態(関心を示さないレベル)
丸投げの担当者
自己保身しか考えていない担当者


やる気があっても能力的に、または人格的にアレだとやっぱり困るみたいです。
理解力がない担当者
尋問に堪えられない豆腐メンタルの担当者
自社の見解を「常識」と考え、それに反する裁判所の考えや弁護士の考えを非常識と否定する言動。
担当者が異動しても次の担当者に引継ぎがなされない。
感情的な担当者
自分の考えにこだわりすぎる担当者


コンプレックスの問題


コンプレックスの裏返しで過剰にへりくだったり、逆に尊大な態度をとってしまったりして困らせるタイプ。いやまぁ、単に人格的にアレなだけで、コンプレックスが原因じゃないかもしれませんけどね。それはそれで。
最近は減りましたが、有資格者に過剰に対抗意識を持っていたり、慇懃無礼な方は本当に辛いなと思っていました。
事業部の前でいいかっこしたいのか、法的知識・見解をミーティングで開陳して、こちらの回答をそこに合わせたがるが、間違いが多かったり、エアプだったりして否定するのに困る。
自慢話をしてくる。


弁護士確認済み


法務あるあるの一つにやんちゃな「法務確認済み」があるのですが、法務担当者も立場を変えてやっちゃってるみたいです。社内と違ってバレにくいので、程度の差こそあれやってる法務は結構多いってWikipediaで読んだことがあります。
弁護士の見解のうち、会社(または担当者)の都合のよい一部だけを切り出して、弁護士がこういった、と流布する。
「弁護士確認済み」という不正確なコメントを稟議に書く。


値切り


値切られると困るみたいです。多分ですが、終わった後の値切りなんでしょうね。依頼前に金額交渉するのは珍しくないと思うので。
報酬を値切る
弁護士費用を値切ってくる担当者



その他


やたらとほかの事務所、弁護士の悪口をいう。(もしかすると自分たちを持ち上げているのかもしれないけれど、余所では自分たちのことを悪く言ってるんだろうな、と思うので、あまり信頼できない。)
あえて断言しますけど、他所では先生の悪口を言ってますね。こういう人は。

意味不明な感情論で好条件の和解に応じようとしない担当者
裏にいる偉い人が真犯人かな、と思ったのですが、そうだとしたらほぼ間違いなく「上がアレで。ほんとすみません。」って言うはずなので、やっぱり担当者なんでしょうね。

休日祝日に連絡がくる
ごめんなさい。


ご回答いただいたみなさま、ありがとうございました〜
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これまで、目標設定については

  • 将棋で考える目標設定
  • バックオフィススタッフがいい感じの目標を設定するコツ
  • 評価時に「使える」目標設定をするためのコツ

  • で書いたことがあったのですが、そう言えば評価についてはまだ書いたことなかったな、と気づいたので書いてみることにしました。

    1.何をやったかではなく、何が起きたのかを書く


    評価時に「使える」目標設定をするためのコツで触れた「インパクトを書け」の裏返しなのですが、評価において注目すべきなのは、自分が今期何をしたかではなく、それによってどんな影響(インパクト)が会社にあったのか、です。
    具体的には、●●研修を実施しました、ではなく、●●研修を実施した結果、●●が前期比20%削減されました(増加しました)みたいに書くってことですね。
    インパクトを意識して目標設定をしていたのであればそのインパクトを実現できたかにまず着目すればよいわけですが、やってみてわかる副次的効果みたいなものもあるはずなので、そこらへんにも言及できるとなお良いと思います。
    以下詳細。

    (1)やる前とやった後の変化・差分を書く


    影響を書く場合、やった後の話だけでなく、やる前についても言及し、両者の変化や差分を明確にすると、その意義が伝わりやすくなります。
    具体的には、期首●●という状態だったところ、●●を実施した結果、●●という状態になりました。って感じですね。

    (2)定量化する


    当然ながら、影響は定量的に示すことでより伝わりやすくなります。
    回答スピードを早くしました、より、依頼から回答までにかかる平均日数を●日から●日に短縮しました、と書いたほうがインパクトがよく伝わるということです。ただ、定量化には計測が不可欠で、計測には手間やコストがかかるんですよね。評価のために計測するのは基本的には本末転倒なので、手元の情報の分析でざっくり定量化するような割り切りがたいせつだとも思います。

