昨日のエントリーでも触れたZONEで、レース直前、田部調教師は、パドックの五十嵐騎手に「ダイワメジャーの後ろにつけて、バルクを落ち着かせろ」と指示していた。
番組では「秘策を授けた」なんて言ってたけど、これは当然前もって打ち合わせが済んでいた内容だと思う。つまり、要は既定事項を確認しただけなんだろうけど、これは、すごく重要なことだと思う。

努力を積み重ねていざ本番という緊張状態の時に「がんばれ」とか「ベストを尽くせ」なんてコトバには1mgの価値もない。そんなものは物理的に鼓膜を振動させるだけで、脳にはほとんど残らない。だって、そんな極限状態のときに、抽象的で形式的なコトバにまじめに応答してる余裕なんてないはずだから。
そんなときには田部調教師がしたように、具体的で、重要で、基本的なことを再確認するの方がずっと意味があると思う。

受験を前にした子供には「試験が始まったら、まず名前と受験番号をゆっくり確実に書こう」、とか。
重要なプレゼンを前にした同僚には「出席者一人一人の顔を見ながら話そう」、とか。
初めてデートをするモテナイ友人には「相手の『いいな』って思うところは口に出してほめるんだよ」、とか。
甲子園初出場の一番バッターには「一球目は思いっきり空振りしてこい」、とか。

相手の成功を真剣に願っているのであれば、「がんばれ」なんていう抽象的で無責任なコトバは出てこないんじゃないだろうか。
だから、少なくとも僕は、大切な人に「がんばれ」とは言わない。
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット

トラックバック