2024年12月

短歌をやってみた


世古さんにおすすめ頂いたことがきっかけで、2024年1月に短歌を始めました。
飽きるまでやろうという軽い感じで始めたのですが、8月くらいまで続きました。やっぱり創作って楽しいですね。自分と違う人生(生い立ち、性別、職業など)をシミュレートする楽しさ、みたいな。
作った短歌はこちら
お気に入りはこちら



抱負と結果


Xのポストによると1月3日に今年の抱負を立てていました。
で、その結果は以下の通り(1勝2敗)でした。
抱負1:4月に情報処理安全確保支援士をとる(ために必要なインプットを1〜3月でする)
結果1:ギリギリだったけど、無事取れた

抱負2:その後、英文契約書の対応スキルを「普通に見れる」といえる状態に戻す(ためにたくさん英文の契約書/規約を読む)
結果2:予定通り英語の勉強は再開したものの、数カ月後に本業で発生した突発事象により残業が増えたこともあり、「たくさん英文の契約書/規約を読む」は実現できなかった。他方で、久しぶりにちゃんと英語の勉強をしたことで、ゲームを英語版で遊ぶくらいには馴染めるようになった(わからない単語はまだ頻出するけど)
今はCoffee Talkを言語設定を英語にしてゆっくりやってます。

抱負3:年末までに体重を75kgにする(ために筋トレと有酸素運動を継続する)
結果3:逆に5キロ位太ってしまいました。平日は毎日有酸素運動を2時間弱やっているので、食べる方は節制しなくても大丈夫だろうと思って好きなように食べたのが良くなかったようです。
血液検査の結果も悪かったので、先週から奥さんに食事の管理をかなりきっちりしてもらうようにしたら、スルスル体重が落ちてきたので、来年こそ75kgと言わず、60kg台に落としたいと思ってます。
なお、ランチ後に腕立てや腹筋をする習慣がついたことで、腹筋のくびれ?ができるようになったのもちょっと嬉しい。(その下のドーナツ状の脂肪さえなければ…)

法務部スペースがちゃんとしたポッドキャストになってきた


世古さんと月イチで収録しているポッドキャスト「法務部スペース」の型が固まってきたたことに加えて、11月にいけこさんにアートワークを作成して頂いたことで、ポッドキャストらしい体裁が整ってきました。
ブログもそうだけど、たくさんの人に聞いてもらいたい、知ってもらいたいと思うと、やっていて苦しくなってしまうこともあると思うんだけど、法務部スペースについては、ただひたすらに話したいことを話して、聞きたいことを聞いているので、このまま楽しいなって思っていられるうちは(&世古さんにお付き合いいただけているうちは)続けていきたいなと思っています。
なお、レター(番組へのお便り)は年中無休で募集中です。どんなことでもいいので送っていただけると、おじさん二人がとっても喜びます。

利用規約本の第3版を出せた


雨宮先生、橋詰さんとの共著である良いWebサービスを支える「利用規約」の作り方の第3版を出すことが出来たのも嬉しいニュースでした。
この版では、起業家が弁護士へ適法性等の相談をするサービスが生成AIを利用したサービスになっているのですが、もし第4版を出す機会に恵まれたら、そのときはどんなサービスが目新しいものとして世間に認識されているのだろうかと思うと、ちょっとワクワクします。

仕事では、もうほんと色々ありました


いや、ほんと。




というわけで、2024年も楽しく過ごしてきましたが、2025年もこれまで通り元気にやっていきたいと思っていますので、引き続きよろしくお願いします!
このエントリーをはてなブックマークに追加

このエントリーは、2024年の法務系Advent Calendarの24日目です。(メリークリスマス!)
前日はYujin Genさんの「トランザクションロイヤーからスタートアップインハウスロイヤーになって気づいたこと」でした。




2024年は日経の記事の影響もあってか、例年以上に法務業務のアウトソーシングが話題に上ったように感じます。
そこで、今年のAdvent Calendarのエントリーでは、法務業務のアウトソーシングを通じて得られる効果について書いてみようと思います。

なお、本稿では、法務業務のアウトソーシングを以下の3パターンに分類します。
パターンA:法務部門からの案件ベースの依頼に対応してもらうパターン
ALSPやLPOなどの言葉が出回る前から行われていた法律事務所への依頼も、大きな意味では法務業務のアウトソーシングに該当すると考えています(なので、法務業務のアウトソーシングは別に新しい話題ではない)