    (3)インパクトはないということをあえて書く


    中期的な目標に取り組んでいるタイミングでは、評価期に目立ったインパクトを出せていないということも充分に有りえます。そのようなケースでは、あえて今は仕込みの時期であり、今期は特にインパクトのある成果はないですよ、と自ら書くとともに、来年こういう状態を作るために、今期はこういう仕込みをした、という書きぶりをするのがおすすめです。
    また、一握りの超優秀な人を除けば、大抵の人は「今期大した成果を挙げられなかったな」という期にぶつかることは避けられません。そんなときには無理やり成果らしきものを書くよりも、出そうとしたインパクトと、それを出せなかった理由を書いたほうがよいことも少なくないと思います(これは社風や評価者の性格によるところも大きいと思いますが)

    (4)卑下しない


    ちゃんとインパクトを出せているのであれば、卑下する必要はありません。
    やったことの難易度が大したことがない場合でも、それによってもたらせたインパクトが大きいのであれば、堂々とそれを誇るべきです。

    2.他者からの評価を書く


    他者からの評価、例えば●●さんから「回答が早くなって助かった」とのフィードバックをもらった、みたいなものは実際にインパクトが発生していることを端的に示せるのでとても有用です。
    とはいえ、他者からの評価を聞かせてもらえる機会はそう多くないので、評価前にキーマンにインパクトの有無と内容をヒアリングしてしまうのがおすすめです。
    また、研修後のアンケートも他者からの評価のひとつなので、インパクトの説明に使えそうな質問(明日からの業務に適用できそうですか、とか、知らなかった情報を得られましたか、みたいなもの)を入れておき、それを使うもの良い手です。
    これは、ヒアリングやアンケートの結果を見て、自分で思っているほど良いインパクトが出ていないということを予め把握し、「え、それって君が言うほど良い影響出てないよね?」みたいな自他評価ギャップを避けるという意味でも役に立つので、やって損はないと思います。

    3.具体的なエピソードを添える


    これはそのまんま。
    例示でいいのでインパクトを証明できる実例を沿えてもらえると理解しやすくなります。

    4.評価してもらいたいことが伝わりやすいように書く


    評価してもらいたいこと(良いインパクトを出せたこと)を冒頭に持ってきて、厚めに書く。やったけど大きなインパクトが出なかったことは「やったけど、まぁ当然のことなんで」みたいな感じでさらっと書く。設定した目標に対する自己評価を順に列挙するのと比べると大きく印象が変わります。

    さいごに


    ここまで読んで「めんどくせー」って思った方も居るんじゃないかと思いますし、実際めんどくさいとも思います。また、「そんなアピールしてまで評価されたいとは思わない」という考え方もいらっしゃることは理解しています。
    ただ、評価に限らず、自分がやったことを認めてもらうということは結構気持ちがいいものですし、生きる活力にも直接つながってきたりもするので、ちゃんと取り組む価値はあるんじゃないかーと思っているんですよね。
    自己評価って、要は「これやったよ!褒めて!すごいと言って」ってことで、おとなになるとなかなかそういうことを正面切って言える機会はなかなかないと思うので、それを堂々と言える場として、評価を楽しんでもらえるといいんじゃないかなって思います(というのはさすがに良くいいすぎかもしれないけれども)。
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    2021年も最終日になったので振り返りをしてみようと思います。

    twitterを使って振り返り


    2021年は色々なことが起こりすぎたので、tweetから記憶を掘り起こしてみました。
    今年の夏頃、「後者の意味でのワークライフバランスを必要としている」状況ではなくなったんだけど、その結果バランスが崩れて日常が過剰にワークに傾くことになったので、外部要因でライフをある程度重視せざるを得ない状況というのは、(当事者にとっては厳しいことは間違いないし、程度問題ではあるんだけど)プラスに働く面もあると今は感じている。
    長時間働いていると、緩くなるんだよね。自分のアウトプットの品質や業務の密度に対する自分からの要求が。


    このエピソード自体はただの日常の一コマなんだけど、現状、このときやれていたような利用規約の見直しは全く行えていない。今年の前半はある程度やることを自分で選択できていたけど、後半はもう飛んできた球を打ち返すだけの(そしてしょっちゅう打ち漏らす)日々だった。
    このときからまだ1年経っていなかったのか、という驚き・・・


    春先に勤務先でコミュニティサービスの立ち上げ準備というお題をもらったので、コミュニティサービスというものを理解するために試行錯誤していた。個人としては様々な面で学びが合ったけど、同時期に動いていた勤務先の組織再編への対応を言い訳にまともな成果を何一つ残すことができずフェードアウトしてしまった。

