今まで経験してきたことの中で、人生観が大きく変わったできごとと言えば、一つは子供を授かったことで、もう一つは箱(正式名称は「自分の小さな「箱」から脱出する方法」)を読んだことでした。
で、まだ確信はできないけど、iPhoneアプリを販売したことは、もしかすると三つ目としてそこに加わることになるかもしれないなと、最近感じ始めています。

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おかげさまで、iPhone向け六法アプリのパーフェクト六法は、12月の発売以来、ベレンコ中尉が乗るMiG-25のように、超低空で、かつどっしりと安定した飛行を継続しています。

アプリの販売を始めてからしばらくは、今までの苦労(3か月分の通勤時間と昼休みをほぼ全て捧げた)がようやく形になったな、としか感じていなかったのですが、リリースから2ヶ月以上経過し、新しい言語と開発環境に戸惑いながらコーディングに勤しんでいた日々が過去のものになっていくにつれ、少しずつ売り上げを見る感覚が変わってきたことに気づきました。目の前にある売り上げと開発の苦労とが、次第に結びつかなくなってきたのです。
いや、もっと率直な言い方をすると、「アプリが売れた」というより、毎日夜8時になるとお金が補充される口座を手に入れたように感じてならないのです。

もちろん、潜在顧客の絶対数が多くないことに加え、アプリ自身の癖が強めであることも影響してか、売り上げ金額自体は微々たるものではあります。
それでも、いままで経験したことの無い「費やした時間から切り離された収入」ってやつは、今まで基本的には時給・月給ベースでの収入しか得てこなかった僕にはかなりインパクトが大きいものであることに違いはありません。
ちょっと大げさですけど、まるで、今まで気にも留めていなかったドアを開けてみたら、その先にはまったくの別世界が広がっていた、といった感覚です。

たった数百円のアプリが、人の考え方や、もしかすると生き方にまで影響を及ぼすことになるなんて思いもしていなかったので、今はただ、ひとごとのようにおもしろがってこの状況を眺めているだけですが、今年の年末、毎年恒例の「今年書いたエントリーを読み返す」という作業をした時に、この経験が「そういえば、”三つ目”として加わってる!」なんてことになってたらいいな、なんて思った昼休みでした。

ではでは。