パターンB:事業部等の依頼部門からの依頼に直接対応してもらうパターン
一定の領域に限定して直接外部の法律事務所が対応する窓口を設けたり、アサインした案件に外部の法律事務所が直接対応するのがこのパターンです。
日経の記事が取り上げたのはこちらのケースで、最近流行りのパターンでもあります。

パターンC:法務部員と同じような位置づけで能動的に対応するパターン
出向で実現することもあれば、「インハウスサービス」として業務委託で提供されることもあります。(出向はアウトソーシングには通常含まないと思いますが、インハウスサービスと機能が共通するため、便宜的にここに含めます)
存在を知らないとなかなか選択肢に入ってこないパターンですが、うまく活用できると法務部門の機能を劇的に高めることができます。

以下、上記のパターン分けを前提に、効果とコツとFAQについて書いてみます。

法務業務のアウトソーシングを通じて得られる5つの効果


専門性・知識の補充


A〜Cのいずれのパターンでも期待される、リソース拡充と並ぶアウトソーシングの最も基本的な機能の一つです。カバー範囲が広すぎて対応が難しい国外の法制度や、目まぐるしく変化するためキャッチアップしきれないプライバシー法制など、社内のリソースでは対応しきれない専門領域を、アウトソーシングによってカバーする動きです。
この効果を得るためには、専門性を持つ法律事務所・弁護士を知っていることと、必要なときに依頼できるだけの関係性があることが必要になります。
そのような知見やコネクションがないと、とりあえず大手に、ということになりがちですが、大手だから十分な効果を得られるともいえないのが難しいところ。(しかも、コストは高くなりがち)

リソースの拡充


パターンBとパターンCで得やすい効果です。
従来からの法律事務所と法務部のお付き合いで多かったパターンAでは、法務部門の省力化にはあまり効果がありませんでした。この悩みに応えるサービスとして、法務部門の業務の一部を肩代わりしてくれるサービスが登場し、普及したことにより、近年、法務業務のアウトソーシングに注目が集まるようになってきました。
本来内部でやるべき業務を肩代わりしてもらえるということは、慢性的な人材難に苦しんでいることの多い法務部門にとっては魅力的ですが、この効果を十分に享受するためには契約審査基準(プレイブック)の整備や雛形の整備などの事前準備が必要になります。それらがないと、対応方針について確認されることが多くなって手離れが悪くなってしまったり、法務部門による対応と毛色が違う対応をされてしまって依頼部門の不信を招くことに繋がりかねません。
また、特にパターンBにおいて、法務部門の空洞化につながるのでは、という危惧を示されることがありますが、アウトソーシング先は独自の判断で動くわけではないので、各メンバーに属人的に帰属している暗黙知を形式知化することを促すという意味では、むしろ空洞化とは逆に作用するような実感を持っています。社内のメンバーに属人的に知見が蓄積されている状態の場合、その人が辞めたらすっぽり空洞化してしまうという意味では、潜在的な空洞化リスクは高い状態であるということは意識する必要がありそうです。

リソースの安定供給


パターンBとパターンCで得やすい効果です。
社内のメンバーは退職する可能性もあれば、様々な理由で休職したり、休みをとることもあるため、稼働が不安定です(だからアウトソーシングよりも劣っている、というわけではなく、あくまで性質の問題です)が、その点、アウトソーシングは、「法律事務所」という単位で抽象化されていることが多いため、担当者の退職や休みによる影響を考慮する必要があまりありません。
会社に所属するメンバーは、会社の業績が傾くと将来の不安から転職してしまう可能性もありますが、アウトソーシング先からは、支払いが滞るようなことがない限り、取引を中断されることがないという意味でもリソース供給の安定性は雇用よりも高い場合が少なくありません。
また、パターンBとCは、法務部員の休職や退職の穴を一時的に埋める施策としても機能するという意味でも、リソースの安定供給に寄与してくれます。ただ、「リソースの拡充」の項目でお伝えしたとおり、事前の準備なくアウトソーシングを始めてもすぐには十分な効果を得ることは難しいため、リソースの問題が顕在化・深刻化する前に、アウトソーシングできる素地を作っておくということも、マネージャーの重要な役割の一つになってくるのではないかという気もしています。

コストとリソースの最適化


パターンBとパターンCで得やすい効果です。
雇用と異なり、繁忙期にだけ依頼し、閑散期には費用発生を抑えるといったことが可能でなアウトソーシングは、採用よりも機動的に供給リソースを調整できるため、急な需要の変化にも比較的迅速に対応する事が可能です。
雇用だけであれば、余剰人員を抱えないよう、慢性的な人材不足を許容しがですが、アウトソーシングを組み合わせることで、ちょうどいいリソース供給を実現しやすくなります。
単純な時間単価の比較ではなく、コストの柔軟性に着目すると、コストパフォーマンスに対する評価も変わってくる場合もあるのではないかと思います。