    マニュアルベースの業務遂行は、定着するまでは単にマニュアル整備の手間が増えるだけで効果実感をしづらく、それ故に定着もしないという悪循環になりがち。2021年は、自分史上最も高品質なマニュアルベースの業務遂行ができていた(マニュアルがない業務が見つかるとは誰かがマニュアルを作って共有され、マニュアルと実務の相違が見つかると誰かが修正して共有され、業務引き継ぎがマニュアルを介して高頻度で行われる)時期があり、その効果を実感できたのは収穫だった。


    2021年、もっとも響いた指摘がこれ。この視点をもらってから、いろんな場面で同じ現象が発生していることに気づけるようになった。


    2021年は全く異なる2つのチームで行動指針策定のファシリテーションをして、なんとなくやり方をつかめてきたので、忘れないうちにどこかでまとめないとな。
    ざっくり言うと、組織のミッション・ビジョンの提示(ここだけマネージャーがやる)→課題(現状とビジョンとのギャップ)のブレスト→課題に対する共通認識の形成→課題解決につながる行動の定義という感じ

    2021年最も多くのご意見を頂いたtweetかもしれない。自分としても改めて評価基準について立ち止まって考える切っ掛けになった。
    昔は納得感やモチベーションを重視して評価基準を考えていたけど、今は被評価者の成長や人材価値の向上を重視して評価基準を考えていて、そこらへんのスタンスの違いは前述の行動指針の方向性や日々の言動にもかなり影響を与えていることを自分でも感じる。



    よかった本



    ものすごく優秀なマネージャーの考え方、スタンスはこういう感じなんだな、ということが理解できる1冊。


    経験ベースのGREAT BOSSとは真逆の、研究ベースのリーダーシップ論。
    軽妙な語り口だけどシンプル・端的に研究の要諦が示されている(っぽい)の読みやすかったし、得るものも大きかった。ただ、「まずは質問です。デデン(出題の音)」みたいな無用かつ寒い記載がしょっちゅう登場するので、そういうのが嫌いな方には合わないかも。



    何やらやばめのタイトルだけど、内容は成人発達理論(というものをこの本で初めて知った)の入門書。自分がどのステージにいて、次はどのステージへのチャレンジが必要になるのかを明確に意識できるようになる。
    この本を読んでから、マネージャーの視点・プレイヤーの視点を意識するようになった。



    心理的安全性に関する本は何冊か読んだけど、これが一番良かった。これ一冊読んでおけば他はいらないと思う。


    総括


    すでに動いているチームのマネージャーを引き継ぐのはかんたんではないのに、それを2本同時並行でやることになって、自分としても大変だったし、各所に多大なご迷惑をおかけしたというのが2021年の最大の反省の1つ。
    もう一つは新規サービスの準備というチャンスを全くものにできなかったこと。

    あと、WFHのせいでもあるし、兼務のせいでもあるけど、2021年の後半は、平日は用事がなければ23時過ぎくらいまで、土日も数時間ずつはだいたい働いてた。かといって、それに見合った成果を得られた感じはしないので、虚しさがすごかった。長時間労働はよくないってわかっているんだけど、終わってないからやらざるを得なくて、それによって労働密度が更に下がって次の長時間労働を有無という悪循環。同じ様に死ぬほど働いていた同僚から「なんか、薄まっているんですよね」といわれ、言い得て妙だなって思った。薄まるんですよ、品質も、自分自身も。

    と、あまり良い記憶がない1年だったけど、病むこともなく生き延びることができたし、どうやら峠も越えられたっぽいので、来年はもう少し人間性を取り戻したいと思います。
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    春は目標設定の時期。
    ということで、いくつかの会社でマネージャーをした経験から、法務、というかバックオフィスの人が良い目標を立てるためのコツをお伝えしようと思います。

    目標の構成要素は、ゴール・手段・インパクト


    バックオフィスの目標あるあるなのが、「何をするか」を目標にしてしまうということですが、これをやってしまうと、達成しても高評価の材料にしづらいという意味で、使い勝手の悪い目標になってしまいます。
    「何をするか」を目標にしてしまっている具体例としては、「契約書のレビューを●件以上処理する」とか、「現在進行している●●プロジェクトを完遂する」とか、「全社員向けコンプライアンス研修を実施する」といったものです。

    では、具体的にどうすればよいのかというと、目標を「ゴール」「手段」「インパクト」の3つの構成要素に分解して設定することです。
    ゴールは、何を目指すのか。
    手段は、そのために具体的に何をするのか。
    インパクトは、その結果、どのような影響が会社に生じるか。
    冒頭で記載した「何をするか」は、上記の「手段」とほぼ同じですが、大きく違うのは、「手段」はそれ自体が達成目標ではないということです。

