2019年の3月に思いつきで始めた法務互助会(立ち上げ当時はIT法務互助会)ですが、早いものでそろそろ満2年になります。
おかげさまで、個別のお声掛けを除けば積極的な勧誘等を行っていないにもかかわらず、安定的に加入のご希望もいただいている状況です。(業務が忙しくなると承認が遅くなり、しばらくおまたせしてしまうこともあります。すみません)

※初月は特異値(110人)なので除外しています
また、所属人数が増えているというだけでなく、アクティブユーザーの数も順調に延びており、マンネリ化することもなく、日々活発に相談や知見共有、求人の募集や紹介などが行われています。

先日、ファンをはぐくみ事業を成長させる 「コミュニティ」づくりの教科書という本を読んだことをきっかけに、法務互助会をコミュニティとして捉え直したところ、いくつか気づいたことがあったので、メモ代わりにエントリーに残してみようと思います。
コミュニティづくりの教科書では、コミュニティを
・参加者が目的意識を持って能動的に活動に関わっており、
・参加者同士が対等にコミュニケーションできる
という特徴を持った人の集まりである、と定義しています(kindle位置No.183)
この定義に従うと、能動的に活動に関わっていない方を参加者として許容する団体は、コミュニティではない、ということになります。
法務互助会でも定期的に前回の退会判定時から一度もポストがなかった方のアカウントを停止する処理を行っていましたが、その理由はシンプルに「投稿促進」を目的としていました。ですが、このような処理は、「ある団体が能動的に活動に関わっていない方を参加者として扱ってしまうと、その団体はコミュニティではなくなってしまうという」という意味で、より本質的な問題だったのだなぁ、と、同書を読んで気づきました。
もちろん、後述するように能動的な関わりには「投稿」以外も含まれるので、「関わり」を正しく評価しきれていないという問題は残るものの、コミュニティの目的に照らすと「参加し続けるためには投稿しなければならない」というルールは最適だったように感じます(ちなみに、僕の記憶が正しければ、このルールは法務互助会の共同運営者である橋詰さんが発案されたものだったと思います)
と聞くと、めんどくさいな、とか、煩わしいな、と感じる方も少なくないのではないかと思います。
そして、お金を払ってサービスを受ける通常の取引と比べると、コミュニティに「参加」するということは、実際めんどくさくて、煩わしいことは間違いなと思うのです。(地方出身の方は、地元のコミュニティへの「参加」を思い出していただければ、その煩わしさをご理解いただけるのではないかと思います。)
そう考えると、人が関与できるコミュニティの数は、キャパシティによる差こそあれ、一定の上限があるはずで、だとすると、今後コミュニティが増えていった場合は、「参加者」をコミュニティが奪い合いうという現象が起こるのかもしれません。
コミュニティ運営に関与して気づいたことの一つに、あらゆる組織の中心は程度の差こそあれ、コミュニティ的な色合いを持っているということがあります。
例えば法務担当者の団体として最も大きい経営法友会は、通常の参加企業は単なるお客様でしかありませんが、その運営メンバーは(僕の勝手な想像ですが)能動的に企画等の活動に関わり、対等にコミュニケーションを交わしているのではないかと思うのです。
また、企業の中の特定の組織やプロジェクト、そして会議体も、そのようなコミュニティの性質を持つことがあります。さらにいえば、コミュニティの性質、つまりメンバーによる組織への能動的な関わりを獲得したチームは、とても強いのではないかと思うのです。
こういった視点を持てたのもコミュニティの運営に関わった副次的な効果だと思うので、良い経験だったな、と感じています。
コミュニティに能動的に関わるといっても、その関わり方は多種多様であるということも実感しています。
法務互助会での経験を基にざっくりと分類すると、以下のような感じになります。
オペレーター
コミュニティの運営者。世話人。
ポリシーを決めたり、(互助会では発生したことはないけど)揉め事が発生したら仲裁をしたり、入退会処理/ban/投稿削除処理などを行う役割。
