法務の業務に占める契約審査業務の割合はかなり多めであることが多く、ここを効率化することが法務の業務効率化の第一歩です。(企業法務の実態調査(2022年6月実施))では、「法務業務で最も時間がかかっている業務を教えてください」という質問に対して41%もの方が契約関連と回答しているようです)
そこで、ここまでの一人Advent Calendarのエントリーとは少し毛色を変えて、契約書のドラフティングを少しでも早くするためのTipsをまとめてみることにしました。
こういうのも有効だよ、みたいなTipsがあったらぜひおしえて下さい。そしてみんなで楽をしましょう。
BoostDraftを使う
そこで、ここまでの一人Advent Calendarのエントリーとは少し毛色を変えて、契約書のドラフティングを少しでも早くするためのTipsをまとめてみることにしました。
こういうのも有効だよ、みたいなTipsがあったらぜひおしえて下さい。そしてみんなで楽をしましょう。
ショートカットキーでカーソル操作をする
概要
修飾キー(CtrlとかAltとか)と特定のキーとの組み合わせに、カーソルの移動、バックスペース、デリート、改行等のよくある操作を割り当てるやり方
AutoHotKeyを使う
- 無変換を修飾キーにすることも可能で幅が広がる
- 安定している
- 高機能過ぎてセキュリティインシデントの原因になることもあり、禁止アプリ指定を受けがち
- GUIがないのでとっつきづらい
PowerToyesを使う
- GUIが用意されているので誰でもかんたんに使い始められる
- Microsoft製なのでインストール許可を取りやすい&安心感
- 不安定(特に早く入力しすぎると取りこぼしてしまう挙動が痛い)
- 設定の自由度が低い
Macを使う
- OSレベルでショートカットキーがサポートされているので安心安定
- Mac版WordはBoostDraftを使えない(致命的)
メモ
- Windowsの場合はアプリケーション側で割り振られてしまっているショートカットキーと衝突するのを防ぐためにAltを操作系ショートカットキーにするのがおすすめ。
- なぜか日本語キーボードの一等地にあるCapsLockをAltに、無変換をCtrlにするとちょうどいい
Wordのよく使う機能に、使いやすいショートカットキーを設定する
やり方
- ファイル→オプション→リボンのユーザー設定、という謎に深い階層にある「ショートカットキー:ユーザー設定」からよく使う機能のショートカットキーを設定/変更する。
- Ctrl+Alt+Num+(テンキーの+キー)を押してからリボン上の機能を選択すると、その機能のショートカットキー設定に飛べるので、それも上記では機能を探せないときは便利です。
メモ
- 設定しても使わないと無意味&ショートカットキー設定は必ず忘れてしまうものなので、体で覚えるまではすぐ参照できるメモに設定したショートカットキーを書き留めておきましょう
- 「NextChangeOrComment(次の修正履歴かコメントの場所に移動」「RepeatFind(検索がヒットした次の場所に移動)」あたりは高頻度で使うと思うので、大抵の人は設定しておくと便利になると思いますが、基本は「よく使う(押す)機能にショートカットキーを設定する」ということです。たまにしか使わない機能なら、リボンから起動してもそんなに手間は変わらないですからね。
- マクロを使えるようになると、蛍光ペン(ハイライト)を消すとか、変更履歴表示のON/OFFや最終版と初版を切り替える、みたいな操作にもショートカットキーを設定できるようになりますが、そのためにわざわざ覚えるのはちょっとコスパが悪いかもしれないので、まずはCtrl+Alt+Num+から始めましょう。
アウトライン設定が仕込まれたテンプレートを使う
概要
- 条文タイトル、項・号の書式設定がアウトラインとして仕込まれたテンプレートを使って契約書を書く。
- アウトライン設定によって、タブ/shift+タブで条文タイトル⇔1項のみ⇔複数項あり⇔号の書式を行き来でき、インデント設定の煩わしさから開放される
やり方
- Wordのアウトライン設定から書式を仕込んだファイルをテンプレートとして使う。
- 自分で作るのがめんどくさい方はサンプルはこちらからどうぞ
クリップボード履歴管理ツールを使う
概要
クリップボード履歴(コピーの履歴)を管理できるツールを使って、コピーの回数を減らすやり方
Windows標準機能(Winキー+v)
- 標準機能なのでインストール不要で誰でも使える
- 書式も保持する
- 順序の入れ替えができない
- 保持してくれる件数が少ない&増やせない
- 再起動すると消える
Cliborなどの外部ツール
- 大量に保持可能
- 使うと上に移動させることができるので、よくペーストするものが消えない
- たいていスニペット管理もついてくる
BoostDraftを使う
概要
- BoostDraftを使う
やり方
- BoostDraftを使う
メモ
- えっ?BoostDraft使わずに、契約書ドラフティングの効率化をするとか、優先順位おかしくないっすか?
短縮読みの単語登録をたくさん入れる
概要
- 短縮読みの単語登録に契約書でよく使う言い回し(”(以下、「”と、”」という。)”のセットとか)を短縮読みのカテゴリで登録する
メモ
- ショートカットと同じで使わなければ意味がないので、高頻度で書くものを登録することが第一です。
- また、暴発を防ぐために短縮読み用のプレフィックス記号とセットで登録したり、ローマ字入力の方はアルファベットを読みにして登録するのもおすすめです。僕の場合は「?」をつけて登録してます(”?いか”とか)
番外編:入力方式をローマ字から効率的な方式に変える
概要
- ローマ字入力は覚えやすいこととどのPCでも使える以外にはほとんどメリットがない非効率な入力方式なので、より効率的な入力方式に切り替える。
メモ
- 僕の場合は新下駄という方式に去年の夏頃から切り替えているんだけど、まだローマ字より早く打てるようにはなってはいない。習得にめちゃくちゃ時間がかかっているので人にはおすすめし辛いんだけど、打鍵速度の限界(僕の場合は30秒で110打鍵くらい)で頭打ちになってしまっていたローマ字入力より、伸びしろは圧倒的に大きい実感はある。
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