    例えば、冒頭で具体例として挙げた「契約書のレビューを●件以上処理する」であっても、それを
    ゴール  :法務部全体の契約書レビューの対応キャパシティを増やす
    手段   :契約書のレビューを●件以上処理する
    インパクト:契約書のレビューの待ち時間が期首比較で0.5日短くなる
    といった要素の一つにするだけで、随分と印象が違えって見えるのではないかと思います。
    それと同時に、ゴールの達成やインパクトの実現のために、その手段が果たして適切なのか、という振り返りも自分自身で行うことが可能になります。

    インパクトの設定から逃げない


    多くのバックオフィス担当者にとって、ゴール、手段、インパクトのうち、最も書きづらいのは「インパクト」ではないかと思います。これは、ダイレクトに会社に影響を及ぼすようなバックオフィスの業務は少ないからなのですが、だからといって、インパクトを設定することから逃げてはなりません。
    例えば、同じ「全社員に対するコンプライアンス研修の実施」であっても、会社にどのようなインパクトをもたらすことができるのかを起点に考えられたものと、そうでないものとでは、達成したときの価値に大きな違いが生じるからです。
    なお、「強いインパクト」は、これまでの積み重ねやめぐり合わせなどが噛み合わないと、そもそも狙うことができないものだと考えたほうが安全です。その意味で、常に「強いインパクト」を狙う必要はありません。ただ、インパクトが皆無な、またはよくわからない目標を掲げることを避けるという意識は、常に持っておく必要があります。

    定量化すべきはインパクトであって、手段ではない


    目標設定の指針としてSMARTというフレームワークがよく用いられますが、このうちの「Measurable:計測可能性」は、手段に適用されがちです。例えば、「契約書レビューの処理日数を1日短縮する」といった具合に。ですが、実現すべきはインパクトであり、手段は文字通りそのための手段でしかないので、手段を定量化しても評価の観点ではさほど効果は得られません。仮に、手段としての定量目標をクリアしても、それによってもたらされたインパクトが些少であると評価者に捉えられてしまうと、高く評価する気にはなれないからです。逆に、定量化し、計測可能なインパクト要素を目標として設定している場合、それをクリアしたことはダイレクトに高い評価に繋がりやすくなります
    その意味で、定量化する必要性が高いのは手段よりもインパクトといえます。

    ゴールは、組織目標とリンクしていなければならない


    会社での仕事はチームワークなので、従業員個人の目標とは別に、それが明示的なものか暗黙のものかの差こそあれ、組織目標が存在します。組織目標を離れた個人目標は自己満足でしかないので、個人目標の達成が組織目標の達成に寄与しなければなりません。
    もし、組織目標が明確でない場合は、「企業価値の最大化」を組織目標として仮設定しましょう。なぜなら、企業活動は、企業価値を最大化するために行われているものなので、あらゆる組織目標も最終的には「企業価値の最大化」にリンクしているからです。
    バックオフィスにおいては、その活動が直接、またはわかりやすい形で企業価値の最大化につながるケースは多くありません。そのため、因果関係は長くなりがちなのは避けられません。しかし、風が吹けば桶屋が儲かる、のような細く長い因果関係ではなく、長くても骨太で、たしかに企業価値の向上につながるであろうと感じられるのがよい目標です。

    どこから目標を考えるか


    「ゴール」「手段」「インパクト」を定めるためのアプローチとしては、組織目標から導き出される「ゴール」を起点にし、そのために必要な「インパクト」を設定した上で、その「インパクト」を得るための手段を考えるという順序が最も自然です。
    ですが、やりたいこと(手段)や、実現したいこと(インパクト)が明確な場合には、「手段」や「インパクト」を起点にしても問題ありません。
    「手段」を起点にするというのは、つまり「自分はこういうことをやりたい」「こういう人になりたい」というところからゴールとインパクトを逆算する手法です。この手法をとる場合は、会社に「こういうことをやったらor自分がこういう人になったら、会社にとってこんないいことがありますよ」とプレゼンするようなスタンスでゴールやインパクトを設定することになります。
    「インパクト」を起点にするというのは、「こういう状態になったらいいな」というところから、それを実現するためにはどうすればよいか(手段)を考えつつ、組織にとって「こういう状態」を実現すべき理由(ゴール)をプレゼンするという進め方になります。


    最後に


    このエントリーは、普段目標設定面談や1on1でフィードバックしている内容をガガガーっとまとめたものなのですが、文章化することを通じて自分の思考が整理される効果を感じてます。
    こういう振り返りって、重要だよなーと、改めて感じました。
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