コントリビューター
コミュニティにネタ(コンテンツ)を提供してくれる方。
知見や求人情報のような価値がわかりやすいコンテンツを載せるだけでなく、質問や、アンケートなどもコンテンツの一種なので、この役割に含む。
スプレッダー
コミュニティの存在を広めてくれる方。
広報的な広げ方だけでなく、互助会が役に立てそうな法務担当者の方に「こんなコミュニティがあるよ」と紹介してくれるのもこの役割。
サポーター
上記3つの役割を支援してくれる方。
イベントをする際にピザを取りに行ってくれたり、小さいところで言えばコントリビューターのコンテンツ投稿に対してリアクションemojiをつけたりする。
このような役割を参加者が分担することで、コミュニティは生き続けることができると思うのです。
もっと直接的に言えば、これらの役割のいずれも担わない方(語弊を恐れずに言えばフリーライダー)を許容しないことが、コミュニティを健全に存させるコツなのかもしれません。
ただ同時に、参加者が「役割を担わなければ」と義務的に思うようであれば、そのコミュニティはすでに寿命が近いのだろうとも思います。
フリーライダーを排除した結果、僅かな人しか残らないのであれば、そのコミュニティは役割を終えたものとして潔く閉じてしまったほうが良いのではないかと、今では考えています。
2つしか書いていないのに「最後に」もないだろうとは自分でも思いますが、とりあえず言語化できたのはこの2つというだけで、法務互助会を通じて気づいたこと、考えさせられたことは他にもたくさんあります。
冒頭で記載したとおり、法務互助会の勢いはまだまだピークアウトしていないので、今後も積極的に関わることを通じて、コミュニティに関する知見を獲得したいと思っています。
過去を振り返ると思いつきで新しいことを始めると、たいてい良い経験につながっているので、みなさんもなにかいいことを思いついたら色々考えずにとりあえずやっちゃうといいと思いますよ(いつもどおり無責任)
(追記)
大切なことを書き忘れてました。
法務互助会に興味を持たれた方は、こちらからエントリー可能です。
おかげさまで、個別のお声掛けを除けば積極的な勧誘等を行っていないにもかかわらず、安定的に加入のご希望もいただいている状況です。(業務が忙しくなると承認が遅くなり、しばらくおまたせしてしまうこともあります。すみません)

※初月は特異値(110人)なので除外しています
また、所属人数が増えているというだけでなく、アクティブユーザーの数も順調に延びており、マンネリ化することもなく、日々活発に相談や知見共有、求人の募集や紹介などが行われています。

先日、ファンをはぐくみ事業を成長させる 「コミュニティ」づくりの教科書という本を読んだことをきっかけに、法務互助会をコミュニティとして捉え直したところ、いくつか気づいたことがあったので、メモ代わりにエントリーに残してみようと思います。
コミュニティにおいては、「受動的な参加者」は構成員ではない
コミュニティづくりの教科書では、コミュニティを
・参加者が目的意識を持って能動的に活動に関わっており、
・参加者同士が対等にコミュニケーションできる
という特徴を持った人の集まりである、と定義しています(kindle位置No.183)
この定義に従うと、能動的に活動に関わっていない方を参加者として許容する団体は、コミュニティではない、ということになります。
法務互助会でも定期的に前回の退会判定時から一度もポストがなかった方のアカウントを停止する処理を行っていましたが、その理由はシンプルに「投稿促進」を目的としていました。ですが、このような処理は、「ある団体が能動的に活動に関わっていない方を参加者として扱ってしまうと、その団体はコミュニティではなくなってしまうという」という意味で、より本質的な問題だったのだなぁ、と、同書を読んで気づきました。
もちろん、後述するように能動的な関わりには「投稿」以外も含まれるので、「関わり」を正しく評価しきれていないという問題は残るものの、コミュニティの目的に照らすと「参加し続けるためには投稿しなければならない」というルールは最適だったように感じます(ちなみに、僕の記憶が正しければ、このルールは法務互助会の共同運営者である橋詰さんが発案されたものだったと思います)