スタンダードの引き上げ


パターンCで得やすい効果です。
契約審査に長けたメンバーがいないチームや他社経験の少ない一人法務が回している法務では、契約審査の業務レベルを高めにくいというネックがあります。
そのような課題感がある場合には、熟練の外部人材に法務メンバーとして稼働してもらうことで、相対的な自社の法務のレベル感を把握でき、もしそれが低い場合には改善に向けて動き出すことが可能になります(こんなに回答が速いのか!こんなにリサーチが深いのか!など)。そして、実際に改善に向けて動く際には、その方向性や具体的な施策についてアドバイスを受けることも可能でしょう。
なお、パターンBでは、依頼者とアウトソーシング先のやり取りに接する機会が限定されるので、この効果を直接得ることは難しいのですが、高品質な対応をしているアウトソーシング先の横でずさんな仕事はしづらいという意味では、間接的に業務品質を向上させる効果は望める場合もあるのかもしれません。

よりアウトソーシングの効果を得るためのコツ


複数のサービスをトライアルし、比較検討する


法務部門が抱えている課題や依頼の傾向、使っているコミュニケーションツールやCLMツールなどによって、適したアウトソーシング先は全く異なるのですが、実際にお付き合いをしてみるまでは、合う合わないはわかりにくいものです。
そのため、月額10万円程度のトライアルを2〜3ヶ月回してみて、期待した通りのパフォーマンスを発揮していただけるのかや、ストレスなくやり取りできるのかを確認し、もし合わなければ別のサービスを試すといった動きが効果的です。

フィードバックをする


「先生へのご依頼」というスタンスではなく、二人三脚で法務業務を回していくパートナーというスタンスで、より良く業務を遂行するために必要なフィードバックは積極的かつ具体的ににしていきましょう。改善できることであれば、依頼側としては驚くほど迅速に改善していただけることがあります。
プロに対する敬意を持ってコミュニケーションする必要があるのは当然ですが、だからといってフィードバックをオブラートに包む必要はありません。同時に、希望に沿った対応をしてもらったときにも、何がなぜよかったのかを具体的に伝えるポジティブなフィードバックも、アジャストの為には有用です。

能動的・積極的にオンボーディングをする


自社の契約審査基準・プレイブックを整備したり、コミュニケーションツールやCLMのアカウントを発行したり、ファイルをスムーズに共有する仕組みを用意したり、依頼部署の特徴を伝えるなど、新たにメンバーを採用したときのようにオンボーディングをすることで、スムーズな立ち上げが可能になります。
言い方を変えると、アウトソーシング先のオンボーディングを通じて、メンバーを採用したときのオンボーディングのやり方が洗練されるという副次的な効果も得ることができます。
また、多くのサービスでは、サービスの利用開始時にキックオフミーティングを実施しますが、その際にアウトソーシングを通じて解決したい課題(特にリソース不足なのか、スキル不足なのかは重要です)やスピード感などの期待レベルを明確に伝えることも重要です。


法務業務のアウトソーシングのFAQ


アウトソーシングは、コストが割高なのでは?


依頼する業務内容がアウトソーシング先の専門分野の場合は、処理に要する時間がそうでない人と比べて非常に短くなるので、絶対的なコストは抑えられる場合もありますが、アウトソーシングサービスのタイムチャージの単価は、インハウスを含む大抵の法務部員の概ね2倍〜5倍のため、基本的にはコストは割高にはなります。
そのため、人件費との比較ではなく、社内にない知見を活用できる、必要になったときだけ起用できる、社内では確保できない量のリソースを利用できる、というメリットを買うという観点で、そのメリットに見合ったコストなのかを見ていかないと判断を間違えてしまうことがあるという点には注意が必要だと思います。

アウトソーシング先は社内の事情に疎いので、ワークしないのでは?


