今までそんなに多くの人とお付き合いしたことがあるわけじゃないけれど、奥さん以外の人に「愛している」と言ったことは、ない。

別にのろけているわけじゃなくて、それは単に「愛している」というのがどんなことを指しているのか僕にはわからなかったからという、それだけのことです。

周りを見渡すと、彼氏が彼女に、母親が娘に、大学教授が愛人に、負け犬が飼い猫に、いろんな人がいろんな場面で「愛してるよ」とほざ言っている。
で、そんな光景を目にするたびに、10代の僕は、「愛してるってどんな意味なんだろう」なんてかわいい悩みを抱え込んでしまっていたわけです。
でも、そんな状態は、ある日ぽっと浮かんだ思いつきのおかげで唐突に解消されました。

「意味がわかんないなら、自分で定義しちゃえばいいじゃん」
eureka!


そして、三日ほど考えて、僕は「愛している」を、こう定義付けました。
「世界中のすべてを敵に回すことになったとしても、その人の味方でいられるか」

それから、僕は当時付き合っていた今の奥さんに「愛しているよ」と言えるようになりました。そろそろ一歳の誕生日を迎える娘にも、言えます。
でも、それ以外の人や物に対しては、ちょっと言えない。絶妙なバランスです。

そして、この定義付けは、「愛していると言えるかどうか」というささいな問題を飛び越えて、奥さんと結婚するにあたって僕の両親との間に深くて広い亀裂が生じた時に、僕に大きな力を与えてくれました。

自分が大切にしたいものがすべて手に入らない。
そして、できるだけすばやく、できるだけ的確に取捨選択をする必要がある。
そんなときに、僕は「何を犠牲にしても奥さんの味方になる」という明確な意志を持っていたおかげで、後悔しない決断を下すことができたわけです。

なんか、パチンコ攻略雑誌の裏表紙に載ってる「幸せを呼ぶ石」の宣伝文句みたいになっちゃったけど、ま、いっか。

さぁ、みんなも早く「愛している」の定義付けをしよう。
そうすれば、明日から女の子にもてもて、ギャンブルでうはうは、背だってぐんぐん伸びる奇跡のアイテムだ。
しかも、今なら、先着1000万名様に、「お金がざくざくたまる白蛇の財布」と「寝ているだけでなんでも記憶できる魔法の枕」をプレゼントしちゃうよ!


・・・って
どうでもいいこと(そして企業法務と何の関係も無いこと)を長々と書いてるけど、最後まで読んでくれる人はいるんだろうか・・・