と聞くと、めんどくさいな、とか、煩わしいな、と感じる方も少なくないのではないかと思います。
そして、お金を払ってサービスを受ける通常の取引と比べると、コミュニティに「参加」するということは、実際めんどくさくて、煩わしいことは間違いなと思うのです。(地方出身の方は、地元のコミュニティへの「参加」を思い出していただければ、その煩わしさをご理解いただけるのではないかと思います。)
そう考えると、人が関与できるコミュニティの数は、キャパシティによる差こそあれ、一定の上限があるはずで、だとすると、今後コミュニティが増えていった場合は、「参加者」をコミュニティが奪い合いうという現象が起こるのかもしれません。
人の集まりは、一定のコミュニティ的要素を含んでいる
コミュニティ運営に関与して気づいたことの一つに、あらゆる組織の中心は程度の差こそあれ、コミュニティ的な色合いを持っているということがあります。
例えば法務担当者の団体として最も大きい経営法友会は、通常の参加企業は単なるお客様でしかありませんが、その運営メンバーは(僕の勝手な想像ですが)能動的に企画等の活動に関わり、対等にコミュニケーションを交わしているのではないかと思うのです。
また、企業の中の特定の組織やプロジェクト、そして会議体も、そのようなコミュニティの性質を持つことがあります。さらにいえば、コミュニティの性質、つまりメンバーによる組織への能動的な関わりを獲得したチームは、とても強いのではないかと思うのです。
こういった視点を持てたのもコミュニティの運営に関わった副次的な効果だと思うので、良い経験だったな、と感じています。
コミュニティへの関わり方の種類
コミュニティに能動的に関わるといっても、その関わり方は多種多様であるということも実感しています。
法務互助会での経験を基にざっくりと分類すると、以下のような感じになります。
コミュニティの運営者。世話人。
ポリシーを決めたり、(互助会では発生したことはないけど)揉め事が発生したら仲裁をしたり、入退会処理/ban/投稿削除処理などを行う役割。
コミュニティにネタ(コンテンツ)を提供してくれる方。
知見や求人情報のような価値がわかりやすいコンテンツを載せるだけでなく、質問や、アンケートなどもコンテンツの一種なので、この役割に含む。
コミュニティの存在を広めてくれる方。
広報的な広げ方だけでなく、互助会が役に立てそうな法務担当者の方に「こんなコミュニティがあるよ」と紹介してくれるのもこの役割。
上記3つの役割を支援してくれる方。
イベントをする際にピザを取りに行ってくれたり、小さいところで言えばコントリビューターのコンテンツ投稿に対してリアクションemojiをつけたりする。
このような役割を参加者が分担することで、コミュニティは生き続けることができると思うのです。
もっと直接的に言えば、これらの役割のいずれも担わない方(語弊を恐れずに言えばフリーライダー)を許容しないことが、コミュニティを健全に存させるコツなのかもしれません。
ただ同時に、参加者が「役割を担わなければ」と義務的に思うようであれば、そのコミュニティはすでに寿命が近いのだろうとも思います。
フリーライダーを排除した結果、僅かな人しか残らないのであれば、そのコミュニティは役割を終えたものとして潔く閉じてしまったほうが良いのではないかと、今では考えています。
最後に
2つしか書いていないのに「最後に」もないだろうとは自分でも思いますが、とりあえず言語化できたのはこの2つというだけで、法務互助会を通じて気づいたこと、考えさせられたことは他にもたくさんあります。
冒頭で記載したとおり、法務互助会の勢いはまだまだピークアウトしていないので、今後も積極的に関わることを通じて、コミュニティに関する知見を獲得したいと思っています。
過去を振り返ると思いつきで新しいことを始めると、たいてい良い経験につながっているので、みなさんもなにかいいことを思いついたら色々考えずにとりあえずやっちゃうといいと思いますよ(いつもどおり無責任)
(追記)
大切なことを書き忘れてました。
法務互助会に興味を持たれた方は、こちらからエントリー可能です。