先日、プライバシー・バイ・デザインとPIAの実施方法というウェビナーを拝聴し、内容もさることながら進行のスタイルが素晴らしいと思ったのでメモ。

どんなスタイルなのか


TMIプライバシー&セキュリティさんのウェビナーは今回以外もこのスタイルとのことで、ご存じの方も少なくないのかもしれないけれど、
  • スライドでトークテーマ(質問形式)を投影
  • ファシリテーターが質問を読み上げ、パネリストに「コメントある方はいらっしゃいますか?」と振り、手を上げた人を「●●さん、おねがいします」と指名してマイクを渡す。
  • マイクを渡された人が話し終わったらファシリテーターが「他にコメントある方はいらっしゃいますか?」と振る。
  • コメントが出尽くしたら次のトークテーマに移る
という感じ。

何がいいのか


あなたじゃない、がない


通常のパネルディスカッションは、ファシリテーター「●●さん、いかがですか?」と、話す人を指名することが通常だが、あまり喋っていない人に振る、みたいな配慮や、ファシリテーターによるパネリストに対する理解の不足により、いつもテーマドンピシャの人に振られるわけでは無い。
その点、TMIP&S方式だと、そのテーマで話すネタがある人が手を上げて話すので、このズレが生じない。

複数の人の話が聞ける


通常のパネルディスカッションでは、ディスカッションとは名ばかりで、パネリスト同士のやり取りがほとんど発生しないということも少なくない。
他方、TMIP&S方式だと、コメントが出尽くさないと次のテーマに行かないので、同じテーマで複数の視点から話を聞くことができる。

濃い話が聞ける


通常のパネルディスカッションではトークテーマが固定されないため、話が拡散してしまって深い話になりにくい。
これに対し、TMIP&S方式は、トークテーマを投影しているので、オフトピに流れたり、見当違いのやり取りで時間が浪費されることがない。しかも同じテーマについてコメントが出尽くすまで話すので、必然的に話題が掘り下げられることになる。

テンポが良い


通常のパネルディスカッションでは、自分が話したあとの展開が明確ではない(誰が話を継いでくれるのか、とか、次のテーマに移るのか、とか)ので、話が間延びしてしまったり、微妙な間が発生してしまったりしがち。
TMIP&S方式は、自分が話すと決めたことを話したら必ずファシリテーターが引き取ることになる結果、テンポが良くなる。話し手にとって、後の展開を考えなくて良いのはかなり気持ちが違うのではないかと思う。

ということを思いました。