まだ学生だった頃。

立教大学で英語ディスカッションのイベントに(英語がしゃべれないにもかかわらず!)参加する事になった僕は、池袋へ向かう電車の中で、すでにおなかがごろごろ状態でした。

でも、まだ余裕のあったその時の僕は、
「まぁ、もうすぐ駅だし、立教に着いたらそこでトイレに行きゃいいや」
って思っていたんです。
(後に、この考えは甘すぎる物であった事を思い知ることになるのですが)

【悲劇その1】
で、無事駅について、立教に向かって歩き始めたんですけどね・・・

遠い・・
遠すぎる・・・


当時、駅から徒歩10秒のキャンバスに通っていた世間知らずの僕は、大学という物はすべからく駅前にあるものだと誤解していたんです。

歩いても歩いても着かない(実際はそんな事無いと思うけど、その時はそう感じた。いや、まじで)ことに軽い眩暈を感じながら、脂汗をにじませてようやく立教大学にたどり着いたのですが・・・

【悲劇その2】
あぁ、やっとこの苦痛から解放されるよ、と思って入り口前でたむろしているスーツ姿のガキども(自分もそうだけど)をかき分けてドアを開けようとすると・・・

ガンッ

あ、あれ?

ガンッガンッ

し、閉まってるよ・・・(涙

どうやら早く着きすぎたらしく、周りの声に耳を澄ますと、あと10分くらいしないと鍵が開かないらしい。


もう無理だよママン。
10分なんて、待てないよ・・・


と、灰になりかかっていると、
「あ、おれ、裏の郵便局で金おろしてくるわ」
という神の声が。

郵便局。なんという甘美な響き。
まさに砂漠のオアシス。
なんとかそこでトイレを借りよう、そう思って内股の足を引きずりながら裏手へ回ると・・・

【悲劇その3】
なんだかちょっと違和感があるような気がするなぁ、と思ってふと考えてみると

今日、日曜日じゃん!
郵便局、休みじゃん


あぁ、もう駄目・・・
入り口のそばにあったATMボックスの中でしちゃおうかなとも思ったんだけど、そこにはさっきまで神で、今はゴミ学生に成り果てたアホが金をおろしていました。


あれ?
なんだろ、しょっぱいな・・・
あ、あぁ、なんだ。涙か。
はは、ははは、ははは、
オアシスは、蜃気楼だったみたいだよ。
はははは・・・

続く