日々漫然と業務をしてしまうことのないよう、法務としても提供価値に着目して業務にあたろうという話を聞くことがままあるのですが、誰に対して価値を提供しようとするのかで話が噛み合わないことってあるよね、という話を書きます。
1段階目は、手続の充足
2段階目は、安心
3段階目は、壁打ち
そして、この段階は移行するものではなく、上に積み重なるものです。段階が進めば要求も高くなっていくイメージですね。
かお、この3段階は、法務だけがどうこうという話ではなく、依頼者と法務の信頼関係や依頼者側の意識に大きく左右されるので、進んだ段階にあるから偉い、みたいなものではなく、段階に合った価値提供をしないと空振りになっちゃうよという話でしかないということは初めにお断りしておきます。
では、それぞれの段階について少し詳しく見ていきましょう。
この段階では、依頼者に対して最も効くのはスピードとシンプルな結論です。多少杜撰な回答でも早い方が喜ばれますし、条件が端折られて正確性を欠く場合でもシンプルでわかりやすい結論の方が評価されます。
この段階では「法務としてそれでいいのか」みたいなことを言ってもあまり意味はありませんし、だからといって、これを法務の仕事だととして身につけてしまうとより進んだ段階にある場所では使い物にならない人材になってしまうのが怖いところです。
ここから実質的な存在意義が生まれ始め、法務に見せることが必須でない場合にも声がかかるようになります。
この段階では、依然としてスピードが最重要ですが、それに加えて具体的で現実的な代替案を出せることも大切になってきます。「ここが問題です」で終わったら安心を買えませんし、ゼロリスクのために相手に受け入れられることがなさそうな代案を出して、あとは事業部の判断で、と返すだけのも同様です。
この段階では、法務の知見を活用して、依頼者が実現したいことを実現できるサポートができるか、依頼者にその効果を実感させられるかがポイントになります。
「法務に相談することじゃないとは思うんだけど」から始まる相談(書面の提出場所ってどこでしたっけ?みたいな質問ではなく)が来るようになったらこの段階に到達している可能性があります。
この要素を重視する経営者に対しては、当然ながら事業部門の負荷をどれだけ軽減できたかが意味を持ちます。
それは法務の仕事ではありません、といって仕事を仕分けていると、たとえそれが正論でも無能者の烙印を押されかねないので注意が必要です。
法務は、適切に機能していると管理部門の中では最も事業に関する情報が集まることに加え、当事者ではないので報告がねじ曲がったり隠蔽される恐れが小さいことから、「あれどうなった?」を聞く先として便利というわけです。
この要素を重視する経営者に対しては、実際に法務に情報が集まっていることと、それが部門長に適切に集約されていることが重要です。他方で、それができているからこの機能を期待されるという面もあるのでニワトリと卵みたいな面はあるわけですが。
他方で、いろいろな方にお話を聞いても、大抵は「経営者が法務に期待するのはリスクマネージメントである」という回答が返ってくるのもまた事実なので、ここはがんばるしかないんでしょうね。
こんなことあるんでしょうかと思いますが、他社の法務の方のお話を聞くとそうとしか考えられない、みたいなケースは実際あるのが怖いところですね。現代の怪談です。
依頼者への価値提供
依頼者が法務に求める価値には大体3つくらいの段階があると思っています。1段階目は、手続の充足
2段階目は、安心
3段階目は、壁打ち
そして、この段階は移行するものではなく、上に積み重なるものです。段階が進めば要求も高くなっていくイメージですね。
かお、この3段階は、法務だけがどうこうという話ではなく、依頼者と法務の信頼関係や依頼者側の意識に大きく左右されるので、進んだ段階にあるから偉い、みたいなものではなく、段階に合った価値提供をしないと空振りになっちゃうよという話でしかないということは初めにお断りしておきます。
では、それぞれの段階について少し詳しく見ていきましょう。
手続の充足
法務に見せないと契約を締結できない、上司から「法務の意見を聞け」といわれた、みたいなルールや指示を充足することが依頼者の目的となっている段階です。この段階では、依頼者に対して最も効くのはスピードとシンプルな結論です。多少杜撰な回答でも早い方が喜ばれますし、条件が端折られて正確性を欠く場合でもシンプルでわかりやすい結論の方が評価されます。
この段階では「法務としてそれでいいのか」みたいなことを言ってもあまり意味はありませんし、だからといって、これを法務の仕事だととして身につけてしまうとより進んだ段階にある場所では使い物にならない人材になってしまうのが怖いところです。
安心
よくわからない法的な判断や契約書の記載について、法務に見せることで安心したいという段階です。ここから実質的な存在意義が生まれ始め、法務に見せることが必須でない場合にも声がかかるようになります。
この段階では、依然としてスピードが最重要ですが、それに加えて具体的で現実的な代替案を出せることも大切になってきます。「ここが問題です」で終わったら安心を買えませんし、ゼロリスクのために相手に受け入れられることがなさそうな代案を出して、あとは事業部の判断で、と返すだけのも同様です。
壁打ち
依頼者がより良い結論に辿り着くための検討パートナーになる段階です。この段階では、法務の知見を活用して、依頼者が実現したいことを実現できるサポートができるか、依頼者にその効果を実感させられるかがポイントになります。
「法務に相談することじゃないとは思うんだけど」から始まる相談(書面の提出場所ってどこでしたっけ?みたいな質問ではなく)が来るようになったらこの段階に到達している可能性があります。
経営者に対する価値提供
経営者との関係では徐々にレベルアップする段階ではなく、以下のような要素の組み合わせというイメージを持っています。事業部門の負荷軽減
捺印や契約書チェックのような瑣事から事業部門を解放することを求めているパターンです。この要素を重視する経営者に対しては、当然ながら事業部門の負荷をどれだけ軽減できたかが意味を持ちます。
それは法務の仕事ではありません、といって仕事を仕分けていると、たとえそれが正論でも無能者の烙印を押されかねないので注意が必要です。
情報のハブ
法務に聞けば事業部門の情報が大体わかる、という状態に利便性を感じてくれるパターンです。法務は、適切に機能していると管理部門の中では最も事業に関する情報が集まることに加え、当事者ではないので報告がねじ曲がったり隠蔽される恐れが小さいことから、「あれどうなった?」を聞く先として便利というわけです。
この要素を重視する経営者に対しては、実際に法務に情報が集まっていることと、それが部門長に適切に集約されていることが重要です。他方で、それができているからこの機能を期待されるという面もあるのでニワトリと卵みたいな面はあるわけですが。
全社のリスクマネージメント
法務が本来果たすべき機能を正しく期待してもらえている幸せなパターンではあります。ただ、契約書をチェックしたり訴訟に対応したり取締役会事務局を運営するだけではほぼこの機能を発揮することはできないのも辛いところです。他方で、いろいろな方にお話を聞いても、大抵は「経営者が法務に期待するのはリスクマネージメントである」という回答が返ってくるのもまた事実なので、ここはがんばるしかないんでしょうね。
【番外編】何も期待してない
なんとなくうちもそろそろ、とか、面接にたまたまそれっぽい人が来たから、みたいな理由で法務が設置され、それ故に特になんの期待もされていないというパターンです。こんなことあるんでしょうかと思いますが、他社の法務の方のお話を聞くとそうとしか考えられない、みたいなケースは実際あるのが怖いところですね。現代の怪談です。
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