アウトソーシング先は社内の事情に疎いということは基本的には*間違いなく、なんのケアもしなければその点が障害になりうるということは、抽象的にはその通りだと思います。他方で、契約審査においておさえておかなければ業務に支障が生じる「社内の事情」として、一体どのようなものがあるかについては具体的に明らかにしたうえで判断する必要もあると思います。
もし、契約審査基準・プレイブック・オンボーディングマニュアルといった形で、上記のような情報がすでに明文化されている場合は、その情報をアウトソーシング先に渡すことでスピーディにキャッチアップしていただくことができますし、もしそのような明文化が行われていない場合は、まずは「社内の事情」の明文化をしたうえで、それが本当に社外の人材に対応できないことなのかを具体的に検討することをおすすめします(アウトソーシングだけでなく、新たなメンバーを迎える際にもオンボーディングツールとして使えるので無駄にはなりません。)。なお、法務業務のアウトソーシングに対応していることを明示的に打ち出して法律事務所は、すでに業務の遂行方法や社内の立ち位置が多様なクライアントから業務を受託していることや、インハウス経験の豊富な弁護士が対応することなどにより、法務部門が考える以上に「社内の事情」に対する柔軟性は高く、また高い解像度で理解もしている印象です。

* 創業者の同級生の弁護士が創業から支援しているとか、法務部員の入れ替わりにより、最古参のメンバーよりもアウトソーシング先のほうが「社歴」が長いといったケースでは、例外的に従業員よりもアウトソーシング先のほうが社内の事情に精通している、ということもありえます。

どんなタイミングが始めどき?


以下の理由から、アウトソーシングする必要が生じてからではなく、できるだけ速いタイミングで小さく始めることをおすすめします。
理由1:最初からうまくいくとは限らない
特にパターンBやCについては、アウトソーシング先にしっかりパフォーマンスを発揮していただくためにはオンボーディングがある程度必要であり、オンボーディングのために必要なポイントは、やってみなければ見えないものでもあります。
その意味で、ある程度余裕があるタイミングでアウトソーシングを始めてみて、何が不足しているのか、何があればより良くなるのかの肌感覚を掴んでおくことが重要です。

理由2:選定先と自社との相性が良いとは限らない
アウトソーシング先の性質は様々であり、画一的な業務を大量かつ安定的にさばくことに長けた法律事務所もあれば、高い専門性を活かして特定領域の業務品質をジャンプアップさせてくれる法律事務所もあります、その差異は小さくなく、また外から見えづらいものです。
そのため、まずはトライアルをしてみて、お互いのニーズと供給がどの程度マッチしているかを確認するとともに、相性がいま一つの場合には機動的に別のアウトソーシング先を試すといった動きが必要になります。

理由3:依頼したいときに依頼できるとは限らない
従来から行われていたパターンAに加えて、2025年以降は、パターンBとパターンCの法務業務のアウトソーシングも急速に広まっていくことが見込まれます。もし、供給が需要拡大の波に追いつかないと、しばらくは(特に評判の良い法律事務所には)依頼したくても受けてもらえない、またはインハウスロイヤーの経験があったり、アウトソーシング対応の経験豊富な弁護士をアサインしてもらいにくくなるといったことも予想されます。
そのような状況になるかは不透明ではありますが、まずは取引を開始しておくことは予防措置としては有用です。

理由4:料金プランは比較的柔軟
パターンBで同一類型の契約審査を大量に外注するような場合でなければ、大抵のサービスでは月額10万円のような従来の顧問料と同等の基本料金から契約できるプランが用意されており、小さいコスト負担でアウトソーシングを開始することは十分に可能です。しかも、大抵の場合はLegal Techサービスと異なり契約期間の縛りは緩めです(そもそも民法651条もあるわけですし)
まずは小さく始めて、導入効果を実感できたり、より効果的な起用方法の勘所が掴めたところで本格的に利用するという動きが許容されやすいということは、特にアウトソーシングに不慣れな法務部にとっては大きなメリットとなります。

アウトソーシング先に頼ってしまうと、社内のメンバーのスキルアップに繋がらないのでは?


パターンBで特定の領域の契約類型をすべて外注する場合や、パターンCで特定の領域に関する依頼を外部のメンバーに委ねる場合にこのような不安が生じます。
確かに、実務経験を積む機会がアウトソーシング先に奪われてしまう以上、アウトソーシングに出した業務についてのスキルアップの機会は少なくなることは避けられません。ですが、そのようなスキルを社内の人員が保有する必要があるのかについては一考の余地はあるとも思います。
社内のリソースは有限である以上、何かを辞めなければ、新しい何かを始めることはできません。現状も、将来予測としてもリソースが潤沢であるような会社でない限り、なし崩し的に「やりきれなかった…」として何かを諦める状態を避けるためにも、辞める対象と辞め方を能動的に選択する必要はあるのではないかと思います。




最終日の明日は、keibunibuさんです〜
このエントリーをはてなブックマークに追加

↑このページのトップヘ